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link JO7TCX アマチュア無線局 JO7TCX アマチュア無線局 (2024/5/10 9:35:21)

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feed 栗駒山 岩頭 (2017/9/3 19:33:06)


 今日の東北地方は広く晴天。どの山に登っても天気が崩れることはないだろうと考え、岩手県側から栗駒山に登ってみました。しかし、山はあまのじゃくです。自分の予想どおりになどなってくれません。登山口の須川温泉は濃いガス。午前7時前登山開始。天狗平に到着すると、今度は猛烈な西風が加わり、山頂を断念。秣岳方向へ平坦な道を300mほど進んだところにある通称「岩頭」をめざすことにしました。晴れていれば天馬尾根、新庄神室、焼石連峰が見渡せるなかなかの展望地です。北面が断崖絶壁となっており、ここで無線運用も悪くないかな、とかねて考えていた場所でもあります。ところが着いてみると、北面からの強風をまともに受け、立っていることすらできません。通過するのも身の危険を感じるほど。とても無線運用は無理と判断し、少し戻った這い松の中で運用することにしました。ロケが良いとはとても言えませんが、致し方ありません。標高1570m地点。QTHは岩手県一関市。


龍泉ヶ原湿原と秣岳(岩頭より)

昭和湖もガスの中


 <本日の装備>
リグ FT-817(144MHz FMおよびSSBで運用)
電源 内蔵リチウムバッテリー、リチウム充電池NCR18650B(3本直列)
アンテナ 4エレループアンテナ









 三脚を石で固定し、4エレループを設置。霧の湿気ですぐさまエレメントに水滴が付いてきます。でも今日はなぜかSWRの悪化はみられません。おおむね1.2以下で安定。南は広い尾根で遮られるため北方向に向け、ほとんど動かしませんでした。SSBをワッチしたところ、何も聞こえてきません。先週の熊野岳とは大違い。約3時間SSBおよびFMで運用し、8エリア、7エリア(岩手県、秋田県、宮城県)各局に交信いただきました。最遠方は、北海道松前町移動局。標高500mほどの高台から10エレ八木をお使いとのことでした。はじめFMで応答いただき41-52(5W)。その後SSBでもおつなぎいただき53-51でレポート交換(2.5W)。どちらもSは振らないものの、QSBのない安定感のある信号でした。SSBは若干変調が浅く、FMの方が明瞭に届いていました。距離約300km。


<リチウム充電池NCR18650B>
 初めて使ってみました。満充電時12.5V。内蔵のリチウムバッテリーが2.5Wマーク点滅となった時点でこれに切り替えました。約1時間の運用で2.5Wマーク点滅。内蔵リチウムとほぼ同じ傾向でした。そのまま2.5Wで1時間ほど運用し、終了時の電圧11.2V。今日はSSBとFM混在なのでこんなものかな、といったところです。SSB中心なら内蔵のリチウムバッテリー+NCR18650Bバッテリー1セットで十分との感触です。長い時間5Wで運用する場合はリチウムフェライトに分があります。軽さをとるか、パワーをとるか、ですね。機会をみて、FTM10Sでも使ってみます。


<4エレループの印象>
 考えていた以上に風には強いです。細めの塩ビパイプとステンレスバネ線の組み合わせなので、風の抵抗が少ないようです。バネの張力が強いためエレメントが外れることもなく、よく耐えてくれました。SSBにおけるフロアノイズの少なさも実感できました。帯域の狭さと合わせ、サイドバンドでより効果を発揮するアンテナとの印象です。


 本日も交信いただきました各局様に感謝です。ありがとうございました。






feed リチウム充電池NCR18650B (2017/9/2 11:45:40)



 リチウム充電池単体セルを扱うのは危険を伴うことから、これまで手を出すことはありませんでした。最悪、発火や爆発もありうる・・・。そのことはわかっていつつも、いくつかのブログで紹介されているのを見て、自分も試したくなってしまいました。



 NCR18650Bという型番のパナソニック製。電圧3.7V。容量は3400mAhだそうです。保護回路付きの電池ホルダー(直列)と一緒に購入してみました。3本用と4本用があり、3本の場合、定格11.1V。4本の場合は14.8Vとなります。

