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JO7TCX アマチュア無線局 (2024/11/24 11:05:30)
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NY144Xを430で使う
(2021/5/16 16:27:40)
ナテックの2エレ八木NY144Xはメーカー的には狩猟用受信アンテナという位置づけながら、収納時のコンパクトなところが気に入っていろんな山で使ってきました。耐入力10Wで送信も問題ありません。2m用ですが、ロッドエレメントを最短にすると430にマッチングが取れることも何度か書きました。ただ、自分のアナライザーでは測定外なのでどんな風にマッチングしているのか疑問なところがあり、本日IC-705のSWRプロット機能で測ってみました。あわせて同じナテックの430用3エレ八木NY430X3との比較をしてみました。
いつもの大年寺山。この周辺で430が使えるのは東端の公園のみです。それ以外は3基のテレビ塔から常時盛大な抑圧を受けてしまいます。小広い草地の公園で北に開け、仙台駅あたりのビル群が同じくらいの高さに見え、ロケ的にも悪くありません。今日もJP7IEL局(距離約40Km)にロングにお付き合いいただきました。
さっそくNY144Xのエレメントを最短にした状態でSWRを測ってみました。433.000で1.6、上に行くほど悪化していきます。432.000あたりで最も下がるもののフラットでどこに共振点があるのかはよくわからず。メインより下の周波数なら送信も問題ないかな、といったところです。メインから上は厳しい。エレメントの長さを調整してもこれ以上良くなりません。続いてNY430X3のSWRをプロットしてみました。500Kステップで430.000~436.000まで1.5以下。メインで1.2。このアンテナもメインから下が良好のようです。
NY144XのSWR
NY430X3のSWR
実際の交信では信号の拾い方が異なるのか、強くなる方角に少し違いがあり微調整しました。双方5W、NY144Xで51-51、NY430X3で51-52。JP7IEL局からはどちらもSメーターは振れないもののNY430X3の方がノイズは少なく3エレなりの効果が若干感じられる、とのこと。こちら側も同様な感触でした。
NY144X(430もどき)
NY430X3
2エレと3エレの違いもありますが、430用に作られたNY430X3には及ばず、の結果です。でも予想したほど大きな違いではなく、メインより下の周波数なら使えなくもない、ということがわかったのは収穫でした。自分の場合430はD-starレピーターに短時間アクセス後シンプレックスにQSY、というような使い方なので問題ないかなと思います。今日の結果を念頭にまた山で使ってみます。
本日は気温23度。外部バッテリー15V給電にて430FMとDVで2時間半交信を続けたところ、リグの温度表示(TEMP)はピンクからレッドゾーンを行ったり来たりでした。背面に装着したヒートシンクは触れないほど高温に。やはり冬場とは違いますね。5Wでこうなのでマックスパワーならどうなるんだろう、と少し心配になりました。
ナテックの2エレ八木NY144Xはメーカー的には狩猟用受信アンテナという位置づけながら、収納時のコンパクトなところが気に入っていろんな山で使ってきました。耐入力10Wで送信も問題ありません。2m用ですが、ロッドエレメントを最短にすると430にマッチングが取れることも何度か書きました。ただ、自分のアナライザーでは測定外なのでどんな風にマッチングしているのか疑問なところがあり、本日IC-705のSWRプロット機能で測ってみました。あわせて同じナテックの430用3エレ八木NY430X3との比較をしてみました。
いつもの大年寺山。この周辺で430が使えるのは東端の公園のみです。それ以外は3基のテレビ塔から常時盛大な抑圧を受けてしまいます。小広い草地の公園で北に開け、仙台駅あたりのビル群が同じくらいの高さに見え、ロケ的にも悪くありません。今日もJP7IEL局(距離約40Km)にロングにお付き合いいただきました。
さっそくNY144Xのエレメントを最短にした状態でSWRを測ってみました。433.000で1.6、上に行くほど悪化していきます。432.000あたりで最も下がるもののフラットでどこに共振点があるのかはよくわからず。メインより下の周波数なら送信も問題ないかな、といったところです。メインから上は厳しい。エレメントの長さを調整してもこれ以上良くなりません。続いてNY430X3のSWRをプロットしてみました。500Kステップで430.000~436.000まで1.5以下。メインで1.2。このアンテナもメインから下が良好のようです。
NY144XのSWR
NY430X3のSWR
実際の交信では信号の拾い方が異なるのか、強くなる方角に少し違いがあり微調整しました。双方5W、NY144Xで51-51、NY430X3で51-52。JP7IEL局からはどちらもSメーターは振れないもののNY430X3の方がノイズは少なく3エレなりの効果が若干感じられる、とのこと。こちら側も同様な感触でした。
NY144X(430もどき)
NY430X3
2エレと3エレの違いもありますが、430用に作られたNY430X3には及ばず、の結果です。でも予想したほど大きな違いではなく、メインより下の周波数なら使えなくもない、ということがわかったのは収穫でした。自分の場合430はD-starレピーターに短時間アクセス後シンプレックスにQSY、というような使い方なので問題ないかなと思います。今日の結果を念頭にまた山で使ってみます。
