無線ブログ集
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IC-706mk2G 液晶見えない (2024/2/11 14:13:14)
IC-706mk2G 液晶が見えないとのことでお預かりしました。
液晶パネルが見えなくなっています。
ビネガーシンドロームです。
液晶基板を外しました。
液晶パネルの偏光板フィルムが経年劣化により黒くなってしまいます。
この状態になったフィルムからは、お酢の匂いがするためビネガーシンドロームと言われています。
偏光板を剥がして、液晶パネルの洗浄が終わりました。
液晶パネルの接点を洗浄しました。
偏光板を交換しました。
液晶が見えるようになりました。
POWERボタンの反応が悪く、電源が入らない状態になります。
電源ボタン。
電源ボタンを分解して接点を洗浄しました。
反応も復活しました。
測定と調整。
7,10Mhz
出力 100W
スプリアスの状態。
受信感度。
7,10Mhz SSB ー138,0dBm
受信感度スペックシール添付。
1台でHFから430Mhzまでをフルカバー、オールモード運用ができる無線機です。
移動運用、シャックなどの狭いスペースでも最大の性能で楽しめるのが本機の良いところです。
フィールドデーコンテストで使うために持って行っゆこうかなども夢があります。
年々、このような無線機がラインナップから外されてゆくのが寂しいですね。
ビネガーシンドローム。
名前の由来は、画像記録媒体であるマイクロフィルムの劣化から。
博物館の資料、古文書の記録などで最強の永久記録媒体とされていたマイクロフィルム。
期待できる寿命は500年と認定されていました。
長期保存されていたマイクロフィルムを構成するベース素材、トリアセチルセルロース(TAC)が湿気や温度などで科学変化を起こして酢酸化してしまいます。
湿度50%、温度30℃下では約15年ほどでフィルムがベタベタ、酸っぱい匂いを発するように変質し、再生や画像の現像なども不可能になってしまいます。
TACベースのマイクロフィルムでは、永久神話は崩れ去ったというわけです。
酸っぱい匂いを発するフィルム類の致命的な変質がビネガーシンドロームと言われているものです。
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