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hamlife.jp (2024/11/25 23:35:25)
現在データベースには 6122 件のデータが登録されています。
茨城県古河市にある「KDDI八俣(やまた)送信所」は、NHKが行っている短波による国際放送(NHKワールド・ラジオ日本:Radio Japan)の送信所として知られている。同送信所は2021年に“送信開始80周年”を迎えたことから、記念式典に先駆けて報道各社を対象にした見学ツアーが行われた。hamlife.jpはアマチュア無線メディアで唯一、このツアーに参加。送信機やアンテナなど多数の写真を撮影してきた。
KDDI八俣送信所は、1940(昭和15)年10月に「国際電気通信株式会社(KDTK)八俣送信所」としてこの地に開設。翌1941(昭和16)年1月から50kW送信機で海外向けラジオ放送の送信を開始した。短波の送信所には平坦で広大な土地が必要であるほか、台風被害や雪害が少なく、海から離れて塩害の心配がないといった条件をクリアする必要があり、この場所が好適地として選ばれたという。
終戦後は逓信省や電気通信省の所管施設として対米向け電話回線の運用などを行い、昭和27(1952)年に日本電信電話公社の八俣送信所となり海外向け放送「ラジオ日本(Radio Japan)」の送信を再開。昭和28(1953)年には「国際電信電話株式会社(KDD)八俣送信所」、平成12(2000)年に「KDDI八俣送信所」と組織が変わったが、途絶えることなく世界中に向けた短波放送の送信業務を行ってきた。
また昭和の終わりから平成末期にかけてはカナダ放送協会(CBC)、ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)、英国放送協会(BBC)の中継送信も行っていた。一方で平成20(2008)年からは送信設備の縮小化が始まり、送信機やアンテナの一部撤去も行われた。
現在の敷地面積は約100万平方メートル。東京ドーム22個分(東京ディズニーリゾートとほぼ同じ)という広大な敷地に、カーテンアンテナ15基、水平ログペリアンテナ3基を配置し、300kW送信機5台と100kW送信機2台を備えている。NHKから国際放送の送信業務を受託し、全世界に向けて18言語(日本語、英語含む)で「NHKワールド・ラジオ日本(Radio JAPAN)」の電波を発信している。
今年、KDDI八俣送信所は送信開始80周年を迎え、5月19日(水)には同所で関係者を招いての記念式典が開催される予定だ。これに先だって4月26日に報道各社を対象とした施設見学ツアーが開催された。同送信所は一般公開を行っていないので、全貌を知る上で非常に貴重な機会となった。
次ページからは、この見学ツアーでhamlife.jpが撮影した同送信所の「 管制室 (2ページ目)」「 送信機 (3ページ目)」「 アンテナ (4ページ目)」の写真を紹介していく。
「管制室」の写真は 次ページ 参照!
先週のアクセスランキング1位になったのは、以前からアマチュア無線機器などを扱い激安をうたう通販サイト(詐欺サイト)の存在をhamlife.jpでは伝えていたが、またまたフィッシング詐欺が疑われる怪しい通販サイトが見つかったというニュース。見覚えのある無線機器がスラ~リと並び、どの商品もこの手の偽の通販サイトにありがちな激安価格をうたっている。時を同じくして、日本経済新聞(2021年5月4日付)が「偽の通販サイトで被害、消費者庁、巣ごもり影響か」との見出しで、消費者庁がイオンのプライベートブランドのロゴを盗用するなどした偽の通販サイトを5件確認したと伝えた。
2位と3位は、新刊のお知らせ。2位は「<特集『激安・多機能測定器を使いこなせ』、第2特集『FT8つまずき解消マニュアル』>電波社、『HAM world(ハムワールド)』2021年7月号を5月19日(水)に刊行」で、3位は「<通巻900号記念号、特集は『原点回帰 モールス通信を楽しもう』>CQ出版社が月刊誌『CQ ham radio』2021年6月号を刊行」。さらに7位に「<徹底解説『八重洲無線 FTDX10スコープ活用ガイド』>CQ出版社が『別冊CQ ham radio QEX Japan No.39』を刊行」、8位には「<新規筆者を投入して3年ぶりの発売>三才ブックス、『おもしろ無線受信ガイド ver.21』を刊行」がそれぞれランクインしている。先週は無線関係の雑誌やムックの発刊情報を伝える記事のラッシュとなった。
