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JRC NRD-515 受信できない (2024/5/14 23:09:53)
JRC NRD-515 受信できないとのことでお預かりしました。
バリバリとノイズを発し、受信ができなくなります。
オーナー様によれば、外部VFOスイッチの操作で回復することがあるとのこと。
外部VFO切り替えリレーです。
どうやらリレーが原因ではないようです。
プリアンプ付き外部アンテナの電源側をアンテナに入力したとのことですが、12V程度の直流電源であればC15のコンデンサーによりカットされるため大丈夫です。
部品の損傷もありませんでした。
ダイヤルの接触不良をメンテナンスします。
手が届く範囲ですが接点を洗浄しました。
バンドパスフィルターを点検。
信号がとおる経路を追いかけてゆきます。
基板を裏返し、フィルター部を再ハンダ強化しました。
メカニカルフィルターを取り外し。
タンクコイルにハンダ不良がありました。
再ハンダしました。
バリバリノイズがひどく、受信できなくなるのは20Mhz以上のときが顕著です。
20〜29Mhz
周波数ダイヤル20Mhz以上の信号はシンセサイザーユニットのP10、PIN27へ向かいます。
シンセサイザーユニット P10、PIN27
周波数ダイヤルの信号はロジックIC6、12、13を通過します。
バリバリノイズの状態は半導体が不良のような感じです。
シンセサイザー基板です。
基板を裏返し、ハンダ不良を点検します。
ロジックIC6、12、13です。
バリバリノイズの原因は、ロジックIC13(TC4049)に使われているタンタルコンデンサーが不良であることがわかりました。
劣化したタンタルコンデンサーはショートで終わるため注意が必要です。
電解コンデンサーに交換しました。
受信不良が回復しました。
送信機・受信機で一体のセパレート型では受信機側にあたる機器であり、アマチュア向けのセパレート型では国産最後の貴重な1台です。
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追加記事
症状が再発したとのことで、再びお預かりしました。
いろいろ調べた結果、VFOミキサ回路に不具合があることがわかりました。
70Mhzと5MhzをTR23で混合したのちBPFを通過、TR24のアンプで増幅させた65Mhzを作ります。
シンセサイザー基板取り外し。
70Mhz発振部。
異状ありませんでした。
TR24を点検。
TR24取り外し。
2SC382 フォワードAGC専用に設計されたトランジスターです。
代替品はほとんどありません。
動作はOKでした。
TR23取り外し。
FET 3SK45 NGでした。
温たたまると調子が出ることもありますが、冷めた状態では全くダメです。
手持ちがあった使えそうなFET 3SK59 に交換します。
3SK59に交換しました。
65Mhz 発振しました。
レシーバー基板を点検。
タンタルコンデンサーを交換。
10Mhz 発振部調整。
70Mhz 発振部調整。
安定受信するようになりました。
外部VFO切り替えリレーを点検して欲しいとのことです。
取り外しました。
細かく分解できる構造ではありません。
接点を分解できないため、曲げ開いて洗浄しました。
黒く酸化していました。
洗浄後の接点抵抗を点検しました。
接点抵抗はほぼ0Ωになりました。
リレーのメンテナンスOKです。
機器が冷えているときにガサッとしたノイズが出ます。
電源ラインから飛び込んでいることがわかりました。
レギュレーターICが不良のようです。 KOREA製です。
電源ユニットを取り外し。
ハンダ不良などを点検。
15V レギュレーターICを交換しました。
JRCにはJRC製のものにしました。
交換OKです。
ガサッとしたノイズも出なくなりました。
2,4Khz フィルターをメンテンナス。
メカニカルフィルターです。
トランスデューサーの緩衝スポンジがボロボロに劣化しています。
アルコール洗浄しました。
緩衝材には布を使いました。
トランスデューサーを包みます。
メカニカルフィルターのメンテンナス完了です。
0,6Khz、オプションフィルターをメンテンナス。
スポンジがボロボロです。
洗浄しました。
緩衝材の布。
メンテナンス完了です。
フィルターのマッチングコイル調整します。
455Khz スパッと切れるように調整しました。
SGから455Khzを入力。
455Khz バッチリきれいに復調します。
フィルターを切り替え。
切り替えた信号にも差が少なくなりました。
メンテナンスのしがいがある受信機です。
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