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hamlife.jp (2024/11/27 0:35:29)
現在データベースには 6126 件のデータが登録されています。
日本国内の各アマチュア局について、許可されている電波の型式、周波数、空中線電力といった免許情報について、コールサインなどから検索できる総務省のデータベース「無線局等情報検索」によると、2021年11月1日時点で、アマチュア局は「381,639局」の免許情報が登録されている。前回紹介した10月25日時点の登録数から1週間で308局ほど減少した。
総務省が提供する「無線局等情報検索」では、アマチュア局以外に、パーソナル無線、簡易無線、放送局など、さまざまな無線局の免許データが検索できる。2019年1月7日から同サービスのWebデザインを含めて仕様変更が行われ、ほぼリアルタイムで無線局データが確認できるようになった。
その後、2020年3月16日夜の更新を最後に4月15日まで、1か月間にわたるメンテナンス作業が行われた。電波法施行規則の一部改正に合わせて“免許状記載事項等が不公表となっている公共業務用無線局等(警察、消防ほか)”の一部データを反映するための改修だったようだ( 2020年4月15日記事 )。
今回、2021年11月1日時点で、同じコールサインでも「移動しない局」「移動する局」など、それぞれ無線局免許が分かれている場合を含め、アマチュア局として「381,639局」の免許状情報が登録されていた。前回、10月25日時点のアマチュア局の登録数は「381,947」だったので、1週間で登録数が308局ほど減少した。
また、1982(昭和57)年12月にスタートした「パーソナル無線」は、有効期限が残っている一部の局を除き2015年(平成27年)11月30日をもって使用期限を迎えたが、2021年11月1日時点のデータベースによると、パーソナル無線局として「2局」の免許情報が登録されていた。前回、10月25日時点の登録数は「2局」だったため、この間に免許の失効はなかったと思われる。
↓この記事もチェック!
<官報号外で公布、4月15日から施行>電波法施行規則を一部改正、公共業務用無線局等(警察や消防などの一部)の“公表制度の見直し”を反映
<hamlife.jpスタッフの雑記>「令和」の無線局免許状を総合通信局で受け取ってきた
<免許状の有効期限まで継続運用可能>900MHz帯の「パーソナル無線」は、平成27年11月30日以降も使用できる!!
●関連リンク:
・総務省電波利用ホームページ 無線局等情報検索
・総務省
許認可等の有効期間の延長等が認められる場合があります
・総務省 特定非常災害特別措置法の概要(PDF形式)
・アマチュア局40万局割れ(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・無線局等情報検索の更新タイミング(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
特別な資格が必要なくても無線交信が楽しめ「ライセンスフリー無線」。そんな“フリラー(愛好家)”たちが集う、日帰り一斉交信イベント「全国一斉オンエアディ」が、2021年11月3日(水・祝)9時から15時までの6時間にわたり開催される。毎年11月の“文化の日”は晴天の確立が高い祝日で、さらに日帰りのお手軽イベントということで、ぜひ、ロケーションのよい場所から思う存分、移動運用を楽しも。
新型コロナウイルスの新規感染者が大幅に減少して、社会生活が戻りつつある中で行われる交信イベントだ。ロケーションのよい場所から移動運用を楽しもう
合法CB無線(市民ラジオ)をはじめ、特定小電力無線、デジタル簡易無線登録局、デジタル小電力コミュニティ無線などを使い、思い思いの場所に移動し、普段は繋がりにくい地域との交信を楽しむという全国規模のイベントの1つとして、日帰りで楽しめる全国規模の一斉交信イベントが2021年11月3日(水・祝)に実施される。