 FT-817とFTM10sで使うことを考えると、3本にするか4本にするか悩ましいところです。3本の場合は満充電時12.6Vなので電圧低めではあるものの、FT-817で5W、FTM10sで10W可能と思われます。しかし最大パワーの持続時間は限られ、10.5Vを下回ったあたりでシャットダウンの可能性大です。ただ、ミドルパワーならそれなりに持ってはくれそうです。一方、4本の場合は、最大パワーを余裕で確保できますが、満充電時16.8Vとリグの定格電圧を超えてしまいます。満充電せず16Vあたりで停止すれば問題ないとはいえ、せっかくの大容量を生かしきれないことになります。また15V〜16Vで運用すればリグ本体がかなりの熱を発することになり、貴重な電力が無駄な熱に変わってしまうわけです。これは自分の考える方向性とは違うし、好みでありません。ということで、3本タイプで使うことにしました。



 性能的には6502.jpの内蔵型リチウムバッテリーと同等と思われます。ちなみに3本タイプ電池ホルダーを817のバッテリースペースに入るか試したところ、わずかに大きく、残念ながら入りませんでした。まあ、これはこれで良し。もともと外付けで使うことを考えているので、DCコネクター(メス)を取り付けました。





 3本の電池をセットした状態で、様子を見ながら充電してみました。電圧12.6Vに達したところで完了。手持ちの充電器(13V)で充電できました。さほど熱くもなりません。これで外部電源としていつでも使えます。重さ150g。2セット用意し300g。軽いです。その日の運用に合わせ、1セットもしくは2セット持っていくつもりです。電圧の下がり具合など今使っている内蔵型リチウムとの違いはあるのか、何度か使いながら確かめてみます。







feed 蔵王・熊野岳 2mSSB (2017/8/27 21:28:50)



 仙台の記録的な長雨もようやく終わりました。7月22日から36日の連続降雨、観測史上83年ぶりに記録を塗り替えたそうです。そして本日、待ち望んだ晴天。しかも日曜日。何か憑き物でも落ちたような気分。一ヵ月半ぶりに蔵王・熊野岳に登ってみました。

 早朝5時自宅を出発、6時30分蔵王刈田岳駐車場着。思いのほか、風が強く寒いです。いつの間にかすっかり秋、それも晩秋のような空気に変わっていました。これからの山は防寒対策必須ですね。ただ、寒かったのは早朝のみで、その後は気温の上昇と共に風も弱まり、まずまずの運用日和でした。7時10分、山頂から少し離れたいつもの運用場所にアンテナを設営。







<本日の装備>
リグ FT-817(1484MHz SSB 5Wで運用)
バッテリー リチウムフェライト4Ah
アンテナ 4エレループアンテナ

 今日はSSB の周波数に調整してある4エレループアンテナの感触やLiFeバッテリーのSSB運用での減り具合を検証してみるのが目的です。

 こちらからCQを出したり、途切れて呼びに回ったりし、3時間30分運用、30局と交信いただきました。すべてサイドバンド。FMと違いCQを出してパイルになるということはなく、空振りが圧倒的に多いです。それでもポツリポツリと応答がありました。そして話は簡潔で、長話になることもなく、DX目的のアクティブ局が多いとの印象でした。






 本日は、4エリア、2エリア、9エリア、0エリア、1エリア、7エリア各局に交信いただきました。最遠方は四国・高知県の室戸市移動局。弱いフェージングはあったものの了解は問題なく51-51でレポート交換。室戸市とはほとんどが内陸で、南アルプス、御嶽山、鈴鹿山脈と3重の壁を挟む関係になりますが、良く届いてくれたと思います。距離780km。自分の2mでの最長交信記録が塗り替わりました。この他、4エリアは島根県出雲市移動局と51-55。750km。岡山県井原市移動局と57-52。固定局と57-51。740km。なぜか自分の信号の方が強かったようです。2エリアは静岡県焼津市、浜松市。400~450km。9エリアは富山県高岡市。340km。0エリアは長野県長野市、安曇野市(1局は常念岳山岳移動)、小諸市。270~300km。1エリアは群馬、埼玉、千葉、神奈川、栃木、山梨各局。200~300km。7エリアは岩手、宮城、福島各局でした。3エリア、奈良県の移動局も52で聞こえ、コーサイン、移動地も十分了解でき、呼んでみたものの、残念ながら応答いただけませんでした。




<4エレループ>
 海上を間に挟む伝搬経路もある一方、ほぼ内陸のみ、しかも間に高い山々をいくつも挟みつつ、よく飛び、弱い信号も捉えてくれました。大小のフェージング(電波の揺らぎ)を手に取るように感じながらの交信も多くありました。ループアンテナはQSBの谷間でも粘りを見せてくれたようにも思います。また、かなり弱めに入感し、ダメもとで呼んでみたらあっさりコールバックあり、のケースもありました。面白いアンテナです。




