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feed 「King of Hobby」の驕りを捨てよ。令和のアマチュア無線家に必要な「謙虚さ」とは (2026/3/5 23:08:28)

アマチュア無線コードと新視点。

 

日本のアマチュア無線界には、私たちが守るべき行動指針である「アマチュアコード」が存在します。

1928年に米国のPaul M. Segal氏(W9EEA)が起草した6つの信条をベースに、戦後JARLが制定したものです。

  • アマチュアは、良き社会人であること

  • アマチュアは、健全であること

  • アマチュアは、親切であること

  • アマチュアは、進歩的であること

  • アマチュアは、国際的であること

改めて見直しても、非常によくできていると思います。時代を超えて、今でもそのまま通用する素晴らしい理念です。 しかし、社会が大きく変化した今、そろそろこのコードに「ある視点」を見直す、あるいは付け加える時期に来ているのではないかと感じています。

 

私が今、切に追加したいコード。それは、

「アマチュアは、謙虚であること」

です。

 

私が開局した1982年当時、アマチュア無線はまさに「King of Hobby(趣味の王様)」と呼ばれ、局数はうなぎ上りの時期でした。私がよく出ていた2m(144MHz帯)のFMは連日大混雑で、あちこちで周波数の取り合いによる罵声が飛び交っていました。 世の中的にも「パワハラ」なんて言葉は影も形もない時代です。理不尽なご指導やお叱りを受けたり、質の悪い輩に絡まれたりしつつも、そのたびに上手く逃げ切ってきました。

 

あれから数十年、時代は変わりました。昔は「よくあること」で済まされていた言動も、今の社会では決して許されません。 では、はたしてアマチュア無線の世界には、その「一般社会の感覚」がきちんと浸透しているでしょうか?

残念ながら、答えは「否」ではないかと思っています。

 

一般社会であれば完全にセクハラやパワハラと認定されるようなやり取りが、今でも普通に行われているように感じるのです。 例えば、「YL」「XYL」といった表現や、「73/88」というジェンダーに依存した挨拶。これらは、多様性が重視される現在においては、すでにグレーな表現だと私は考えています。

 

また、ベテランから新人へのアドバイスも要注意です。良かれと思った指導のつもりが、新しくこの世界に入ってきた人にとっては単なる「高圧的な態度」や「余計なお世話」に受け取られかねません。「こうあるべき」という画一的な価値観の押し付けは、今の時代にはそぐわないのです。

 

一般社会において、わざわざパワハラが横行するブラック企業に喜んで入社したいと思う人はいないでしょう。それは趣味の世界も同じです。せっかく興味を持って足を踏み入れたのに、そこで「ブラックな体験」をしてしまえば、誰も我慢してまでそこに留まろうとはしません。

 

では、なぜこのようなギャップが生まれてしまうのでしょうか。 もちろん、こうした問題を起こすのは本当にごく一部の方々です。ただ、その根底には「アマチュア無線は国家資格を要するKing of Hobbyであり、崇高な趣味である」という、一部のベテラン層に残る「驕り(おごり)」があるのではないでしょうか。

 

以前、POTA(Parks on the Air)のボランティアをしていた時のことです。米国のボランティアチームから依頼され、とある日本人局のサポートに入りました。 ところが、その方からいただいたメールは、いきなり私への罵声から始まる、読むに堪えないものでした。こちらはできる限り丁寧に対応したつもりでしたが、その方の自尊心を深く傷つけてしまったようです。世界各地のDXペディションにも行かれているような大ベテランの方で、「どこの馬の骨ともわからないような輩(実際にそう呼ばれました)」がサポートに入ったこと自体が気に入らなかったのでしょう。

 

しかし客観的に見て、その自尊心はもはや「驕り」でしかありません。そして、この驕りこそが今のアマチュア無線界にとっての最大の敵だと思うのです。

 

だからこそ、すべてのアマチュア無線家は「謙虚」であってほしい。

 

インターネットやスマホがこれだけ普及した世界で、アマチュア無線がかつてのような大隆盛を取り戻すことはないでしょう。それでも、新しく興味を持ってくれた方を心から歓迎し、優しく、対等な目線で接することのできる世界であってほしいと願っています。

 

少なくとも自分が生きている間は、無線機メーカーが存続し、CQを出せば応答してくれる交信相手がいる――そんな規模が維持できる、風通しの良い世界であり続けますように。


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