●「全国一斉オンエアディ」実施要綱
■開催日時:
2021年11月3日(水・祝)09:00~15:00
■運用するバンド:
・合法CB無線(市民ラジオ)
・特定小電力無線
・デジタル小電力コミュニティ無線
・デジタル簡易無線登録局
■集中呼び出しタイム:
・市民ラジオは開催時間(09:00~15:00)中の毎時30分
・特定小電力無線は開催時間(09:00~15:00)中の毎時00分
それぞれライセンスフリー無線では、メインに使われるチャンネルが通例として決まっている。最高出力が500mWの「市民ラジオ」はこの時季はグランドウェーブによる交信がメインとならざるを得ないだろう。ここ最近の使用頻度が高いチャンネルは8ch(27.144MHz)/3ch(27.040MHz)/6ch(27.112MHz)の順となる。まれにEスポが出ることもあるので期待したい。
一方、「特定小電力無線」は周波数的にグランドウェーブによる交信が中心となる。使用頻度が高いのは422.225MHz(アルインコ表記で「L3」、アイコムなどの表記では「14ch」)。また351MHz帯の「デジタル簡易無線(登録局)」の場合は、呼び出しチャンネル15chを受信し、交信チャンネルを指定し移動して交信を楽しという流れ。
2018年暮れからスタートしたライセンスフリー無線の新ジャンル、142/146MHz帯を使用する「デジタル小電力コミュニティ無線」は、呼び出しチャンネル(18ch)でCQを出して、ほかの空いているチャンネルに移動して交信を行う。
特定小電力無線機(10mW機)の50倍の送信出力500mWで、技術基準適合証明(工事設計認証)に登録されている利得の高いアンテナに交換すれば、遠距離交信を狙うことも期待できる。また、送信のたびにGPS位置情報を相手局に送るので、どれくらい離れた場所から電波が届いているか容易に把握することができるのも特長の1つだ。
ライセンスフリー無線には、合法CB無線をはじめデジタル簡易無線、特定小電力無線、さらにデジタル小電力コミュニティ無線…とさまざまなジャンルがある
ここで注意したいのが、GPS機能を標準装備しているデジタル小電力コミュニティ無線。規格上、GPSデータの送信を止めることができないため、自宅から運用すると、その場所が判明してしまうことになる。その点も十分理解して楽しもう。
なお、フリラー有志により「移動運用イベントに関するガイドラインの呼びかけ」が行われている。「荒天時の対応について」など、詳しくは下記の関連リンクから「2000年以降の移動運用イベントに関するガイドラインの呼びかけについて」にアクセスして確認してほしい。
↓この記事もチェック!
<話題の「NTS115」開発エピソードや遠距離交信ドキュメントほか>三才ブックス、「ライセンスフリー無線完全ガイド Vol.5」11月6日発刊
●関連リンク:
・市民ラジオ(ウィキペディア)
・特定小電力無線(ウィキペディア)
・簡易無線/デジタル簡易無線(ウィキペディア)
・デジタル小電力コミュニティ無線(ウィキペディア)
・ライセンスフリーラジオ(ウィキペディア)
・2000年以降の移動運用イベントに関するガイドラインの呼びかけについて(CITIZENet
)
「アマチュア無線に関する最新情報を提供し、アマチュア無線のおもしろさを伝える電子マガジンで、スポンサーメーカーだけではなく、JAIA会員各メーカーの製品情報も掲載しています」という電子Webマガジン「月刊FBニュース」。通常は“毎月1日”と“毎月15日”に記事の更新を行っているが、きょう2021年11月1日にはニュース3本のほか、おなじみの「ものづくりやろう!」「おきらくゴク楽自己くんれん」「海外運用の先駆者達」「日本全国・移動運用記」など合計10本の記事を掲載。また英語版の「FB NEWS Worldwide」にも5本の記事が掲載されている 。