<LiFeバッテリー>
 内蔵バッテリーをあえて内蔵せず、外付けのリチウムフェライトのみとしました。容量4Ah。2mFMで4時間運用可能です。今日はサイドバンドのみで3時間30分の運用でした。使い始め13.4V。終了時12.9V。このバッテリーは13V前後を維持しながら、ダウン寸前に一気に降下する性格なので、何とも言えませんが、まだかなり持ちそうな感触ではあります。使いきれませんでした。検証ならず。


 SSBはいいですね。ローカル局同士の混信が入ることもなく、心置きなく遠方との交信がQRPでも楽しめます。同じ145MHz帯ではありますが、FMとは異なる世界。シーズン中は楽しみたいと思います。

 本日も交信いただきました各局様に感謝です。ありがとうございました。





feed 本日も月山移動 (2017/8/20 19:22:55)


 この1週間、仙台は雨続き変わらず。ということで、今日もいくらか晴れ間の期待できる山形県・月山へ。2週続けて同じ山というのもいかがなものかと思いましたが、致し方ありません。雨の中、仙台を5時30分に出発。笹谷トンネルを抜けると予想どおり、日が差してきました。8時始動の姥沢リフトですが、実際は7時30分には動いているようです。それを知ってかどうか、皆さん、早いです。リフト終点8時登山開始。姥ヶ岳から牛首あたりまでの稜線は見えているものの、月山山頂は雲の中。今日は一人なので、一気に山頂をめざし、9時20分山頂着。混み合いそうな場所を避け、山頂下にアンテナを設置。


山頂神社の下で運用

山頂付近



<本日の装備>
リグ FTM10S(145MHzFM 3W運用)
アンテナ 4エレループ
バッテリー リチウムフェライト

 先週の鳥海山と違い、風もさほどなく、青空も見えるまずまずの天気。時折ガスで視界がなくなるものの、今日は乾いたガス。エレメントに水滴が付くことはなく、SWR1.1。






 南西に向け方角固定で運用。7エリア、0エリア、9エリア各局に応答いただきました。本日の最遠方は富山市固定局。八木スタックを向けていただき59-59。富山市とは約320kmの距離ですが、遠方とは思えない安定した信号でした。0エリアは新潟市、三条市、長岡市、糸魚川市、妙高市など各局に呼んでいただきました。距離は100km~250km。交信中、新潟市内の局とは相性が良いなと感じていたので、帰宅後、カシミールで調べてみると、月山山頂と新潟市は見通しとわかりました。朝日連峰の北部をすり抜けた後、海上伝搬となるようです。実際、肉眼で見えるかどうかは別として、電波伝搬上は遮るものなし。距離約100km。場所によっては特小1mWでも交信可能かもしれません。どうりで強いはずです。7エリアは、山形、岩手、宮城、福島各局に交信いただきました。バックやサイドからも思いのほか入感。意外にブロード?と思って、気が向いた時だけ少しアンテナを振ってみたところ、ぐーんと信号上がります。4エレなりのことはあるようです。

<4エレループの印象>
 変形3エレ八木に比べ帯域が狭いです。SSBに合わせているので、Ra給電部の反対側にマッチングエレメント(10cmのビニール線両端にミノムシクリップをつけたもの)をかませると共振点が上がります。今回は144.800付近で運用、SWR1.1~1.2以下で問題ありませんでした。推定利得は10dbといったところでしょうか。先週、今週とお空のコンディション自体は決して良いとは思えない中、当方3Wで300kmから500kmの交信ができています。マッチングさえ取れていれば、相応の利得が感じられるアンテナといったところでしょうか。Raのエレメントのみ太いバネ線に換えてみるとか、他の線材を使ってみるとか、それで帯域がどうなるのか、そのうち試してみようかと考えています。





 本日も交信いただきました各局さまに感謝です。ありがとうございました。









feed 月山、鳥海山で4エレループを試す (2017/8/16 9:41:55)



 13日~14日、山形県の月山と鳥海山に登ってきました。この夏、仙台は雨続きで気持ちまで滅入ってきます。日本海側はまずまずの天気。久しぶりに青空を拝むことができました。無線の方は、作ったばかりの4エレループアンテナを試してみました。