続く4位は、2021年5月10日(月)に総務省が「令和3年度電波利用環境保護活動用」の新PRポスターを公表した記事。総務省では、毎年6月1日から6月10日までを「電波利用環境保護周知啓発強化期間」と定め、関係各省庁や各種団体と協力し、電波法令の周知啓発と法令違反の未然防止に関する広報活動を行ってる。それに合わせ、毎回印象的なポスターを制作しているが、今年度の「令和3年度電波利用環境保護活動用」の新PRポスターに、元グラビアアイドルで現在は女優やタレントとして、バラエティー番組などでも活躍する「橋本マナミ」が起用された。昨年度(令和2年度)のイメージキャラクターは「壇蜜(だんみつ)」だったので、2年続けて大人びたセクシーさを売りするタレントの起用となった。なお、令和3年度のキャッチコピーは「守って! 電波のルール」だ。
※タイトルをクリックすると該当記事にジャンプします。
1)<住所に存在しない“丁目”表記>商品の中に海外仕様の無線機器も…、後を絶たない偽の通販サイト(詐欺サイト)
2)<特集「激安・多機能測定器を使いこなせ」、第2特集「FT8つまずき解消マニュアル」>電波社、「HAM world(ハムワールド)」2021年7月号を5月19日(水)に刊行
3)<通巻900号記念号、特集は「原点回帰 モールス通信を楽しもう」>CQ出版社が月刊誌「CQ ham radio」2021年6月号を刊行
4)<イメージキャラクター、橋本マナミ>キャッチコピーは「守って! 電波のルール」、総務省が「令和3年度電波利用環境保護活動用」PRポスターを公表
5)<スプリアス除去に新開発のハイブリッドフィルターを採用>アツデン、HF+50MHz帯の1kWリニアアンプ「AZR-1000」を5月下旬から出荷開始
6)<AC110V/DC12V/QC3.0/Type-C PDなどの出力端子を装備>ポータブル電源「Anypro OD500N」レビュー
7)<徹底解説「八重洲無線 FTDX10スコープ活用ガイド」>CQ出版社が「別冊CQ ham radio QEX Japan No.39」を刊行
8)<新規筆者を投入して3年ぶりの発売>三才ブックス、「おもしろ無線受信ガイド ver.21」を刊行
9)<1アマの増加率が“急ブレーキ”>総務省、「資格別 無線従事者免許取得者数の推移」を公表
10)<50MHz帯ポケットダイポールアンテナの製作>「月刊FBニュース」2021年5月1日号きょう公開
アマチュア無線業務日誌の定番ソフト(フリーウェア)として、多くの無線家に愛用されている「Turbo
HAMLOG(通称「ハムログ」)」。そのWindows版が2021年5月4日に「Ver5.32b」としてバージョンアップ(「JT-Get’s」と命名した機能など細かな改修)したが( 2020年5月4日記事
)、今回「その後の進捗状況」として、6日後の5月10日に続き5月15日に「追加・修正ファイル(テスト版)」が公開(更新)された。
JG1MOU・浜田氏が制作している「ハムログ」はフリーソフトであることはもちろん、直感的な操作性などで愛好者も多い。そのWindows版が2021年5月4日に「Ver5.32b」としてバージョンアップしたが、今回「その後の進捗状況」として、5月10日に続き5月15日に「追加・修正ファイル(テスト版)」が公開(更新)された。
今回更新された内容は以下のとおり(同Webサイトから)。
その後の進捗状況(2021/5/15の更新内容)
※解凍したファイルHamlogw.exeを右クリックし、プロパティでブロックの解除を実行しなければうまく動作しない場合があります。テスト版につき、処理方法がよく解らない方は無理に使用しないでください。
・バージョン情報で使用中のファイル名を表示するようにした。
・JT-Get’sのB4の表示個数を設定できるようにした。最少が5個。
その後の進捗状況(2021/5/10の更新内容)
※解凍したファイルHamlogw.exeを右クリックし、プロパティでブロックの解除を実行しなければうまく動作しない場合があります。テスト版につき、処理方法がよく解らない方は無理に使用しないでください。
・バージョン情報で使用中のファイル名を表示するようにした。
●関連リンク:
・Turbo HAMLOG/Win Ver5.32b
・Turbo HAMLOGホームページ