今号のニュースは「JOTA2021体験会が3会場で開催される」「11/13開催、第二回“全国DV画像通信”の運用スケジュール発表」「JARL、2022年の“アンテナ第三者賠償責任保険”募集中」の3本。
連載記事は10本を掲載。JA3FMP 櫻井氏の「楽しいエレクトロニクス工作」は市販のセンサーとRaspberry Pi3を使った温度/湿度計の製作。FB LABOはJS2AVK 濱島氏の熱海市移動運用のリポート。JF3LCH 永井氏の「おきらくゴク楽自己くんれん」は過去に同コーナーで製作したグッズを持参して全市全郡コンテストのQRP種目に移動運用で参加したリポート。
JH3RGD 葭谷氏の「ものづくりやろう!」はArduinoを使ったSWR表示器の製作。JO2ASQ 清水氏の「日本全国・移動運用記」は10月9日と16日に行った長野県下伊那郡の移動運用記。JA3AER 荒川氏の「海外運用の先駆者達」は1996年の北米、ヨーロッパ、アフリカにおける日本人運用を紹介している。
月刊FBニュース2021年11月1日号へは下記関連リンクより。次回は11月15日(月)の記事更新を予定している。
●関連リンク:
・月刊FBニュース2021年11月1日号
・FB NEWS Worldwide
・月刊FBニュース Facebookページ
JARL QRP Clubは、2021年11月3日(水・祝)13時から21時までの8時間にわたり、QRP(空中線電力5W以下)で運用する国内のアマチュア無線局を対象に、1.9/3.5/7/14/21/28/50MHz帯の各アマチュアバンドの電信と電話(デジタルモードは対象外)で「JARL QRP Club 2021年 QRPコンテスト」を開催する。
本コンテストの参加資格および交信相手局は、QRP(空中線電力5W以下)で運用する国内のアマチュア無線局が対象となる。
参加部門は、「電信電話シングルバンド部門」と「電信電話マルチバンド部門」に分かれ、それぞれ種目として各バンドで使用する無線機の送受信部ともにメーカー製である「一般」と、各バンドで使用する無線機の送受信部のいずれか一方または両方がメーカー製以外の「自作機」がある。
ナンバー交換は、「RS(T)による相手局のシグナルレポート」+「自局の運用場所を示す都府県地域ナンバー」+「QRPを表すアルファベット“P”」を送る。
ログ提出は11月23日(火・祝)まで(郵送は必着)。提出する書類はログ、サマリーシート、および補助資料で、補助資料は自作機の場合は内部がわかる写真。ただし、キットの場合は機種名をサマリーシートへ記載のこと。原則として電子メールで受け付ける(写真が電子メールで送れないときは、写真のみ郵送)。
郵送で提出するログに返信封筒(郵便番号、住所、氏名を明記した長形3号封筒)と94円切手を同封した局には、結果とコメント集が送付されるが、「なるべく公式サイトで見てください」と呼びかけている。
また、各種目の第1位に賞状を授与する(今回から原則として書類に記載されたメールアドレス宛へのPDF送付とする)。もし紙の賞状が必要な場合は、発表後2か月以内に返信用封筒(郵便番号、住所、氏名、コールサインを明記し、140円切手を貼った角形2号の封筒)を上記書類提出先に郵送すること。
細かなルール変更やお願いなど、詳しくは下記の関連リンクからJARL QRP Club「2021年 QRPコンテスト規約」で確認してほしい。
「JARL QRP Club 2021年 QRPコンテスト」の規約(一部抜粋)
●関連リンク:
・JARL QRP Club 2021年 QRPコンテスト規約(PDF形式)
・JARL QRP Club クラブ主催コンテスト
・JARL QRP Club
「毎週、アマチュア無線を肴に、おかしく楽しく、そして深く、時には涙を、 時には役立つ話題をお送りしたいと思います。多彩なゲストをお迎えし、楽しく語って行きたいと思います。乞うご期待!」というハムのラジオ。2013年1月6日からインターネットでコンテンツの公開を行い、同年10月から2018年12月末までは茨城県水戸市の「FMぱるるん」で放送。2019年1月からは再びインターネット配信に戻っていたが、同年6月から毎週日曜日21時に千葉県成田市の「ラジオ成田」で地上波放送が再開した。さらに2020年4月からは毎週月曜日の13時から再放送も行われるようになった。