本日は気温23度。外部バッテリー15V給電にて430FMとDVで2時間半交信を続けたところ、リグの温度表示(TEMP)はピンクからレッドゾーンを行ったり来たりでした。背面に装着したヒートシンクは触れないほど高温に。やはり冬場とは違いますね。5Wでこうなのでマックスパワーならどうなるんだろう、と少し心配になりました。
泉ヶ岳(仙台市泉区 1172m)5/9
(2021/5/9 17:35:52)
天気予報では平地は晴天。山の天気予報(高層天気)では奥羽山系はいづれも雨。山はダメかなと思ったのですが、朝、蔵王熊野岳などのライブ映像を確認するとなぜか晴れています。それもすぐに崩れるような雰囲気でもありません。泉ヶ岳なら奥羽山系といっても少し外れているので大丈夫では?ということで登ることにしました。
泉中央駅から始発のバスに乗り登山口へ。バスからは山の全容が見えていたのですが、停留所に着いたころから西から雲がかかり、雨がパラついてきました。山の天気予報の方が当たってしまったようです。しばらく軒下で様子をみると小雨になり日が射してきました。たぶん今日はこの繰り返しになりそうな予感ですが、濡れるのを覚悟で登り始めることにしました。
カモシカコースを直登。最初からスキー場の急登なのできついです。岡沼を過ぎ再度の急登。80分で山頂着。西に進むすと、晴れていれば後白髭山や船形山が眼前に見えるのですが、ガスがかかって何も見えず。時折突風もあって、いよいよ予報通りの荒天になってきました。
無線どころではなく、すぐに下山した方が良いのでは?との思いが脳裏をよぎったのですが、少しだけでもといつもの運用場所で店開きすることにしました。
リグ IC-705(145MHz 10W)
アンテナ RH770
今日は0エリアのVHFコンテストがあり、この山頂であればQSO可能ではとの期待もありました。2mFMをワッチすると案の定、新潟県内の数局が聞こえてきました。でも55程で入感しコールサインも十分了解できた局を呼んでみたものの応答がありません。何度呼んでもそのままCQが始まってしまう。雨でSWRが悪化しているのでは?とリグのSWR表示を見たらベタ落ちで問題なし。そうこうしている内、山岳移動の際に何度か交信いただいている長岡市固定局のCQが52程で聞こえてきました。応答したところノイズの中からこちらのコールサインに気づいていただいたようで「アンテナを切り替えます」とのこと。方角を向けていただき57に。長岡局からは51のレポート。きわどい信号だったと思いますが、その後は安定して交信しファイナルを送りました。続いて上越市および三島郡移動局と59-55で交信。三島郡移動局からは何度か県ナンバーを聞かれやっとレポート交換となりました。こちらの実際の信号は41程度かと思います。上越市移動局とは不安なく交信できました。距離約280km。本日の最長交信。
その後2mSSBにてCQを出し、宮城および福島各局にお呼びいただき交信。もう少し続けたかったのですが雨が強くメモログも取れない状態となり終了としました。リグもだいぶ濡れたものの大丈夫でした。
この山頂ではRH770やアローライン、J型アンテナなどホイップ系のアンテナでも0エリアと何度かつながっています。しかし蔵王熊野岳のようにすんなりつながるわけではなく、相手局のロケと設備しだい。そこが面白いところでもあります。今日は十分な信号で受信できても応答いただけないケースが複数ありました。単にパワーの違いかもしれませんが、蔵王、朝日、飯豊連峰が二重、三重の壁となってパスを複雑にしているようにも思えます。次回は山頂での運用場所を少し変えてみてもよいかも、と考えています。
スキー場上部、うさぎ平へ下ったころにはみるみる青空が広がってきました。バス時刻まで間があり、再度2mSSBで運用、2局に交信いただき下山しました。
天気予報では平地は晴天。山の天気予報(高層天気)では奥羽山系はいづれも雨。山はダメかなと思ったのですが、朝、蔵王熊野岳などのライブ映像を確認するとなぜか晴れています。それもすぐに崩れるような雰囲気でもありません。泉ヶ岳なら奥羽山系といっても少し外れているので大丈夫では?ということで登ることにしました。
泉中央駅から始発のバスに乗り登山口へ。バスからは山の全容が見えていたのですが、停留所に着いたころから西から雲がかかり、雨がパラついてきました。山の天気予報の方が当たってしまったようです。しばらく軒下で様子をみると小雨になり日が射してきました。たぶん今日はこの繰り返しになりそうな予感ですが、濡れるのを覚悟で登り始めることにしました。
カモシカコースを直登。最初からスキー場の急登なのできついです。岡沼を過ぎ再度の急登。80分で山頂着。西に進むすと、晴れていれば後白髭山や船形山が眼前に見えるのですが、ガスがかかって何も見えず。時折突風もあって、いよいよ予報通りの荒天になってきました。
無線どころではなく、すぐに下山した方が良いのでは?との思いが脳裏をよぎったのですが、少しだけでもといつもの運用場所で店開きすることにしました。
リグ IC-705(145MHz 10W)
アンテナ RH770
今日は0エリアのVHFコンテストがあり、この山頂であればQSO可能ではとの期待もありました。2mFMをワッチすると案の定、新潟県内の数局が聞こえてきました。でも55程で入感しコールサインも十分了解できた局を呼んでみたものの応答がありません。何度呼んでもそのままCQが始まってしまう。雨でSWRが悪化しているのでは?とリグのSWR表示を見たらベタ落ちで問題なし。そうこうしている内、山岳移動の際に何度か交信いただいている長岡市固定局のCQが52程で聞こえてきました。応答したところノイズの中からこちらのコールサインに気づいていただいたようで「アンテナを切り替えます」とのこと。方角を向けていただき57に。長岡局からは51のレポート。きわどい信号だったと思いますが、その後は安定して交信しファイナルを送りました。続いて上越市および三島郡移動局と59-55で交信。三島郡移動局からは何度か県ナンバーを聞かれやっとレポート交換となりました。こちらの実際の信号は41程度かと思います。上越市移動局とは不安なく交信できました。距離約280km。本日の最長交信。
