無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
リンク 単体表示
JO7TCX アマチュア無線局 (2024/11/23 18:35:22)
現在データベースには 401 件のデータが登録されています。
前回、山頂を踏まなかった鷹討山。この山は隣の深山のように眺望が得られるわけではなく通過点的な地味な山頂です。眺望は東に広がる太平洋のみ。西の蔵王や奥羽山系は樹木で見えません。なので伝搬的に適しているとは言えないのですが、あまり登ってくる人はおらず休憩する人もいないので何度かここで無線運用しています。標高310m。
常磐線山下駅下車。たかぶつコースの登山口から沢ルートで登ることにしました。2度下山で使ったことはありますが、登りは初めてです。沢が涸れる突き当りまで直線状に進めばよいはずと思い、少し藪っぽい細道を進むとなぜか沢から離れ、巻きながら標高を上げていることに気づきました。渡渉点をうっかり見過ごし枝道に入り込んでしまったようです。どうも様子がおかしいと思ったものの、枝道探索が目的でもあるのでそのまま進むと東街道コースの尾根道に合流。
沢沿いのルート
東街道コース尾根道
しばらく登り、まもなく主尾根ということころで今度は右の斜面に藪っぽい枝道があることに気づき入ってみました。笹薮を切り開いたトラバース。どこに続くのかと思いながら進むと視界が開け見慣れた展望地が現れました。ここは沢からのルートとの合流点。道迷い転じて二つの枝道を確かめることとなりました。展望地から主尾根に出れば、ほどなく鷹討山山頂。
展望地
山頂近くより
デュアル3エレを設置。2mSSBにて仙台市内や岩手、福島各局にぽつりぽつりという感じで応答いただいたものの後が続きません。その後JP7IEL局とDVモードにてQSO。距離約70km、以前J型アンテナやアローラインでかなり厳しかった記憶があります。今回は3エレの効果か不安なくロングに交信を続けることができました。2時間ほど運用し、さすがに寒くなって撤収。
下山はさきほど見過ごした渡渉点を確かめたいと思い、再度沢ルートへ。展望地のすぐ先に分岐があり左が別尾根の藪道、右が沢ルート。沢に出会うまでに2カ所の枝道があり、その1カ所に入ってみたところ、登山道を整備されているご夫婦に出会いました。2カ所とも先は行き止まりとのこと。いくつか疑問に思っていたルートの貴重な情報を聞かせていただきましたが、皆さん高齢でだんだん人手がなくなり、苦労して作った道も一部は元の藪に戻りつつあるとのことでした。新たに切り開らかれたルートを好んで歩く人は多くはないようです。
さて、問題の渡渉点はあっけなく判明。分岐点に赤布もあり、登りの際になぜ気づかなかったのか不思議なくらいです。沢沿いに直進さえすればよいという微細な思い込みがいけなかったのかもしれません。といっても小さな山なのでそう大事に至ることはなし。時には道迷いに身をゆだねるのも里山歩きの醍醐味では、と思わなくもないです。
今シーズンもJR常磐線を使い亘理の山々を歩いてみるつもりです。深山周辺はよく整備されて登山者も多いですが、その北や南はほとんど人に会うこともなく、登山道も少し手が加わったかと思うと翌年は荒れてしまっていたり、訪れるたびに状況が変わります。昨日は高瀬峠から入山、4月に辿ったルートを半年ぶりに歩いてみました。
JR山下駅下車。高瀬峠をめざし林道を進むと左右に石切り場があり、その先1kmほどで峠となります。林道として整備されているのは石切り場まで。4月に訪れた時以上に荒れ方がひどく、特に峠の手前あたりは低木と雑草に覆われ道形はありませんでした。踏み跡すら消えてしまったようです。かつては車も往来した峠道で、「路肩注意」の看板だけが侘しく残っているのですが、見る影もありません。
高瀬林道
この先に峠
高瀬峠から急な斜面を登り北に進むと螺吹山。前回見過ごした山頂標識を確認しようと注意深く進みましたが今回も見当たりませんでした。もともとそこが山頂かどうかもわからない状態だったのですが、朽ちしまったのかもしれません。笹薮の中の細道を進むと伐採地の斜面が見えてきました。伐採がさらに進んだ様子はなく、作業道もそのまま。そのへりに登山道が続き、登り切ったところが疣石山山頂。伐採によるものとはいえ、雑木や杉林の尾根が続く亘理山地にあって見晴らしの得られる数少ない山頂と言えます。西側は谷の急斜面となって高度感もあります。今日は吾妻、安達太良の稜線もうっすらと見えていました。この山は他に大沢山、物見山の山名を持つようで、明治時代の古い三角点も現存します。昔から地元の人々に親しまれた山なのかもしれません。