 13日は月山へ。早朝、相変わらず仙台は雨。山形側に抜けてもあまり変わらず。期待できないかな?と思いつつ、志津温泉あたりまで来ると、薄日が差し、姥ヶ岳の稜線が見えてきました。リフトで一気に1700m地点に上がり、午前8時30分登山開始。牛首を経て山頂着10時。下からガスが湧いてくるものの、上空には青空もあり、崩れる心配はなさそう。今回はXと一緒なので、無線運用は1時間30分ほど。さっそく、山頂神社の下あたり、他の登山者から離れた場所に4エレループを設置しました。






<今回の装備>
・リグ FTM10S(145MHz 3W運用)
・バッテリー リチウムフェライト
・アンテナ 4エレループアンテナ、変形3エレ八木




マッチングエレメント(給電部反対側)これで共振点を変更可


 このアンテナは目立ちます。設置している最中から質問にあいました。普段、ループアンテナを目にする機会はないわけです。アンテナとは思わないらしく、「何の観測ですか?」と聞いてくる人が多いです。噴火の観測でもしていると思われたのでしょうか? 南に向け、CQを出したところ、7エリア、0エリア、9エリア、3エリア各局より応答いただきました。遠方では、長野県坂城町移動局と53-52、距離290km。富山県富山市移動局と51-51、距離320km。京都府京丹後市移動局と51-51、距離530kmでした。京丹後局との交信では大きなQSBを伴い、相手局側は信号を見失う場面もあったようです。こちらも危ういところはあったものの、アンテナ方向を微調整し、無事ファイナルを送ることができました。今回、北には向けずじまいでしたが、秋田県大仙市、横手市、仙北市、宮城県気仙沼市などから良好なレポートをいただきました。サイドは切れるものの、バックはそこそこ入感するようです。1時間ほど過ぎたところで、急に雨がぱらつきQRTとなりました。



 翌14日は鳥海山へ。晴れてはいるものの、山頂稜線は雲の中。鉾立駐車場を10時に出発。山頂は目指さず、尾根取りつきにあたる御浜小屋付近へ。11時10分着。稜線に出ると、予想外の猛烈な風とガスが吹き付けてきます。視界なし、何も見えず。飛ばされそうになりながら雨具を着込んだものの、さて、どうしたものか。無線運用どころでないのでは?との思いが脳裏をかすめます。

 岩陰で強風を避けられそうな場所をみつけ、迷いながらも変形3エレ八木を設置してみました。ワッチするとバンド内静かです。なぜか、何も聞こえてきません。平日とはいえ、標高1600mの稜線。南北に遮るものは何もありません。・・・? リグに取り付けていたSWR計を見ると、なんと3以上を示しています。エレメント、給電部にびっしりと付いた水滴が原因。自分の作るアンテナはすべて給電部むき出しで、これまでもこんな状態で運用したことは何度もあるのですが、実際この状態でSWRを確認したのは初めて。これではリグが壊れかねないということで撤収し、4エレループに変更。エレメントが細い分、水滴の付きも少ないかと。始めはSWR1.1と良好だったものの、みるみる上がって3以上に。パワー約2Wに低下。やはり水滴に弱いのは同じです。こんな状態でも1時間ほど運用し、新潟県、長野県、宮城県、山形県、秋田県各局に交信いただきました。最遠方は長野県長野市固定局と59-59、距離約260km。安定した交信でした。FBなアンテナを向けていただいたようです。昨年もこの場所で運用し、ロケの素晴らしさに驚いた記憶があります。8エリアともつながっていることから、北にも向けてみたいと考えていましたが、今回は余裕なく終わってしまいました。


ガスの中から姿をみせてくれた稲倉山


御浜小屋付近


 4エレループの印象としては、このアンテナであれば3Wもしくは1W以下でもけっこう楽しめるのでは?との手ごたえは感じられました。風にもよく耐えてくれたと思います。一方、雨や湿ったガスの影響は改めて考えさせられました。これほどまでアンテナ性能を低下させてしまうとは・・・。エレメントなのか、給電部のみなのか、たぶんその両方? なんらか対策を考えて、リベンジといったところです。

 交信いただきました各局さまには感謝です。ありがとうございました。





feed 144MHz 4エレ・ループアンテナ (2017/8/8 11:25:05)


 グローバルアンテナ研究会のホームーページを見て、作ってみたいと何度も思いながら躊躇していたアンテナです。1λループなので1周2m前後、それが4エレとなるとドラム缶を小さくしたくらいの体積になります。そんな目立つアンテナを山頂で使えるのか、現地での組み立て・設営が複雑になるのではないか、なによりザックに収納できるのか、など克服すべき課題が多すぎて、思いあぐねてしていたのです。それら課題はそのままではありますが、走りながら考えるということで、作ってみることにしました。