日本における、2021年5月15日時点の「アマチュア無線局のコールサイン発給状況」をまとめた。1エリア(関東管内)の関東総合通信局から更新発表があった。5月に入って、いまだ更新発表が行われていないエリアは、9エリア(北陸管内)の北陸総合通信局と、0エリア(信越管内)の信越総合通信局となる。とくに信越総合通信局からは、2020年12月1日時点のコールサイン発給情報を最後に、6か月以上も更新発表が行われていない。
各総合通信局で公表している、コールサインの発給状況は下表の通りだ。
ところでアマチュア局のプリフィックスの割当ての順番に触れておこう。まず1エリア(関東管内)を例に取ってみると、最初はJA1 → JH1 → JR1 → JE1 → JF1 → JG1 → JI1 → JJ1 → JK1 → JL1 → JM1 → JN1 → JO1 → JP1 → JQ1 → JS1と一度目の発給が行われた。
その後JE1からプリフィックスのアルファベット順での空きコールサインの再割り当てが行われ、JE1 → JF1 → JG1 → JH1 → JI1 → JJ1 → JK1 → JL1 → JM1 → JN1 → JO1 → JP1 → JQ1 → JR1 → JS1と進んだ。
さらにその後、数字の7で始まる7K1 → 7L1 → 7M1 → 7N1 → 7K2 → 7L2 → 7M2 → 7N2 → 7K3 → 7L3 → 7M3 → 7N3 → 7K4 → 7L4 → 7M4 → 7N4の発給が行われ、その後にJA1 → JE1 → JF1 → JG1 → JH1 →JI1 → JJ1と2度目の再割り当てが進行している。
また2エリア(東海管内)と3エリア(近畿管内)も、関東の1回目の再割り当てと同様に「JS2(JS3)終了後に、JE2(JE3)からプリフィックスのアルファベット順」で再割り当てが進行している。
しかし6エリア(九州管内)は、JQ6までの発給が終了後(JS6は沖縄に割り当て)、JA6から、プリフィックスのアルファベット順での再割り当てが行われている。
このあたりの経緯と詳細は、日本におけるコールサイン研究の第一人者、JJ1WTL・本林氏のWebサイトが詳しい。
↓この記事もチェック!
<総務省のデータベース「無線局等情報検索」で判明>7エリア(東北管内)、令和3(2021)年1月28日付で「JQ7AAA」を発給
<令和3(2021)年1月20日発給分から>6エリア(九州管内)、「JE6」のプリフィックスが終了し「JF6AAA(二巡目)」からの割り当て開始
●関連リンク:
・JQ7の割り当てに突入(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・The Enigma of Japanese Call Sign System(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・「「7K1~7N1」「7K2~7N2」「7K3~7N3」「7K4~7N4」は再割り当てされません」?(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
八重洲無線株式会社は2021年4月8日、HF/50MHz帯トランシーバーの新製品「FTDX10シリーズ」の新ファームウェアをリリースした。今回は不具合の修正を中心に機能改善および最適化など合計5項目の変更となっている。
「FTDX10シリーズ」の新ファームウェア公開は2021年4月8日以来、これで3度目となる。今回の修正点は次のとおり。
★ファームウエアバージョン(2021/5)
・MAIN : V01-08
・DISPLAY : V01-03
・DSP (IF DSP) : V01-01
・SDR : V01-00
・AF(AFCPU): V01-00
★ファームウェアアップデート対象モデル
・FTDX10
・FTDX10M
・FTDX10S
★主な変更点
1. SDカードに保存した旧ファームウエアバージョンの「MENU」設定が新ファームウエア書き込み後に正しくロードされない不具合を修正しました。
2. 「FUNC」メニューの「PEAK」レベルの選択で「PRESET」動作がエラーになる不具合を修正しました。
3. 「BAND」キー押下後、MPVD(多機能ダイヤル)によるバンド切り替えとバンドスタックが有効にならない不具合を修正しました。
4. PSKモード運用時の動作モードを“PSK-LSB”から“PSK-USB”に変更しました。
5. その他、機能改善および最適化を行いました。
詳細は下記関連リンク参照のこと。