疣石山山頂(314.6m)
さて、山頂にてしばしの無線運用。反射を使えるのでは?と吾妻山に3エレを向け2mSSBにてCQを出し、県内および福島、山形各局に応答いただきました。D-starレピーターのアクセスを試したところ、福島430と福島伊達430レピーターよりダウンリンクあり。福島伊達レピーター山掛けで福島市内局と交信。2mFMでは福島県郡山市の大将旗山移動局の信号が強力に入感。何度か山同士で交信いたいだいている局です。しばしQSOを楽しみ運用終了としました。
デュアルバンド軽量3エレ
疣石山山頂からさらに北に向かい馬船峠へ。このまま集落に下ってもよいのですが林道の状態は推して知るべし。いったん鷹討山に登り返すことしに、山頂は踏まず手前の尾根から沢ルートで下山しました。
馬船峠 右手に登山道
沢沿いのルート
高瀬峠から疣石山頂までは倒木が多く荒れ気味、山頂から馬船峠までとその先の登山道はおおむね良好でした。沢ルートも細々ながら踏み跡が続き、赤布もあります。この数年、山元町側はいろんな新しいルートが拓かれて、それらがどう交差しているのか、あるいは別の登山口につながるのか不明です。今期は一つ一つ辿ってみようかと考えています。
aitendoのラジオキットK-EZ7642SSを使い、自作コイルを組み合わせて乾電池1本で動作する1ICラジオを作ってみました。バリコンを中心にした小さな基板に回路が組まれており、自由度の高いラジオ作りに重宝します。以前も同様のキットでいくつか作りました。今回は変則スペース巻きコイル。
<コイル>
分離の悪さがストレートラジオの欠点なので、それを補うのはコイルしだいということになります。直径6cm、長さ6.5cmの塩ビパイプにスパイダーコイルで好印象だった分割巻き?で巻いてみることにしました。通常の分割巻きと異なり、自在ブッシュの溝に沿って複数回巻いていく方式です。自在ブッシュの溝は16個。なので16分割となりますが、変則スペース巻きと言った方が正しいような気がします。溝に何回巻くかでインダクタンス調整ができるためコイル幅を短くできるメリットがあり、自分的には最近この巻き方にはまっています。
1溝に何回巻くか? ですが、線全体の長さは15~20m巻けばよいので、逆算して5回づつ巻いてみることにました。線材は0.35mmポリウレタン線。5回巻いたら次の溝へ、溝を間違えないように慎重に巻き進めます。スパイダーコイルの時よりは巻きやすく、なんとか集中力を持続させて巻き上げることができました。インダクタンスを計ったところ327μH。少しほどいて297μHに調整、総巻き数74回となりました。
< K-EZ7642SS >
続いてラジオ基板の製作。作り始めてすぐ、このキットはいろいろと問題があることに気づきました。バリコンのダイヤルが大きく、基板四隅の穴の2カ所をふさいでしまう、ホームページに掲載されている基板の写真と微妙に異なる、プリントで5KΩとあるところは実際には1KΩの間違い(部品は1KΩが付属)、等々。aitendo品質といってしまえばそれまでですが、特にダイヤルと穴の位置は問題なのでダイヤルを変更することにし、そのためバリコンは表裏反対に取り付けることにしました。コイルと電源をつなぎ動作確認したところ、NHK仙台第一がちょうどよい音量で入感してくれました。とりあえずひと安心。
<台座取り付け>
9.5cm×8.5cm の木台に裏面配線としました。いつものバラック風。バリコン部分は木台をくり抜き埋め込み式としました。基板、コイル、電池ボックス、トランス接点をそれぞれ配線したらあとはネジ留めするのみ。これで完成、と思ったのですが・・・。
