無線ブログ集
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電波文化祭⚡️サイクル2 (2024/3/24 23:59:00)
2024年3月24日(日)、埼玉県狭山市サンパーク奥富にて開催されたイベントです。
公式Scrapbox に謳われたコンセプト、
「無線家は『消費者』ではなく『開発者』であること
にぐっと惹かれて、初参加して参りました。
午前(A面):出展ブース
会場到着後、最初に伺ったのが、 のびぞう工房さん のブース。3Dプリンタで便利なものを制作・頒布されています。以前、 八重洲ハンディ機用のヘッドセット変換アダプタ(PTTスイッチ付き) を購入した際に、実に丁寧なサポートをしてくださったので、ご挨拶に伺いたいと思っておりました。
POTAや駅前QRVでは、①マイク付きヘッドセットを使いつつ、②無線機本体は高く上げたい、と思うことがあります。ところが、市販のマイク付きヘッドセットは、PTTがケーブルの途中にあることが多く、①PTTスイッチを操作しながら、②無線機本体を高く上げようとすると、①右手でPTTスイッチを操作、②左手で無線機本体を持つ・・・これだけで手が2本埋まってしまいログが書けません。ここで、のびぞう工房さんのヘッドセット変換アダプタ(PTTスイッチ付き)を無線機のベルトクリップあたりにうまく取り付けると、左手だけで①と②が実現でき、空いた右手でログが取れるようになります。
以下は、以前、のびぞう工房さんの変換アダプタを東京駅前での #駅前QRV で使った時の写真です。変換アダプタをベルトクリップに取り付け無線機と一体化しました。
なお、FT5Dのマイク・イヤホンジャックにはゴムが付いていて、ふつうの3.5mmプラグでは自然と抜けてきてしまいます。のびぞう工房さんは この問題に対応した長軸マイクプラグ変換アダプタ を頒布されていますが、私は、 アマゾンで見つけた10cm長の4極ケーブル を使っています。これだけ短いと、マイク・イヤホンジャックにテンションがかかるので抜けてきません。
今回、のびぞうさんに初めてお会いし、FT5Dアダプタのお礼を申し上げ、ICOM用のアタッチメントを購入いたしました。ありがとうございました。
次に拝見したのはJA3VWT/JE1JOM局のマグネチックループアンテナ。100均のフラフープを利用したものです。これでマンション室内から成果をあげていらっしゃいます。自宅のノイズが格段に高い私にとって興味津々でした。同局、実は、我らが JQ1ZOR メンバーだったりします。
さらに他のブースを拝見します。ロッドアンテナでループを構築した無電源ラジオ。目からウロコのアイデア。
昨今話題のサインランプ に、さっそく電波検知回路を組み込んだ作品。スマホの上に置いたサインランプがピコピコ点滅しています。基地局とこんなに頻繁にやりとりしていることが可視化されていました。
他にも意欲的なブースがたくさんありました。ご自分の出展物について熱弁を振るってくださる皆さんとの対話は、とても有意義でした。
午後(B面):ライトニングトーク
ライトニングトークとは、稲妻(ライトニング)のように短い時間で行われるプレゼンテーションのこと。IT業界でよく行われるプレゼン形式のようですが、これをアマチュア無線のイベントに持ち込まれたのは初めての試みではないでしょうか。
12人の演者が次々と登場されます。
みなさん、オリジナリティ溢れるご活躍の様子を次々と紹介されます。しかもお話がうまく、テンポ良く進むので飽きません。
一部の方のトークが、 さやまサークルチャンネル さんのYouTubeで公開されています。
とてもよいフォーマットだと思います。他のアマチュア無線のイベントでも取り入れられるとよいなと思いました。
感想
「電波文化祭」は、昨年のハムフェアの「出展料値上げ」に対抗して企画されたものと伺っています。その出自は、2020年のハムフェアの「中止」に対抗して企画され、私も運営に参加した「バーチャル・ハムフェス」( 2020 2021 )と似ているかもしれません。
そして、それらの場で発見されたことは、
- 無線趣味界には、創造力と意欲に溢れた方々がたくさんいること
- そして、一般のアマチュア無線家も、創造を渇望していること
と、いえるかもしれません。
そして、ハムフェアも変わりつつあります。 相乗効果で、私たちの無線趣味界がもっともっと良くなるとよいと思っています。
電波文化祭の翌朝、発起人の JN1GGZ オオタキさんのツイートに刺激されて私が書いたことを、ここにも貼り付けておきます。素晴らしい企画を立ち上げてくださったオオタキさんに感謝申し上げます。
オオタキさんがLTのトリでも話された事件。耳を疑うがさもありなんと思わざるを得ないことが悲しい。『アマチュア無線のイベントで『客』って誰なんですか!』という魂からの叫び、問いかけが頭から離れない。→
→でも救いは、オオタキさんが『客』を追い出した後のライトニングトーク(LT)。素晴らしかった。沢山の講演者が、自分の『創造』を語り、これらを聴衆が受けて内面化する。午前中のブースでも、請け売りでない『創造』を語る花が、あちらこちらで咲いていた。→
→多くの参加者が、何か心にひっかかるものを持って家路に着く。それは、また来たいと思う気持ちかもしれないし、次回の電波文化祭に出展したいという意気込みかもしれないし、別の場所で『創造』を披露したいと思う心意気かもしれない。昨日のあの場所には、『客』はいなかったと思った。→
→手前味噌で恐縮だが、コロナ禍に開催した「バーチャル・ハムフェス」。あのときも、アマチュア無線界にはこんなにも創造的な人たちが多いんだ、協力してくれる仲間がいるんだと感動した。徹夜の準備も辛くなかった。 『客』ではない、『創造』はアマチュア無線界の宝だと思う。昨日、改めて確信した。
(付録)西武安比奈線廃線跡
電波文化祭で心地よい刺激を受けた当日、その足で、ご近所にある西武安比奈(あひな)線の跡を訪れました。西武新宿線南大塚駅から北西に延び、入間川沿いの旧安比奈駅を結んでいた貨物線でしたが、2017年5月に正式廃止されました。多くの遺構が残されていましたが、最近、撤去が進んでいると聞いていました。
電波文化祭の会場から北に車で15分ほどの 旧安比奈駅付近 。鉄道の遺構は見つけられませんでしたが、ワイヤーアンテナを大々的に展開できそうです。
安比奈駅跡から南大塚駅に向かって、いくつかの遺構を訪ねました。当日のツイートをご覧下さい。次回の電波文化祭の後に、訪れてみてはいかがでしょうか。
(2024-04-14 記)