●関連リンク: FTDX10シリーズ ファームウエアアップデート(八重洲無線)
八重洲無線株式会社は2021年5月14日、HF/50MHz帯トランシーバー「FTDX101シリーズ」の新ファームウェアをリリースした。今回は不具合の修正を中心に機能改善および最適化など6項目が変更されている。
「FTDX101シリーズ」の新ファームウェアが公開されるのは2021年4月8日以来となる。今回の変更・改善点は次のとおり。
★ファームウェアバージョン(2021/5)
・MAIN : V01-22
・DISPLAY : V01-08
・IF DSP (MAIN DSP/SUB DSP) : V01-07
・SDR (MAIN SDR /SUB SDR) : V02-06
・AF DSP : V01-00
★ファームウェアアップデート対象モデル
・FTDX101MP
・FTDX101D
・FTDX101DM
・FTDX101DS
★主な変更点
1. SDカードに保存した旧ファームウエアバージョンの「MENU」設定が新ファームウエア書き込み後に正しくロードされない不具合を修正しました。
2. 「FUNC」メニューの「PEAK」レベルの選択で「PRESET」動作がエラーになる不具合を修正しました。
3. PSKモード運用時の動作モードを“PSK-LSB”から“PSK-USB”に変更しました。
4. ANT3/RX端子の動作選択の初期値を“TRX”から“RX-ANT”(受信専用)に変更しました。
5. RS232Cポートを使用した時のCATコマンドエラーを修正しました。
6. その他、機能改善および最適化を行いました。
詳細は下記関連リンク参照のこと。
●関連リンク: FTDX101Dファームウエアアップデート(八重洲無線 FTDX101シリーズ商品情報)
2021年4月、見知らぬ会社からhamlife.jpに「取り扱っている製品のレビュー記事を書いて欲しい」という依頼が届いた。製品はACコンセントのほか、DC12V、USB、USB QC3.0、Type-C PDといった出力端子を装備している小型のポータブル電源だという。はたしてアマチュア無線の運用に使えるものなのか、ゴールデンウィーク中に試用したレビューを掲載する。
レビュー依頼があったのは中国・深センのAnypro(エニープロ)が販売するポータブル電源「Anypro OD500N」という製品だ。製造元は同じく中国・深センのBPI(Shenzhen Better Power Battery)社だという。通常、日本のAmazonではAnypro JPによって33,600円(税込み)で販売されており、以下のような特徴があるという。
<Anypro OD500Nの特徴(取扱説明書などから抜粋、編集)>
●120000mAh/444Wh(3.7V)のリチウムイオン充電池を搭載
●豊富な出力端子
AC出力:110V 60Hz(純正弦波) ×2口
USB出力:5V/2.1A ×2口
DC出力:12V/8A MAX ×4口(シガーソケット変換ケーブル 1個付属)
Type-C PD 45W対応:5V/3A、9V/3A、12V/2.5A、15V/2A、20V/2.2A ×1口
USB QC 3.0出力:5V/3A、9V/2A、12V/1.5A ×1口
●定格出力:500W(瞬間最大750W)
●豊富な充電方式
付属ACアダプタ(AC100~240V → DC19.0V 3.0A)約8時間
DC入力端子
付属の充電用シガーソケットで車内充電可能 約15時間
ソーラー充電用 アンダーソン端子(17~32V 3A MAX)約8時間
●LEDライト(2W)を2基装備。強/弱/モールスSOS/点滅の切替可
●冷却ファン内蔵
●BMS(バッテリー管理システム)によって電圧、温度を適切に管理
●オプションのソーラー充電器を接続可能
●サイズ:290W×200H×120Dmm、本体重量 約4.5kg
●PSE、FCC、ROHS、UN38.3など必要な認証を全部取得
●日本語取扱説明書、保証カード付属
hamlife.jpスタッフ宅に貸出品として届いたAnypro OD500Nは、昔の小型ラジカセを思わせるデザインで意外にコンパクトだ(本体サイズは290W×200H×120Dmm)。本体重量は約4.5kg、八重洲無線のFT-991Aシリーズとほぼ同じ重さだが、取っ手にサスペンションが組み込まれているので、手に取って持ち運ぶ場合にも過剰な重さは感じなかった。
