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feed 【全文掲載】<アマチュア無線界の課題解決のため、取り組むべき施策>アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)が「第1次報告書」を公表 (2024/6/5 11:30:13)

日本のアマチュア無線界は深刻な局数減少と高齢化が続き、メーカーや無線ショップの廃業も相次いでいる。その一方で次代を担う若年層の入門者は非常に少ない(若者の無線離れ)というのが現状だ。一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)、日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)、CQ出版株式会社の4者はこの状況に危機感を持ち、現状を改善して “アマチュア無線の継続的発展”に向けた具体的取り組みと協力体制を検討するため2023年12月に「アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)」を設け、定期的に検討会を行っている。このほど同会議が「第1次報告書」をとりまとめ、2024年6月4日に公表した。

 

 

JARL、JARD、JAIA、CQ出版社の首脳陣が出席し毎月開催されている「SD会議」の開催風景(JARL Webより)

 

 

 SD会議は2023年12月の発足以降、アマチュア無線界の現状を認識した上で、世代別に具体的なアプローチの方法を検討するため、8回の会合とオンライン会議で議論を進めている。さらに今春には、教員、高校生、大学生、20代社会人、中堅社会人など10数名に合計6時間以上のインタビューを行い、若年層の意識や考えと共にアマチュア無線界に対する要望の把握に努めたという。これらの結果をふまえ、このほど全9ページの「第一次報告書」を公表した。構成は以下のとおり。

 

1.アマチュア無線界のビジョン
2.取り組むべき課題
 2.1 世代別の施策
  2.1.1 無線愛好家の裾野となる層(小中高生)にむけて
  2.1.2 次世代を担う若年層(大学生から30代)にむけて
  2.1.3 社会の中核を担う中高年層(カムバックハムを含む)にむけて
  2.1.4 健康で豊かな人生を望んでいる高齢者層にむけて
 2.2 世代に共通する施策
  2.2.1 アマチュア無線の社会的認知度向上
  2.2.2 趣味としての魅力・エキサイティング性の向上
  2.2.3 経済的に興味を追求できる環境整備
  2.2.4 技術・技能・関連知識の向上に資する施策
  2.2.5 社会貢献の実施体制の整備
  2.2.6 アマチュア無線の効果的活用・適正運用の改善
3.今後の予定

 

 報告書は冒頭で、“アマチュア無線界のビジョン” を「アマチュア無線界は、電波を駆使した技術・能力の向上、同好者とのコミュニケーションによるグローバルな交流(国際親善)、人材育成・社会貢献に寄与し人生を豊かにする趣味としてのアマチュア無線の魅力・価値を一層高めるとともに、これらの活動に適した環境の整備にたゆまず努め、無線愛好家の活動とアマチュア無線の魅力・価値が広く社会に認知されることを目指す」とした上で、「無線愛好家の裾野となる層(小中高生)にむけて」「次世代を担う若年層(大学生から30代)にむけて」「社会の中核を担う中高年層(カムバックハムを含む)にむけて」「健康で豊かな人生を望んでいる高齢者層にむけて」という世代別の施策を公表している。

 

 例えば小中高生に向けては「 若者の全国的なグループを作り 、当事者達のニーズに沿って自主的に活動できる場を作る。大人の不用意な関与を避け、教育的に配慮した支援を行うようにする」「紙QSLカードの印刷と郵送代は若者の負担が大きい。電子QSLの利用を推進し、 紙カードの発行は必須ではないことを周知 する」「新しい機器(無線機や周辺機器)を若者世代に一定期間無償で貸し出す制度を作る」「 若者との交信において、相手に嫌な思いをさせないよう気をつけるべきことの啓発活動を行う(若者へ威圧的な態度を取る人、お説教をする人、女子のオペレーターを追い回す人、自慢話を長々とする人がいるとの指摘がある) 」など多数を挙げている。

 

 さらに全世代に共通する施策として「アマチュア無線と接点のある分野のイベント(例えば、Maker Faire、Japanドローン、アナログオーディオフェア、グランシップトレインフェスタ、アウトドアデージャパン等)や地域のイベントに出展し、可能な場合には体験運用の機会も設けてアマチュア無線の多様な側面があることをアピールする」「中高年層や高齢者層のアマチュア無線家には無線機を自作して開局した経験者が多く、また現在の若年層にも電子工作からアマチュア無線に入門した人達がかなりいることから、経験者が感じた自作機で交信することの魅力を生の声でアピールする」「 手軽に作れる妥当な価格のキットを開発 し、容易に自作機を楽しめるようにする」「低廉な無線機を開発する」「 社会人から若年層への無線機器の無償譲渡や長期間貸与を合理的に行う仕組みを検討する 」「組み立て後の性能が保証される無線機自作キットの開発とその普及を検討する」「自作無線機の増設時に必要となる 変更保証の簡易化 について検討する」といった内容が目を引く。

 

 また不法無線局や運用規則を守らない運用者が、体験運用や公開運用、若年層の育成などに悪影響を及ぼしていることから、その撲滅について触れ「アマチュア無線は仕事に使えないことはもとより、コールサインの送出、周波数占有の禁止、混信の防止などの制度・規則の周知徹底を強化する(ガイダンス局の積極的な運用を含む)」「 AIなどの新技術を活用してこれらの運用者を効率的に特定するシステムの開発・導入 を検討する」「 JARL、JARD、JAIA、CQ誌をはじめ無線機販売店等が連携して、不法運用撲滅の効果的なキャンペーンを検討し実施する 」「アマチュア無線を利用していると推測される業界や、公共工事の発注者等に、不適正な運用を行っている業者の排除を働きかける」「運用規則やバンドプランに則った送信のみを可能とする無線機の技術的対策を検討する」などを挙げている。

 

 SD会議ではこの報告書の内容について、アマチュア無線界から広く忌憚のない建設的な意見を募集するという(詳細は本記事末尾に掲載)。

 

 以下に、この報告書の全文を掲載する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 SD会議は今後も引き続き、具体的取り組みと協力体制について、優先度を定めて検討していくことになった。そのため今回の「第1次報告書」の内容などについて、アマチュア無線界から広く忌憚のない建設的な意見(アンケート形式)を募集するという。締切は2024年7月15日。また「アマチュア無線の魅力向上アイデアコンクール」も引き続き募集を行っている。詳細は下記関連リンク参照のこと。

 

 

こちらの記事も参考に↓
<JARL・JARD・JAIA・CQ出版社が後援、副賞あり!>「アマチュア無線の魅力向上アイデアコンクール」開催、優秀者はハムフェア2024会場で発表

 

 

 

●関連リンク:
・「アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)」第1次報告書の公表(JARL Web)
・SD会議第1次報告書に関するアンケート(4ページ構成)
・「アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)」の発足(JARL Web)

 

 

 

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