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<1990年以前の発売製品など一部は2024年12月で修理サポート終了>JVCケンウッド、「お問い合わせ・サポート対応機種のご確認のお願い」を掲載 (2024/10/4 7:00:15)
株式会社JVCケンウッドは2024年10月1日、公式サイトのサポートページに「お問い合わせ・サポート対応機種のご確認のお願い」という告知を掲載し、ユーザーが使用中の同社製品(TRIO/KENWOODブランドに加え、Victor/JVCブランドの製品も一部含む)が「修理終了」や「お問い合わせ対応終了」の機種に該当していないか確認の呼び掛けを行った。このサポートページで同社の古いアマチュア無線機の機種名を検索してみると「修理終了年月:2024年12月」といった表示が出ることが、往年の「TRIO」ファンの無線家の関心を集めている。
JVCケンウッドのサポートページに「お問い合わせ・サポート対応機種のご確認のお願い」という告知が掲載。下部には機種検索窓が設けられている。今回追加されたアマチュア無線機だけでなく、TRIO/KENWOODブランドのさまざまな製品、Victor/JVCブランドの一部製品も検索できる
近年アマチュア無線機の修理は、生産終了から一定期間が経過した段階で「修理受付終了」にすることを規定しているメーカーが多い。例えばアイコムは、生産終了後10年~15年未満の製品は「条件付きで修理受付可能」となり、15年以上が経過すると「修理受付終了」になる(該当機種のリストは毎年6月1日に更新)。また八重洲無線は「販売終了後6年間を目安」に保守サービスを実施しており、不定期だが保守対応中の製品リストを更新している。
そうした中でJVCケンウッドは、一律の修理受付可能期間を設けず、昭和の時代に作られたような古いアマチュア無線機でも “部品があれば” 修理受付を行っているが、具体的にどの機種が修理可能(または不可能)なのかは公表されていなかった。
今回、同社のサポートページに掲載された検索コーナーが更新され、TRIOブランドの古いアマチュア無線機(例:9R-59D、TX-88D、TR-1000、TR-2200、TS-520、TS-801)の機種名を検索してみると、サポート終了対象機種に該当するとして「修理終了年月:2024年12月」「お問い合わせ対応終了年月:2029年12月」「FAQ更新終了年月:2030年12月」といった表示が出るようになった。
「お問い合わせ・サポート対応機種のご確認のお願い」の機種検索窓に1970年代にトリオから発売された「TS-520」を入力してみたところ、TS-520D/520S/520V/520Xの4モデルとも、2024年12月で修理サポートが終了し、その5年後(2029年12月)で問い合わせ対応も終了すると表示された
ちなみに「TH-D74」のように最近まで製造されていた機種を入力すると、サポート継続中のため「0件の機種名(型名)がヒットしました」と出る。
2020年12月末で生産が完了したTH-D74を検索したところ「0件の機種名(型名)がヒットしました」と表示。これは現在も修理や問い合わせなどのサポートが継続していることを意味している
この表示される各項目には次のような意味と基準があるという。
★修理終了:
生産完了から補修用性能部品の保有期限を経過した年の12月に終了させていただきます。
※補修用性能部品の在庫状況によっては、対応期間であっても修理ができない場合があります。
★お問い合わせ対応終了:
修理終了から5年経過した年の12月に終了させていただきます。
※お取り扱い説明やFAQに関するお問い合わせ対応は継続致しますが、技術的な調査を伴うお問い合わせ対応について終了いたします。
※修理終了年月を過ぎたモデルについては、お問い合わせ対応終了年月前でも「修理相談」は受付けできません。
★FAQ更新終了:
お問い合わせ対応終了から1年経過した年の12月に終了させていただきます。
※FAQの情報更新について終了させていただき、その後閲覧履歴がなくなり次第Web掲載を終了いたします。
特定小電力トランシーバーの「UBZシリーズ」を検索。78モデルがヒットしたが、いずれも2023年9月で修理を終了している。この検索システムは2023年10月より公開を開始したため(アマチュア無線機の修理完了情報は今回から追加)、すでにサービスが終了となっている古い製品については「修理終了年月:2023年9月」という表示になるという
そこでhamlife.jpでは、古いアマチュア無線機の修理対応の方針と、今回の検索コーナーでの情報公開について同社に尋ねたところ、次のような要旨の回答を得ることができた。
◆JVCケンウッドからの回答(要旨)
・JVCケンウッドでは、これまでアマチュア無線機器に関しては「修理受付終了」を極力避け、古いアマチュア無線機でも可能な限り修理対応を行ってきた。しかし最近は古い機種の部品が確保できず、せっかく送ってもらっても “修理不可” で依頼者に返送するケースがほとんどになってしまった。こうした場合も見積もり料や送料などは依頼者側の負担になるのが心苦しい。
・そこで今回、他の製品カテゴリーと同様に、アマチュア無線機器についても「修理対応が困難となった製品の修理受付終了時期」を検索できるようにした。
・その上で、以下の条件に該当するアマチュア無線機は、2024年12月をもってやむなく修理受付を終了させていただくことになった。
① AC電源を使用しており、旧電気用品取締法に基づいて製造された製品(安全上の理由による)
② 1990年以前に発売され、修理用部品の確保が困難となった製品(修理対応ができないため)
・この①②に該当しない製品については、今後も引き続き修理受付を継続する。具体的には(旧電気用品取締法に基づいて製造されたTS-950シリーズを除き) 1991年以降に発売されたアマチュア無線機器はすべて修理受付を継続 している。また1990年に発売した製品でも、例えば「TH-K27」「TH-K47」「TH-F27」「TH-F47」「TM-241」「TM-441」「TM-941」「TM-702」などは現在も修理受付を継続している。
・JVCケンウッドは 「生産終了後○年で受付中止」といったことは行わない 。現時点でも可能な範囲で古い機種について修理対応を継続できるように努力している。この点はぜひ理解をお願いしたい。
「TRIO」「KENWOOD」ブランドのアマチュア無線機で、今後の修理可否が気になる製品があれば、下記関連リンクにある同社の「お問い合わせ・サポート対応機種のご確認のお願い」から、機種検索を行ってみると良いだろう。なお「修理終了年月:2024年12月」と表示される無線機も、保有部品の関係などから “今年12月までなら必ず修理できる” という確約ではないので、まずは同社のカスタマーサポートセンター(下記関連リンク参照)に相談することをお勧めしたい。
アマチュア無線機器の修理情報はこちらの記事も参考に(2024年6月3日掲載↓)
<新たにIC-R5とID-91が “修理受付終了”
に>アイコム、2024年最新版の「生産終了機器リスト」を公開
(2024年3月29日掲載↓)
<リニアアンプVL-1000 / VP-1000が “サポートに問い合わせ”
扱いに>八重洲無線、5年9か月ぶりに「主な保守対応中のアマチュア無線製品」リストを更新
●関連リンク:
・お問い合わせ・サポート対応機種のご確認のお願い
※修理終了機種などの検索コーナーあり(JVCケンウッド)
・修理・故障・付属品購入等に関する窓口(JVCケンウッド)
・JVCケンウッド アマチュア無線機器ページ
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