その後2mSSBにてCQを出し、宮城および福島各局にお呼びいただき交信。もう少し続けたかったのですが雨が強くメモログも取れない状態となり終了としました。リグもだいぶ濡れたものの大丈夫でした。
この山頂ではRH770やアローライン、J型アンテナなどホイップ系のアンテナでも0エリアと何度かつながっています。しかし蔵王熊野岳のようにすんなりつながるわけではなく、相手局のロケと設備しだい。そこが面白いところでもあります。今日は十分な信号で受信できても応答いただけないケースが複数ありました。単にパワーの違いかもしれませんが、蔵王、朝日、飯豊連峰が二重、三重の壁となってパスを複雑にしているようにも思えます。次回は山頂での運用場所を少し変えてみてもよいかも、と考えています。
スキー場上部、うさぎ平へ下ったころにはみるみる青空が広がってきました。バス時刻まで間があり、再度2mSSBで運用、2局に交信いただき下山しました。
大森山(角田市)から新城山
(2021/5/4 18:54:16)
昨日は気仙沼市の大森山、今日は角田市の大森山。この名称の山は他にも宮城県内にいくつかあります。一昨年の秋に登った際は、新城山への林道が藪に覆われており先に進むのを断念しました。台風19号の影響もあったと思います。その後、どう変わっているのか気になり、高瀬峠から入山し小斎峠までを歩いてみました。
高瀬峠登山口
登山道途中から大森山
高瀬峠までは先日、疣石山に登ったのと同じです。峠から尾根に上がり、植林に沿うように登山道が続いているのですが、今時期はバラがうるさく、歩きにくいです。すぐ右手に山頂を回り込む林道が通っているので、これを登った方が良いかもしれません。30分ほどで山頂着。照明施設の鉄パイプが設置されて相変わらず無粋ではあるものの、地味な亘理山地にあって眺望に恵まれた山頂ではあります。標高314m。今日は正面に蔵王、遠く吾妻、安達太良も確認できました。
大森山山頂
大森山付近から新城山
さて、ここから南隣に一昨年断念した新城山があります。大森山を少し下ると林道分岐点に以前はなかった「小斎峠」を示す標識があり藪もすっかりなくなっていました。たしか林道の左手に新城山入口の赤布があったはず。注意しながら500mほど歩いたところで再度林道分岐。まっすぐ進むと下ってしまいそうなので左へ。間もなく赤布がありました。低山の林道分岐というのはどこにつながっているかわからず、けっこう怖いです。
小斎峠への分岐
新城山入口
山頂
20分ほどで雑木に囲まれた新城山山頂着。標高291m。登山道入り口付近は藪っぽいものの山頂周辺と小斎峠までは良く踏まれた道で迷うことはありませんでした。地元の方々が少しずつ手入れされているようです。
無線運用は大森山にて2mSSBでCQを出し、宮城、福島の数局にお相手いただき、その後JP7IEL局と430FM、DVで交信。新江合川移動とのこと。風が強く、こちらのアンテナが揺れて信号が落ち着かない状態でしたが、ロングにお付き合いいただきました。IC-705の熱対策として取り付けたヒートシンクの効果を今日も実感。新城山山頂では2mFMにて陸前高田市移動局(箱根峠)より応答いただき59-59でレポート交換。相手局のFBなロケとアンテナによるものと思いますが、安定した信号で少し驚きました。距離約160km。帰宅後、カシミールで確認したところ、見通しに近いとわかりました。どうりで強いはず、それにしても双方の位置関係による意外な相性というのはあるものです。
昨日は気仙沼市の大森山、今日は角田市の大森山。この名称の山は他にも宮城県内にいくつかあります。一昨年の秋に登った際は、新城山への林道が藪に覆われており先に進むのを断念しました。台風19号の影響もあったと思います。その後、どう変わっているのか気になり、高瀬峠から入山し小斎峠までを歩いてみました。
高瀬峠登山口
登山道途中から大森山
高瀬峠までは先日、疣石山に登ったのと同じです。峠から尾根に上がり、植林に沿うように登山道が続いているのですが、今時期はバラがうるさく、歩きにくいです。すぐ右手に山頂を回り込む林道が通っているので、これを登った方が良いかもしれません。30分ほどで山頂着。照明施設の鉄パイプが設置されて相変わらず無粋ではあるものの、地味な亘理山地にあって眺望に恵まれた山頂ではあります。標高314m。今日は正面に蔵王、遠く吾妻、安達太良も確認できました。
大森山山頂
大森山付近から新城山
さて、ここから南隣に一昨年断念した新城山があります。大森山を少し下ると林道分岐点に以前はなかった「小斎峠」を示す標識があり藪もすっかりなくなっていました。たしか林道の左手に新城山入口の赤布があったはず。注意しながら500mほど歩いたところで再度林道分岐。まっすぐ進むと下ってしまいそうなので左へ。間もなく赤布がありました。低山の林道分岐というのはどこにつながっているかわからず、けっこう怖いです。
小斎峠への分岐
新城山入口
山頂
20分ほどで雑木に囲まれた新城山山頂着。標高291m。登山道入り口付近は藪っぽいものの山頂周辺と小斎峠までは良く踏まれた道で迷うことはありませんでした。地元の方々が少しずつ手入れされているようです。
無線運用は大森山にて2mSSBでCQを出し、宮城、福島の数局にお相手いただき、その後JP7IEL局と430FM、DVで交信。新江合川移動とのこと。風が強く、こちらのアンテナが揺れて信号が落ち着かない状態でしたが、ロングにお付き合いいただきました。IC-705の熱対策として取り付けたヒートシンクの効果を今日も実感。新城山山頂では2mFMにて陸前高田市移動局(箱根峠)より応答いただき59-59でレポート交換。相手局のFBなロケとアンテナによるものと思いますが、安定した信号で少し驚きました。距離約160km。帰宅後、カシミールで確認したところ、見通しに近いとわかりました。どうりで強いはず、それにしても双方の位置関係による意外な相性というのはあるものです。
