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link hamlife.jp hamlife.jp (2025/7/1 9:35:33)

feed <この1年で会員は1,701名減少、正員の4割が71歳以上、QSLビューローは処理能力が18.6%低下>JARLの令和6年度末「年齢層別会員構成」「QSLカード転送処理枚数」などが判明 (2025/6/21 10:30:11)

一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は今年4月、令和6年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の事業報告を作成し、理事や社員など同連盟の関係者に配布した。その中で公表された2025年3月7日現在のJARL会員数と年齢層別の構成、男女比、無線従事者資格別分布、QSLカード転送枚数などを紹介する。

 

 

 

 JARLが作成した資料「令和6年度事業報告」によると、2025年3月7日現在のJARL会員数は「正員」が49,700名(前年同期は50,948名)、「社団会員」が1,266名(同1,288名)、「家族会員」が964名(同1,018名)、「准員」が11,104名(同11,481名)の合計63,034名となっている。これは前年同期(2024年3月7日現在)の合計数(64,735名)と比較して 1,701名減り 、2年連続でJARL会員は減少した。前年同期の会員減少数(2023年3月7日現在との比較)は1,183名だったので、 会員の減少傾向は拡大 している。まずは年齢層別会員構成から見ていこう。

 

 

◆年齢層別会員構成
 正員と家族会員の年齢層別会員構成は「5歳刻み」でグラフ化したものが掲載されている。

 

JARLの「令和6年度事業報告」に掲載されている2025年3月7日現在の正員と家族会員の年齢構成(※グラフを見やすくするため、画像加工などを施しています)

 

 

 最も多い正員は66~70歳の9,603名。それに続くのは71~75歳(9,297名)。さらに61~65歳(9,002名)、56~60歳(5,635名)と続く。hamlife.jpが作成した下記グラフの通り、76歳以上では増加する一方で75歳以下は各年齢とも減少しており、特に 56~60歳の減少が著しい 。また40歳以下は合算してもわずか2.3%(1,167名)に過ぎず、前年同期よりも135名減少している。一方で71歳以上の正員は869名増加し19,518名と全体の39.3%を占めている。

 

2025年3月7日現在の正員年齢層別構成と、2024年3月7日現在のデータとの増減比較(hamlife.jp作成)

 

 

 下のグラフは今回発表された正員の年齢層別構成と、1年前(2024年3月7日現在)、2年前(2023年3月7日現在)、3年前(2022年3月7日現在)、4年前(2021年3月7日現在)、5年前(2020年3月7日現在)、6年前(2019年3月7日現在)、7年前(2018年3月7日現在)、8年前(2017年3月7日現在)および9年前(2016年3月7日現在)のデータを比較してみたものだ。

 

 5歳刻みで発表されている影響も考えられるが、この9年間で76歳以上の会員数は増加する一方で71~75歳は減少に転じている。また70歳以下の全年代では減少傾向となり、特に41~45歳、46~50歳、51~55歳、56~60歳は大きく減っている状況が読み取れる。

 

 また22歳未満で「お試し入会キャンペーン」が実施されている25歳以下の区分を2021年以降で見てみると、2022年に15歳以下と21~25歳で若干の増加があったものの、それ以降は減少している。ただし同キャンペーン開始前の2016年3月7日時点と今回発表の2025年3月7日時点を比較してみると、16~20歳と21~25歳で増加し、さらに26~30歳の区分でも増加しているので、このキャンペーンは一定の効果があったと考えられる。

 

2025年3月7日現在の正員年齢層別構成と、1年前・2年前・3年前・4年前・5年前・6年前・7年前・8年前・9年前の同データを比較したグラフ。折れ線グラフは2024年3月7日現在のデータとの増減比較(hamlife.jp作成)

 

 

◆会員数増減グラフ
 平成24(2012)年3月から令和7(2025)年3月までの “ざっくりとした” 会員数増減グラフが掲載されているので紹介しよう。
 正員・社団会員・家族会員・准員の総計は、平成27(2015)年頃までは急激な右肩下がりが続いていたが、その後は減少に一定の歯止めがかかり、横ばいに近くなった。平成30(2018)年に入った付近から再び減少したものの、コロナ禍の令和2(2020)年5月頃から増加に転じ、令和4(2022)年秋頃まで増加傾向が続いていたが、それ以降は 急激に減少 しているのがわかる。

 

 なお、平成25(2013)年と令和4(2022)年、令和6年(2023)に正員・社団会員数が大きく減り、准員数が急増したのは、JARLが “会員台帳整備” を行ったことによるものだ。JARLは定款で正員要件を「電波法に規定するアマチュア局の免許を有する者」と定めており、総務省の「無線局等情報検索」サイトなどで会員のアマチュア無線局情報を確認、有効な局免許が確認できなかった会員にハガキを送り、返信がないなど免許の確認ができなかった場合は定款の規定(局免許を失った場合は準員にする)に基づいて准員に移行する措置を行っている。

 

JARLの「令和6年度事業報告」に掲載されている会員数増減グラフ

 

 

◆男女比、エリア別会員数
 正員、家族会員、准員を合算した「男女比」は、男子が59,890名で全体の97.0%。女子は1,878名で3.0%。今回は男女とも前年度よりも人数が減ったが、特に 女子の増減率がマイナス5.5%(110名減少)と大きく なっている(前年度は38名減少、マイナス1.9%だった)。

 

JARLの「令和6年度事業報告」に掲載されている会員男女別構成

 

 

