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link JL7KHN/ミヤギKI529のブログ JL7KHN/ミヤギKI529のブログ (2024/11/22 8:05:29)

feed SR01X完売記念論考、SWRの呪縛 (2024/5/25 23:56:30)

■SR-01X、売れちゃった。

いやぁ~、速攻完売しちゃいましたね。あんな値段でも欲しいと思う方が多い証拠なんでしょう。

多分、入手され次第、SR-01との比較テストをアップされる方もいらっしゃると思いますので、私はそれを待つことにします。

 

 

■SR-01Xに期待されたこと

思い返せば、SR-01の後継機に期待される機能としてはノイズブランカーやアンテナ・チューナー、DSPなどだったかと思います。

 

個人的には「どれも根拠をもって不要」と考えてますが、、、

 

とりあえず、いずれの機能も高性能廉価マイコン潤沢に入手でき、ソフトも比較的容易に組める今でも、それらの機能が追加されることはありませんでした。

 

 

■期待された機能は効果があるのか?

ノイズブランカはNTSシリーズで、DSPは外付けで試されている方が多いので、検証し難いアンテナ・チューナーを考えてみたいと思います。

 

まず、アンテナ・チューナーですが、これを入れることによってアンテナの整合を特定範囲内であれば取ることが出来ますが、その一方で挿入損失が生じます。

 

■CAT-10の挿入損失測定

コメット社製CAT-10はQRP用のマニュアルアンテナチューナーです。

そこそこコンパクトで、アンテナ整合範囲は50-600Ωくらいでワイヤーアンテナにも対応しているものです。実力整合範囲を見ても優秀で、通過損失もほぼゼロと言えるほど優秀な作りをしています。

 

▼ちょっとラフですが、あえて簡易測定器のnanoVNAで測定してみました。



これだけ見ると、 アンテナ・チューナーを追加したことによる損は無い ように見えます。

ただし、これはうまく作ったアンテナチューナだからこその話です。アンテナ・チューナーは作ったときに通過損失をきちんと評価した上で組み込みましょう。ということです。

 

 

■SWRの呪縛

これはアマチュア無線でも言えるのですが、「SWRは1.0じゃなきゃいけない」信者が多い気がします。

大出力の送信所であれば、SWRではなくRLで見ますが、ある意味SWRを1.0にしないと大変なことになります。ただ、送信所に比べたらアマチュア無線やCB程度の出力はゴミみたいなもんです。

 

それでも、、という方はいると思います。

ということで、エクセルでちょっと算数をしてみました。

 

上記は長いエクセルの一部です。

しかしながら、例えばアンテナインピーダンス10Ωの時を見てください。その時のSWR換算値は5.0もあります。

そこから、更に最右列⊿dBは2.55dBです。これは、SWR1.0の時から比較したときの損失です。

約2.5dB低下というのは、かなり軽いSメーターで1つ変わらない程度の差分 です。

 

結局はこんなもんなんですね。

 

 

■NTS-115のインジゲータと、流行っているRF電流計について考える

次に全体像を見て、NTS115のインジゲータとRF電流計での測定値を考えてみます。

 

まずは分かりづらいので、上の表全体をグラフにします。

計算はCBキャリアの500mW、アンテナ正規化数は50Ωです。

これを見れば、

・アンテナインピーダンスが純抵抗のみの50Ωになった時

・すなわち、SWRが1.0の時に、

・アンテナへ供給される電力は最大となる

ことがわかります。

 

ただし、このグラフはあえて理解し易い様に横軸を真数表示にしています。

すると、「アンテナインピーダンスは低くなる方がシビア」に見えます。

具体的には、理想50Ωに対し、25Ωまで下がるとSWRは2.0、逆に上は100Ωまで上がると2.0です。

(これは、半減と2倍の関係なのですけどね。対数グラフにするとスッキリします)

 

次に、インジゲータが表示している給電点の検出電圧をプロットします。

するとどうでしょう。

SWRが1.0以上になるはずのアンテナインピーダンスが高い領域でインジゲーターが高く振れることになります。

 

更にわかりやすくしてみます。

上のグラフでは給電点電圧が5Vの時が、アンテナインピーダンス50Ωです。その時のRF電流理論値は100mAとなります。

つまり、RF電流は振れるとインジゲータは下がる・・・。

 

ちょっと難しくなってきましたね。。。

 

 

 

今日はこの辺にしますが、

インジゲータが振れば良いわけでも無ければ、RF電流が高ければ良いというわけでも無い。

ただし、 アンテナの状態が「短縮単一アンテナとして動作する」比較的良好状態であれば、給電点近くの電流が最大となるのがマッチング回路含めてエレメントが共振状態に近い と言えるということになります。

 

こっちは、インジゲータの呪縛でもあるんですね。

 


今回の記事では、全く本質のところへ辿り着けませんでしたが、 いずれにせよ、CBの世界は全然単純では無く、想像以上に複雑なメカニズムで動作しています。

キレイな純抵抗50Ωなんて無いんですね。

 


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