大森山(気仙沼市 標高756m)
(2021/5/3 18:50:10)
5月下旬から6月上旬に毎年この山に登っています。この頃、山頂を埋め尽くす山ツツジが見ごろとなります。今年は桜も例年より2週間ほど早かったことから、もうつぼみくらいにはなっているのでは?と期待し、早めに登ってみることにしました。予報では天候は晴れ。
津谷川集落と大森山
津谷川集落から林道に入り登山口着。わずかに陽がさすものの西の空がどんよりし、いやな予感。登山道となっている防火帯をそのまま直進せず、「遊歩道入口」の標識から右に入ると雑木林の細道となります。こちらが本来の登山道と思われ、山頂を回り込むように続いています。防火帯と違って眺望はないものの雰囲気が良く今日はカタクリとイチゲが見ごろ、ツツジはやっと新芽が出たところで開花はだいぶ先といった状態でした。30分の登山で山頂着。
山頂
徳仙丈山方向
無線の方は思わぬ悪天候に見舞われ短時間の運用となりました。準備している最中から小雨混じりとなりましたが、せっかくなので2mSSBでCQを出すと、盛岡市、紫波町、大船渡市、陸前高田市など岩手各局や宮城各局に応答いただきました。その間も青空が見えて安心ているとみるみる怪しい雲に覆われたりと目まぐるしい天候で落ち着いて運用できません。雨と風でログ帳のメモ書きもできなくなり30分で撤収、下山となりました。不本意でしたが、こんな日もあります。この山頂はそこそこ標高があり、間近に太平洋ということもあって伝搬的には悪くない印象があります。天候の良い日にあらためて登ってみるつもりです。
帰路、昨年は工事中であった南三陸町復興祈念公園に立ち寄りました。かつての町の中心部は10mほど盛り土され、ほぼすべて公園となっていました。祈りの丘の頂上付近が志津川駅のあったあたりと思われます。その駅から惣内山や神行堂山に登ったことや駅前に密集した人家と多くの商店があったことが思い出されました。公園と新たに作られた「さんさん商店街」の間に上下二層になった面白い構造の橋が架けられています。太鼓橋風の造りで川と海が眺められるようになっているのですが、海に続く護岸堤防の巨大さとその迫力に圧倒されてしまいました。
旧防災庁舎
二層構造の中橋
中橋より(左手がさんさん商店街)
津谷川集落と大森山
津谷川集落から林道に入り登山口着。わずかに陽がさすものの西の空がどんよりし、いやな予感。登山道となっている防火帯をそのまま直進せず、「遊歩道入口」の標識から右に入ると雑木林の細道となります。こちらが本来の登山道と思われ、山頂を回り込むように続いています。防火帯と違って眺望はないものの雰囲気が良く今日はカタクリとイチゲが見ごろ、ツツジはやっと新芽が出たところで開花はだいぶ先といった状態でした。30分の登山で山頂着。
山頂
徳仙丈山方向
無線の方は思わぬ悪天候に見舞われ短時間の運用となりました。準備している最中から小雨混じりとなりましたが、せっかくなので2mSSBでCQを出すと、盛岡市、紫波町、大船渡市、陸前高田市など岩手各局や宮城各局に応答いただきました。その間も青空が見えて安心ているとみるみる怪しい雲に覆われたりと目まぐるしい天候で落ち着いて運用できません。雨と風でログ帳のメモ書きもできなくなり30分で撤収、下山となりました。不本意でしたが、こんな日もあります。この山頂はそこそこ標高があり、間近に太平洋ということもあって伝搬的には悪くない印象があります。天候の良い日にあらためて登ってみるつもりです。
帰路、昨年は工事中であった南三陸町復興祈念公園に立ち寄りました。かつての町の中心部は10mほど盛り土され、ほぼすべて公園となっていました。祈りの丘の頂上付近が志津川駅のあったあたりと思われます。その駅から惣内山や神行堂山に登ったことや駅前に密集した人家と多くの商店があったことが思い出されました。公園と新たに作られた「さんさん商店街」の間に上下二層になった面白い構造の橋が架けられています。太鼓橋風の造りで川と海が眺められるようになっているのですが、海に続く護岸堤防の巨大さとその迫力に圧倒されてしまいました。
旧防災庁舎
二層構造の中橋
中橋より(左手がさんさん商店街)
10エレ八木(430MHz)の2分割化
(2021/5/1 17:49:02)
このところ430MHzを使う機会が多くなり、長く眠っていた八木をしばらくぶりに取り出してみました。第一電波のA430S10R2という定番の10エレで、購入した当初、吾妻連峰高山の移動運用で使ったことがあります。ブームが約1.2mあり、ザックサイドにくくり付けるにも長すぎ、手に持って登らざるを得ませんでした。もともと固定局用なので致し方ありませんが、軽量で組み立ても簡単、13dbiと高利得でもあるので、持ち運びの問題さえクリアできれば山でも使ってみたいアンテナではあります。
エレメントは短いのでブームのみを2分割できればよいわけで、そう難しい工作でもないのでは?ということで、さっそく実行してみました。
長さ120cmのブームを半分の60cmのところでパイプカッターで切り分けます。第4導波器と第5導波器の間の位置になります。ブームパイプ内径20mm弱。連結には塩ビパイプを使いました。これをブームに差し込んで固定。外径18mm、長さ19cm。ドリルで両端に4mm穴を開け、第4導波器と第5導波器の固定用ボルトに通し、蝶ナットで締めれば連結完了、となるはずです。ところが・・・。