 
 製作にあたって、次の点を考慮しました。
 1)組み立て、設営、撤収のしやすさ
 2)なるべく軽く作る
 3)強風に耐えうる程度の丈夫さ

 〈材料〉
 ・ブーム 直径10mm塩ビパイプ2本(97cmにカット)
 ・マスト 直径15mm塩ビパイプ1本(64cmにカット)
 ・エレメント ステンレスバネ線(1.2mm×30cm)10本入り3個
 ・直径2mm銅パイプ、3mm銅パイプ、4mm銅パイプ 各種
 ・M3ボルト、蝶ナット、丸端子
 ・BNCコネクター

 基本的な構造、寸法、作り方は、グローバルアンテナ研究会のHPに掲載されている「144MHz 4エレループアンテナ」と同じです。ご参照ください。研究会ではブームに「カプセ」を使っていますが、耐風性を考え塩ビパイプにしました。ブームが動かないようマストに切れ込みを入れ、ボルトと蝶ナットで固定します。その際、2本のブームが並行になるよう切れ込みを調整します。円柱形アンテナなのでこの部分(骨組み)をしっかり作り込まないと、後で歪みのもとになります。






〈バネ式エレメント〉
 研究会定番の「帯鋼」でなく、ステンレスバネ線を使いました。目立ちにくく、風の抵抗が少ない、サビの心配がないことに加え、帯鋼に比べ張力が強いのが理由です。ブームへの取付けはバネ線の張力を利用します。長さ30cm のバネ線を2mm銅パイプで連結しハンダ付け。それを各寸法にカット。ステンレスなのでニッパーでは歯が立ちません。ワイヤーカッターなら簡単に切断可。加工性は悪くないと思います。上下2分割とし、エレメントの長さ約1m×8本。コンパクトに分割も考えたものの、現地での設営に手間がかかる上、落とした時に見つけにいくので、やめておきました。


バネ線差し込み式

給電部1 銅パイプに穴を開けBNC接点に通しハンダ付け

給電部2

給電部3 グランド側は丸端子


 ブーム側は、所定の位置に穴をあけ、3mm銅パイプ(4cm)を接着剤で固定。この銅パイプ両端にバネ線エレメントを差し込みます。給電部も差込み式。BNCコネクターの芯線に4mm銅パイプをハンダ付けし、グランド側に圧着端子。ここにエレメントを差し込みます。なおRaのみエレメント片側を3mm銅パイプとし、接触面の安定を図りました。






〈設営〉
・三脚にマストを固定する(クリップ式)。
・マストにブーム2本を蝶ナットで留め、骨格部分を作る。
・各エレメント上下をブームの銅パイプに差し込んでいく。

 所要3分程でしょうか。組み上げてみると、ループの大きさを実感。4つのループがきれいにそろってくれれば良いのですが、そうもいきません。ブーム側の銅パイプを微調整し、まずまずの形になってくれました。総重量240g。アンテナ中央を持ち上げるため、三脚とのバランスは悪くないです。

〈調整〉
 エレメント寸法、間隔ともグローバルアンテナ研究会の通りに作ったので、無調整でSWR1.3と良好でした。バネ線の差し込みに余裕があり、各エレメント3cmほど長さを変えられます。Raを調整したところ、1.0ベタ落ちとなりました。わりと素直な特性です。

〈バネ線の有用性〉
 今回の製作で、素材としてのステンレスバネ線の有用性が感じられたのは収穫でした。30cmと手頃な直線で太さも各種あり、ループのみならずホイップ系にも使えそうです。ただ、帯鋼と違い丸めて収納ができません(癖がついてしまう)。直線のまま収納なので、山に登る時はザックサイドに取り付けることになります。また、先端は危険なので取扱い注意です。


アンテナ一式 

エレメント収納ケース 塩ビパイプを加工


 以上、一応の完成をみました。ある程度の丈夫さと軽さは両立できたように思います。丈夫な電波を届けてくれそうな予感はあるものの、利得や指向性、ケーブル引き回しの影響など性能的なアプローチはこれからです。これまで自作したアンテナはどれも直線や平面であり、立体形というのは感覚的に捉えられる空間範囲が異なります。山岳で使うことを考えると、このくらいまでが身の丈に合っているかな、といったところです。今回、自分なりの工夫を取り入れたところもあり、敬遠していたループ系アンテナの製作に少し手応えを感じることができました。工夫のしどころはまだまだあると思います。何度か使ってみて改良を加えてみます。









feed FT-817 リチウムバッテリーと充電器 (2017/7/18 9:48:33)


