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link JO7TCX アマチュア無線局 JO7TCX アマチュア無線局 (2024/4/28 5:05:21)

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feed ニューイヤー (2020/1/3 17:12:52)



 昨日午前、アンテナのテストを兼ね、短時間ですが運用しました。いつもの大年寺山。

<装備>
アンテナ 電圧給電式ループアンテナ、ピアノ線コイルアンテナ
リグ   ID-51(145MHz 5W)

 現地にてアンテナの測定をしている内に午前9時を過ぎてしまいました。ループアンテナの方でワッチするとバンド内ほぼ埋まっている状態。山岳移動の際に何度もお相手いただいている登米市固定局にお声掛けしたところ、「レポート51。今日はずいぶん弱いですね」とのこと。こちらには56で入感。距離50kmほど。ハンディ機なので致し方ないかなと思いつつ、ピアノ線コイルアンテナに変更し、レポートをお願いしました。その結果、55-58。明らかに信号が上がりました。


ピアノ線コイルアンテナ(エレメント70cm)



 二つのアンテナを使い、CQを出したり応答に回ったりしながら20数局に交信いただきました。ピアノ線コイルアンテナは安定した性能で、受信、送信のバランスも悪くありません。一方、ループアンテナの方はいくつか腑に落ちない点が感じられました。

1)偏波面について。ループなので横向きで垂直偏波と考えていたのですが、立てた状態で信号が強まります。一般的なループと異なり、電圧給電式の場合、縦向きで垂直偏波となる?

2)周りの環境(樹木やモノ、人体)に影響を受けやすいアンテナです。オペレーターの位置によっても共振点およびSWRが大きく変化してしまいます。登米市固定局からのレポートが良くなかったのも共振点がズレた状態だったかもしれません。


電圧給電式ループアンテナ(3/4λ)



 あらかじめ癖をつかんでおけば使えなくもないですが、挙動不明のままでは精神的によろしくありません。マッチング回路を見直すとか、コイルの配置、ケーブル引き回し、あるいはケーブル長を変えてみるとか・・・。はたして安定して使えるようになるものなのか? 不確実な変数が多すぎるアンテナ。その分、奥を探る面白さがあり、アナログな繰り返しで少しづつ隙間を埋めていく。これもアマチュアの醍醐味かな、と思ったりもします。 新年早々、試したいことがまた増えてきました。







feed 電圧給電式ループアンテナ再調整(3/4λ) (2019/12/31 17:15:38)



 屋外であらためて測定したところ、SWRのグラフは室内とあまり変わらないものの、1.5以下になりません。トリマーを回しても、コイル接点を変えてもどうしても下がらず、です。コイル直結の電圧給電かつトリマーをハンダ付けしているので、コイル幅を調整するというわけにもいきません。残るのはエレメント寸法のみ、ということで再調整することにしました。

 現状の帯鋼エレメントは200cm。145MHzの1λループなので、おおよそで良いだろうと。これで間違いではないと思うのですが、ループに電圧給電した際の挙動がよくわからないことから、マッチングが取れるまで長さを調整し、追い込めるだけ追い込んでみることにしました。

 アナライザーのグラフでは、145MHz帯よりかなり下の方でSWRが大きく下がる箇所があります。帯鋼をカットしていけば共振点が上がってくるはずと予測をつけ、数cmずつカットしては測定を繰り返しました。いくらなんでも切り過ぎでは思いつつ、結局50cmカットしたところでSWR1.1、ベストマッチングとなりました。エレメント長150cm。直径48cmのループ。見た目はかなりコンパクトになりました。3/4λループアンテナ?






 本来、エレメント寸法はいじらず、マッチング回路側で調整すべきものではありますが、マッチング回路の方にエレメントの長さを合わせたということになります。目的の周波数で共振はしており、SWRも下がっている。でもアンテナとしての動作は? 釈然としないところはあります。





 ベランダで受信テスト中、タイミングよく岩手県平泉町移動局のCQが聞こえてきました。垂直偏波(横向き)で方角を合わせ応答すると、コールバックあり。5Wなので厳しいかなと思いましたが、レポート41でコールバックあり。こちらには56で明瞭に入感。パワーの違い? 相手局側はモービルホイップとのこと、バックノイズの中から変調を拾う感じだったようです。平泉町まで約90km、飛ばないアンテナでもなさそうです。次回にでもあらためて試してみます。






feed 電圧給電式1λループアンテナ (2019/12/30 14:56:24)


