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feed UV-K5のJARDによるスプリアス測定の結果 (2024/3/24 15:48:13)

UV-K5がどれだけ「あかんやつ」なのか改めて測定してみた

国内の無線機メーカーと同一の測定方法を用いたJARD公式の測定方法を用いた結果を発表

日本国内のアマチュア無線機の「技適」の認証機関としてJARD(一般社団法人 日本アマチュア無線振興協会)があります。
JARDでは、有料で「スプリアス測定」を行っているため、今話題となっている「UV-K5]のスプリアス測定を行ってきました。
さて、結果はどのようになったのでしょうか?

あれ…「あかんやつ」ちゃうの?

現時点では、日本国内メーカーのアマチュア無線機はJARDで技適(工事設計認証)を習得しているので、その測定方法や測定結果については、国内無線機メーカーが受けている測定方法と同一である言えます。
この「測定サービス」は誰でも申し込むことができ、測定結果を受け取ることが出来ます。
詳しいことはJARDにお尋ねいただくとして、さっそく結果を見てみましょう。

▲145MHzで測定したときの近傍のスプリアス測定。

上記の画面は「145MHZ」で測定したときの「近傍」と呼ばれるスペクトラム画面です。
近傍にスプリアス成分は検知されず、この測定項目については技適に 「適合」 という判定が出ました。

▲435MHzで測定したときの近傍のスプリアス測定。

続いて測定したのは「435MHz」での測定です。
こちらの近傍についてもスプリアス成分は検出されず、この項目については技適に 「適合」 という結果になりました。

やっぱ「あかんやつ」だった

近傍の測定が終了したところで、なんとなくですが「もしかしたら、あかんやつ、じゃないのかもしれない」と甘いこと考えていたのですが、測定法を変えてみると「あかんやつ」が本性を現してきたのです。

▲145MHzでの高調波測定

上記の画像は「高調波」の成分を測定しています。
145MHzで測定したものです。
画面左(一番高い黄色の山)に見えるのは「基本波」です。
そしてそこから右側に立っている黄色い線は「高調波」となります。
基本波の隣が「第2高調波」その隣が「第3高調波」と呼ばれていますが、この時点で「第2高調波」の成分が技適の範囲を超えているため、技適 「不適合」 (あかんやつ)という測定結果です。

▲435MHzでの高調波測定

続いて測定周波数を「435MHz」に変更して「高調波」の測定です。
既に145MHzの高調波測定で、技適不適合の結果が出ているので、UV-K5は何らかの処置を行わないと、日本国内ではアマチュア無線機として電波を出すことが出来ませんが、念のため435MHzでも同様に測定を行います。145MHzの時は「第2高調波」の成分が一番高かったのですが、435MHzでは「第3高調波」の成分が一番高く出力されていました。
測定結果は、もちろん「第3高調波」の成分が技適の範囲を超えているため、技適 「不適合」 (あかんやつ)という測定結果です。
「第2高調波」の成分だけ見ても、技適 「不適合」 となります。

自作の「フィルター」(LPF)を使ってみよう

今回の測定結果についてはUV-K5は技適不適合という結果となってしまいましたが、なんとか技適に適合させる方法はないかと言うことで、自作のLPF(ローパスフィルター)を持ち込んで測定に望みます。

上記の画像は、LPFを装着した状態で「145MHz」の高調波成分を測定したものです。
LPFがない時と比べると、明らかに高調波成分が低減されており、この状態であれば技適に 「適合」 という結果です。
LPFを装着して435MHzで測定しても同じように 「適合」 という判定結果となりました。

▲ハンドメイドのLPF(145MHz帯)を装着してスプリアス測定を行う。
▲145MHz同様に435MHzでもハンドメイドのLPFを装着して測定を行う。435MHzだとかなり小型化出来る。
▲通過電力が5W位であれば、LPF(430MHz帯)の大きさはこれくらいで作ることが出来る。

測定結果を表にしてみました

今回の測定結果を表にまとめてみました。
以下のように、LPFを装着しないで測定をすると、145MHz及び435MHzでは技適に不適合となり、アマチュア無線機として使用出来ません。
それに対してLPFを装着すると測定結果は「適合」となるため、スプリアスの項目については、技適の条件を満たすこととなりました。

▲具体的な高調波の値

上記の表で 「不適合」 と表記されているのが、LPFを装着していない状態での測定結果です。
また「適合」と表記されているのがLPF装着時の測定結果となります。

UV-K5(8)の送信周波数帯域

UV-K5(8)の送信周波数帯域も測定していたのでご覧頂きたいとお思います。
最近のSDR機では、送信時の周波数帯域が狭いものが多い用で、迫るギルト相手に対して「変調が浅い」様な感じで伝わってしまうようです。
信号が強くても音声が聞き取りにくいという現象が起きるとのことですが、今回測定したUV-K5(8)の個体は、測定したJARDエンジニアの話では問題なくQSOで使える送信時の周波数帯域ということでした。

▲145MHzでの送信時周波数帯域幅は「8.3421KHz」だった。
▲435MHzでの送信時周波数帯域幅は「8.4399KHz」だった。

まとめ

今回の測定は「技適」の測定であって「工事設計認証」の測定ではありません。
よって、測定結果は「測定を行った個体」での結果であって、UV-K5全ての固定に宛はなると言うことではありませんのでご承知おきください。
もし、ご自分の所有しているUV-K5を日本国内でアマチュア無線機として使用したい場合はJARDでスプリアス測定を行うか、ご自分でスプリアス測定を行って、技適の範囲を満たしていることの証明が必要となります。
また、電波の質とは別に「オフバンド送信」出来ないような処置を施す事も求められますので、ファームウェアの書き換えやその他の方法で対応が求めれれることもあります。

オフショット

今回は、UV-K5を工場出荷時のファームウエアのままJARDで測定を行いました。
そのため、持ち運んでいる途中も電波法違反に抵触するようなことがないように配慮を行い、アンテナは持たずに本体とバッテリーだけの状態でJARDでの測定に臨んでいます。

▲測定が終わった後の熊本ラーメンは旨いっす

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