 FT-817は送信時2.0Aの上、受信時も消費電流が大きいので付属品のニッケル水素バッテリーに実用性は期待できません。皆さん苦労されているようで、交信の最中にバッテリーについて聞かれることがよくあります。以前に書いたとおり、自分は内蔵型リチウムバッテリーのほか、バイク用リチウムバッテリーを直結して使っています。2時間程の運用の場合は内蔵リチウムバッテリーのみになります。





 この内蔵型リチウムバッテリーは6502.jpから購入しました。型番FLB85.32。今は改良型のFLB86に変更になっているようです。容量約3.2Ah、重さ160g。ケーブルがなくすっきりするし、軽いので山岳移動では助かります。

 ただ、電圧が公称11.1V~11.4Vと低めです。内蔵させるためにはこれ以上セルを増やせないので致し方ありません。実際のところは充電直後12.2V前後、1~2時間の使用で11.2Vあたりまで低下、といった感じで、5Wは出せるのですが、かなり低空飛行ではあります。

 もう一つ問題点としては、817付属の充電器PA-48Aで満充電にならないこと、どの時点で満充電なのかわかりにくいことがあります。取説によると「817の電圧表示で12.6V以上にならないようにしてください」とのことなので、そのあたりが満充電と思われます。PA-48Aを含め手持ちのACアダプターを試したところ、12Vタイプによる満充電は難しいようです。5W可能時間が短かめなのは、そもそも満充電になっていないことが原因でもあるわけです。

 ということで、13V程度のACアダプターはないものかと探したところ、ちょうど良いのがあり、入手してみました。サクルという会社のスイッチングACアダプター。13V、10A、最大130Wというヘビー級の仕様。大きさも817の半分くらいあります。


右がPA-48A(817付属品)



 昨日の泉ヶ岳運用後、さっそくこれで充電してみました。充電前11.2V、10時間の充電で12.7Vに上昇、満充電と判断し終了としました。817本体の回路設計上、10Aだからと言って急速充電にはなりませんが、確実に満充電することができます。これでもう少し5Wでの運用時間を伸ばせるかもしれません。充電器ではなく、電源としても使ってみました。13.1Vと表示され、ノイズの発生も特にみられませんでした。10Aなので余裕で使えますね。気に入りました。






feed 泉ヶ岳定点運用2017 7/17 (2017/7/17 17:11:57)



 海の日もまた山へ。今シーズン4回目の泉ヶ岳定点運用。比較的涼しい仙台ですが、本日の気温32度とかで、滝のような汗をかきつつ、いつものカモシカコースを直登。今日は霞んで蔵王は見えません。皆さん海に向かったのか、数人のみの静かな山頂でした。



 <本日の装備>
リグ FT-817 5W-2.5W  144MHzSSBで運用
電源 内蔵リチウムバッテリー3.24Ah
アンテナ 変形3エレ八木

 この山ではFMやデジタル(DVシンプレックス)での運用のみで、SSBは実質今日が初めて。FT817用の内蔵リチウムバッテリーの持ちも試してみることにします。これまでの経験では2mFMで1時間程度5Wを維持するものの、その後2.5Wマークの点滅が始まります。SSBではどの程度5W可能なんでしょう?




手作りスタンドに立てて運用
 

 3エレは南方向に向けたまま、ほとんど変えませんでした。ワッチしたところ、7エリア以外の交信が聞こえてくることはなく、先週の熊野岳に比べ、バンド内は急に静かになったような印象でした。コンディションなのか、ロケなのか、タイミングなのか? いづれコンディションが上がっている様子はありません。それでも、ときどきFMメインでアナウンスしながらのちょうど2時間の運用。南は福島県いわき市、川俣町、南相馬市、福島市各局。北は岩手県奥州市。西は新潟県長岡市および山形県、宮城県内各局、合わせて16局に交信いただきました。長岡市とこの山頂は相性がよく、今日は2局と交信いただきました。南のいわき市から59のレポートをいただき、1エリア局とも可能では・・・と思いましたが、実現ならず、でした。

