ホーム >> 無線ブログ集 >> <アマチュア無線機の受賞は2年ぶり>アイコム「IC-7760」とJVCケンウッド「TM-D750」が “2025年度グッドデザイン賞” を受賞

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link hamlife.jp hamlife.jp (2025/10/20 9:35:33)

feed <アマチュア無線機の受賞は2年ぶり>アイコム「IC-7760」とJVCケンウッド「TM-D750」が “2025年度グッドデザイン賞” を受賞 (2025/10/15 14:30:33)

公益財団法人 日本デザイン振興会は2025年10月15日、「2025 年度グッドデザイン賞」の受賞作品を発表した。このうちアマチュア無線機ではアイコム株式会社の「IC-7760」と株式会社JVCケンウッドの「TM-D750」が受賞 。hamlife.jpの調べでアマチュア無線機がグッドデザイン賞に選ばれたのは、2023年度の「TH-D75」(JVCケンウッド)以来となる。なおJVCケンウッドは特定小電力トランシーバーの「UBZ-BM51/UBZ-BM51BT」も今回受賞している。

 

 

 

 

 グッドデザイン賞は1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン推奨制度。1957年に通商産業省によって創設され、現在は公益財団法人 日本デザイン振興会が主催し、家電や自動車や建設物、各種サービスなどから、毎年約1,500件前後が受賞している。2025年度は5,225件が審査の対象になり、国内外のデザイン関連分野の第一人者で編成された審査委員会が厳正な審査を実施した結果、全1,619件の受賞が決定したという。

 

 このうちアマチュア無線機としては、アイコム株式会社のHF/50MHz帯固定機「IC-7760」が受賞。同社の製品としては2013年のID-51以来、12年ぶりの受賞となった。

 

 また株式会社JVCケンウッドは新製品の144/430MHz帯モービル機「TM-D750」と、特定小電力トランシーバーの「UBZ-BM51/UBZ-BM51BT」が受賞。アマチュア無線機では2023年のTH-D75以来2年ぶりの受賞になった。

 

 グッドデザイン賞公式サイトから、IC-7760とTM-D750の受賞に関連した部分を紹介する。

 


 

2025グッドデザイン賞
HF+50MHz アマチュア無線機 IC-7760

 

 

★受賞企業: アイコム株式会社

 

★事業主体名: アイコム株式会社

 

★受賞番号: 25G070531

 

<受賞対象の詳細>

 

 IC-7760は、主に海外局(遠距離)との交信で使われるアマチュア無線用のHF(短波帯)トランシーバーです。先進技術とノウハウを惜しみなく投入し、最高水準の性能と機能、優れた操作性を実現することで、全世界のユーザーに、アマチュア無線の新たな可能性、さらなる楽しさと感動を提供できる最高峰の製品に仕上げています。

 

★デザインのポイント:
1. ネットワーク経由による遠隔操作を実現することで、よりフレキシブルな運用スタイルを提案。

 

2.デュアル・タッチディスプレイにより、さらに直観的な操作性へと進化したUX。

 

3.大型メインダイアルに象徴される、高性能200Wリグを操作する喜びを満たす機能美。高性能を表現した精緻なデザインと実使用における堅牢感を同時に追求した。

 

★プロデューサー: アイコム株式会社 商品デザイン部 青木裕康

 

★デザイナー: アイコム株式会社 商品デザイン部 中川勝之、西田哲郎

 

★背景:
 アマチュア無線を祖業とするアイコムが設立60周年を迎えるにあたり企画された、最高クラスの送受信性能を誇るアマチュア無線機です。これまで、200Wクラスの無線機といえば大型・一体型であり、設置場所の確保が難しいケースがありました。IC-7760ではコントローラーと本体を分離型とすることで、コントローラーを卓上に、本体を離れた場所にあるラックに置く等、フレキシブルな設置を可能としました。また、「自宅から離れた場所でも運用したい」といったユーザーの要望に対し、コントローラーと本体をインターネット接続することで対応。自宅から離れた場所に設置した本体(アンテナ接続)をコントロールできるようにしました。 本体に最大5台のコントローラーを接続できる様にすることで、セカンドハウス、外出先からはもちろん、無線クラブ員がそれぞれの自宅から本格的な遠距離通信を楽しむといった新しい運用スタイルを実現しています。