2021年10月31日の第461回放送は「やっぱり、HFなんだよね」を特集。同番組のメンバーはHF帯の通信が大好きだという。なぜ好きなのかをレギュラー陣が熱く語るという内容だ。
公開されたポッドキャスト音声は約46分。聴取は下記関連リンクから。Web上のほかiTunesかSticherのリンクからも聴くことができる。
●関連リンク: ハムのラジオ第461回の配信です
JARL北陸地方本部は、2021年11月2日(火)21時から11月3日(水・祝)12時までの15時間にわたりアマチュア無線家を対象にした「JA9コンテスト HF 2021(電話の部)」を、1.9/3.5/7/14/21/28MHz帯で開催する。
同コンテストの交信対象は、「9エリアの局」がすべての局、「その他の局」が9エリアから運用する局となっている。
ナンバー交換は9エリアの局が「RS符号による相手局のシグナルレポート」+「市郡番号」、その他の局は「RS符号による相手局のシグナルレポート」+「都府県・北海道地域、小笠原の番号」となる。ログの締め切りは11月23日(火・祝)消印有効。
なお11月20日(土)21時から11月21日(日)12時までは、「JA9コンテスト HF 2021(電信の部)」の開催も予定されている。
詳しくは下記関連リンクから「JA9コンテスト HF 2021規約」で確認してほしい。
「JA9コンテスト HF 2021(電話の部)」の規約
●関連リンク:
・JA9コンテスト HF 2021規約(PDF形式)
・JARL北陸地方本部
先週のアクセスランキング1位は、無線従事者国家試験を実施している公益財団法人 日本無線協会が2022(令和4)年2月から「第三級アマチュア無線技士」「第四級アマチュア無線技士」「第二級陸上特殊無線技士」「第三級陸上特殊無線技士」の4つの資格試験において、「CBT方式(コンピュータ利用試験)」の導入を行うことを公表したニュース。試験期間のうちから希望する日付と時間に受験できることになる見込みで、受け付けは本年12月15日から。「各都道府県において少なくとも1か所の試験会場を設ける予定です」としている。
公益財団法人 日本無線協会の発表より
続く2位は「【実際に試してみた】<正弦波インバーター搭載、セルスタート式の定格1.8kVAタイプ>PLOW、月々1,980円の『発電機年間レンタルプラン』を提供」。発電機や農業・産業機械類の販売大手「PLOW」(プラウ、運営:株式会社ホンダウォーク、本社:新潟県上越市)が、正弦波インバーター回路とセルスタート機能、スマートフォンによるモニター機能などを搭載したエンジン式発電機(定格1.8kVAタイプ)「GP18iE」を、月々1,980円(税込)の支払いで1年間使える「発電機年間レンタルプラン」を今春から開始した。契約期間満了後、さらに1年間の契約更新をすると使用済みの発電機を回収しメンテナンス済みの発電機を交換発送してくれる。高性能の発電機を手軽に使えるプランとして同記事が注目を集めた。
hamlife.jpでは「発電機年間レンタルプラン」でレンタルされる発電機「GP18iE」を実際に試用してみた。同機種はPLOWで販売(税込み99,800円)も行っている
3位は、2021年10月28日(木)に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT )「宇宙天気予報センター」が公表した、「太陽黒点相対数(SSN=サンスポットナンバー)」が「100」を記録したという話題だった。100を超えたのは9月9日から約1か月半ぶりのことで、このまま太陽活動が活発になれば、HFハイバンドでのDX通信が賑やかになるだろう。それを物語るように、日本時間の10月28日(木)15時前から21MHz/SSBでヨーロッパ局(ハンガリー、ブルガリア、イタリアやヨーロッパロシアなど)の信号が強力に入感していた。さらに翌日(10月29日)の朝は、21MHz帯/SSBで米西海岸やカリブ海などの局が入感。28MHz/SSBではDXペディションを行っているガラパゴス諸島「HD8R」の信号も聞こえ、スプリット運用で多くのJA局が呼んでいた。