 このところ電圧給電(ノンラジアル回路)の面白さにはまっています。ラジアル不要、エレメントの端から給電する方式のためアンテナ形状の自由度が高く、棒状のエレメントに限定されることもありません。試みとして145MHzの1λループに給電してみました。




 一般的なループアンテナは、ループエレメントの切れ目にケーブルの芯線、網線をつなぎ給電します。電圧給電の場合は、クローズドのループの一カ所に単線給電となります。マッチング回路側から見れば、棒状のエレメントかループかの違いだけです。

<材料>
・帯鋼2.0m
・塩ビパイプ 太さ1cm 長さ70cm
・コイル 太さ2.2mmなまし銅管 直径3cm 5回巻き 
・トリマーコンデンサー(1.9~16.1pF 耐圧300V)
・BNCコネクター
・三脚固定ナット
・ミノムシクリップ、木板、他

 マッチング回路自体は「ノンラジアルアダプター」に掲載のものと同じです。当初、ノンラジアルアダプターにループエレメントを接続することを考えましたが、1λループともなると直径が大きくなり、新たに作ることにしました。マッチング部以外の製作はいたって簡単で、要は、ループエレメントを固定できればよいわけです。エレメントにはグローバルアンテナ研究会で領布されている帯鋼を使いました。長さ70cmの塩ビパイプを2分割とし、下部パイプを木板に空けた穴に固定。接点を取り付け、コイルの一方をつなぐのみです。塩ビパイプ上部と下部に帯鋼エレメントを差し込み、ループを作れば完成。












 ループに電圧給電は初めてで、うまくマッチングしてくれるか不安でした。ノンラジアルアダプター(1/2λエレメント取付け)と同じ位置、コイル3巻き目にミノムシクリップを挟み、トリマーを回しましたが、SWRは下がらず、明確な共振点も見つかりません。クリップをコイル2巻き目に変更、トリマーで調整し、さらにコイル接点を探ったところ、145.000付近でSWR1.2まで下がってくれました。これ以外の組み合わせはどうかと試してみたものの、良い接点はみつからず、これで良しとしました。1/2λエレメントのようにベタ落ちとはなりません。逆に帯域は広いようです。今回のところはループにも電圧給電できること、整合が取れることが確かめられただけでとりあえず満足です。






 ループアンテナなので、立てた状態で水平偏波、横向きで垂直偏波となるはずです。でも、実際に受信した感じでは、立てた状態の方が強く入る信号も少なくありません。指向性もあります。使用の際は三脚に取り付け、立てたり横向きにしたり、あるいは斜めにするなどし、なおかつ回しながら使うことになるかと思います。1ループなので利得は期待できませんが、重さ170g、コンパクトに収納でき、設営も簡単。性能的な検証を兼ね、里山歩きの際にでも使ってみます。













feed ピアノ線コイルアンテナ(145MHz) (2019/12/22 6:01:22)


 ソレノイドコイル(空芯コイル)を大きくしていくと、いつしかループアンテナと化し、外部アンテナなしでも十分な音量で鳴ってくれることはゲルマラジオの製作で経験してきました。コイルとコンデンサーで同調を取るLC回路という点で、ノンラジアル回路と何ら変わりません。145MHzでもコイルを大きく巻くことで、エレメントなし、それ自体をアンテナにしてしまうというのもありでは? ピアノ線を使い、直径10cmのコイルで試してみました。

 結果を先に書くと、10cmのミニループでは付属ホイップとあまり変わらず、期待した性能とはなりませんでした。さらに大きなコイルなら違う結果が出るのかもしれませんが・・・。ということで95cmのロッドエレメントを追加し、1/2λノンラジアルアンテナとしました。このくらいのコイルになると指向性があり、偏波面も微妙です。動作が良くわからないアンテナになったかもしれません。




〈材料〉
コイル 太さ1.2mmのピアノ線を直径10cm、6回巻き
ユニバーサルブッシュ
トリマーコンデンサー(1.9~16.1pF 耐圧300V)
BNCコネクター
ミノムシクリップ、丸端子
三脚用金具
木板、他


<製作>
 ピアノ線は元々直径10cmで丸くなった状態のものを使いました。そのまま伸ばせばコイルとなります。6回巻きのところで切断。長さ約2mで145MHzの1λとなりますが、線材の長さに根拠があるわけではなく、6回巻きでたまたまこの長さになったということです。ユニバーサルブッシュの溝に1cm間隔ではめ込み、ホットボンドで固定。これでコイル完成。