組み上がってさっそくトランスを接続、オーディオイヤフォンで聞いてみると、NHK仙台第一、NHK仙台第二、東北放送とも十分な音量で入感。ただ、バリコンのどこを回してもNHK仙台第一のかぶりがみられ、分離が良くありません。音声のざらつきも感じられます。ふと、以前にも同じようなことがあったことを思い出し、コイルを縦位置にしたらどうなんだろうと試してみたところ、感度が少し低下するものの先ほどとは打って変わって信号のピークが先鋭になり、格段に聞きやすくなりました。音声も改善。
ということでコイルを横位置から縦位置に付け直し製作完了としました。十分な感度を見込める場合は、コイル縦置きで分離を優先する、それも悪くないな、とあらためて実感しました。
簡単なキットを組み合わせて作るのみなので半日あれば十分と思ったのですが、いろんな問題が発生して、けっこうてこずりました。丸一日を費やし完成。コイル巻きや部品の配置、配線を考えたり、あるいは予期せぬ難題が起こったり、それらに夢中になっている時はほかのことは何も考えずに済みます。自分時間に没頭。これがラジオ工作の良さかな、と思ったりもします。
寒くなってくるとなぜか半田ごてを握ってラジオでも作ろうかという気持ちになります。以前に購入しまだ作っていないものもあるのにaitendoからいくつか新たなキットを買い込みました。1~2時間で作れる簡単なものばかりです。乾電池1本で動作するAMストレートラジオが好みで、手持ちの部品でも作れないこともないですがキットはキットなりの良さがあり、つい買ってしまいます。 K-EZ7642BXAは定番のTA7642ラジオICにS9014を追加し、トランスなしでオーディオイヤフォンを鳴らそうというものです。今年2月にTA7642とBC548Bを使った同様のものを作りましたが、回路はさらにシンプルになり「高音質で豊かな音」とか、果たして?
付属のコイルをaitendoではラジカルフェライトコアコイルと表記していますが、普通のインダクターです。容量を図ってみたところ682μH。我が家の環境では容量オーバーなのは明らか。なので、直接はんだ付けせず、コイル交換できるようにプッシュ式端子を取り付けることにしました。変更したのはこの部分のみです。部品を確認しながら基板のプリントどおりにはんだ付けしていくのみ、30分ほどで組みあがりました。
スイッチ付きイヤフォンジャックになっており、イヤフォンを差し込むと電源オン。まずは付属インダクターを取り付けて試したところ、NHK仙台第一(891KHz)が大音量で入感。こんな小さなコイルでも意外に感度は悪くないです。でも予想したとおりバリコンを回し切ったあたりで聞こえ、その上にあるNHK仙台第二(1089KHz)や東北放送(1260KHz) は入らず、でした。3局を聞くには200μHくらいがちょうどよいのです。ということで、小型のバーアンテナや以前に作ったスパイダーコイルを順次接続したところ、今度は3局とも高感度に受信してくれました。コイルの向きや偏波面を変えると分離もまずまず、ほぼ混信はなくなります。小さなボリュームが付いており音量調整可。肝心の音質はイヤフォンにもよると思いますが、キンキンせず、聞き疲れしない音では鳴ってくれます。まあ、これを「高音質」といえるのかどうかは? ではありますが・・・。
ダイヤルを回すには基板に下駄を履かせる必要あり
完成して電源を入れ、イヤフォンから放送が飛び込んできた瞬間というのは、たとえキットでもちょっとした達成感があり、同じようなものでも何度も作りたくなってしまいます。今回はコイル差し替え式にしたので、コイル調整、実験用にちょうど良いかなと考えています。
さて、せっかく新たな環境が整ったことだし、パソコンのもたつきがあって躊躇していたアンテナシュミレーションソフトMMANA-GALを使ってみることにしました。 この間自作したアンテナはネットに公開されているシュミレーションを参考にしていますが、調整過程で寸法が変わり、実際には別物になってしまっています。変更後のアンテナがどのような姿でシュミレートされるのか、そんなところに興味があり試してみました。
MMANA-GALベーシック英語版をダウンロード。ネット情報をもとに、setupメニュー→「言語」→「Japanese」を選択し日本語表示に変更。文字化け対策としてMMANA-GAL_BasicのLanguageフォルダーからjapanese.mmnファイルを開き最初の一行にある「932」を「1」に書き換え、設定完了。