 バッテリーの方は、14局目の方と交信中に2.5Wマークが点滅を始めました。電圧表示も11.4V~11.2V(使用開始時12.4V)に低下。ここまで約1時間40分。5Wの持続時間はFMのおおよそ1.5倍といったところでしょうか。その後2.5Wで交信自体は問題なく続けることができました。この山頂での運用はバス時刻との関係で2時間と決まっていることから、SSBの運用であればこのバッテリーのみで十分かな、といったところです。
 

本日の装備一式


 狭帯域による飛びの良さといった実感はまだないものの、微妙な周波数のずれを伴うことによるアナログな面白さはSSBならではと思います。サイドバンドなので応答してみました、という方もおられました。FT-817。少し愛着が湧いてきました。今シーズンは、2mSSBで活用の機会を増やしてみようかと考えています。






feed 蔵王・熊野岳 (2017/7/9 19:01:24)


 昨年購入したものの、重さがこたえ、ほとんど使うことのなかったFT817。熊野岳なら登山といっても30分ほど。今日は、このリグで144MHzSSBをメインに運用してみることにしました。
 
 朝4時に仙台を出て、蔵王刈田岳駐車場に5時30分着。山頂小屋付近にアンテナを設営し、運用開始が6時25分。天気快晴。



<本日の装備>
リグ FT-817 5W
電源 内蔵リチウムバッテリー+リチウムフェライトバッテリー4Ah
アンテナ 変形3エレ八木

 山で144MHzSSBを運用したのは吾妻高山以来。そのときは何局か交信いただいたものの、5WQRPの非力さで呼んでも応答がないケースが続き、いまひとつ手ごたえは得られませんでした。本日はいかに。





 SSBのバンド内をワッチしてすぐ、なんと「/8」の弱い変調が聞こえてきました。8? これまで熊野岳で8エリアとの交信実績はなく、信号が聞こえてきたことすらありません。まだ準備が整わず、すぐには応答できずにいると、8同士のローカル交信に移ったようでした。南に向けていた3エレを急いで北に向けると、相手局の変調もかすかに確認できる状態でした。もしかしてとんでもないコンディションなのでは?ローカル局との交信終了を待って呼んでみたところ、59-59であっさり交信成立。この山で8エリアとの初交信となりました。滝川市の移動局で熊野岳との距離おおよそ620km。たいへん安定した信号。交信後もQRTするまで途切れることなく聞こえていました。

 北にアンテナを向けたまま、空き周波数を見つけてこちらからCQ。青森県十和田市、弘前市、岩手県釜石市、雫石町、遠野市、奥州市、秋田県北秋田市のほか、宮城県、山形県各局に交信いただきました。思いのほかSSBをワッチされている固定局が多いように感じました。

 南は、千葉県八千代市、埼玉県児玉郡上里町、朝霞市、神奈川県横須賀市、横須賀市十三峠、横浜市保土ヶ谷区、千葉県長生郡睦沢町および福島県各局に交信いただきました。南の最長交信は東京都の御蔵島でした。59-52。御蔵島にはFMメインでアナウンスした信号もきれいに入感していたとことで、FMであっても十分交信できたのかもしれません。アンテナはGPとのことでした。距離約480km。




 さて、サイドバンドの交信がとぎれ、FMをワッチしてみると、さきほど交信いただいた1エリア局の信号が41程度で聞こえていました。SSBに比べると弱く、これでは厳しいかなとしばらく聞いていると、突如、強力な変調がかぶってきました。なんとまたしても「/8」。FMで8エリア・・・。しかもアンテナバックから?すかさず向きを変え、応答。中頓別町移動局で稚内の少し南東とのこと。57-57で交信成立。この時点ではどのくらいの距離なのか実感もわきませんでしたが、実に安定かつ強力な信号でした。標高532mとのことなので、山の名前をお聞きしたところ、「ピンネシリ岳」という山の近くの「しれこま岳」とのことでした。帰宅後、地図で確認してみると、中頓別町の知駒岳とわかりました。熊野岳との距離約771km。自分にとって2mでの最長交信記録となりました。ビッグなアンテナでもお使いですか?とお聞きしたところ、モービルホイップのNR22Lとのことでした。やはり8エリアは尋常でないコンディションだったのかもしれません。SSBの交信がとぎれ、たまたまワッチしていたFM周波数での思いもかけない幸運。偶然の出会いというものを今回も感じさせられました。


