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link JO7TCX アマチュア無線局 JO7TCX アマチュア無線局 (2024/4/28 14:05:21)

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feed J型アンテナ帯域 (2020/4/4 18:14:47)



 一般にエレメントを太くし、電気的体積を大きくすることで帯域が広がります。モービルホイップなどは細く、おおむね狭帯域と考えられます。自分はよくロッドアンテナで自作しますが、太めなので少し広帯域になっているのかもしれません。海外サイトでみるJ型アンテナは2cmくらいある太い銅パイプを使い、広帯域をうたっているものが多く見受けられます。ふと、今回作ったJ型アンテナが他のアンテナと比べどのような違いがあるのだろうと気になり、アナライザーで比較してみました。

 場所はいつもの大年寺山。広い山中で一カ所のみテレビ塔や樹木等の影響を受けず、測定や調整をするのに好都合なポイントがあります。アナライザーの設定は145.0MHzを中心にプラスマイナス5000KHz。グラフ左端が140 .0MHz、右端が150.0 MHzとなります。


〈RH-770〉
 アンテナ比較でいつもこれを基準としています。10年以上使い続けていますが、劣化した感じはありません。ロッドアンテナなので下の方は直径1cmあり、今回測定したアンテナの中では最も太いエレメントです。グラフ左端から右端までSWR2.0以下。広帯域です。バンド内1.2以下。このアンテナの特性は素晴しく、どこで測ってもこんなグラフとなります。







〈アローライン〉
 純正のステンレス製エレメントを取り外し、それよりも太い3mmの銅パイプに換えてあります。ラジアル3本は純正のまま。ただし、角度はさらに下向きになっています。左端から右端までSWR1.8以下。比較した中では最も広帯域でSWRグラフは緩やかです。バンド内も1.2以下。このアンテナも安定した特性です







〈J型アンテナ〉
 スタブが5mm、エレメント下部が4mm、上部が3mmの銅パイプ。自分の自作アンテナはこの部材で作ることが多いです。左端がSWR3.0、右端が4.0。他の2本に比べ帯域は狭く、グラフも急カーブを描いています。バンド内ほぼ1.2以下に納まり、メイン付近は他の2本より良好な感じを受けます。






 帯域の広さは、アローライン> RH-770> J型アンテナとなりました。エレメントの太さのみでなく給電方式や形状からくる違いもあるかと思います。アマチュアバンド内はどれも1.2以下で、運用上は十分な帯域と言えます。バンド外まで広帯域である必要性は自分にはなく、むしろどこかに無駄が隠れているように思えなくもありません。広帯域を得ることで失われるものもあるのでは・・・? 他の2本に比べ今回製作のJ型アンテナの帯域は狭目ということがわかりましたが、これはこれで良い、と納得した次第です。ちなみにJ型アンテナの上部エレメントを取り外すと430MHzでもSWR2.0に収まります。レピーターアクセス程度であればデュアルで使えなくもないです。








feed J型アンテナの調整 (2020/3/22 12:03:28)


 昨日の大年寺山では、ラジエーターを1/2λとしたベーシックなJ型アンテナを使いました。伝搬状況が芳しくなくJP7IEL局との交信はRH-770で31-51とかなり厳しく、J型アンテナに換えたところ51-53となり交信を続けることができました。給電部の高さは同じですが、J型アンテナの場合、電気的な給電点はスタブ上端となるため50cm高くなります。それが有利に働いているのかもしれません。どちらも1/2λの電圧給電であり、利得的に同等と思えるのですが、実際使ってみるとJ型アンテナの方に軍配が上がります。

 さて、今回作ったアンテナの給電部をスライド式にしたことは過去記事に書いた通りです。過去にも2回作り、給電部位置の確定に苦慮したことも以前に書きました。ショートスタブからの給電なのでLCマッチングなどに比べるとわかりやすいものの、調整の変数が多くクリティカルです。備忘録としていくつか要点をまとめてみます。