フロントパネルにはType-C PD、USB QC 3.0、USB、DC12Vの出力端子が並び、それぞれにスイッチが装備されている。中央には小型ディスプレイを装備し、バッテリーの残量や充電状態、現在ONになっている出力端子などがグラフィックで表示される。
左側面下部には充電器の接続端子とソーラー充電用のアンダーソン端子がある。右側面はAC110Vのコンセントが2基と2つのLEDライトを装備。ライトはスイッチの切り替えで「SOS(・・・ --- ・・・ )」の点滅も可能
AC出力端子(コンセント)は本体の右側面に2つ装備。到着時点では内蔵バッテリーが未充電だったため、まずは付属のACアダプターで充電を行った(初回の満充電には約11時間かかった)。その後にAC出力端子の電圧を測定すると「111.6V」。日本のAC100Vよりも高いのは米国への輸出を想定してだろうか? 電源周波数は60Hzで安定していた。
ちなみにAmazonの同製品販売ページには「100-110V/50Hz・60Hz変換可能」という記載があるが、本体に電圧や電源周波数の切り替えスイッチは見当たらない。Anypro JPのカスタマーセンターに問いあわせたところ、「 AC出力は電器によって電圧と周波数が変更できます。ご安心利用ください 」という回答があった。しかし試用期間中に手元にある電気製品を接続してみた限り、出力が自動的に100Vや50Hzに変更されるケースは確認できなかった。
またAmazonの同製品販売ページには「同時充放電機能 パススルーに対応」というタイトルで、「本製品はパススルー(同時充放電)に対応して、本体の充電を待たなくてもスマホなどの端末が充電できると大変便利です」という説明が書かれている。ところが取扱説明書には「電源使用中に充電することができません」という、矛盾する注意事項が記載されている。この点について尋ねると「 充電しながら使用できますけど、バッテリーの寿命を縮める可能です。だから、お勧めません 」という回答が来た。
気を取り直して、まずは24時間265日稼働しているWIRES-Xのノード局(FTM-100D、10W出力に低減)の電源として使ってみた。安定化電源(アルインコ DM-330MV)と接続してスイッチを入れると、Anypro OD500Nの内蔵クーリングファンがしばらく回っていたが、数分後に自動的に停止した(その後は長時間の送信時など高負荷になると自動で回転)。出力されるAC電圧は変わらず「111.6V」だったが、DM-330MVでは問題なくDC13.8Vに変換できた。
試用している間にノード局にアクセスしてきた利用者が3、4局しかいなかったこともあり、Anypro OD500Nは約22時間の連続使用ができた。バッテリーがこれぐらい持続するなら、災害などでしばらく停電した場合にも心強いだろう。
続いてゴールデンウィークのある日、Anypro OD500Nと2台の無線機(IC-705、FT-991M)などを持って、近所にある眺望の良い空き地で移動運用を行ってみた。
FT-991MはAnypro OD500NのAC出力端子にDM-330MVを接続して50W運用。IC-705には岐阜県のCQオームが発売している「OHM-CP705」(シガーソケットからIC-705に電源供給ができるケーブル)と「OHM-USB705/OC」(モバイルバッテリーのType-C PD端子からIC-705に電源供給ができるケーブル)の両方を交互に試しながら直接DC電源を供給し、10Wで運用を行った。
岐阜県のCQオームが発売する、IC-705専用のシガー電源ケーブル「OHM-CP705」(希望小売価格:3,594円)とUSB PD電源ケーブルの「OHM-USB705/OC」(希望小売価格:4,080円)。どちらもAnypro OD500Nで問題なく使用できた。IC-705ユーザーにはありがたい“お助けケーブル”だ
マルチバンドのホイップとダイポールで2時間半ほどHF~430MHz帯で移動運用を楽しんだが、その間も各出力端子から問題なく電源が供給された。電源由来のノイズを感じることもなく出力電圧もほぼ安定。運用終了時点で40%以上の残容量があった。
一方、少々不安があったのは付属の「シガーソケット変換ケーブル」だ。Anypro OD500Nの本体にはシガーソケットタイプのDC12V出力端子が装備されていない。シガープラグを使った車載機器に電源を供給する場合は、本体のDC12V端子(筒型)に「シガーソケット変換ケーブル」を接続することになる。ところがこの変換ケーブルのコードが意外に細く、はたして最大消費電流(12V 8A)に長時間耐えられるのか心配だった。幸いIC-705は13.8V時の消費電流が3A以下と少ないため、この変換ケーブルと「OHM-CP705」を接続してもトラブルなく使うことができた。