 約4時間半の運用で40局と交信。39局はSSB、1局がFMでした。QRPながらSSBでは相手局のFBなアンテナに助けられ、それなりに楽しめたように思います。本日も交信いただきました各局さま、ありがとうございました。






feed 泉ヶ岳の伝搬 (2017/7/3 9:40:05)



 定点運用を続けている泉ヶ岳。日帰りで手軽に登れることやQTHが仙台市ということで真冬を除き年5~6回ほど登っています。標高1800m前後の蔵王連峰に比べ約500m低い一方、奥羽山脈の主脈から東に離れ、仙台平野に突き出た山頂で太平洋にも近い、といった特徴があります。この山頂の電波伝搬(主に145MHz)について、現時点での印象を書いてみます。




 山頂(1172m)のロケは台形で見晴らしは良くないものの、地形的には東西南北に開けています。山頂台地の一角からは、遠く仙台のビル群が一望のほか、蔵王はじめ奥羽山脈の山々、その奥に朝日連峰、北に栗駒山などが眺望できます。標高600mほどの駐車場付近で運用される局は多いですが、倍の標高となる山頂はまったく異なる伝搬といってよいと思います。

 これまでの交信実績から、145MHzFMで宮城県内全域と山形県村山〜置賜地方、岩手県盛岡市近辺、福島県浜通りいわき市、中通り白河市あたりまでをカバーするようです。新潟県も長岡市まではロケの良い局とはつながっています。1エリアは神奈川、群馬、栃木の信号は何度か受信のみできていますが、今のところ交信実績はありません。ただ、DCR(5W)で栃木県大田原市の御亭山、特小(10mW)で茨城県大子町の八溝山と交信できています。交信距離としては200kmに届かず、150〜170kmといったところです。カシミールで調べてみると、蔵王熊野岳の場合、1エリア方向は安達太良山が障壁となります。一方、泉ヶ岳は蔵王、吾妻、安達太良、那須連峰の東を抜け、さらに八溝山もすり抜け、大きな障壁は見当たりません。これで標高がもっと高ければ言うことないのですが、位置と地形だけで考えれば145MHzでも交信できてもよさそうな気がします。

 一方、西方向の0エリアに関しては、思いのほか、信号の伸びが感じられます。この山頂より標高の高い奥羽山脈、朝日連峰、飯豊連峰など二重、三重の障壁があるにもかかわらず、いくつかの局とは実に安定したQSOが可能です。また0エリアのコンテストの際は、モービル局を含む移動各局が入感し、交信もできています。なにか複雑な反射や回折であることは間違いありませんが、いつも不思議な感覚にとらわれます。ただ、熊野岳のように北アルプスや中央アルプスの移動局が入感ということは今のところありません。山岳回折を意識し、鋭角な山、たとえば雁戸山や大朝日岳などに八木を向けてみるなども試してみる価値はあるかもしれません。

 北については、栗駒山から先は山また山、太平洋側も北上山地が連なり、あまり良い印象はなく、交信実績も少ないのが現状です。八幡平や早池峰山、平庭岳移動局、盛岡市固定局とはつながっています。秋田県の局とはまだ交信がなく、船形山や栗駒山が壁になっている印象。8エリアの信号が聞こえてきた、などということも皆無です。

 現状はそんなところです。仙台市泉区QTHの貴重な山頂であり、定点運用を続けていけば、何らか得られるものもあるのでは?と考えています。


<山頂からの可視範囲>
 地図ソフトのカシミールで泉ヶ岳山頂からの可視範囲を作成してみました。西は朝日連峰のほか、飯豊連峰の北股岳、梅花皮岳、頼母木山が見通し。ただ、実際に飯豊の山を目視できたことはありません。長岡市との伝搬は、北股岳付近の山岳回折である可能性が高いように思えます。北は奥羽山脈が良くありません。わずかに焼石連峰の経塚山。北上山地は広範囲に見通しがきき、沿岸部の五葉山、六角牛山、氷上山。内陸部の早池峰山、薬師岳。北限は盛岡市の北にある大尺山。南は、吾妻連峰は可視外であるものの鬼面山、箕輪山、鉄山、安達太良山が見通し。阿武隈山地の多くも可視内。日山、女神山、羽山、麓山、大滝根山、片曽根山、口太山、移ヶ岳など。南限は八溝山から高笹山あたり。



 標高が低い割には、なかなかの山頂といえるのではないでしょうか。これらの山々の幾つかとは特小1mW・10mWでも既につながっています。偶然の機会にでも恵まれれば、QRPにて山頂同士、交信してみたいものです。







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