 今回製作の2m用J型アンテナの略図を書いてみました。B-E間がスタブ、A-B間がエレメントとなります。スタブはマッチングセッション、放射するのはA-B間。

 マッチングの要所
1)エレメントの長さ
2)スタブの長さ
3)給電部の位置

 スタブの幅をいくらに取るか?も諸説あるようですが、自分は特に理由なく3本とも2cmで製作しています(間隔を保つ必要があります)。

 以前にどこまでがスタブでどこからがエレメントなのかわからなくなる、と書きました。上図で言えば、C点を変更するとそこまでがスタブとなります。つまりB点も変更になります。たとえばCを長くすると、電気的にはBも長くなり、その分エレメント部は短くなるということです。スタブを長くすると共振点が下がる、短くすると共振点が上がる(エレメントも同じ)。これを前提に調整します。

 自分の調整法は次の通りです。

1)エレメント長およびスタブC点はいじらず、まずは給電部D点を上下し、50Ωとなるところを探す。下端のE点が0Ω、上げていくとC点近くで400~500Ωとなります。

2)目的の周波数でSWRが下がりきらない場合は、CおよびBで調整する。どちらでも良いのですが、C点は極めてクリティカルです。たとえば共振点が上にあり、少し下に持っていきたい場合、B点(エレメント)を1cm伸ばすのとC点を2~3mm長くするのが同効果となります。エレメント側で調整した方が楽かもしれませんが、自分は変動幅の大きいCで調整することが多いです。銅パイプ差し込み式なので、BもCも結束バンドで長さ調整できるようにしてあります。






 
 帯域としてはバンド内1.5以下ではあるので、通常は問題ありません。ただ、SSBの144.200あたりで厳密にマッチングを取りたい時に、給電部Dをハンダ付けしてしまうとB、Cで調整となります。その場合SWRが下がりきらないという問題が起こりえます。移動地の環境によって共振点がズレることもあります。前作2本では、給電部を付け直したいと思う場面が何度かありました。今回はB、Cに加え、給電部Dも可動式にしたことで、状況に応じて追い込むことができています。









 完全に調整するとB点で高インピーダンスが得られ、1/2λのラジエーター(エレメント)から効率よく輻射するというのがこのアンテナの特徴のようで、実際使ってみてホント良くできたアンテナと実感します。











feed J型アンテナ 分岐導体バラン(その2) (2020/3/21 17:18:54)
 室内やベランダにて分岐導体バランを付けた場合と外した場合、どのような変化があるのか? 位置をさまざま変えて試したところ、バランを付けるとかえってSWRが甘くなるというケースも見られました。J型アンテナはもともと周りの影響を受けやすいということもあるかと思います。ということで、本日、フィールドでの測定をおこなってみました。

 場所は大年寺山、いつもの運用ポイント。樹木から離れた比較的広い空き地です。アンテナ地上高は三脚+自撮り棒で約1.8m。




 分岐導体バラン付きの3D2V長さ2mの同軸ケーブルを接続。バランの有無でアナライザーのSWRがどのように変化するのかを見ました。バランなしで共振点145.000付近、SWR1.2。次にバランのミノムシクリップをコネクター芯線に接続。共振点、SWRともまったくと言っていいほど変化ありません。今度はクリップを芯線でなく、コネクター台座(網線側)に接続したところ、SWR1.1まで下がりました。この場合、回路としては網線側を52cmの分岐線でバイパスしたのみ、ということになります。シュペルトップの原理とも異なり、意外な結果に???でした。また、芯線側に接続した場合に変化がない、というのも腑に落ちません。ショートスタブに加え、いわば二重にショートさせているわけで、良くも悪くも何かあっても良いのでは? 


バラン接続(クリップ芯線側)




バラン接続(クリップ台座側)


 せっかくなので同軸ケーブルの違いで変化があるのか、見てみました。設置状況、給電部位置などは変更なし。RG-58A/U長さ3mに付け替えたところ、共振点145.000、SWR1.0ベタ落ちとなりました。ケーブル長による違いかと思いますが、これには驚きました。ついでに海外サイトでよく見かけるチョークコイル(同軸ケーブルを直径4cmで3回巻き)およびフェライトコアを取り付けてみました。もともとベタ落ちということもあり、どちらもアナライザーでの変化はみられませんでした。コアは3個付けるとSWRがわずかに上がってしまいます。