気になる点はあるが、サイズや重量、出力端子の豊富さを考えると、無線家のシャックに1台用意しておいても良さそうなポータブル電源だ。長時間の本格的な移動運用には不向きとしても、発電機が使えないタイミング(セッティング中や燃料補給時、撤収時間が近づいて発電機を停止した後など)で運用を継続するときに役立つ上、移動運用に持参するノートPCやスマートフォンなどの周辺機器の使用や充電にも使用できる。満充電には時間が掛かるものの、自動車の車内からシガープラグで充電できる点も便利だ。
特徴の1つとされる「パススルー」がバッテリーの寿命に影響することなく使えれば、シャックでACコンセントと無線機の間に常時Anypro OD500Nを接続しておき、UPS(無停電電源)のように利用できて便利なのだが、この点は非常に残念だ。ただカスタマーセンターへ日本語で問いあわせたら、すぐ正直な回答(hi)が届いた点は評価しておきたい。
◇
Anypro OD500Nの購入は下記のAmazonリンクから可能だ(出荷は日本国内のAmazon倉庫から行われる模様)。同製品は2021年5月13日現在33,600円(税込み)で販売中で、商品ページでは2,000円の割引クーポンも公開されている。
なお販売元によると、日本時間で 5月15日(土)の01:55~13:55までの12時間、Amazon.co.jpのタイムセールで同製品を15%OFFの28,560円(税込み)で販売する予定 という。ただしタイムセール期間中は上記割引クーポンの使用はできない。
同機種の販売および製品に関する問い合わせは、Amazonの販売サイトから「Anypro JP」へ。
●関連リンク:
・500W Portable Power Station(製造元 Better Power Battery社のサイト)
・Anypro(販売元のサイト。OD500Nの掲載なし)
・IC-705専用 シガー電源ケーブル「OHM-CP705」(CQオーム)
・IC-705専用 USB PD電源ケーブル「OHM-USB705/OC」(CQオーム)
JARL新潟県支部は2021年5月16日(日)に「第21回 新潟コンテスト」の「7MHz部門」を13時から16時までの3時間、「HFハイバンド(14/21/28MHz)部門」を16時から19時までの3時間開催する。同コンテストは周波数帯によって開催日時が異なるのが特徴で、6月13日(日)には19時から22時まで「HFローバンド(1.9/3.5MHz)部門」が行われる。
参加資格は、日本国内で運用するアマチュア局でシングルOPのみ。ゲストOPでの参加は不可。交信対象は「新潟県内局」が日本国内で運用するアマチュア局、「県外局」が新潟県内で運用するアマチュア局となる。
ナンバー交換は、新潟県内局が「RS(T)符号による相手局のシグナルレポート」+「JARL制定の市郡区ナンバー」、県外局は「RS(T)符号による相手局のシグナルレポート」+「JARL制定の都府県支庁ナンバー」。
サマリーシートの提出は、紙ログ、電子ログの両方で受け付けるが、「参加区分ごとにログ・サマリシートを提出」「ログ・サマリシートはJARL制定のA4形式(または同形式)」「電子メールの受け付けはJARLコンテスト電子ログサマリーと同形式に限る」としている。
締め切りは7月5日(月) 消印有効。参加証、結果希望者はSASE(長形3号120mm×235mmのサイズ、94円切手を貼る)を同封。結果をE-mailで希望の方は、メールアドレスを明記のこと。詳しくは「第21回 新潟コンテスト規約」で確認してほしい。
●関連リンク:
・第21回 新潟コンテスト規約
・JARL新潟県支部
神奈川県横須賀市にあるコミュニティFM放送局「FMブルー湘南(横須賀エフエム放送株式会社、JOZZ3AD-FM、空中線電力20Wほか)」では、2017年4月からアマチュア無線家向けの番組「QSY」をオンエアーしている。放送は毎週金曜日の22時から30分間だが、新たな内容の番組は第1・3・5金曜日に流され、第2・第4金曜日は前週の再放送という形式だ(2017年7月から)。放送音声は後日ポッドキャストとしてWebサイトで公開されている。
