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feed アンテナアナライザー リメイク! (2023/10/17 14:46:10)
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思えば、アンテナアナライザーの 検討を始めたのが2010年 http://blog.toshnet.com/article/34801969.html )、カラーグラフィック液晶を使って 何とか形になったのが2016年 http://blog.toshnet.com/article/175736831.html) 、表示をOLEDにして小型化した現行のものを 頒布品として投入したのが2019年 http://blog.toshnet.com/article/186014752.html
10年以上もアンテナアナライザーを色々チマチマ とやっているなあと自分ながら驚いています。

現行(既にこの2年頒布は殆どしていない)のアンテナアナライザーの頒布を始めたのが2019年でしたから、それから既に4年も経過してしまいました。
このアナライザーは、一応99MHzまで測定可能(実質50MHz帯まで)としていましたが、144MHzや430MHzのアンテナも作ったりしているので、 430MHzが測れるものを作ってみたい と思っていました。
一方で、GHzまで測れるnanoVNAも販売されたりし始めていたので、もう需要もないかなと思いつつ、検討が延び延びになってしまっていました。
しかし、nanoVNAは優れものではあるのですが、アンテナの共振などを測るだけには操作が面倒であるのも事実です。
個人的技術的興味からも430MHz対応は作ってみたいと思い、検討して最初のプロト基板を作ったのが2022年4月でした。
プロト基板で試作してみたものの、144MHzは何とかレベルではあったのですが、430MHzは全くダメで、モチベーションが下がって、ほったらかしになってしまいました。
そうした中で、2022年(昨年)のハムフェア、関ハムにおいて、以前に現行モデルを購入いただいた何人かの局長さんから、次のは出ないの?というご要望をいただき、やっぱり頑張ってみようという気になり、次の基板を試作したのが今年(2023年)4月でした。1年もほおってた(汗;
しかし、これも少しは良くなったものの430MHzは今一つで、イベントに追われてこれも中途半端になっていました。
今年のハムフェアでは、昨年にも増して、
多くの局長さんから次のモデルはまだ出ないの?! というご要望をいただき、何とか今年こそはと、今年の最終イベント(北海道ハムフェア)が終わってから、 再度検討を開始 しました。

集中してやったかいもあり、何とか430MHzでもアンテナの共振周波数、SWRが見えるようになりました。
ここまでのデータの整理と備忘録として纏めてみました。

基板は、4月バージョンを手改造しながらです。

IMG_3591.JPG
左から、現行基板、2022/4基板、2023/4月基板

IMG_3552.JPG
現行のOLEDでの検討状況

何とか、430MHzが見てきたので、今回モデルは表示をOLEDから カラー液晶 にしようと手配線で接続して、検討を続けてきました。

IMG_3618.JPG   

現行モデルは、バンド切り替え、センター周波数可変、スイープ幅可変をアップ/ダウンボタンでやっていましたが、操作性として今一つの所もあったので、 アップ/ダウンは、ロータリースイッチで選択 できるようにして、ボタンには、 バンド切替 センター周波数 バンド幅 専用ボタン として、それらを押して選んで、ロータリーエンコーダーで変えるという直感的に使えるように変更しました。

IMG_3593.JPG
右のつまみがロータリーエンコーダー

電源立ち上げで、バンド選択画面になります。

IMG_3592.JPG

ロータリエンコーダーを回してバンドを選択し、つまみを押すとスキャンします。
スキャンした測定値は、グラフィカルに表示されます。

IMG_3590.JPG

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144MHzと430MHzのの測定性能を、ダイヤモンド製の親指アンテナを接続して測った様子です。

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144MHz           430MHz

本当にちゃんと測れているのか、中華製ですが違うアンテナを測ってみました。

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長さが長いので帯域が広く測定されています。144MHzは普通ですが、430MHzは広帯域を狙っているのか、歪な形になっています。
違いが測定できているので、何とか使えるだろうと判断しました。

元々、現行モデルも簡易型アンテナアナライザーとしているのですが、今回のも同様な考え方で、 簡単に共振周波数やSWRの目安を測れるもの と考えています。
特に、 430MHz は、リターンロスの測定が-20dB程度が限界となったので、VSWR値だと 1.2以下は測れません
(測定値として1.1とか出ることはありますが、不正確)
また表示は、現行モデルで SWR3以下をもっと拡大して見れるようにして欲しいという要望 が比較的多くあったので、3以下と3以上でグラフの傾きを変えて、3以下を拡大しています。
逆に、3の所から急に変化して折れ線グラフになり歪な感じもしているのですが。

HF帯はどうなのかということで、自作のGAWANT(7~50MHz)もどきを接続して測定してみました。

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7MHz          測定帯域を広げて測定

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14MHz          50MHz

各バンドでのダミーロードでの測定が正しく行われ、表示されているかの確認も実施しました。
使用したダミーロード
50Ω  既製品  2GHzまでの性能確認済 
75Ω  自作品  500MHzまでの性能確認済
100Ω 自作品 500MHzまでの性能確認済
150Ω 自作品 500MHzまでの性能確認済

<430MHz>
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50Ω:性能限界で1.2が最低 75Ω:ほぼ1.5

IMG_3631.JPG     IMG_3630.JPG
100Ω:ほぼ2.0       150Ω:ほぼ3.0

<144MHz>
IMG_3636.JPG     IMG_3635.JPG
50Ω:1.0           75Ω:ほぼ1.5

IMG_3637.JPG     IMG_3638.JPG
150Ω:ほぼ2.0        150Ω:ほぼ3.0

<1.9MHz>
IMG_3642.JPG     IMG_3641.JPG
50Ω:ほぼ1.0(でこぼこ有)  75Ω:ほぼ1.5

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100Ω:ほぼ2.0         150Ω:ほぼ3.0

ダミーロードでの測定は、各バンド共に帯域1MHzで測定しています。
本機は、自動校正モード(校正スタートで校正)を搭載しており、バンド毎に校正値で補正をかけていますが、HFは大きな問題はないものの、144と430では、中心から外れた周波数では誤差が発生します。

<144MHz 帯域±50MHz>
IMG_3644.JPG     IMG_3645.JPG
75Ω時 ±0.1程度       100Ω時 ±0.2程度

<430MHz 帯域±50MHz>
IMG_3646.JPG     IMG_3647.JPG
75Ω時 ±0.2程度       100Ω時 ±0.3程度

周波数が高いほうが、VSWR値としてよくなる傾向です。
測りたい周波数から50MHz離れた周波数であり、市販のSWR計でも機器を変えればこのくらいの差が出ることはありますので、実用上問題はないと判断しました。
目的は、ハムバンドでのVSWRの最低点の周波数と値ですので!(値も目安ですが)

あと、本機は、測定目的周波数を10.7MHzに変換して測定していますので、10.7MHz付近(約±100KHz)の測定はできません。10MHz帯は低い方なので、何とか測定可能でした。

こんな感じですが、一応  1MHz~480MHzまでの帯域で各ハムバンド最大±50MHzの幅 までの共振周波数、VSWRの値をグラフィカルに測定することができる簡易型アンテナアナライザーの 目途が立ちました
現状をベースに、基板の改定、ソフトウェアの詰めが残っていますが、また少しずつピッチを上げて進めたいと思います。
組立毎のバラツキも、次以降の基板で確認することになります(汗;





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