同軸ケーブル3回巻き


コア2個装着


どちらも変化なくSWRベタ落ち


 JP7IEL局との実際の交信では、「3D2Vのバランなし、バランあり(芯線側)、バランあり(台座側)とも特段の違いは感じられない。RG-58(パッチンコア2個装着)でほんの少し変調が太くなったような気がしなくもない」とのレポートをいただきました。送受信ともアナライザーでの測定結果通りとの印象です。

 今日のところは、分岐導体バランの手ごたえらしきものは得られませんでした。別の環境、あるいは他のアンテナではどうなのか? また試してみます。







feed J型アンテナ 分岐導体バラン (2020/3/18 10:21:15)


 3/4λJ型アンテナの挙動に手こずり、そもそもこのエレメント(3/4λ)を共振させること自体に問題があるのでは? ということで、いったん1/2λのラジエーター(1.01m)に差し替えました。不安定化しかねないショートバーも外しました。当然ながら給電点が変わってきますが、上下スライド式にしてあるので雑作ありません。スタブ下端から4.5cmでマッチングしてくれました。再現性も問題なく、落ち着いています。やはりこのアンテナは1/2λのラジエーターで動作が安定し、ベストな性能を発揮してくれるのではないでしょうか。


重さ約160g バランスもよくなりました



 さて、BNCコネクター方式としたため、バランを付ける方法が思い浮かばず、とりあえずバランなしとしたことは前回書いた通りです。その後、ネットで「分岐導体バラン」という存在を知り、興味がわいて試してみることにしました。

〈手順〉
・長さ52cm(1/4λ)のビニール線の片方にミノムシクリップを取付けておく。
・同軸ケーブルの端から52cmの箇所で外皮を少し切り取り網線が見えるようにする。
・ビニール線の片方を網線にハンダ付けする。
・ミノムシクリップ側を給電部コネクター芯線(ピン)に取付ける。

 以上、あっけないほど簡単です。


3D2Vの網線にハンダ付け


分岐導体バラン


芯線側取付け


分岐線の引き回し



 このバランを取付ける前と取付けた場合の違いは下記の通りです。


バランなし


バランあり



 効果は出ているようです。バランなしと比べSWRが下がります。周りの影響も受けにくくなるようです。同軸ケーブルとビニール線の間隔を縮めたり広げたりしてみましたが、特に給電部近くは密着させるとSWRが甘くなります。離した方が良好でした。測定位置を変えるなどして、さらに挙動の検証が必要かと思います。製作が手軽で、なにより軽量なのは利点です。


 海外サイトではコネクター直結給電が多くみられます。自分の経験では、バランなしでも性能を発揮するアンテナではあるものの、付けた方が送受信とも安定性が増すとの感触はあります。J型アンテナに限らず、自作アンテナのほとんどは145MHz用かつ給電部むき出しです。この分岐導体バラン付き同軸ケーブルで取付けてみて、なにか違いがあるのかどうか、追々試してみます。








feed J型アンテナ比較(145MHz) (2020/3/15 16:36:58)


 大年寺山にてラジエーター(エレメント)の異なるて3本のJ型アンテナの比較をしてみました。

 ラジエーターの長さ
 ・1/2λ(これのみバランあり)
 ・5/8λ
 ・3/4λ

 自宅では問題なかったはずの3/4λ。現地にてアナライザーで測定したところ、共振点にズレがみられ、SWRもまったく別のグラフを描いておりました。給電部を上下に可動させたり、スタブ上部の長さを変えてみたものの、SWRは1.5以下になりません。やはりバランなしでは環境による変化が大きいのでは? 腑に落ちないままではありますが、送信できないというほどでもなく、この状態で試しました。

 本日も約40km離れたJP7IEL局にお相手いただきました(双方ハンディ機5W)。


1/2λ

5/8λ

3/4λ

 はじめに基準となるRH-770にて52-53のレポート交換。続いてJ型アンテナ。

 その結果は
 ・1/2λ 54-54
 ・5/8λ 52-53
 ・3/4λ 55-55

 5/8λは1/2λに比べ少し信号が落ちました。原因不明。3/4λは1/2λより若干信号が上がります。JP7IEL局からは、聞いてすぐわかるほど強くなったというほどではない、とのレポート。こちらはID-51のSメーターで1個半上がり、バックノイズも多少抑えられているように感じました。ただ、期待したほどではなく、誤差の範囲と言えばそう言えなくもありません。RH-770との比較で5/8λが同等、1/2λ、3/4λはS1~2上、といった結果でした。