 当初5pFコンデンサーやバリコン(5pF前後)をつないでみましたが、可変範囲が狭く、うまくマッチングしませんでした。秋月電子のトリマーに変更。ロッドエレメントの取り付け位置はアナライザーで測りながら、末端近くのコイル上部としました。丸端子をハンダ付けし、ねじ止めしただけです。浮遊容量を抑えるため、今回もなるべく線材を使わず配線しました。ピアノ線はハンダが乗りにくく難儀しました。ステンレス用ハンダとフラックス必須です。








 ロッドエレメントを伸ばした状態で測定を繰り返し、コイル末端から2巻き目の接点かつトリマーで追い込んだところ、SWRがストンと落ちてくれました。アンテナ作りで何が楽しいかと言えば、案外こういう瞬間なのかもしれません。


 145MHz用マッチング回路のコイルとしては破格の大きさと言えますが、無駄に大きいだけなのか、それとも何らか意味を持つのかはわかりません。試してみることに価値あり? 実戦向きではないし、性能的にも?ですが、これはこれで良しとし、とりあえず使ってみることにします。







feed ノンラジアルアダプター・フィールドテスト (2019/12/15 17:38:01)


 最高気温8度。寒いです。本日も大年寺山の散歩がてら、アンテナをテストしてみました。

<装備>
アンテナ 1.0mのロッドアンテナ(BNC)+ノンラジアルアダプター
     RH-770
リグ   ID-51(145MHz)






 1.0mのロッドアンテナというのはありそうでなく、アマゾンで注文したところ、1ヵ月の船旅を経て、到着しました。BNCコネクターが付いていますが、ただのロッドアンテナなので、これをリグに取り付けても整合は取れません。受信のみなら聞こえることは聞こえます。ノンラジアルアダプターを介すると送信可能となり、受信の信号もグンと上がります。ベランダの実験ではRH-770との比較で遜色ないかな、との印象でしたが、果たしていかに。

 設営ポイントは前回と同じ。JP7IEL局と145MHzで交信できるのは抑圧やノイズの問題があり、大年寺山ではこのポイント(半径1m前後)以外にありません(双方5Wハンディ機 距離約40km)。現地にてあらためてアナライザーで測ってみたところ、若干共振点が上にあり、クリップ調整(インダクタンス)のみではうかくいかず、トリマーを0.数ミリ回したところ、ベストマッチングとなりました。おそろしくクリティカル。




 はじめにRH-770でお呼びし55-55。アダプターアンテナに換えたところ59-57。音量が高くなったように感じ、Sメーターも上がったとのレポートをいただきました。三脚から外し、リグ直付けでも使ってみました。結果は変わらず、アダプターアンテナの方が信号も安定し、聞きやすく感じます。思ったより性能が出ているようで、大型のマッチングコイルの効果でしょうか。





 今回もFMで交信中、テレビ塔からの抑圧を受けました。最大56程のノイズで交信が厳しくなる場面がありました。DVに移ったところ、なぜかこの影響はなく快適に交信を続けました。IEL局よりDVのまま0.5Wで送信いただき、大きな崩れなくメリット5で復調。デジタルは抑圧やノイズに弱い、はず・・・。単なるテレビ塔からの送信タイミングの問題なのかもしれませんが、よくわからず、です。


 ノンラジアル回路(電圧給電)により、自分的にはアンテナ作りの自由度が増したように思います。このマッチング法なら気の済むまで追い込めるし、端から給電なのでエレメント形状の制約もあまりなし。何か思いついたらまた試してみます。




feed ノンラジアル・アダプター (2019/12/11 16:30:10)


 ロッドアンテナやハンディホイップなどラジアルが必要なアンテナをノンラジアル化するアダプターを試験的に作ってみました(145MHz用)。ノンラジアル回路(LC回路)は様々で、ある意味無限にあります。かつ浮遊容量の問題があり、なかなか厄介です。この間の試行錯誤を踏まえ、LとCを自由に可変でき、配線を省略して余計なコンデンサー成分を抑えることを念頭に作製しました。








<材料>
・ユニバーサル基板 9cm×6cm
・トリマーコンデンサー(1.9~16.1pF 耐圧300V)
・コイル 2.2mmなまし銅管を直径3cm 5回巻き
・BNCコネクター2個
・ミノムシクリップ
・三脚取付け用ナット(W 1/4)