直近1か月間の太陽黒点相対数(SSN)の推定値。10月25日からSSNの上昇傾向が見られるようになった。カッコの数値は太陽黒点相対数算出のために利用されている観測所の数(宇宙天気情報センターのWebサイトから)
「太陽黒点情報 宇宙天気情報センター」のWebサイトに掲載された2021年10月28日(木)の太陽黒点映像(宇宙天気情報センターのWebサイトから)
※タイトルをクリックすると該当記事にジャンプします。
1)<各都道府県で少なくとも1か所の試験会場を設置予定>日本無線協会、来年2月から3・4アマと2・3陸特の国家試験をCBT方式で実施へ
2)【実際に試してみた】<正弦波インバーター搭載、セルスタート式の定格1.8kVAタイプ>PLOW、月々1,980円の「発電機年間レンタルプラン」を提供
3)<21MHz/SSBでヨーロッパが強力に入感>1か月半ぶりに太陽黒点相対数(SSN=サンスポットナンバー)が「100」を記録
4)<「JT-Get’s」の細かな追加・修正など>アマチュア無線業務日誌ソフト「Turbo HAMLOG(ハムログ)」が10月23日にバージョンアップしてVer5.34aを公開
5)<北海道で初! 145MHz帯と430MHz帯で注意喚起>北海道総合通信局、電波規正用無線局とJARLアマチュアガイダンス局との連携運用を実施
6)<10月29日(金)16時から30日(土)最終列車出発予定時刻まで>無線ジャンルにこだわらず“駅前で無線運用を楽しむ”をテーマに「第2回 駅前QRVデー」開催
7)<「第14回 読者が選ぶ 好きなDJランキング」結果発表!!>三才ブックス、「ラジオ番組表2021秋号」を10月28日に刊行
8)<旭川方面士別警察署と共同で取り締まり>北海道総合通信局、免許のないアマチュア無線機を設置し不法に無線局を開設した男を摘発
9)<別売コイルで1.8/1.9MHz帯、3.5/3.8MHz帯、4630kHzも運用可能>第一電波工業、移動運用に便利なMF~430MHz帯スクリュードライバー型アンテナ「RHM12」を発表
10)<25歳以下のカテゴリー特記を新設>日本時間で10月30日(土)9時から48時間、「2021 CQ World Wide DX Contest(SSB)」開催
「ダイヤモンドアンテナ」のブランドで知られるアンテナメーカー、第一電波工業株式会社は、移動運用先での使用に便利な垂直スクリュードライバー型アンテナ「RHM12」(7~430MHz帯)とオプションコイル「RHMC12」(1.8/1.9MHz帯用と3.5/3.8MHz帯用の2本をセット)を2021年10月18日に発表し( 10月19日掲載の記事参照 )、このほど出荷を開始した。すでに一部の無線ショップには少数ながら入荷しているようだ。さっそくhamlife.jpも同アンテナを入手、HFローバンドを中心に使ってみたので紹介しよう。
第一電波工業の垂直スクリュードライバー型アンテナ「RHM12」。左はノーマルの状態(7MHz帯以上をカバー、全長約2.75m)、中央はオプションコイルセット「RHMC12」の3.5/3.8MHz帯用コイルを装着した状態(全長約2.9m)。バンド変更とSWR調整はコイル部分の“筒”の上下スライドで行える(右)
第一電波工業はこれまでも1本で7~430MHz帯をカバーする「RHM10」というな垂直スクリュードライバー型アンテナを発売していたが、今回登場したRHM12はこれに全面改良を施した製品だ。主な改良点(hamlife.jpの独自調査)は次のとおり。