 ホームに戻り、3/4λのアンテナをあらためて調整し直してみました。銅パイプ差し込み式なので、どの部分の長さも自由に変えられます。スタブ59cm、給電部12.0cm(どちらもショートバーから)、ラジエーター102.5cmでマッチングがとれました。でも、この状態であれば1/2λなのでは? 全長163.5cm。前回も書いた通り、どこまでがスタブ(マッチング回路)で、どこからがラジエーター(放射エレメント)なのか? 実際の電気長は何センチなのか? その際の電圧分布はどのようになっているのか? それが有利に働くのかあるいは逆に働くのか? ますますわからなくなりました。これらの疑問を紐解くことで違った風景が見えてくるのかもしれませんが、現時点で言えば、このアンテナのラジエーターは基本の1/2λが完成型であり、いろいろ試しても1/2λを超えられない、そんな印象を強くしています。




feed 3/4λ J型アンテナ(145MHz)給電部可動式  (2020/3/15 8:47:54)


 通常のJポールアンテナは1/4λのショートスタブに1/2λのラジエーター(エレメント)が載った構造となっています。全長は145MHzの場合、約1.5mです。以前にラジエーターを3/4λとし、スタブ給電したらどうなるのか? ということで、試したことがあります。しかし十分な完成を見ず、中途半端なままになってしまいました。大年寺山でのアンテナ比較では1/2λの通常型タイプでもなかなかの好結果であったことから、あらためて3/4λで作ってみることにしました。マッチング方法もちょっとしたアイディアを取り入れました。




〈ラジエーター〉
 モービルホイップNR2C(3/4λ)のエレメントと同じ寸法に銅パイプで作製。NR2Cの位相コイルはそのまま活用し、コイル位置もNR2Cと同じです。エレメント長130cm。このエレメントはいろんな使いまわしをしてきました。「3/4λノンラジアルアンテナ」にも使いました。今回はショートスタブからドライブしてみます。

〈ショートスタブ〉
 これまで何度か作ったものと基本、同じです。太さ5mm銅パイプ、長さ1mを半分に切り、別のパイプをつないでU字型にしました。間隔2cm。間隔を保つためプラスティック板と結束バンドで梯子状に固定。

〈給電部〉
 強度を考慮しBNCコネクターによる給電としました。バランを付けた方が良いのですが、コネクター方式を優先したため良い方法が思いつかず、とりあえずバランなしです。






 コネクターをそのままハンダ付けすると調整がきかなくなってしまいます。後からラジエーターの長さのみで調整しようとしても限度があり、給電部の位置を変えない限りベストのマッチングとはならないのです。そこでスタブの左右にきつめに入る銅パイプ(太さ6mm長さ2cm)を差し込み、その上にコネクターをハンダ付けしました。さらに給電部の下にショートバーを仕込んでおき、これも上下に動かせるようにしました。




〈調整〉
 2つのスライド機構で難なく調整できると楽観したのですが、予想外にうまく整合してくれません。結局、スタブの片方(ラジエーターと反対側)に銅パイプを付け足して調整を繰り返したところ、なんとかSWRが下がってくれました。










重さ200g。全長170cm。スタブ部含め4分割で収納時約50cm。


 1/2λ、5/8λ、3/4λとラジエーターの異なるJ型アンテナが3本となりました。5/8λと今回の3/4λは本当にその電気長で作動しているのか不明です。どこまでがスタブで、どこからがエレメントなのか、正直なところよくわかりません。海外ではJポールは人気のアンテナのようで、多くのサイトで自作の紹介や製品として販売もされています。バランは必要かとか、Jポールとスリムジムの利得に違いがあるのか、といった議論も盛んなようです。果たして3/4λなりの性能が出るのか、3本の性能にどのような違いがあるのか、興味深いところです。
 







feed 移動用アンテナ比較(145MHz)その2 (2020/3/7 17:48:26)