実際連結してみると、前方のエレメントと後方エレメントがきれいに揃ってくれません。穴の位置が微妙にずれてしまったようです。丸パイプ場合、穴の位置決めがけっこう手ごわいです。再度作り直し。今度は片方のみ穴をあけてブームに固定した上で前方ブームを挿入し、前後のエレメントを揃える。その状態でもう片方の穴の位置を確定し印を付けて穴あけ作業をおこなう。この手順で進めたところ、エレメントが揃ってほぼ理想的な形で連結してくれました。最後にビニールテープを巻いて隙間を埋め、ガタつき対策を施しました。収納時60cmでなんとかザックに入ります。重さ530g。
本日、大年寺山にてさっそく使ってみました。設営は三脚に大型クリップを取り付け、ブームを挟むだけです。JP7IEL局(距離約40Km 双方5W)との交信。いつも51~52ほどの低空飛行でなんとか安定交信はできているのですが、さすが10エレだけあって59で入感とのこと。こちらには55~56ほど。パワーを下げFMでは0.1Wでも了解可とのレポート、その後双方0.5WDVモードで交信を続けました。
現地での組み立ての手間もさほどなく、途中で連結が緩むこともありませんでした。そのうち蔵王に登った際にでも、これを使ったら面白いかな、と考えています。
このところ430MHzを使う機会が多くなり、長く眠っていた八木をしばらくぶりに取り出してみました。第一電波のA430S10R2という定番の10エレで、購入した当初、吾妻連峰高山の移動運用で使ったことがあります。ブームが約1.2mあり、ザックサイドにくくり付けるにも長すぎ、手に持って登らざるを得ませんでした。もともと固定局用なので致し方ありませんが、軽量で組み立ても簡単、13dbiと高利得でもあるので、持ち運びの問題さえクリアできれば山でも使ってみたいアンテナではあります。
エレメントは短いのでブームのみを2分割できればよいわけで、そう難しい工作でもないのでは?ということで、さっそく実行してみました。
長さ120cmのブームを半分の60cmのところでパイプカッターで切り分けます。第4導波器と第5導波器の間の位置になります。ブームパイプ内径20mm弱。連結には塩ビパイプを使いました。これをブームに差し込んで固定。外径18mm、長さ19cm。ドリルで両端に4mm穴を開け、第4導波器と第5導波器の固定用ボルトに通し、蝶ナットで締めれば連結完了、となるはずです。ところが・・・。
実際連結してみると、前方のエレメントと後方エレメントがきれいに揃ってくれません。穴の位置が微妙にずれてしまったようです。丸パイプ場合、穴の位置決めがけっこう手ごわいです。再度作り直し。今度は片方のみ穴をあけてブームに固定した上で前方ブームを挿入し、前後のエレメントを揃える。その状態でもう片方の穴の位置を確定し印を付けて穴あけ作業をおこなう。この手順で進めたところ、エレメントが揃ってほぼ理想的な形で連結してくれました。最後にビニールテープを巻いて隙間を埋め、ガタつき対策を施しました。収納時60cmでなんとかザックに入ります。重さ530g。
本日、大年寺山にてさっそく使ってみました。設営は三脚に大型クリップを取り付け、ブームを挟むだけです。JP7IEL局(距離約40Km 双方5W)との交信。いつも51~52ほどの低空飛行でなんとか安定交信はできているのですが、さすが10エレだけあって59で入感とのこと。こちらには55~56ほど。パワーを下げFMでは0.1Wでも了解可とのレポート、その後双方0.5WDVモードで交信を続けました。
現地での組み立ての手間もさほどなく、途中で連結が緩むこともありませんでした。そのうち蔵王に登った際にでも、これを使ったら面白いかな、と考えています。
疣石山314m(亘理郡山元町)
(2021/4/25 17:33:32)
震災の前、雪の積もるこの山で無線運用したことがあります。その時の山頂は樹木の中にぽっかり開けた小空間という感じで、わずかに太平洋も眺められ悪くなった記憶があります。その後、訪れるたびに藪に覆われるようになり、ただの通過点のような薄暗い山頂に変わっていきました。ところが数日前、OMのブログでこの山に新たな作業道が作られ、山頂付近も伐採されて眺望が得られるようになったとの記事を目にしました。どのように変わったのか、気になって本日登ってみました。
常磐線山下駅下車。高瀬峠をめざします。石切り場まではまともな林道ですが、その先は路面がえぐれ徒歩がやっとの状態。でも刈払いがされ以前よりは歩きやすくなっていました。峠から南の斜面を登ると大森山、今日は北へ。名乗峠(旧高瀬峠)を経て螺吹山の手前、右の枝道を進むとちょっとした展望地になっていました。石切り場の真上の場所のようで、太平洋や大森山が目の前に見えていました。
高瀬峠へ
高瀬峠
登山道に戻り先へ。螺吹山はどこが山頂なのかよくわからず、標識も見過ごしてしました。ところどころ倒木があるものの藪っぽい感じはなく、良く踏まれた登山道を進むと、急に樹木がなくなり、伐採された斜面が目に飛び込んできました。。
伐採地
角田側から尾根の手前まで作業道がせり上がっており、伐採地のへりを縫うように登山道が続いていました。その登山道を一登りした小ピークが疣石山(別名大沢山)。平坦な山頂との印象があったのですが、樹木がなくなってみると意外にも西側は急な崖となって高度感のある山頂に変貌していました。眼下に蛇行する阿武隈川、遠くに吾妻小富士や一切経山、安達太良連峰の稜線も確認できました。伐採によるものとはいえ、このあたりではなかなかの眺望と言えるかもしれません。
疣石山山頂
誰もいない山頂でさっそく無線運用。IC-705に外付けバッテリーを付け、2mSSBにてCQを出しました。アンテナは軽量化のためRH-770のみ。塩釜市、仙台市、亘理町、蔵王町、福島市、相馬市、伊達郡、須賀川市各局より応答いただきました。樹木がなくなったためか、南西(福島方向)が良好な印象を受けました。続いてJP7IEL局と430にて交信。距離約70km。入感ポイントを合わせて51-51。ノイズが盛大に絡み厳しいかと思いましたがDVに移り安定して交信を続けることができました。