<RHM12が進化したポイント>
★全長2mを超えるロッドエレメントを採用、最大長は1.77m→2.75mになり、電波の飛びと広帯域化が図られた
★コイルのスライド部分の目盛り(数値表示)が周波数帯表示(TPS:チューニングポイントスケール機能)に代わり、換算表不要で狙ったバンドに直感的なQSYができるようになった
★コイルの同調周波数帯(TPS)を示すシールは平らな部分に貼られ、スライド部分のロックと解除を繰り返しても傷や剥がれの心配が軽減された(※RHM10は、コイルの筒を固定した状態のまま、無理にスライドさせると目盛りのシールを傷めることがあった)
★コイルのスライド部分のロックが樹脂素材からメタル素材に変わり、固定と解除が確実に行われるようになった(QML:クイックメタルロック)
★オプションコイルセット「RHMC12」を使用することにより、1.8/1.9MHz帯や3.5/3.8MHz帯での運用も可能になった
★3.5/3.8MHz帯のオプションコイル使用時、非常通信の連絡設定用周波数である4630kHzでの送受信にも対応する
★430MHz帯はコイル上部に別添のエレメント、最下部にラジアルを取り付ける形式(5/8λで動作)になった
★50/144MHz帯の運用時はロッドエレメントを少し縮め、「全長1.33m」に合わせる必要がある(50MHz帯:1/4λ、144MHz帯:5/8λで動作)。その目安となるように“全長1.33mの紐”が付属してくる
★本体重量は300g→350gにアップ
★RHM12の希望小売価格はRHM10から据え置き
なおRHM12はRHM10と同様、移動運用先で仮設的(ポータブル運用)に使うことを前提に設計されたもので、いわゆる“全天候タイプ”ではない。そのため強度や防水性の観点から、モービル走行中や強風・雨天時の使用はできないので注意してほしい。
◆実際に使ってみた!
広い公園に駐車したRV車のルーフレール基台(第一電波工業「K515」)に、RHM12を取り付けてみた。ロッドエレメントが長いので、手元で完全に伸ばしきってからアンテナ基台に取り付けた方が作業がやりやすい。なお各バンドともボディアース(カウンターポイズ)が必要になるので(1.9~50MHz帯:1/4λ、144/430MHz帯:5/8λで動作)、車の屋根に第一電波工業のマグネットアースシート「MAT50」1枚を貼り付けた。
最初は7MHz帯をチェック。コイルのスライド位置はTPSの周波数帯表示で「7.0~7.3」の中心よりもやや上、7080kHz付近を狙ってざっくりと合わせてみた。その上でアンテナアナライザーで測定したところ、SWRは最良点で1.7程度、その前後30kHz程度が2.0以内という状態だった。
この数値なら無線機内蔵のATU(オートアンテナチューナー)でさらにマッチングを取ることもできる。試しに50W出力のSSBモードで運用してみたが、パイルアップになっている局以外は問題なくピックアップしてもらえた。全長2mクラスの7MHz帯モノバンド用モービルホイップと比較しても飛びに遜色ないだろう。
また10MHz帯は最良点のSWRが1.7、14MHz帯は1.5、18/21/24/28/50MHz帯は1.2~1.3程度に収まった。どのバンドも無線機内蔵のATUの併用でスムーズに運用でき、国内局はもちろんだが、コンディションにも恵まれてコンテスト参加の海外局とも交信が行えた。前モデルのRHM10とは異なり、取説の「換算表」を使わずに直感的にバンド変更ができるのがありがたい。
アンテナアナライザーを持っていない場合は、無線機をAMモードにして受信音量を上げておき、コイルを目的周波数付近でスライドさせ、雑音が最も多くなった付近が同調点と考えてほぼ間違いない(この方法で、主要な短波帯放送バンドや航空無線の洋上管制用周波数などでもマッチングを取ることができた)。あとは無線機のSWRメーターを使って微調整し、最終的にはATUをONにすれば問題なく運用できる感じだ。
◆オプションコイルを装着!