 何度か書いている通りQの高いコイルの条件は、1)太い線材を使う、2)大きく巻く、3)スペースをあける、の3点。145MHz帯では通常さほど大きなコイルは使わないわけですが、少しでもQを高めること、ミノムシクリップで挟みやすくすることを考え直径3cm、間隔8mmとし、少し多めの5回巻きとしました。回路は、「3/4λノンラジアルアンテナ改良」の記事にあるのと同じです。いわば簡易的なアンテナカプラー(チューナー)と考えるとわかりやすいかと思います。製作は見ての通りの簡単なもので、ハンダ付け以外は特に面倒なことはありません。






<調整>
 三脚に設置した状態で、1.0mのロッドアンテナ(1/2λ)を取り付け、ミノムシクリップをコイル中間(3巻き目)に接続。トリマーを慎重に回しながらアナライザーで測定すると、145.000付近で大きくSWRが下がってくれました。あとはクリップ接点を微調整し、追い込んでいきます。






 1/4λのハンディホイップ、コメットBNC24(長さ43cm)で試してみました。当然ながらトリマー位置、コイル接点双方とも変わってきます。慎重に探りながら調整し直すのでけっこう疲れます。はじめにトリマーを回して大方の見当をつけてからコイル接点を探るのがコツのようです。2巻き目に接続しマッチングしてくれました。



 サガ電子のSUPER ROD−2(5/8λ長さ120cm)でも試したところ、BNC24に近い位置でベストマッチングとなりました。適当な長さのワイヤーなどでも整合は取れるかと思います。







 LC回路は奥が深いです。コイルをさらに大きくしたらどうなるのかとか、トリマーを2個使って回路を変更してみるとか、試したいことが次々出てきます。








feed 3/4λノンラジアル調整 (2019/12/9 18:01:32)


 給電部ケースに穴をあけ、三脚に固定した状態のままドライバーでトリマーを回せるように改良しました。中の見えない小さな穴にマイナスドライバーを差し込み、最大限の集中力でほんのわずか動かす。頼るのは手の感触のみ。このような所作はそれだけで気がめいってくるものですが、何かを探り当てるかのように胸が騒いだりします。トリマーを回してはアナライザーで測定、回し過ぎて再度慎重に戻しまた測定、といったことを繰り返しているうちに、自分でも驚くほど「ど真ん中」、見事にマッチング、整合してくれました。何か別の力でも働いたとか・・・・。再度回したりしたら2度とこの状態に戻せないのでは? そんな気がしないでもありません。






 前回と同じ大年寺山。同一場所に三脚を置き、アンテナ設置。上記の調整はそこでおこないました。約40km離れたJP7IEL局に今回もおつきあいいただき、持参したRH770、J型アンテナと比較しながら2度目のフィールドテスト。双方パワー1W。

 結果は、
 J型アンテナ〉3/4λホイップ〉RH770 となりました。J型アンテナ(5/8λ)と3/4λホイップは大きな違いはなく、どちらかと言えばJ型アンテナの信号が安定するとのこと。RH770に替えるとバックノイズが増し、信号も少し弱くなるとのレポートでした。こちら側の受信も同様の結果でした。






 ただし常時ではないものの3/4λホイップのみ盛大に抑圧を受ける現象が今回もみられました。抑圧を受けるとノイズ信号のみで最大S5振ってしまうため、変調が埋もれてしまいます。J型アンテナとRH770はこの現象なし。試しに元のアンテナであるNR-2Cの給電部にエレメントを差し替えたところ、同じく盛大に抑圧を受けます。自作給電部に問題があるのではなく、3/4λのエレメントが抑圧を受けやすいということのようです。以前もDCRで同様の現象が起こったことがあります。3本のテレビ塔からの様々な送信波が入り乱れる大年寺山特有の現象なのかもしれません。




 ということで送受信とも3/4λ相応の性能は出ているとみられ、ノンラジアル機能も問題ないようです。帰宅後、ベランダにてあらためて受信比較してみたところ、抑圧やノイズの影響なく、弱い信号ではRH770に比べ聞きやすくなります。J型アンテナとの比較でも悪くない感触。トリマーが動いてしまう心配があり、ベストな状態を保てるのか疑問ですが、一応、調整終了とします。3/4λノンラジアル、4分割式、重さ150g。機会をみて山で使ってみます。








feed 3/4λノンラジアルアンテナ改良? (2019/12/2 15:46:03)