 前回に続き、大年寺山の同じ場所にてアンテナ比較をしました。約40km離れたJP7IEL局の環境も変更なし。双方ハンディ機5W。

 まずは基準としているRH-770(1/2λノンラジアル)。本日は51-53となりました。低めのレポート。もともと1~2m動くと入感しなくなる位置関係で、前回とほんの少しポイントがズレたのかもしれません。




◎NR2C改造+1本ラジアル(3/4λ)
 前回はこのアンテナのみノイズで聞き取れなくなりました。本日のレポート51-53。RH-770に比べやはりノイズを多めに拾いますが、今日は聞き取れないということはありませんでした。1本ラジアルなので弱い指向性があります。ベストのところに合わせた状態で、RH-770と同等でした。長めのエレメントかつラジアル付きなので、もう少し強くて良いのでは?と思わなくもありませんが、こうして比較してみるとそうでもないです。


◎SB7(3/4λノンラジアル)
 開局当初に購入したものです。わりと軽量で3分割でき、山岳移動で何度か使いました。メーカー公称ほどの利得は感じられず、物置に眠ったままになっていました。購入から十数年経過しています。レポート51-53。上記のNR2C改造+1本ラジアルよりノイズは少なく、聞きやすく感じました。ただ、信号自体はID-51のメーター読みでも耳SでもRH-770より良いということはありません。同等。


◎アローラインAL-144F(エレメント改造)
 エレメントを銅パイプに換え、純正より2.5cm長い48.5cmに改造してあります。現地にてアナライザーで測ったところ、自分でも驚くほどマッチングの取れた状態になっていました。JP7IEL局からは「これは強いですね。これまでの3本と明らかに違う」とのレポートをいただきました。こちらもSメーターで2個上昇。レポート53-55。このアンテナは山でずいぶん使いました。良く飛ぶとの実感はありましたが、こうして他のアンテナと比較したのは初めてです。利得0db(2.15dbi)ではありますが、丈夫な電波を輻射することは間違いないようです。ただし、純正のままでの比較ではありません。






◎J型アンテナ(1/2λ ノンラジアル)
 このアンテナは10年くらい前に作ったものです。給電部に4:1バランを付けてあります。その後、もう1本バランなしで作りましたが、やはりバランを付けた方が送受信とも安定します。今回はバラン有りの方です。アナライザーで測ったところ、ほぼベストな状態でした。JP7IEL局から「これも強い。アローラインより少し良いのでは?」とのレポートをいただきました。54-55。こちらにはアローラインと同等の信号で入感、ほとんど差は感じられませんでした。このアンテナの動作は1/2λ電圧給電で、RH-770と同じです。ただ、LC回路を使わず、ショートスタブでマッチングさせるところがミソで、損失が少ないのかもしれません。




 好結果のアローラインとJ型アンテナは、二つとも何度も山で使って良い印象を持ったアンテナです。その印象はまんざら間違いではなかったようです。
















feed 移動用アンテナ比較(145MHz) (2020/3/1 20:45:28)
 本日もいつもの大年寺山。JP7IEL局にお付き合いいただき、これまで使ってきたいくつかのアンテナを取り換えながら、比較実験してみました(すべて145MHz)。山岳移動などで遠方と交信できた時は、そのアンテナに良い印象を持つことにはなりますが、相手局の設備や移動地、コンディション、あるいは単なるタイミングということもあります。「このアンテナは良い」などと言っても、何と比較して、どう良いのか? 実際のところ、よくわかりません。メーカー製なら利得表示があるので、それを信じるしかないわけです。何本かのアンテナを持参して山頂で比較したこともありますが、いつもできることでもないです。双方の信号に安定感があり、かつ弱めである必要もあります。アンテナ比較というのは簡単なようで難しいと、いつも実感します。

 JP7IEL局(固定)はベランダ設置のモービルホイップ(1/2λ)、大年寺山との距離約40km。双方5Wハンディ機なので59で入感などということはなく、こちらがポイントを探って51~53程度。2~3m動くと信号が取れなくなります。アンテナやリグの比較をする上ではたいへんありがたく、絶妙な位置関係と言えるかと思います。