放射器がロッドエレメント、導波器と反射器がアルミパイプの自作3エレ八木(145MHz)をシュミレートしてみました。アンテナ定義に周波数、給電点、実際の上下エレメント寸法を入力。「計算」画面に移り自由空間を選択、地上高3m、エレメント材質はアルミパイプを指定し「開始」ボタンを押したところ、一瞬で結果が示されました。
おおかた妥当なところとかと思います。「周波数特性」ボタンを押し放射パターンを表示。製作時に参考にしたシュミレーションに比べFB比は甘くなっているようです。実際使用した印象でもそんな感触があります。次にSWRグラフ。驚いたことにアナライザーでの測定結果と酷似したグラフが表示されました。たまたま一致しただけかもしれませんが、MMANA-GALなかなかのものと思いました。 このソフトで複雑なことをしようと考えているわけではありません。上記のように調整後のアンテナがどのような特性に変化しているのかを参考にしたり、3~5エレ八木でブームをどこまで短くできるのか、それでいてなるべく特性の良いものができないか、そんなことを考えています。 それにしてもCPUの進化には恐れ入ります。自分の使用範囲を考えるとこれ以上の性能はもう必要ないのかもしれません。
アンテナのエレメント材としてアルミパイプをこれまで使わなかったのは、変形しやすい理由のほか、ハンダ付けができないと考えていたからです。接合するには溶接したりバーナーでロウ付けするなど敷居が高いうえ、細かい部分には向かないのでは?との思い込みもありました。ところが最近、アルミであっても手軽にハンダ付けできるらしい、ということを知りました。アルミが本当にハンダ付けできるとしたらかなり活用の幅が広がるのでは? でも、使用に耐えうる強度は確保できるのか? 半信半疑ながら、自作した3エレ八木のエレメントで試してみることにしました。
共立エレショップで扱っている「アルミ用ヤニ入りハンダ」というものを購入。1m530円と普通の工作用糸ハンダに比べ割高です。
特殊な4芯フラックスが入っているそうで、説明では
・アルミ及びアルミ合金のはんだ付が容易
・電解腐食に対して大幅に改善
・アルミとほとんどのアルミ合金・異種金属に対し優れた浸透性を持つ
などとされています。
太さ4mmのアルミパイプと丸端子のハンダ付け。丸端子の素材は銅100%に錫メッキしたもの、半田ごては90Wの工作用でいつも使っているものです。
丸端子を装着したアルミパイプにコテ先を当て、対象物を30秒ほど熱したところでそっと糸ハンダの先端を接触させると、これまでにないフラックスの匂いが立ちのぼってきました。さらに二度、三度と糸ハンダを接触させている内、今度は十分に熱せられたアルミパイプ表面を流れるようにハンダが融けていく様子が見てとれました。思いのほか簡単に接合。いつものハンダ付けと特段変わらず、拍子抜けするほどです。冷めてから確認したところ、しっかり一体化しているようで接合部が外れたりする心配はなさそうです。強度的にもたぶん問題なし。
3エレ八木に装着
それにしてもアルミがこんな簡単にハンダ付けできるとは・・・。ちょっとした驚きでした。銅パイプに比べ数分の一の軽さ、今後はアンテナやコイル作りにアルミを使ってみようかと思います。自分が知らなかっただけかもしれませんが、糸ハンダの世界もいつの間にか進化していることを実感した次第です。
泉ヶ岳で使った3エレ八木は単体で150g、これに片支持ブームを加え220gとなります。先日の運用で、微風であればモノポールでも設置できるとの手ごたえがありました。ただ、トップヘビーではあるわけで、バランスを考えればさらに軽量化するに越したことはありません。使用に耐えうるレベルの強度と使い勝手を確保しつつ、もっと軽くできないか? 性能的にも感触の良かった3エレで、寸法等はほとんど変えず、もう1本作ってみることにしました。
<材料>
角材(ブーム) 1cm×1cm×51cm
ロッドアンテナ(放射器エレメント)60cm×2本
太さ4mmアルミパイプ(反射器、導波器エレメント)
樹脂板、丸端子、ボルト、他
前回の3エレは、エレメントすべてをロッドアンテナとしました。1本20gほどなので、上下6本で120g強。これに給電部やブームの重さが加わります。今回は反射器と導波器をアルミパイプに変更し軽量化を図ることにしました。放射器および給電部は変わりません。