 エリア別会員数は下記の通り。昨年度に続き全エリアで減少している(全国平均で2.70%の減少)。各エリア別会員数に占める退会者数の割合が大きかった支部は中国(3.12%)、九州(3.06%)、東北(3.04%)の順だった。反対に北陸(2.03%)と北海道(2.26%)は退会者数の割合が小さい。

 

JARLの「令和6年度事業報告」に掲載されているエリア別会員数

 

 

◆無線従事者資格別分布
 正員と家族会員を「無線従事者資格別」で見てみると、昨年度までと同様、多い順に4アマ→3アマ→2アマ→1アマ→1・2総通→3総通→1・2陸技→航空通となる(不詳者を除く)。4アマの割合は年々減少し今回は27.3%(前年度は27.7%)に。一方で3アマの割合は26.9%(前年度は26.8%)と微増。2アマの割合は22.1%(前年度は21.8%)とこちらも増加している。増減率では航空通(マイナス9.2%)、3総通(マイナス5.6%)、4アマ(マイナス4.0%)の減少が大きく、反対に1アマ、2アマ、1・2総通は増減率のマイナス幅が小さい。このことから “上級資格者ほどJARLを退会しない傾向” があると言えそうだ。

 

JARLの「令和6年度事業報告」に掲載されている無線従事者資格別分布

 

 

◆QSL・SWLカード転送状況
 この1年間にJARL QSLビューローが取り扱った、QSL・SWLカードの転送状況を見てみよう。年間の処理枚数(※転送作業を行った枚数のこと。ビューロへの到着枚数ではない)は794万7,604枚で、昨年度よりも18.6%(181万1,783枚)減少している。このうち国内転送枚数は690万8,147枚で、昨年度よりも17.6%減った。

 

 外国転送枚数は35万7,096枚と昨年度よりも33万2772枚(マイナス48.2%)の大幅減少となった。外国転送枚数の実績があるのは令和7年1月と3月のみで、その他の月は「0」となっている。これは国内向けの転送を優先し、外国局向けのQSL転送作業は年2回しか行わなかったということだろうか? サイクル25のピークを迎え、HF帯ではDX QSOも盛んに行われているが影響はないのだろうか。

 

JARLの「令和6年度事業報告」に掲載されているQSL・SWLカード転送状況

 

 

 繰り返すが、このデータは “ QSLビューローが当月転送作業を行った枚数 ” で、会員や海外局から ビューローへ到着したカードの枚数ではない 。2020年春のコロナ禍以降、アマチュア無線家の「おうちで無線」という風潮とFT8のブームにより、2020年夏には「わずか半月で50万枚もの転送用QSLカードがビューローに届いた」との報告があったが、その後も月間100万~120万枚が届き、2024年4月のJARL発表によると、島根のQSLビューローの倉庫には約500万枚のカードが滞留したという。

 

 JARLは新体制以降、会員がQSLビューローへ送るカードの枚数見直しの呼びかけや、非会員宛てQSLカードの印刷抑制機能を定番ログソフト「Turbo HAMLOG」に搭載可能にするといった施策を行っている。その結果、2024年度はQSLビューローへの到着枚数が前年度よりも180万枚減少。ビューローでの滞留枚数は115万枚減って、 現在の滞留数は約300万枚 であることを明らかにしている。

 

 一方でQSLビューローの取扱処理枚数の実績(月平均)は、前年度「81.3万枚」だったものが、2024年度は「66.2万枚」と約18.6%落ちている。JARLも6月20日付けメールマガジンの中で「 QSLビューローの処理能力が減少しているようで、滞留枚数は思うように減っていない 」と認めている。そのためもあってか、会員が国内局向けの転送QSLをビューローに送ってから、相手の会員局へ届くまでにかかる期間は相変わらず12か月前後で、“最近早くなった” と実感するには至っていない(2025年春現在)。

 

 

◆JARL NEWS発送状況
 最後に機関誌「JARL NEWS」の発送状況を見てみよう。発行月平均で43,773部が各会員へ発送されていることがわかる。年度合計の前年比で1,476部の減少となった。
 なお3月31日現在で「コールサイン@jarl.com」のE-mail転送サービスの利用者は30,111名(前年比で214名の減少)、毎月5日と20日に送信される「JARLメールマガジン」の配信数は32,322件(前年比で336件の減少)であることが公表された。

 

 会員のほぼ半数が、E-mail転送やメールマガジンの購読などインターネットを日常的に利用していると推測できる一方、高齢の会員は現在も年4回郵送されてくるJARL NEWSを連盟情報を知る手段にしていると考えられる。

 

JARLの「令和6年度事業報告」に掲載されているJARL NEWSの発送状況とE-mail転送サービス、JARLメールマガジンの購読者数

 

 

 なお、ここで紹介したデータが掲載されているJARLの「令和6年度事業報告」は、現時点で一般会員向けには公開されていない。一部のデータは第14回定時社員総会(6月21日開催)の報告事項「 令和6年度事業報告 」のPDFに掲載、会員限定で公開しているが、これには年齢層別会員構成や会員数増減グラフなどは掲載されていない。

 

 

 

●関連リンク:
・JARL Web
・QSLカード転送遅延の解消のため「発行枚数見直し」にご協力をお願い申し上げます(JARL Web)
・転送できない局向け QSL カード印刷抑制機能の公開について(JARL Web)
・転送作業の様子をリポート!QSLビューロー(島根県)訪問 PDF(JARL Web/JARL NEWS特集&企画ダイジェスト)

 

 

 

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