無線ブログ集
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同人サークル「高等遊旅民」を主宰しているJJ5ETY局(ハンドルネーム「ひらつか」氏)は、国立国会図書館が蔵書していない趣味関係の雑誌類を探し、同館へ寄贈する取り組みを行っている。同氏は現在、かつてCQ出版社から113号にわたって刊行されたアマチュア無線雑誌「HAM journal(ハム・ジャーナル)」誌のうち、国立国会図書館が所蔵していない「4・5・6・7・8・9・10・14号」を所有している人(このうち1冊でも可)に、適価での譲渡を呼び掛けている。

JJ5ETY局のXポストより
「HAM journal(ハム・ジャーナル)」誌は、CQ出版社が1974年11月から刊行を開始した技術解説が中心のアマチュア無線雑誌だ。当初、1987年7月の50号までは季刊(年4回)の刊行だったが、誌面の充実などにより51号からは2か月ごとの年6回刊行となり、発刊から21年目の1995年には記念すべき100号を刊行した。しかし2002年2月に年4回の季刊に戻り「2005年春号(113号)」で刊行は終了している。

「HAM journal(ハム・ジャーナル)」誌は、CQ出版社が1974年11月から刊行を開始した技術解説が中心のアマチュア無線雑誌だ(写真中央は創刊号)
hamlife.jpに届いた、JJ5ETY局の投稿から抜粋で紹介する。
◆国立国会図書館が蔵書していない「HAM journal」誌をお譲りください(募集趣旨)
日本国内で発行されたすべての出版物は、国立国会図書館に納本することが、法律(国立国会図書館法)で義務付けられています。そのため国立国会図書館には “日本で刊行された本がすべて納められている” と言っても過言ではないほどの蔵書数を誇っています。
しかし、そんな国立国会図書館であっても蔵書されていない本や雑誌が多数あり、そうしたものに関しては、個人からであっても(受け入れ基準はありますが)「寄贈」という形で受け入れを行っています。
私は以前、コミックマーケットで頒布するために執筆していた同人誌を書き進める中で、どうしても確認したい資料がCQ出版社の「HAM Journal」の中にあり、該当する号とページは分かっていたため、国立国会図書館の「遠隔複写サービス」で資料を取り寄せようとしたのですが、その号がピンポイントで欠号していたことがありました(そのため、記事の確認には相当な苦労がありました)。

国立国会図書館のNDLサーチで検索したHAM journal誌の所蔵状況(一部抜粋)。確かに一部が欠号になっている。なお「No.107」はすでにJJ5ETY局が寄贈済みだ
今後、自分と同じ目に遭う人を少しでも減らせればという思いと、国立国会図書館での蔵書という “国民の財産の拡充” に寄与し、長きにわたり誰もが簡単に資料を確認できる状態にしておくことを目的に活動を行っています。

JJ5ETY局がこれまでに入手し、国会図書館へ寄贈した「HAM journal」誌の一部
書籍は時間が経つほど入手が難しくなります。「いま自分が読めれば良い」ということよりも、50年、100年先であってもその資料を誰もが簡単に利用できる状態にしておくことは、“得た知識資料は独占ではなく再分配されるべきである” と言う、弊同人サークルの活動理念とその趣味を愛好する者の未来への健全な貢献であるとの考えに基づいて、この活動を行っています。
◆募集する号のリスト
国立国会図書館に蔵書がなく、私が未入手の「HAM Journal」誌は下記の8冊です。この中の1冊でもお持ちで趣旨にご賛同いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ適価にてお譲りいただけると幸いです。
・No.4(1975年 Autumn Issue)
特集:知識と設備のグレード・アップ
・No.5(1976年 Winter Issue)
特集:混変調と相互変調はなぜ起こるのか
・No.6(1976年 Spring Issue)
特集:1波長ループ・アンテナの指向性
・No.7(1976年 Summer Issue)
特集:2メーター・バンド用 多エレ・クワッド
・No.8(1976年 Autumn Issue)
特集:市販のトラップ・ビームを改造
・No.9(1977年 Winter Issue)
特集:マイクロ・プロセッサの応用
・No.10(1977年 Spring Issue)
特集:自局を中心にした大圏コース地図
・No.14(1978年 Spring Issue)
特集:八木アンテナの最適設計と調整方法
◆国立国会図書館の「蔵書基準」について
国立国会図書館には「蔵書基準」があり、特に不可となる例として「切り抜き(破れてなくなっている)、書き込み、汚損」と言うものがあります。お譲りいただいたものに関しましては、この基準に合致した状態であるかを確認後、私が責任を持って国会図書館への寄贈手続きをまとめて行うようにいたします。

この程度の痛みであれば、蔵書基準を満たしているという
◆今回の欠号募集に関する連絡先
・X(旧Twitter)の場合:@jj5ety(ひらつか)宛てにDMでメッセージ
・電子メールの場合:jj5ety(@)JARL.com宛てにメール
・募集期間:記事掲載から3か月を目処とします。
その後のバックナンバー収集状況、国会図書館への寄贈、同図書館からの受け入れ連絡などについては、X(旧Twitter)@jj5ety(ひらつか)で逐次ご報告いたします。
JJ5ETY局はこれまでにも、国会図書館で蔵書されていない「HAM journal」誌の欠号を探し、13冊の寄贈を行っている。さらにコミック雑誌や卓上ゲームのルールブックなどを寄贈した実績もあるそうだ。リストにある「HAM journal」のバックナンバーを所有し、趣旨に賛同する無線家はJJ5ETY局に連絡を取ってはいかがだろうか。

国立国会図書館からJJ5ETY局宛てに届いた「HAM journal」誌の欠号13冊の受け入れ通知

同人サークル「高等遊旅民」で発行している同人誌の一部。コミックマーケットなどにサークル参加している
●関連リンク:
・JJ5ETY局Xアカウント
・納本制度(国立国会図書館)
・国立国会図書館サーチ
・HAM journalバックナンバー101~112号(CQ出版社)
・HAM journalバックナンバー65~100号(CQ出版社)
・高等遊旅民のホームページへようこそ
The post <「国立国会図書館」が蔵書していない号を寄贈したい!>「HAM journal(ハム・ジャーナル)」誌のバックナンバー(4・5・6・7・8・9・10・14号)を譲ってくれる人を募集中 first appeared on hamlife.jp .