<組立て、収納>
反射器、導波器それぞれ所定の寸法に切ったアルミパイプ先端に丸端子を装着し、ボルトと蝶ナットで角材ブームに固定するのみ。と、簡単に考えていたのですが、収納の際、ある程度長めのボルトでないと丸端子同士が接触しV字型になってしまうことが判明。ブームに沿って直線状に収納するには、蝶ナットを緩めた状態で丸端子が上下に重なるだけの余裕のある長さが必要となります。手持ちのものをいろいろ試したところ、3cmのボルトで事なきを得ました。丸端子周辺はきつめに差し込んであるだけなので、アルミハンダで補強する予定です。
<調整>
放射器ロッドの伸縮で調整します。反射器と導波器の長さも丸端子の重なり具合で5mmほど調整可能ですが、共振点やSWRはあまり変わらず、でした。放射器寸法を前回と同じにしたところSWR2.0。エレメントの太さと材質が異なるため微妙に変わってくるようです。調整の結果、バンド内広くSWR1.2以下となり、ベタ落ちではないものの、調整終了としました(寸法下図)。
重さ115g。できればRH-770と同等の軽さをめざしたのですが、クリアならず。3mmアルミパイプなら100gを切ったと思います。今回は実用を考え4mmとしました。前作と比べ35gの軽量化に過ぎないものの、手に持った感触はけっこう違います。ポールとのバランスも良くなるのでは? 難点は、組立て収納の際、2ヶ所の蝶ナットを回さなければならないこと。ロッドエレメントの方が手間はかかりません。ブーム長51cmの2本の3エレ、ケースバイケースで使ってみます。
先週に続き本日も泉ヶ岳。前回はいろいろと反省点があったことから、同じ場所、装備で運用してみることにしました。この間、アンテナ給電部の半田付けリペアおよびボルトの締め直し、手作り片支持ブームによるケーブル処理の見直しをおこないました。設営方法も三脚ではなくモノポールに変更。うまく設置できるかどうか試してみることにしました。
山頂付近より船形山(右手奥)
大東岳、面白山方向(左奥にかすかに飯豊連峰)
空気澄んだ秋晴れ。山頂付近からは遠く朝日連峰の全景、飯豊連峰の一部も確認できました。首尾どおりポール先端に片支持ブームと3エレ八木を取り付け、地面に突きさせば設営完了。3エレ+片支持ブームの重さは220g。今日は微風ということもあり問題なさそうです。ちなみにこのポールは雪崩捜索用のプローブ(ゾンデ)というもので、長さ2m~4mほどのものが各種あります。自分が使っているのはカーボンファイバー製で長さ2.4m、重さ200gほど。硬い雪面に突き刺して使うものなので丈夫でしなりがなく、アンテナ設置に重宝しています。
<本日の装備>
リグ FTM-10S(145MHz 10W弱で運用)
バッテリー 小型PD(12V給電)
アンテナ 3エレ八木
アンテナ向きは南西(飯豊連峰方向)。岩手、宮城、福島、新潟各局に応答いただきました。0エリアは妙高市、西蒲原郡弥彦村、五泉市、新潟市、長岡市、村上市。すべて固定局でFBな八木をお使いの局もありましたが、GPが多かったようです。ベランダ設置のモービルホイップから応答いただいた局もありました。定点運用を続けているこの山頂で0エリアと6局交信できたのは初めてです。最遠方は妙高市。53-55。12エレスタックをお使いとのことで終始安定して交信できました。妙高市とは山岳移動の局と何度かここでつながったことはありますが固定局は初めてでした。距離約280km。飯豊連峰や上越の山々が2重、3重の壁となる位置関係、FBなロケと設備で拾っていただいたようです。弥彦村とは53-51,五泉市とは51-41。0エリアから呼んでいただいているのはわかるもののコールサインが確認できず数回聞き返すという感じで、レポートおよびQTH、お名前を確認し、なんとか交信を続けることができました。アンテナの向きだけでなく、ポールを斜めに傾けると信号が浮いてくる場面もありました。モノポールなのでこういう場合の自由度は高く、いろいろとコツがありそうな気がします。
あっという間の2時間、アンテナ向きはほとんど動かしませんでしたが、南は郡山市、北は遠野市など。ほぼ途切れなく呼んでいただきました。