 結果は下記のとおりです。

◎RH-770
 山岳移動の定番、1/2λノンラジアル。ベランダや室内、屋外を問わず、SWRがなぜかほとんど変化せず、安定した性能に脱帽してしまいます。比較をする際の基準としているアンテナです。本日のレポート交換は53-53となりました。


◎バリコン同調式ホイップアンテナ
 最近作った1/2λノンラジアル。コイル4回巻きの方で試してみました。送信、受信ともRH-770とほとんど変わりなく、53-53。RH-770より少し良いかもしれない、少なくとも悪くはないとのレポートをいただきました。




◎3/4λホイップ+1本ラジアル
 モービルホイップNR2Cのエレメントを変更し、50cmのラジアルを1本追加した簡易GPです。なぜかこのアンテナのみノイズを拾い、変調がかき消されてしまいました。別のアンテナに換え、再度お呼びしたところ、「はじめの2本より強く入っていた。55で入感」とのレポートをいただきました。こちら側のノイズがなければ、良好に交信できたものと思われます。なお、本来ノンラジアルのはずですが、ラジアルなしだとSWRが悪化します(自分のだけかもしれません)。




◎HB9CV
 10年ほど前に作り、当時、山岳移動で頻繁に使いました。なかなか貫通力のあるアンテナとの印象でしたが、別のものと比較したことはありませんでした。物置から取り出し、試してみました。方向を合わせた状態でレポート54-55。RH-770やバリコン同調式ホイップに比べると、信号はS2ほど強まり、変調も安定します。JP7IEL局からのレポートは思ったほど上がりませんでした。4エレ並みなどと言われたりもするようですが、それほどの利得はないです。通常の2エレより少し上かな、といったところです。




◎変形3エレ八木
 山に持っていける軽くてコンパクトな八木、ということで3年前に作ったアンテナです。反射器を「く」の字に折り曲げるとSWRがストンと下がります。この状態で試してみました。レポート57-55。「耳Sでもすぐわかるくらいに、これまでのアンテナと比べ明らかに強く入感」とのレポートをいただきました。こちら側はHB9CVよりS半分強い程度で、そこまでの違いは感じられませんでした。信号の安定感がさらに増したかな、といったところです。





 同一場所(ポイント)、同一信号での比較、たいへん興味深いものがありました。本日を含め何度かJP7IEL局との交信実験による自分の印象としては、ホイップ(1段)では1/2λでも3/4λでも、さらに2エレであってもわずかな違いに留まります。今日は試しませんでしたが、1λ単ループアンテナも同様です。1/2λホイップとの比較で、ある意味、誤差の範囲内。HB9CVは微妙ですが、利得の違いがはっきり実感できるのは3エレ以上、そんな印象を強くしました。







feed 1/2λバリコン同調式ホイップ(その2)  (2020/2/23 16:10:02)

 LCメーターとアナライザーで調整したコイルを使い、以前に作った「スケルトンホイップ」と同じものを作ってみました。バリコン同調式の1/2λ電圧給電ホイップアンテナ(145MHz)。違うのはコイルのみ。片や銅線を直径1cm、7回巻き、今回は銅管を直径2.3cm、4回巻き。インダクタンスはほぼ同じ。アンテナとして作り込んだ場合、実際のところ何かしら違いがあるのか、ないのか?

 使用コイル  太さ2.2mm銅管、直径2.3cm、4回巻き 0.175μH
 コンデンサー 5pFエアタイトバリコン 
 エレメント  95cmロッドアンテナ


材料一式


(回路)
 これも前作と同じです。コイル中間からタップを取らず、コイルとコンデンサーを並列にしたもっともシンプルな回路としました。

(製作)
 2度目なので手間なく進めることができました。このアンテナは、BNCコネクター上にマッチング回路とエレメントをそのまま載せてしまう構造のため、配線が短くて済み、余計なコンデンサー成分を抑えられます。前作でハンダ不良が一部あったことを思い出し、今回はすべてステンレス用ハンダを使用しました。ケース加工がない分、作業が楽で、誤差も生じにくい構造です。自分としてはこの形、製作方法は悪くないかな、と気に入っています。ただし、耐久性に多少不安があるのと、むき出しのため雨天では使えません。