 前作の回路は安定感がなく、ベランダの測定位置によって共振点やSWRが大きく変わってしまう問題点がありました。浮遊容量が不規則に発生し、ノンラジアルとして機能しているのかも疑問。ということで、コイル、コンデンサー、回路すべてを変更して作り直しました。

・コイル 太さ2.2mmなまし銅管を直径1.5cm 3回巻き
・コンデンサー トリマーコンデンサー(1.9~16.1pF)






 コイルを5回巻き、4回巻きと試してみました。この太さとなると3回巻きでも十分なインダクタンスが得られるようです。キャパシティは秋月電子のトリマーコンデンサーを使いました。これなら実験ボードと同じで、ケースに装着してからベストな容量が得られます。コイル、トリマーとも網線側に接続し、コイル中間からタップを取り芯線側につなぐ回路に変更。その状態でトリマーを慎重に回すと145.000MHz付近でストンとSWRが下がってくれました。少し下に共振点があったのでコイル幅を広げ、タップ位置も何ヶ所か試してから確定しました。回路は下記のとおり。


 
 コイルは巻き過ぎると良いことなし、コンデンサー成分(浮遊容量)もあちこち発生するので配線は太く短くのセオリーどおり。ベランダで受信してみたところでは、そこそこ性能が出ているように感じたのですが・・・。


<フィールドテスト>

 いつもの大年寺山にてJP7IEL局にお付き合いいただき、RH770と比較してみました。距離約40km。双方ハンディ機5W(IEL局のアンテナは1/2λモービルホイップ固定)。実験の前に3/4λホイップを三脚に取り付け、アナライザーで測定したところ共振点は145MHz帯にあり、SWRは1.2とベタ落ちにならないものの、問題というほどではありません。






 はじめにFM。RH770で54-54。3/4λホイップに替え同じく54-54。ただ、RH770ではほとんど感じなかったノイズが見られます。もともと大年寺山はテレビ塔からの抑圧やノイズの多い環境ではあるのですが、ノイズを拾う何かを内包しているようです。DVデジタルに移り55-55。FM特有のノイズが消え、快適に交信できました。ここまでは両アンテナにさほどの違いは感じませんでした。






 FMに戻り、IEL局にパワーを下げて送信いただき、受信テストをしてみました。

その結果
 0.5W  RH770で51 3/4λホイップで41(ノイズ多い)
 0.1W  RH770で41 3/4λホイップで入感なし

 となりました。0.1Wの際、RH770では弱いながらもなんとか了解できる信号が3/4λホイップはノイズのみで変調が確認できません。実験前の予想としては、3/4λホイップが利得的に有利なはず、と楽観していましたが、RH770(1/2λ)に及ばずという結果でした。エレメントの長さを生かしきれていないということなのか。ノイズフロアが高いために入感しても変調が浮いてこないということなのか。あるいはLC回路的にマッチングは取れている、それがイコール性能ではない、ということかもしれません。まだまだ改良の余地はあるかな、といったところです。







feed 3/4λ ノンラジアルアンテナ (2019/11/25 18:13:01)


 元は第一電波のNR-2Cという145MHzシングルバンドのモービルホイップで、ノンラジアル機能がうまく動作せず、1本ラジアルを付けて山岳GPとして使ってきたことは過去記事に書いた通りです。ノンラジアル実験ボードで少しコツがつかめてきたことから、このアンテナの給電部を新たに作り直してみることにしました。山岳で使うことを考え軽量化し、三脚に設置できるようにしました。エレメントは銅パイプ連結式。製品のエレメント寸法と変わらず126cm。中間コイルにより3/4λとなります。NR-2Cから部品として使用したのは中間コイルのみです。




 ノンラジアルの給電部を作るにあたり、あらかじめ実験ボードで試した結果、LC回路は次の組み合わせとなりました。いくらかでもQを上げられないかと、コイルは太い銅線で巻き数多めとし、その分キャパシティは小さくする、いわゆるHi L回路としました。

・コイル 太さ2.2mmなまし銅管を直径1.5cm 6回巻き
・コンデンサー 5pF +10pF直列(=3pF)