51cmのナロースペース3エレでこれだけ交信できれば御の字です。片支持ブームの効果大だったのでは? 八木はケーブル引き回しが勘所とあらためて実感しました。
泉ヶ岳での運用の際、同軸ケーブルの引き回し方により信号が大きく変化することにあらためて気づかされました。八木アンテナの意外な落とし穴と言えるのかもしれません。固定の場合は問題ないと思いますが、移動では毎回引き回し方が変わったりします。室内で再現してみたところ、やはり後方もしくは横に延ばすのがベスト。エレメント近くのマストで束ねたりするとSWR的にはさほど問題なくとも信号は悪化します。ということで、給電部コネクターから横にケーブルを伸ばせるように簡易的な片支持ブームを作ってみました。
以前も三脚ネジにストレートブラケットを取り付けて突き出す器具を作ったことはありますが、スチール製で重く、三脚以外のモノポールには使えない不便さがありました。今回は角材と目玉クリップ2個でポールに固定する方法としました。アンテナの固定は塩ビパイプ差し込み式。写真の通り簡便なものです。長さ25cm、重さ70g。
まだ実際に使ったわけではありませんが、三脚ポールにもモノポール(地面突きさし)にも対応可能となり、クリップ2個使用で自作の軽量八木なら問題なさそうです。わずか25cmであっても横に延ばすことでケーブルの影響が抑えられ、アンテナ本来の性能を引き出せるのでは?と少し期待しています。次回の運用で使ってみます。
山岳用アンテナの条件となるのは長さ、重さ、設営・撤収の手間、ある程度の丈夫さ、などなど。これらと利得との折り合いということになります。もう一つ重要なのは設営に三脚が必要かどうか。アローラインや軽量ホイップであればポールを地面に突き刺すだけで設営可能です。あるいは樹木を利用するとか。八木系の場合でも2~3エレ程度ならポール設置も不可能ではないと思うのですが、踏み切れないでいます。そこそこの利得があってもっと軽量なものはできないか?ということで、丈夫さにはこだわらず軽さに特化した4エレ八木を作ってみることにしました。5エレも考えたものの、ブームが1m近くになってしまい、ザックサイドに取り付けるにしても無理があります。ブームを分割すれば済むのですが、良い方法が思いつきません。4エレならなんとか許容範囲かと。
<材料>
角材 1cm×1cm×78cm
エレメント 60cmロッドアンテナ2本
太さ4mmアルミパイプ
太さ5mm銅パイプ
BNCコネクター
樹脂板、六角ボルト等
<製作>
放射エレメントはマッチング機構を兼ねてロッドアンテナとし、反射器、導波器はアルミパイプを使いました。エレメントにアルミパイプを使うのは初めてです。軽量化のメリットと変形しやすいデメリットがあり、今回は軽量化を優先しました。エレメント取り付けはブームに接着した5mm銅パイプに上下から差し込む方式としました。このような簡便な方法で下部エレメントが抜け落ちないのか、という心配はあります。またキツく入れ過ぎて、撤収の際に抜けなくなっても困るわけです。何度か試行錯誤しながらパイプの挿入部を慎重にヤスリで調整しました。アルミパイプはとても軽量で材質的にも少し弾力があり、うまく保持してくれるようです。手元での短時間の運用ならなんとかなるかな、と。エレメント寸法等は今回もネットデータを参考にさせていただきました。ブーム長78cm、重さ140g。2m用4エレ八木としては軽量なものにできたと思います。
<組み立て、調整>
反射器および第一、第二導波器エレメントを上下に取り付け、放射器ロッドの伸縮で調整します。データ通りの寸法でバンド内全域SWR1.3前後と良好な状態となりました。ベタ落ちとはならず、ロッドを伸ばしたり縮めたりしてみましたが、あまり変わりません。少しSWRが下がったところで調整終了としました。それにしても144~145MHz帯を中心にフラット。癖のない性格というべきなのか、このような鍋底状のSWRグラフはあまり目にしたことはありません。利得はともかく、広帯域で使いやすそうな特性ではあります。
この軽さならポール設置も可能な気がします。ただ、強風では持たないかも・・・。オープンスリーブによる430MHzデュアル化もそのうち試してみます。