約1時間半の運用を終わり馬船峠へ。急な斜面を北に登り返すと西に開けた金津展望台がありました。D-star仙台青葉レピーターにアクセスできるのでは?と思い試したものの、ダウンリンクはありませんでした。鷹討山の稜線が壁になっているようです。東街道コース分岐の先に太平洋側が開ける展望地があり、再度アクセスしてみました。今度はダウンリンクあり。Google Mapsに記録を残し、JP7IEL局と再度交信。
下山は気になっていた中尾根の沢コースとしました。山元町側、角田市側とも以前にはなかったいろんなルートが新らたにできているようです。いつの間にか人の手が加えられ変わっていく里山。約5ヵ月ぶりの山歩き。何度も通っている山域ながら、いろんな発見がありました。
震災の前、雪の積もるこの山で無線運用したことがあります。その時の山頂は樹木の中にぽっかり開けた小空間という感じで、わずかに太平洋も眺められ悪くなった記憶があります。その後、訪れるたびに藪に覆われるようになり、ただの通過点のような薄暗い山頂に変わっていきました。ところが数日前、OMのブログでこの山に新たな作業道が作られ、山頂付近も伐採されて眺望が得られるようになったとの記事を目にしました。どのように変わったのか、気になって本日登ってみました。
常磐線山下駅下車。高瀬峠をめざします。石切り場まではまともな林道ですが、その先は路面がえぐれ徒歩がやっとの状態。でも刈払いがされ以前よりは歩きやすくなっていました。峠から南の斜面を登ると大森山、今日は北へ。名乗峠(旧高瀬峠)を経て螺吹山の手前、右の枝道を進むとちょっとした展望地になっていました。石切り場の真上の場所のようで、太平洋や大森山が目の前に見えていました。
高瀬峠へ
高瀬峠
登山道に戻り先へ。螺吹山はどこが山頂なのかよくわからず、標識も見過ごしてしました。ところどころ倒木があるものの藪っぽい感じはなく、良く踏まれた登山道を進むと、急に樹木がなくなり、伐採された斜面が目に飛び込んできました。。
伐採地
角田側から尾根の手前まで作業道がせり上がっており、伐採地のへりを縫うように登山道が続いていました。その登山道を一登りした小ピークが疣石山(別名大沢山)。平坦な山頂との印象があったのですが、樹木がなくなってみると意外にも西側は急な崖となって高度感のある山頂に変貌していました。眼下に蛇行する阿武隈川、遠くに吾妻小富士や一切経山、安達太良連峰の稜線も確認できました。伐採によるものとはいえ、このあたりではなかなかの眺望と言えるかもしれません。
疣石山山頂
誰もいない山頂でさっそく無線運用。IC-705に外付けバッテリーを付け、2mSSBにてCQを出しました。アンテナは軽量化のためRH-770のみ。塩釜市、仙台市、亘理町、蔵王町、福島市、相馬市、伊達郡、須賀川市各局より応答いただきました。樹木がなくなったためか、南西(福島方向)が良好な印象を受けました。続いてJP7IEL局と430にて交信。距離約70km。入感ポイントを合わせて51-51。ノイズが盛大に絡み厳しいかと思いましたがDVに移り安定して交信を続けることができました。
約1時間半の運用を終わり馬船峠へ。急な斜面を北に登り返すと西に開けた金津展望台がありました。D-star仙台青葉レピーターにアクセスできるのでは?と思い試したものの、ダウンリンクはありませんでした。鷹討山の稜線が壁になっているようです。東街道コース分岐の先に太平洋側が開ける展望地があり、再度アクセスしてみました。今度はダウンリンクあり。Google Mapsに記録を残し、JP7IEL局と再度交信。
下山は気になっていた中尾根の沢コースとしました。山元町側、角田市側とも以前にはなかったいろんなルートが新らたにできているようです。いつの間にか人の手が加えられ変わっていく里山。約5ヵ月ぶりの山歩き。何度も通っている山域ながら、いろんな発見がありました。
スパイダーコイル 立体巻き
(2021/4/4 16:10:00)
スパイダーコイルの型枠というのはたいがい厚紙を切り抜いて作るので強度的にはいま一つです。aitendoで扱っている型枠はプリント基板と同じ材質のようで、試しに購入したところけっこうな強度がありました。これならばということで、以前に考えてそのままになっていた立体巻きを試してみることにしました。
<材料>
型枠 aitendo SPL90-15 直径9cm 羽15枚
線材 0.35mmポリウレタン線
ベーク中空パイプ 長さ1cm
自在ブッシュ 溝4個
型枠2枚を使い約1㎝の厚みを持たせた構造とします。中央と15枚の羽根先端に3mm穴が開いており、そこに長さ1cmの中空パイプを接着。乾いたらもう一枚の型枠を貼り合わせる。中空パイプは数カ所のみで良いかと考えていたのですが、パイプ無しの羽にたわみが生じることがわかり、すべての箇所に取り付けることにしました。今回も自在ブッシュを両面テープで貼り、分割巻きを採用。これで枠完成。あとは線材をブッシュの溝に沿って巻くだけです。溝が4個で枠の直径も小さいことを考慮し、1つの溝に10回巻きとしました。分割巻きは2度目ですが、厚みがあって前回以上に巻きにくく、集中力が続きません。油断すると溝を間違えてしまうのと、何回巻いたのかわからなくなります。溝に通すたびに目視しながら巻き進めました。最後の溝に10回巻いたところでインダクタンスを測ってみると109μH。思いのほか上がってくれません。追加でさらに5回巻いて168μH。これで良しとしました。中間タップは容量的に意味がないので付けませんでした。45回巻き。
横から眺めるとバスケットコイルを平たくしたように見えなくもありません。立体的な巻き方により浮遊容量が抑えられ分離も良くなるのでは?