 プラケース(タカチ縦9.5mm×横4.5mm×奥行2.5mm)にBNCコネクターをねじ止めし、エレメントを差し込むための銅パイプを固定。コイルを網線側(グランド側)、コンデンサーを芯線側に取り付けます。めんどうなのは穴あけ加工のみで、苦も無く給電部完成。

 ところが・・・。さっそくエレメントを差し込んでアナライザーで測ってみると、まったく整合が取れません。楽観して甘くみていたようです。実験ボードでは配線用ミノムシクリップがコンデンサーとして働き、増加したり相殺されたりして、うまくマッチングが取れていただけだったのかもしれません。






 いったん5pF +10pFを外し、同軸ケーブルコンデンサーに変更。これなら少しずつカットしていけば、どこかで共振点が見つかるはず。でも、うまくいきませんでした。共振点らしきものはあるのですが、SWRが下がってくれません。コイル間隔を広げたり縮めたりしてもダメ。試行錯誤の結果、コイル中間からタップをとり、そこに5pF +10pFを追加してみたら、共振点、SWRとも落ち着いてくれました。配線は太く短くを心がけましたが、その長短によっても変化します。これ以上何かをいじるとまた変わってしまいそうなので、ここまでとしました。なぜマッチングが取れているのか、自分でもわからず、です。





 NR-2C(ラジアル追加)の給電部と入れ替えながら、ベランダで聞き比べてみました。強い信号は変わらずですが、弱い信号はNR-2Cの方がわずかに聞きやすく感じました。ちょっとがっかりではありますが、LC回路が異なる上に、調整不足がいなめず、致し方ありません。


三脚設置 エレメント含む重さ150g


 今回は調整8割、製作2割といった感じでした。1/2λとは違った手ごわさを感じました。まだベランダでの調整のみで、フィールドでは変わってくるのかもしれません。







feed バリコンなしのマッチング(1.5D同軸コンデンサー) (2019/11/18 16:22:20)



 バリコンを使わず、コンデンサー単体でマッチングが取れないか、実験ボードにて様々なコイルとコンデンサーの組み合わせを試してみました。145MHzなのでコイル巻きは簡単で、直径、巻き数、線材を変えて何種類か巻きました。後から間隔を広げたり狭めたりすることを考えると1.8mm銅線が使い勝手が良く、これを基本に3回~7回巻きにしてみました。手持ちのコンデンサーは限られるので、直列、並列でいろいろと容量を変えてみたところ、この太さのコイルであれば、キャパシティはかなり小さくて良い、ということがわかりました。




コンデンサー5pF+5pF+8pF+8pFを直列
コイル 1.8mm銅線を直径1cm 4回巻き

 この組み合わせでマッチングが取れました。コンデンサー容量は1.5pF程になります。3pFを2個直列にするとちょうど良いかもしれません。部品箱にそのような好都合な在庫はなく、ふと、同軸ケーブルをコンデンサー代わりにするというネット記事を思い出し、試しに作ってみることにしました。






 同軸ケーブルは3D2Vでも1.5D2Vでも問題ないようですが、要は小容量のコンデンサーを作るわけなので、細い方が良いだろうということで、1.5D-QSUPERという壊れたクリップベースのケーブルを使いました。5cmでカット、芯線、網線それぞれ1.0cm被覆し、実験ボードにセット。アナライザーで測ってみると、共振点が下にあるのはわかるのですが、SWRの谷が不明瞭でよくわかりません。少しずつカットしていき、2.5cmまでカットしたところで、共振点が近づき、SWRのカーブもだいぶ明瞭になってきました。そこから1mm単位で慎重に切り詰めたものの、今度は145.000から少し上に行ってしまいました。わずかに切り過ぎたかもしれません。黒い外皮部分の長さ2.2cm。カットはここまでとし、コイル側の間隔を狭めて共振点を下げ、なんとか145.000付近でマッチングがとれました。SWRベタ落ちとはなりませんが、環境によっても変わるので、これ以上の調整は不要と考え、ここまでとしました。




 たしかにこの方法であれば必要とするコンデンサーがいつでも作れますね。しかも希望の容量に追い込むことができます。コイル側の巻き数や接点で苦労するより、これの長さで調整した方が楽かもしれません。

 いづれ145MHzではインダクタンス、キャパシティ共に小さく、もっと精度の高いLCメーターがあれば、などと考えてしまいました。




 受信のみですが、ベランダにてRH770と比較しました。大年寺山でバリコンを使った時と同じです。遜色は感じられませんでした。






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