無線ブログ集
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毎日はレビュー
(2025/11/26 4:35:02)
瀬戸大橋 鉄道POTA チャレンジ 顛末
(2025/11/21 20:35:43)
列車で瀬戸大橋を渡る間に瀬戸内海国立公園(JP-0023)をPOTAアクティベーションするという前代未聞のチャレンジを達成できたのは、ひとえに事前にスケジュールいただいたご協力者皆様のおかげです。そんな方々へ改めて感謝を表すため、ここに記録を残しておこうと思います。
■瀬戸大橋に向けて準備オッケー
岡山駅を出たサンライズ瀬戸は一路、瀬戸大橋に向けて走り始めました。無線機 IC-705
をセットしたB寝台シングル個室にて、美しい日の出を見ながらコーヒーを飲む・・・ような時間はありませんでした。無線機の最後のセッティング確認です。
列車の中からPOTAアクティベーションをするためには瀬戸大橋の海上部分(の一部)で10局交信しなければいけません。POTAでは周波数やモードが異なれば別交信扱いになるため、433.04MHz(FM/DV)
→ 145.04MHz(FM/DV) → 51.04MHz(FM)の順でのQRVを予定していました。
そんな中、スケジュールQSOにご参加くださっていたJF4IQS局が433.04MHzでこちらを呼ぶ声が聞こえてきました。結構ガサガサ言ってます。こちらから応答しましたが、まだ届かない様子。若干、不安が漂います・・・。
「もうトンネルに入っちゃったかな・・・」スピーカーからは1-wayでのお声が聞こえてきます。「まだ、トンネルには入ってないです」と答えようと思ったところで、列車はトンネルに入りました。しばらくしてトンネルを抜けたところでこちらからコールすると今度は無事届いたのもつかの間、「すぐにもう一度トンネルに入るんですよね~」と教えられるがままに列車はトンネルへ。完全にこちらの行動を見透かされています(笑)。
トンネルを出たところで列車は児島駅に停車。ここで改めて実は地元が倉敷市のJF4IQS局とご挨拶です。列車が瀬戸内国立公園の香川県エリア(海上部分に入るとすぐに香川県エリアです)に入ったら運用開始する旨を伝えて待機に入ると、JP-2043
坂出緩衝緑地に陣取ってくださったJS3KKT局、五色台に移動してくださったJJ5IGZ局からもご挨拶いただきました。皆さん、朝早くから本当にありがとうございます。涙がちょちょぎれます。これで10交信できなかったら完全に私のオペミスです・・・。
■瀬戸大橋へ、そしてアクティベーション成功
列車が本州を離れ、最初の島に到達したところで運用開始です。433.04MHzのFMでJF4IQS局、JO4FDA局と交信いただき、JS3KKT局が呼んでくださっている裏で「52、52」と聞こえました。KKTさんの後に確認すると、ライセンスフリー無線の世界では有名な
さいだいじ1234局さんでした。Xのポストを見ていて、岡山市東区から呼んでくれたとのこと、感動です。今回の交信で最長となりました。その後は、JJ5IGZ局とも交信いただきFMは終了。
433.04MHzでのDVも順に交信いただき、次は144.04MHzへQSY。実は、こちらは少し心配していました。というのも、事前のセッティングで見たらSWRが振り切ってまして・・・(笑)。V/UのSWRはあまり気にしない派なので、気にせず声を出したら問題なくFM/DV共に各局と交信できちゃいました。
ただ、145.04MHzはQRMが出てきてしまったため、急遽「20kアップの145.06MHzで出ます」とアナウンスしての予定外周波数でのQRVとなりました。皆さんが追随してこられたかが心配でしたが、それは杞憂に終わりました。さすが、百戦錬磨の皆さん、1回のアナウンスでもきちんとQSYしてくれ、ロスもなく交信いただけました。