続いてオプションコイル(RHMC12)のうち、まず3.5/3.8MHz帯用コイルをRHM12に装着した。この状態で3.5MHz帯のSWRを測ってみたが、最良点で1.9程度とやや高めだった。
そこで急遽、マグネットアースシート(MAT50)を近所のショップでもう1枚購入。合計2枚を屋根に貼り付けた状態で測定したところ(駐車位置は変わらず)、最良点で1.4まで下がることを確認。実はRHM12の取扱説明書にも「マグネットアースシート MAT50、1.9/3.5MHz帯を使用する際は2枚必要」と明記されている。改めてアース(カウンターポイズ)の重要さを認識した。
またRHM12は3.5/3.8MHz帯用のオプションコイルを装着した状態で、本体コイルのスライド量を変えていくと、非常通信の連絡設定用周波数である「4630kHz」の送受信にも対応する。今回、最良に調整した状態で測定したところ、4630kHzにおけるSWRは1.9を示した。同周波数は内蔵のアンテナチューナーが動作しない無線機が多いが、この数値であれば、ひとまずATUなしでも非常時の連絡設定通信に利用できるだろう。
次に1.8/1.9MHz帯用のコイルに交換してみた。こちらはマグネットアースシートが1枚でも2枚でもほぼ同じ結果で、最良点のSWRは1.09と極めて良い数値だった。ただしSWRが良好な幅はかなり狭く、2.0以下で収まる範囲は±4kHz程度。無線機のアンテナチューナーを併用する場合でも、バンド内で大きくQSYする場合はRHM12側での同調の取り直しが欠かせない感じだ。
とはいえ、本体コイルをスライドさせながらの1.8/1.9MHz帯のSWR調整はかなりブロードで、例えば「最良点をあと3kHz上にしたい」といった微妙な調整も行いやすく、マッチングに苦労は感じなかった。
実際の160mバンドの運用はどうだろうか。1.8/1.9MHz帯コイルを装着したRHM12を車両に取り付け、夜8時頃から同じ場所で移動運用を行ったが、約20分間で3局(1、4、7エリア)とSSBによる交信に成功。こちらが50W出力ということもあってか、相手局へ送ったRSリポートよりも、受け取るRSリポートは若干落ちたものの十分実用になる印象だ。モービル基台に取り付けられる全長わずか3mのアンテナで、手軽にこのバンドが運用できるメリットは大きい。
1.8/1.9MHz帯は移動運用でも周囲の建物や照明、インバーター機器などから発生する雑音の影響を受けることがある。しかしワイヤーアンテナとは違い、車両に取り付けたRHM12+RHMC12なら雑音の少ない場所を探して位置を変えることが容易だ。本格的なアンテナを展開する前に、ノイズが少ない場所を選定する場合にも役立つだろう。
HFの短縮型モービルホイップは「目的の周波数で同調が取りにくい」「最良点でもSWRがあまり下がらない」という声も聞くが、RHM12はスライド式コイルにより、目的とする周波数でピンポイントの同調が行いやすく、しかも2枚のマグネットアースシートを使うことで、1.9MHz帯や3.5MHz帯でもSWRがしっかり下がるのは好印象だった。
また、カメラ用の三脚にRHM12を取り付け(同社のカメラ三脚用取り付け金具「TRS3」が便利)、カウンターポイズとして各方向に長めのリード線を這わせる方法での運用も可能。IC-705やFT-818NDを使った手軽なオールバンドのポータブル運用でも活躍できそうだ。
ローバンドの伝搬が良くなる、これからのシーズンの手軽な移動運用や、万一の場合に役立つ
“どのバンドでもQRVできる、スーパーサブ的なアンテナ”として、RHM12とRHMC12の組み合わせは人気を集めそうだ。
なお10月30日現在、無線ショップによってはRHM12の初回入荷数が少なく、まだ予約注文のすべてに対応できていないところもあるようだ。購入希望者はまずショップに問い合わせてみることをお勧めする。
こちらの記事も参考に↓
<アース取付用蝶ネジ付>第一電波工業、カメラ三脚用取付金具「TRS3」を新発売 (2020年8月21日掲載)
●関連リンク:
・第一電波工業(10月30日現在、RHM12の製品情報は掲載されていない)
・MAT50(第一電波工業)
・TRS3(第一電波工業)
