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feed FM鉱石ラジオの実験② (2024/10/21 20:23:43)
前回の記事では、変調波を聴くには+10dBm程度の入力が必要で失敗に終わりました。送信所近くで聴くにしても-20dBm程度で聞こえないと実用性は殆どありません。

前回の試験でダイオードでAMを検波する場合の感度が-20dBmが聴こえる程度だったのでFMでもこのくらい聴こえれば移動すればよさそうです。しかし、どのような回路がよいのか分からなかったのでネットで検索したところ海外でクリスタルラジオという呼び名で自作を楽しんでいる方々がおられるのが分かりました。

そのときに見つけた文献は このようなもの でした。銅パイプで作られたキャビティに入った共振回路とレシオ検波からなる大型ラジオで30km離れたFM局を沢山受信されていました。さて、この装置でどのくらいの受信感度が得られているのか知りたかったのですがどこにも記載がありません。そういうことで一通り同じようなものを作って実験してみることにしました。

1.キャビティの製作
基本となるヘリカルレゾネーターは銅パイプを使ったHigh-Qのものとなるので、最初は同じようなものを作ってみました。キャビティは銅板で作成しようと思いましたが、有馬温泉の炭酸せんべいの缶があったので使ってみました。
IMG_E3081

最初Qが低かったのですが、入出力回路をいろいろ実験した結果、Qは200以上とれるようになりました。その時の回路損失は、4dB程度となり少し多いのですが、検波効率を高める方が有利となるためにQを優先します。
IMG_3097


2.検波特性
このキャビティでスロープ検波で試したところ感度は-12dBm程度までSGの変調波が聴こえる程度でした。その後、先の文献のレシオ検波など試しましたが-15dBm程度であまり改善しません。

文献では検波ダイオードのことも書かれていました。私は手持ちのものを比較して一番よかった1S1916P3を使用しています。聞いた感じは1N60より5~10dBくらいよいようでしたが、海外の方々が使っているものとどのくらい差があるか分かりません。

その後、自分で考えて検波回路を実験しながら改善したところ-25dBm程度まで聴こえるようになったので屋外で受信実験をしてみることにしました。

検波特性は、1kHzで変調をかけたSGからの信号を周波数を変化させながらオシロで受信出力レベルをみてみます。+-200kHzと少し帯域が広いですがFM検波の形にはなっているようでした。
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SGで試験するとバリコンが非常にクリチカルです。そのためバーニアダイアルを取り付けいろいろ聞いているうちにバリコンの容量が少ない方がQが高いためよく聴こえることも分かりました。

3.外観
外観はこんな形になりました。持ち運びには少し大きいのですが、いい感じです。
IMG_3370


4.屋外実験
屋外実験は、高台の団地が障害物になりスカイツリーは見えない近所の丘(海抜42m、スカイツリーから27km)に登って試してみました。FM用ダイポールを使って自作電界強度計で測定した結果、スカイツリーからのJ-waveとNHKが82dBμVと聴こえそうなレベルだったので、無電源ラジオに切り替えて聞いてみました。

IMG_3375

結果、J-waveが聴こえました。初めてFM放送を無電源で聴くことができて感激です。道路や周りの騒音がなければ楽しめたと思います。NHKは変調度が低いので確認できませんでした。

今後は、さらに他のダイオードに交換したり、この設備で都内や山の上で受信を試みたいと思います。






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