完成(上) 前作(下)


(調整)
 すでに調整済みのコイルなのでロッドエレメントをすべて伸ばした状態で145MHz帯にマッチングしました。エレメント寸法(95cm)は変えずに、コイル間隔とバリコンで最終的に調整し、145.000付近に追い込みました。移動地の環境によって若干変わってきますが、その際もエレメントはいじらず、バリコンを回して調整します。ちなみに、バリコンを回すと共振点が上下し、それに伴いSWRも変動します。たとえばSSBの周波数帯にシビアに合わせようとして共振点を下に持ってくるとSWRが甘くなり、コイル間隔も再調整が必要となります。なので、バリコンのみで調整できる範囲は限られます。もっとも、今回製作のものはそこそこ帯域が広く、このままで問題なさそうです。








(使用)
 60gと軽量でハンディ機に直付けでき、三脚設置の場合もトップヘビーにならないので、倒れにくいです。ベランダで聞き比べてみたところでは、コイルの異なる2つのアンテナの違いは感じ取れませんでした。2つともRH-770に比べ信号が強くなります。といってもほんのちょっとです。シングルバンドなのでもう少し上がってもよいのでは?と思わなくもないです。LC回路、コイルとコンデンサーのQ、エレメント長等々わずかな違いが性能の差として表れるとすれば、まだまだ改善の楽しみがあるのかな、と思います。機会をみて送信も含め試してみます。






feed LCメーター MLC500 (2020/2/22 17:28:59)
 前回、LC100-Aの動作に気難しさがあると書きました。キャパシタンスに関しては安定して測定でき、問題ありません。本命であったインダクタンス測定において、クリップリード線を短絡しても「0.000μH」表示にならないことが度々あります。また、ゼロ補正後であっても測定数値が動いてしまう現象や、数値自体のバラツキもあります。安定して測定できるときもあるのですが、挙動がわからないところがあります。前回記事の測定結果も疑問に思えてきました。

 というわけで、もう一つMLC500という別のLCメーターを購入することにしました。計測範囲はLC100-Aとほぼ同じです。価格は3倍程。キャパシタンス、インダクタンスとも誤差1〜3%とそれなりの精度ではあるようです。英語と中国語版取説が同梱されていました。








〈操作〉
 単3電池2本またはUSB給電。LとCをボタンで切り替えます。インダクタンスはクリップを短絡してゼロ補正後に測定。この点はLC100-Aと同じです。測定範囲の切り替えもできるようですが、自動設定のまま使いました。特に問題ありません。

〈インダクタンス測定〉
 クリップリード線の引き回し方によっても変化するため一定とし、コイルも同位置に置いて測定。前回と同じコイルを試してみました。

太さ2.2mm銅管、外径2.3cm、4回巻き 175μH

太さ2.2mm銅管、外径1.2cm、6回巻き 170μH

太さ1.7mm銅線、外径1.2cm、6回巻き 171μH




 概ねLC100-Aに比べ0.04μH高い数値となりました。LC100-Aでは毎回測定値が変動しますが、この機種は比較的安定しています。測定状態でコイル間隔を縮めたり広げたりして目的の数値に合わせることができます。前回の記事では、145MHzのLCマッチング回路において130μH〜140μHに調整と書きましたが、MLC500では170μH前後としておきます(コンデンサー5pF)。あらためて回路を組みアナライザーで測ったところ、上記コイル3つとも145.000MHz付近に共振してくれました。






 ラジオ用に作ったコイルも測定してみました。98.960μH。これまで使ってきたLCメーターDM4070に比べ低めに出ました。巻き数が少な過ぎ。コアを1本入れるとちょうど良いインダクタンスとなります。




〈キャパシタンスの測定〉
 5pFコンデンサーが4.74 pF、同軸コンデンサーが2.32 pF 。LC100-Aの測定値より全体的に低めな感じです。




 ネットで検索するとChina製などの測定器が多数表示されるものの、良いのか良くないのか実際に使ってみないことにはまったくわかりません。このLCメーターは動作と測定値が安定しており、使っていてストレスが少ないです。はじめからこれを買えばよかったかな、と少し反省しています。













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