ゲルマラジオ実験ボードにつなぎコイル単体で室内受信してみました。厚みが1cmあるので自立します。慎重にバリコンを回すとNHK仙台第一がかすかに聞こえてきました。弱々しくほんのかすかです。コイルの方角を合わせ41ほど。最大限に集中し話の内容が了解できる程度。窓際で少し上がり41~51。以前、10cmの薄い型枠にリッツ線を巻いたことがあり、その際は音声の片りんも聞き取ることができませんでした。それに比べると少しマシかな、といったところです。エアコンアースに接続したところだいぶ聞きやすくなったものの、仙台第二放送は受信できず、分離の良し悪しまでは確認できませんでした。
今回は手間がかかったわりには期待したほどではなく、ちょっとがっかりな結果でした。ただ、この型枠自体はいろんな巻き方ができそうで、また何か試してみようかと思います。
スパイダーコイルの型枠というのはたいがい厚紙を切り抜いて作るので強度的にはいま一つです。aitendoで扱っている型枠はプリント基板と同じ材質のようで、試しに購入したところけっこうな強度がありました。これならばということで、以前に考えてそのままになっていた立体巻きを試してみることにしました。
<材料>
型枠 aitendo SPL90-15 直径9cm 羽15枚
線材 0.35mmポリウレタン線
ベーク中空パイプ 長さ1cm
自在ブッシュ 溝4個
型枠2枚を使い約1㎝の厚みを持たせた構造とします。中央と15枚の羽根先端に3mm穴が開いており、そこに長さ1cmの中空パイプを接着。乾いたらもう一枚の型枠を貼り合わせる。中空パイプは数カ所のみで良いかと考えていたのですが、パイプ無しの羽にたわみが生じることがわかり、すべての箇所に取り付けることにしました。今回も自在ブッシュを両面テープで貼り、分割巻きを採用。これで枠完成。あとは線材をブッシュの溝に沿って巻くだけです。溝が4個で枠の直径も小さいことを考慮し、1つの溝に10回巻きとしました。分割巻きは2度目ですが、厚みがあって前回以上に巻きにくく、集中力が続きません。油断すると溝を間違えてしまうのと、何回巻いたのかわからなくなります。溝に通すたびに目視しながら巻き進めました。最後の溝に10回巻いたところでインダクタンスを測ってみると109μH。思いのほか上がってくれません。追加でさらに5回巻いて168μH。これで良しとしました。中間タップは容量的に意味がないので付けませんでした。45回巻き。
横から眺めるとバスケットコイルを平たくしたように見えなくもありません。立体的な巻き方により浮遊容量が抑えられ分離も良くなるのでは?
ゲルマラジオ実験ボードにつなぎコイル単体で室内受信してみました。厚みが1cmあるので自立します。慎重にバリコンを回すとNHK仙台第一がかすかに聞こえてきました。弱々しくほんのかすかです。コイルの方角を合わせ41ほど。最大限に集中し話の内容が了解できる程度。窓際で少し上がり41~51。以前、10cmの薄い型枠にリッツ線を巻いたことがあり、その際は音声の片りんも聞き取ることができませんでした。それに比べると少しマシかな、といったところです。エアコンアースに接続したところだいぶ聞きやすくなったものの、仙台第二放送は受信できず、分離の良し悪しまでは確認できませんでした。
今回は手間がかかったわりには期待したほどではなく、ちょっとがっかりな結果でした。ただ、この型枠自体はいろんな巻き方ができそうで、また何か試してみようかと思います。
分割巻きスパイダーコイル
(2021/3/28 10:24:24)
小学何年だったか、学研『科学』というのがあってその付録で作ったのが最初のゲルマラジオです。子どもにとっては手ごわい付録で、慎重にスパイダーコイルを巻いたことを覚えています。その記憶が懐かしさを思い起こさせるのか、時々このコイルを巻いてみたくなります。平面でかさばらないこと、比較的大きな直径で巻けること、線同士が重ならず浮遊容量が少ないなどの特徴があり、昔の鉱石ラジオの定番でもあったようです。ただ、型枠の羽に交互や2本飛ばしで巻いていくとごちゃごちゃした感じになって見栄えが良いとはいえません。なにか方法はないものか? ふと、自在ブッシュを使って分割巻きにしたらどうなのだろう? 性能的にも期待できるのでは?と思い立ちました。でもスパイダーコイルの分割巻きって? とりあえずものは試し、巻いてみることにしました。
<材料>
厚紙で作った巻き枠 外径12cm 羽13枚(以前に作ったものを再活用)
ポリウレタン線 太さ0.35mm
自在ブッシュ 溝6個
木製台座、取付金具(再活用)
<製作>
巻き枠の羽の表と裏に自在ブッシュを両面テープで貼り付けていきます。羽の寸法によりブッシュの溝は6個。定番通り羽2枚飛ばしで巻くと途中で混乱しそうなので、交互巻きとしました。溝に沿って表、裏と交互に巻いていきます。初めての巻き方なので、どの程度巻くとちょうど良いインダクタンスになるのか見当つきません。1つの溝に4回巻きで試し、最後に調整することにしました。1周したら同じ溝に合計4回巻いて、次の溝へ。溝に引っ掛ける感じで巻いていきますが、とても巻きにくいです。集中力がだんだん落ちてきて溝を間違え戻って巻き直し、の繰り返し。何回巻いたのかもあやふやになり、途中、5回巻きになったところあります。タップは2ヶ所で取りました。最後の6個目の溝を4回巻き終わった時点でインダクタンスを測ったところ110μH。少なすぎ。そのまま追加で5回巻いて再度測ったところ155μHとなり、これで良しとしました。合計巻き数はたぶん32回。分割巻きの効果か、インダクタンスは予想したより抑え気味な感じで、1つの溝に6~7回巻きでも良かったかもしれません。