京都2m SSBers Groupでは、2021年11月1日(月)0時から11月10日(水)23時59分の10日間にわたり、144MHz帯SSBモードで「第40回 京都アクティブコンテスト」を開催する。本コンテストにログを提出すると、2022年4月に行われる「3エリア2m SSBコンテスト」のBマルチに加点することができるとしている。
参加部門は「メンバーの部」と「一般局の部」の2つ。ナンバー交換は通常の「RS符号による相手局のシグナルレポート」+「市郡名(京都府内は市区町村名)」の交換。京都2m SSBers Groupメンバーは「M(メンバー)」を送る。ロールコール中の交信は無効。
得点はメンバーYL局が15点、メンバー局が10点、一般YL局が5点、一般局が1点。得点はどちらか1回の交信のみ。マルチプライヤーは、1.運用日数(最高10日)、2.京都府内の14市(京都市を除く)10町1村と京都市内11行政区(合計36市区町村)で、総得点は得点合計×(マルチ1+マルチ2)となる。
ログの提出は12月10日(金)まで(当日消印有効)。詳しくは「第40回 京都アクティブコンテスト規約」で確認してほしい。
「第40回 京都アクティブコンテスト」の規約
●関連リンク: 第40回 京都アクティブコンテスト規約(JARL Web版クラブニュース/PDF形式 ※3ページ目に掲載)
日本における、2021年10月30日時点の「アマチュア無線局のコールサイン発給状況」をまとめた。1エリア(関東管内)の関東総合通信局で更新発表があった。同総合通信局からは10月に入って5回めの更新となる。一方、2エリア(東海管内)の東海総合通信局は、未だ「8月17日時点」を最後にコールサイン発給状況の更新状況が滞っている。
各総合通信局で公表している、コールサインの発給状況は下表の通りだ。
ところでアマチュア局のプリフィックスの割当ての順番に触れておこう。まず1エリア(関東管内)を例に取ってみると、最初はJA1 → JH1 → JR1 → JE1 → JF1 → JG1 → JI1 → JJ1 → JK1 → JL1 → JM1 → JN1 → JO1 → JP1 → JQ1 → JS1と一度目の発給が行われた。
その後JE1からプリフィックスのアルファベット順での空きコールサインの再割り当てが行われ、JE1 → JF1 → JG1 → JH1 → JI1 → JJ1 → JK1 → JL1 → JM1 → JN1 → JO1 → JP1 → JQ1 → JR1 → JS1と進んだ。
さらにその後、数字の7で始まる7K1 → 7L1 → 7M1 → 7N1 → 7K2 → 7L2 → 7M2 → 7N2 → 7K3 → 7L3 → 7M3 → 7N3 → 7K4 → 7L4 → 7M4 → 7N4の発給が行われ、その後にJA1 → JE1 → JF1 → JG1 → JH1 →JI1 → JJ1と2度目の再割り当てが進行している。
また2エリア(東海管内)と3エリア(近畿管内)も、関東の1回目の再割り当てと同様に「JS2(JS3)終了後に、JE2(JE3)からプリフィックスのアルファベット順」で再割り当てが進行している。
しかし6エリア(九州管内)は、JQ6までの発給が終了後(JS6は沖縄に割り当て)、JA6から、プリフィックスのアルファベット順での再割り当てが行われている。
このあたりの経緯と詳細は、日本におけるコールサイン研究の第一人者、JJ1WTL・本林氏のWebサイトが詳しい。
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<総務省のデータベース「無線局等情報検索」で判明>7エリア(東北管内)、令和3(2021)年1月28日付で「JQ7AAA」を発給
<令和3(2021)年1月20日発給分から>6エリア(九州管内)、「JE6」のプリフィックスが終了し「JF6AAA(二巡目)」からの割り当て開始
●関連リンク:
・JQ7の割り当てに突入(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・The Enigma of Japanese Call Sign System(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・「「7K1~7N1」「7K2~7N2」「7K3~7N3」「7K4~7N4」は再割り当てされません」?(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)