 

★経緯とその成果:
 コントローラーと本体のネットワーク接続は、先端IoT機器も手掛けるアイコムの技術の結集により実現しました。業界初のデュアル・タッチディスプレイによる新たなUIは、視覚的に効果を確認しながらの各種設定を可能とし、操作部の同クラス比でのコンパクト化と操作性の向上を両立させています。アイコムブランドのアイデンティティである「センター・ディスプレイ・レイアウト」を構成するメインディスプレイとメインダイアルの位置関係をはじめ、操作レイアウトに関してはミリ単位で最適な配置を吟味。外観を特徴付けるメインダイアルはアルミブロックからの削り出しにより、高性能機にふさわしい質感と、周波数調整に最適な「重さ」を追求。スムーズな動作と相まって、操作する喜びを感じられる機能美を具現化しています。トータルとして固定型無線機デザインのヘリティジを現代的に再解釈したモダンな外観に仕上げています。

 

<審査委員の評価>

 

★担当の審査委員: 宮沢 哲、緒方 壽人、玉井 美由紀、安井 重哉、Baonan Du

 

★評価コメント:
 一般的に大型となる200Wクラスのアマチュア無線機に対し、本製品は本体と小型化したコントローラーを分離することで設置自由度を飛躍的に高めている。また、ジャンルとして見た場合、インターネットを介した遠隔操作という発想は大変ユニークである。これはアンテナの設置場所という地理的制約からユーザーを解放し、運用の可能性を広げている。UI設計の巧みさも特筆すべき点である。従来からの操作性を維持しつつ、タッチパネルによる直感的な操作を導入。さらに、質感の高い物理ボタンは、機器を所有し操作する喜びを感じさせる。従来のユーザーに配慮しながらアマチュア無線の世界に新たな自由をもたらした点を評価した。

 

 


 

2025グッドデザイン賞
車載用アマチュア無線機 ケンウッド TM-D750

 

 

★受賞企業: 株式会社JVCケンウッド・デザイン

 

★事業主体名: 株式会社JVCケンウッド

 

★受賞番号: 25G070533

 

<受賞対象の詳細>

 

 アマチュア無線機市場と共に成長したメーカーとして、根強いファンの期待に応え開発を行いました。アマチュア無線の楽しさと所有する誇りを両立した車載型トランシーバー。視認性と操作性に優れ、分離型構造で設置性も高く、多様な車両環境に柔軟に対応。実用性と趣味性を融合しました。

 

★デザインのポイント:
1.GUIと連動した直感的なキーレイアウトが、車内でのアマチュア無線操作を直感的かつスムーズにサポート。

 

2.本体とパネル部を分ける事で車載空間のレイアウトを高め、大口径スピーカーをパネルに内包し高音質を実現。

 

3.機能ごとにゾーニングされ、ユーザビリティに配慮した操作パネル。

 

★プロデューサー: 株式会社JVCケンウッド・デザイン 守屋 克浩

 

★ディレクター: 株式会社JVCケンウッド・デザイン 谷藤修士

 

★デザイナー: 株式会社JVCケンウッド・デザイン 高橋 紀行

 

★背景:
 アマチュア無線の愛好家は現在も根強く存在しており、そうしたファンの声に応えるかたちで、TM-D750の開発がスタートしました。また、当社ハンディタイプの最新機種「TH-D75」に搭載されている先進機能を車載機でも活用し、より多くの方に無線の楽しさを広げたいという思いも開発の背景にあります。近年、北米や中国などではアマチュア無線の免許取得者が増加傾向にあり、災害時のバックアップ通信やアウトドアでの利用手段として無線への関心が高まっています。こうした状況を受け、車載用としてはもちろん家庭内でも快適に使える柔軟性を備えた無線機が求められており、そのニーズにも応えることを目指しました。

 

