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<1アマ国試の合格率は3年ぶりに30%台を回復、4アマ新規取得者は13,195名>総務省、令和4年度末の「資格別 無線従事者免許取得者数の推移」を公表 (2024/2/9 12:05:45)
総務省は昨秋、「情報通信統計データベース」で令和4年度末(2023年3月31日現在)における「資格別 無線従事者免許取得者数の推移」などの統計を発表した。それによるとアマチュア無線技士の有資格者総数は昨年度から21,114名増加の3,558,305名で、うち88.95%を第四級アマチュア無線技士(4アマ)が占めている。また令和3年度の4アマの新規免許取得者は13,195名と令和2年度よりも13,195名増加した(増加率は前年比117%)。さらに令和4年度の第一級アマチュア無線技士国家試験の「合格率」は31.2%と前年よりも1.9ポイント増加し、3年ぶりに30%台を回復した。なお同統計は資格を複数所有する場合もそれぞれの保有資格でカウントされている。
今回発表された統計では、平成25(2013)年度から令和4(2022年)年度まで、各級アマチュア無線従事者の資格別有資格者数も公表されている。令和4年度のデータを見ると、第一級アマチュア無線技士はアマチュア資格全体の0.99%にあたる35,146名。第ニ級アマチュア無線技士は2.41%にあたる85,869名、第三級アマチュア無線技士は7.65%にあたる272,163名。第四級アマチュア無線技士は88.95%にあたる3,165,127名となっている。
●令和4(2022)年度における4つのアマチュア無線技士資格の割合
各級アマチュア無線技士の前年度からの“増加率”に注目すると、第一級アマチュア無線技士は令和3(2021)年度よりも1.29%(+448名)の増加で、増加率は前年よりも0.23ポイント改善した。
第二級アマチュア無線技士は同1.44%(+1,219名)で増加率は前年よりも0.04ポイント改善。第三級アマチュア無線技士は同2.35%(+6,252名)で増加率は前年よりも0.11ポイント改善した。また第四級アマチュア無線技士の増加率は同0.41%(+13,195名)と、0.06ポイント改善した。
●平成19(2007)年度から令和4(2022)年度までの資格別有資格者数
●第一級アマチュア無線技士から第四級アマチュア無線技士数の推移(2006~2022年度)
●第四級を除いた第一級アマチュア無線技士から第三級アマチュア無線技士数の推移(2006~2022年度)
●各級の取得者数の推移(JJ1WTL 本林氏作成のグラフより)
●電話級アマ/4アマの年度ごと増加数(JJ1WTL 本林氏作成のグラフより)
なお総務省は令和4年度の「無線従事者試験の実施結果」「養成課程の実施状況」も同時に公開している。
「無線従事者試験の実施結果」によると、令和4(2022)年度の1アマ国家試験の合格率は31.2%(合格者389名)となっている。これは前年度よりも合格率で1.9ポイント改善、しかし合格者は35名減っている。近年で最低の合格率(28.0%)と合格者数(300名)となった令和2年度よりも良化傾向にあるが、まだ従来水準には達していない。
ちなみに最近の1アマ国試合格率は次のとおり(無線従事者免許証の申請をしなかった合格者がいるためか、毎年、資格別有資格者数の増加数と国試合格者数で若干の食い違いが発生している)。またキューシーキュー企画作成のグラフを見ると、平成28(2016)年度までほぼ40%台半ばだった1アマ国試の合格率が、平成29(2017)年度以降は急激に悪化。受験者も減少の一途(令和2年度はコロナ禍のため4月期が中止)となっていることがわかる。
<最近の1アマ国試合格率と合格者数>
・令和4 (2022)年度→ 合格率:31.2%、合格者:389名
・令和3 (2021)年度→ 合格率:29.3%、合格者:424名
・令和2 (2020)年度→ 合格率:28.0%、合格者:300名(※4月期はコロナ禍で中止)
・令和元(2019)年度→ 合格率:35.3%、合格者:523名
・平成30(2018)年度→ 合格率:42.3%、合格者:670名
・平成29(2017)年度→ 合格率:30.9%、合格者:534名
・平成28(2016)年度→ 合格率:45.9%、合格者:801名
・平成27(2015)年度→ 合格率:43.4%、合格者:719名
・平成26(2014)年度→ 合格率:48.0%、合格者:835名
●平成20年度~令和4年度の1・2アマ国家試験受験状況(キューシーキュー企画作成)
さらに今回公表された統計から、総務省認定の各団体が行ったアマチュア無線技士の養成課程講習会(eラーニング養成課程を含む)により、令和4年度は2アマが768名、3アマが3,024名、4アマが8,161名誕生(養成課程を修了)したことが明らかになった。前年度と比較すると、令和4年度の2アマ修了者は増減なし(前年度と同数)、3アマ修了者は1,346名の大幅減少、4アマ修了者は233名の増加となっている。
また令和4年度は、2アマ従免新規取得者の63.0%、3アマの48.4%、4アマの61.8%が養成課程講習会の修了者が養成課程講習会の修了者ということが読み取れる。2アマ新規取得者に占める養成課程講習会修了者の割合は前年よりも2.4ポイント減少したほか、3アマは26.5ポイントの大幅減少、4アマも8.8ポイント減少している。この背景には令和4年度から本格スタートした3アマと4アマのCBT国家試験が少なからずあると考えられる。
今回発表された統計では、アマチュア無線技士のほか、総合無線通信士や航空無線通信士などプロ資格の従事者資格者数の推移も確認することが可能だ。詳細は下記関連リンク参照。
●関連リンク:
・分野別データ資格・試験(総務省
情報通信統計データベース)
・資格別無線従事者免許取得者数の推移 Excel版(総務省
情報通信統計データベース)
・令和4年度 無線従事者試験の実施結果 Excel版(総務省
情報通信統計データベース)
・令和4年度 養成課程の実施状況 Excel(総務省
情報通信統計データベース)
・2022年度四アマ取得者数(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・無線従事者資格 国家試験情報(キューシーキュー企画)
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