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link JL7KHN/ミヤギKI529のブログ JL7KHN/ミヤギKI529のブログ (2024/5/19 7:35:22)

feed デジアナエンジニアが遊ぶNTS115A、その3 (2023/10/11 22:14:52)

■違和感ある音

SR-01の時もそうでしたが、受信音が昭和の名機達とはちょっと違うな、と感じられた方が多いと思います。

私もその一人。


NTS-115も、殆どの方が外部SP有りで使われており、正直、「え〜、何で?」と思ってました。

が、今回は届いて1発目に電源入れて、すぐに違和感を覚えました。


慣れ、と言ってしまえばそれで終わりなので、ちょっと深堀りしてみました。



■受信音のf特

技適化する時に、割と大事にするのが「受信音」。

耳障りなノイズをカットすべく安易にローパスフィルターを入れると倍音が無くなり、特に〜700Hz程度でカットしてしまうと、 ノイズは小さくなりますが、いわゆる「鼻詰まり声」になります。


これは、「あ」→「は」、「う」→「ぷ」の様に、母音と子音の区別が付き難くなるからです。


適度に倍音を入れることで明瞭度は向上しますが、倍音が有り過ぎてもノイズとのバランスが悪くなり、聴き取り辛くなります。



■定量化実験

具体的に分かるように実験してみました。
やり方は、ICB-880Tにファンジェネで変調をかけ、受信音をジンバルにつけたスマホのスペクトラムアナライザにて、NTS-115とKI-707を比べてみます。

↓707は受信音がノーマルの707とはだいぶ異なります。

↓送信はこちら

これで変調周波数毎の受信音レベルとスペクトラムをひたすらデータに取っていきます。

↓変調周波数は500-2kHzをステップ刻んで入力


■着目ポイント
データが膨大にあるので、ポイントを絞ります。
1.6kHzの変調周波数時の受信音スペクトラムです。

↓NTS-115
↓KI-707
これを見ると倍音特性が、綺麗に115は延びてます。

一方、707はちょっとデータ取りを失敗しましたが、2次高調波が落ちてます。


ついでにお手本的リグ、IC-705は
お見事。DSPだけに、帯域フィルタでズバッと切れてます。


705は蛇足でしたが、明瞭度を上げるには3-5倍音が比較的重要で、逆に2倍波はノイズの周波数になるので落ちているほうがS/Nが良く聞こえます。

これらの結果だけではちょっと説明不足では有りますが、115の聞きにくさは
・スピーカー特性と筐体共振特性含めたf特に少し課題感がある
と思います。

恐らくですが、かなり薄く、マグネットの軽いスピーカーを使っていると思われます。
スピーカーを変え、アンプまでの歪みを小さく、簡単なAFフィルタを入れることで、多分改善するのでは無いでしょうか?

↓自作のスピーカーボックス。
その昔、オーディオブーム時代に実にたくさんのスピーカーを自作しました。その時のノウハウも実は入ってます。

「高感度」な機種であるからこそ、最後のAF特性まで拘って、吊るしで使えるリグにして欲しいと言うのが、私のわがままなのでした。


(後記)
送信は、880では無く、完璧な変調が常に一定にかかるSGでやるべきでした。反省。


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