★経緯とその成果:
 本機は当社最新機種TH-D75や過去のモデルと操作性や視認性において一貫性や統一性を持たせることで、当社製品をご利用のユーザーが迷うことなく、安心して使用し楽しめるようデザイン・設計されています。 操作パネルのデザインは機能ごとにゾーニングされ、また、イルミネーションのあるロータリーノブを採用することで、車内でのユーザビリティ向上を図っています。音質の向上を図るためにスピーカーを前面パネルに配置し、デザイン面でもスピーカーを強調することで優れた音響性能を表現しています。

 

<審査委員の評価>

 

★担当の審査委員: 宮沢 哲、緒方 壽人、玉井 美由紀、安井 重哉、Baonan Du

 

★評価コメント:
 本製品は、車内という特殊な環境における「使いやすさ」とは何かを、深く洞察し具現化した車載無線機である。機能ごとにゾーニングされたUIと物理ボタンは、直感的で即時性の高い操作を可能にし、同時に機器を操る喜びを感じさせる。また、本体と操作パネルの分離構造は、自由な車内設置を許容するだけでなく、車外に持ち出して自宅での運用を可能にするなど、ユーザーの工夫に応える設計が実装されている。既存ユーザーへの配慮も忘れておらず、伝統的な操作性を維持することで新たな機能とわかりやすさを両立させている。こうした利用者に寄り添う姿勢を高く評価した。

 


 

 hamlife.jpの調べでは、アマチュア無線機のグッドデザイン賞は、2023年度の「TH-D75」(JVCケンウッド)以来、2年ぶりとなる。

 

 

<参考>過去に「グッドデザイン賞」を受賞したおもなアマチュア無線機器

 

★アイコム株式会社
1982年:IC-505
1989年:IC-2S、IC-2ST
1990年:IC-R1、IC-3S、IC-3ST、IC-24
1991年:IC-P2T/IC-P3T
1992年:IC-2i/IC-3i
1993年:IC-T21/IC-T31
1995年:IC-775DXII
2000年:IC-910
2003年:IC-208、IC-R5
2004年:IC-7800
2006年:IC-R9500
2007年:IC-7700
2008年:IC-RX7
2009年:IC-7600
2013年:ID-51

 

★株式会社JVCケンウッド
2023年:TH-D75

 

★八重洲無線株式会社
1984年:FT-203
1985年:FT-703R
1994年:FT-900
1997年:FT-920、VX-1
1998年:FT-847、FT-100
1999年:VX-5
2013年:FTM-400D

 

★株式会社バーテックススタンダード
2001年:FT-817
2002年:FT-8900、VX-7、FT-897
2003年:VX-2、FT-857
2005年:FTDX9000D
2006年:FT-2000
2007年:VX-3
2008年:FT-950シリーズ、VX-8
2010年:VX-8G

 

★日本マランツ株式会社
1982年:C8900、C7900
1983年:C110
1985年:C411、C120
1986年:C311
1987年:C500、HX600T
1988年:C150
1989年:C520、AX700
1992年:C401
1993年:C470/C170
1994年:C415/C115、C5720
1995年:AX400、C501/C601

 

 

★松下電器産業株式会社
1973年:RJX-601、RJX-201

 

 

★第一電波工業株式会社
1989年:Mシリーズ、スーパーゲイナーシリーズ
1992年:NNRシリーズ
1993年:REVANT TG509/TG506 (TGシリーズ)
1994年:REXANT(レクサント)シリーズ

 

※hamlife.jp調査。業務無線機、特定小電力無線機などを除く。会社名は受賞当時のもの

 

 

こちらの記事も参考に↓(2023年10月6日掲載)
<アマチュア無線機の受賞は10年ぶり>JVCケンウッド、新製品のTH-D75が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞

 

 

 

●関連リンク:
・60周年記念のアマチュア無線機「IC-7760」がグッドデザイン賞を受賞しました(アイコム プレスリリース)
・「GOOD DESIGN AWARD 2025」において、JVCケンウッド・デザインが4件受賞しました(JVCケンウッド・デザイン)
・受賞ギャラリー アイコム IC-7760(GOOD DESIGN AWARD)
・受賞ギャラリー ケンウッド TM-D750(GOOD DESIGN AWARD)
・受賞ギャラリー ケンウッド UBZ-BM51 / UBZ-BM51BT(GOOD DESIGN AWARD)

 

 

 

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