そして、ここで列車は四国の陸地に入り運用終了となりました。51.04MHzで運用したらどうだったのか、少し気にはなりましたが、それよりも何よりも17交信もできてしまったことに驚きました。そして、少しずつ喜びがこみ上げて来るのでした。
何度も同じ感謝の言葉しか言えませんが、今回の「鉄道POTAチャレンジ」が成功したのは、ひとえに呼んでくださった皆様のお陰です。本当にありがとうございました。
■寝台列車に乗るのは子供の頃からの夢
少し話は過去に戻ります。お時間あればお読みください。
もう既に50年近く前になるのでしょうか・・・子供のころ東京駅までブルートレインを見に行きました。大人になったら、「富士」か「はやぶさ」に乗りたい、これが漠然と抱いていた夢でした。「ゆうづる」みたいな電車寝台ってのもありましたね。ともかく、寝台列車に乗るのが夢だったわけですが、大人になって金銭的に余裕ができると時間的余裕がなくなり、気づいたらブルートレインもどんどん廃止されて行ってしまいました。
後悔しないよう、定期運航されているサンライズがあるうちに乗っておこうと決意したわけでした。ただ、ネット経由だとなかなかチケットが取れません。どうやら、駅のみどりの窓口に並んでいわゆる「10時打ち」というものをしてもらわないとダメらしいです。それも少し面倒なので、阪急交通社のフリープランでチケット確保してもらいました。
そして、サンライズの寝台に乗ることが主目的ですので、帰りが楽なようにサンライズ出雲ではなくサンライズ瀬戸としました。
■せっかく個室なら無線
確保できたのはB寝台シングル個室です。個室なら列車の中から無線ができると思うのは無線家なら誰もが考えることですね。そして、地図を見ていたら、瀬戸大橋を渡る際には多くの部分でPOTAのJP-0023瀬戸内海国立公園内であることも発見。これは、サンライズ瀬戸の中からPOTA運用するしかないでしょう。
最初はV/Uのハンディ機だけで運用するつもりでおりました。ただ、その後に滞在先でHFのPOTA運用する必要性が出てきたことでIC-705を持参することになり、それならば鉄道POTAチャレンジもIC-705で行うことにした次第です。
アンテナはダイヤモンドのSRH999を利用することで、50MHz/144MHz/430MHzの3バンドに出られます。特別なアンテナ基台を使うと荷物になるので、BNCからSMAへの変換コネクタ+SMAのL字コネクタを使い、そこにSRH999を直付けです。もしL字コネクタによる減衰がひどければ、BNC-SMA変換に直接SRH999を接続してハンディ運用するつもりでいました(笑)。
電源はモバイルバッテリー+トリガーケーブルを使用し、10W送信を可能にしました。
かなり危ういセッティングではありましたが、すべては結果オーライです。何とか交信を成し遂げてくれたので良かったと思っています。
■注意が必要なこと
(1)B寝台シングルは個室とはいえ防音ではありません。線路の音以外にそれなりに周りの音は聞こえました。無線機でしゃべる際には極力小さな声として気を遣いました。
(2)サンライズのB寝台個室は2階部分でしたが、窓は予想以上に曲面でした。IC-705に直付けしたSRH999でも上部は窓に当たる感じでした。これ以上長いアンテナは使用が難しいと思います。
(3)出発時の東京駅や朝の停車駅ではホームの人と目が合うので少し恥ずかしいです。先頭車両に乗ってましたが、朝どこかの駅で運転手交代の時は、IC-705+SRH999を窓際に並べた様子を運転手さんに外から二度見されました(笑)。
(4)最初は、433.06MHzで始めようとしていました。ただ、列車からのノイズで常時キャリアが出ている状態でした。周波数によっては列車の影響を受けるのも鉄道ならではと思います。
(5)今回説大橋からの鉄道POTAのアクティベーションには成功しましたが、その引き換えに瀬戸大橋からのステキな風景が全く記憶に残っていません。これはちょっともったいなかったかもです。