2021年5月7日の第116回放送は、JK1BAN 田中氏の「今週の活動報告」はリスナーからのメール紹介(IC-71のファイナルとドライバは何か?)。JH1OSB 小濱氏の「無線は自作でより楽しくなる」はリスナーからのメール紹介(トランジスタ1738個で作る4ビットCPUキット「CPU1738」について)だった。
番組の聴取は下記関連リンクから。Web上またはダウンロード(MP3形式)で利用できる。
●関連リンク:
・QSY 第116回放送
・QSYゆるーく無線を楽しむ(YouTube)
・QSY 番組案内ページ
CQ出版社はアマチュア無線界で唯一の月刊誌、「CQ ham radio」の2021年6 月号を5月19日(水)に発売した。同誌は1946(昭和21)年9月号の創刊で今号は通巻900号の記念号となった。特集は「原点回帰 モールス通信を楽しもう」 。別冊付録として「CQ ham radio バックナンバーで振り返る75年」がつく。価格は990円(税込)。
5月19日に発売される「CQ ham radio」2021年6月号のおもな内容は下記の通り。
<特集>原点回帰「モールス通信を楽しもう」
・若手ハムのアマチュア無線入門記
モールス通信から始める! アマチュア無線
・中学生ハムのCWライフ
AJAアワードを目標に
・電信も移動すると楽しい
モールス移動運用の勧め
・モールス通信と出合って半世紀
CWは遠くて近い世界探訪
・元祖デジタルモード「 CW 」で通信技術の進歩を肌で感じよう !
・キー選びはモールス通信上達のキーポイント
はじめての電鍵選び
・アマチュア無線の原点と楽しみ
モールス通信を楽しく継承しよう
・無線機を持って国内外の陸地や島へ移動運用に出掛けよう
CWでの移動運用と楽しみ方
【ユーザー・レポート】
・Radix 430MHz帯 3エレメント八木アンテナ「RY-430M3」
<トピックス>
・Cover history of CQ ham radio No.1~No.900
本誌創刊号~900号の表紙一挙公開
・CQ ham radio 2020 チャレンジ・アワード
チャレンジ賞受付状況
・日本のアマチュア無線機の変遷を探る
最盛期(1976年)から円熟期へ(21世紀初頭)
・小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大
・シリーズ アパマン・ハムの工夫と実践
狭小シャックで複数の無線機を便利に使う工夫(その1)
・アンテナのコンディション維持のためのメインテナンス術
・読者の製作教室
ゆらぎキーヤーでモールスを楽しもう !
・アマチュア無線の面白チャレンジ
第7回 交流電源の不思議
・米国のアマチュア無線情報誌「CQ Amateur Radio」誌編集長 Rich Moseson氏インタビュー
・新製品情報
・CQ ham radio編集部発行の「CW77」アワード情報
・「第2回 ハムらde無線フェア」イベント・レポート
・わたしの2mSSB移動運用への想い
<テクニカル・セクション>
・釣り竿マスト・スタンドの製作
・アマチュア無線に適したオーディオ用コンプレッサの選び方
<DX World>
・近着QSL紹介
・ 新連載: DXへの道 パート1
・DX Column
・DX News
・Low-Band DXing
・High-Band DXing
・Digital Mode DXing
・Short Break
・DX Report
・QSL Information
・近着QSL情報
<連載>
・ 特別寄稿: 無線通信と日本海軍
連載の概要と日本海海戦の無線通信〈前編〉
・真空管で伝える基本技術
・FT8最新事情
・ライセンスフリーワールド
・隔月連載BCL TODAY !
・From USA
・記念局INFORMATION
・以心電信
・CW運用ステップアップ
・CQ ham for girls
・みんなで楽しむAM通信 特別編
・アワード収集を楽しもう !
・HF帯コンディション予報
・衛星通信情報
・EME(Earth-Moon-Earth)
・マイクロウェーブ ワールド
・ARDF NEWS
・モールス通信実践講座
・Let’s enjoy C4FM & WIRES
・APRSでコミュニケーション
・D-STARインフォメーション
・2mSSBで楽しもう !
・新 移動運用セミナー
・海外コンテスト
・国内コンテスト
・海外/国内コンテスト規約
<別冊付録>CQ ham radio バックナンバーで振り返る75年
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