台座に取り付け、さっそくゲルマラジオ実験ボードにつないで聞いてみました。外部アンテナ、アースなし、コイル単体でNHK仙台第一が聞こえてきました。仙台第二は受信不可。前回作ったロの字ループコイルの鉱石ラジオよりもかなり音量低めです。一番外側のコイル外径で10.5cm、かつ細い線材なのでこんなものでしょう。単体で受信できただけでもまずまずと言えるのかもしれません。本当はリッツ線を使いたかったのですが、ちょうど良い太さのものがなく、ポリウレタン線を使いました。性能はいまひとつな感じですが、スパイダー+分割巻き、見栄え的には悪くないような気がしています。課題も見えてきたので折をみて改良してみます。
多くの人に作られ、語り尽くされた感のあるスパイダーコイル。それでも、巻き方ひとつとっても試してみるべき方法が残されているように思わなくもありません。線材を変えたり、巻き数を調整したり、巻き方を工夫したり、それによって出来栄えやちょっとした性能の変化につながる、そこがコイル作りの面白さかな、と思います。
小学何年だったか、学研『科学』というのがあってその付録で作ったのが最初のゲルマラジオです。子どもにとっては手ごわい付録で、慎重にスパイダーコイルを巻いたことを覚えています。その記憶が懐かしさを思い起こさせるのか、時々このコイルを巻いてみたくなります。平面でかさばらないこと、比較的大きな直径で巻けること、線同士が重ならず浮遊容量が少ないなどの特徴があり、昔の鉱石ラジオの定番でもあったようです。ただ、型枠の羽に交互や2本飛ばしで巻いていくとごちゃごちゃした感じになって見栄えが良いとはいえません。なにか方法はないものか? ふと、自在ブッシュを使って分割巻きにしたらどうなのだろう? 性能的にも期待できるのでは?と思い立ちました。でもスパイダーコイルの分割巻きって? とりあえずものは試し、巻いてみることにしました。
<材料>
厚紙で作った巻き枠 外径12cm 羽13枚(以前に作ったものを再活用)
ポリウレタン線 太さ0.35mm
自在ブッシュ 溝6個
木製台座、取付金具(再活用)
<製作>
巻き枠の羽の表と裏に自在ブッシュを両面テープで貼り付けていきます。羽の寸法によりブッシュの溝は6個。定番通り羽2枚飛ばしで巻くと途中で混乱しそうなので、交互巻きとしました。溝に沿って表、裏と交互に巻いていきます。初めての巻き方なので、どの程度巻くとちょうど良いインダクタンスになるのか見当つきません。1つの溝に4回巻きで試し、最後に調整することにしました。1周したら同じ溝に合計4回巻いて、次の溝へ。溝に引っ掛ける感じで巻いていきますが、とても巻きにくいです。集中力がだんだん落ちてきて溝を間違え戻って巻き直し、の繰り返し。何回巻いたのかもあやふやになり、途中、5回巻きになったところあります。タップは2ヶ所で取りました。最後の6個目の溝を4回巻き終わった時点でインダクタンスを測ったところ110μH。少なすぎ。そのまま追加で5回巻いて再度測ったところ155μHとなり、これで良しとしました。合計巻き数はたぶん32回。分割巻きの効果か、インダクタンスは予想したより抑え気味な感じで、1つの溝に6~7回巻きでも良かったかもしれません。
台座に取り付け、さっそくゲルマラジオ実験ボードにつないで聞いてみました。外部アンテナ、アースなし、コイル単体でNHK仙台第一が聞こえてきました。仙台第二は受信不可。前回作ったロの字ループコイルの鉱石ラジオよりもかなり音量低めです。一番外側のコイル外径で10.5cm、かつ細い線材なのでこんなものでしょう。単体で受信できただけでもまずまずと言えるのかもしれません。本当はリッツ線を使いたかったのですが、ちょうど良い太さのものがなく、ポリウレタン線を使いました。性能はいまひとつな感じですが、スパイダー+分割巻き、見栄え的には悪くないような気がしています。課題も見えてきたので折をみて改良してみます。
多くの人に作られ、語り尽くされた感のあるスパイダーコイル。それでも、巻き方ひとつとっても試してみるべき方法が残されているように思わなくもありません。線材を変えたり、巻き数を調整したり、巻き方を工夫したり、それによって出来栄えやちょっとした性能の変化につながる、そこがコイル作りの面白さかな、と思います。
鉱石検波考
(2021/3/20 16:44:10)
自らは電源を持たず、細々とした電波のエネルギーを捉え、それをわずかな電気に変え、目的の周波数から音声を紡ぎ出す、無電源ラジオの奥深さにはまってしまうと、なかなか抜け出せない魅力があります。そして、技術の進歩に逆行する鉱石そのものによる検波。もの好きと言われればそれまでですが、実際試してみてやはり捨てがたいものがあります。
第一に音質の良さがあります。ゲルマニウム単結晶や紅亜鉛鉱(ジンカイト)はとりわけ良好で、調和のとれた厚みのある聞き疲れしない音を聞かせてくれます。いろんなダイオードを試してみましたが、これまでのところ、これら鉱石に勝るものはありません。異なる鉱石同士の接合検波ではさらに高音質が得られ驚かされることがあります。この点は続行中です。
ゲルマニウム単結晶
第二に感度。当所、1N60や1N270などのダイオードには及ばないとの感触だったのですが、必ずしもそうでもないと思うようになりました。適切な検波位置を探り当てると突如大音量となり、ダイオードに劣らぬ性能の高さを実感できます。定番として知られる方鉛鉱や黄鉄鉱では聞こえることは聞こえますが十分な感度は得られません。シリコン原石や精製品も同様です。自分の経験では紅亜鉛鉱とゲルマニウム単結晶がこの点でも優れています。Vfが極端に低くなる箇所が存在するということでしょうか。
第三に欠点ともいえるのですが、電波の揺らぎ?が感じられます。鉱石の一点に検波針を当て、かすかな音声が聞こえてきたとします。その状態のまましばらくするとじわりと音量が上がってくることがあります。またその逆もあり、あたかも大きなフェージングに見舞われているような感覚になります。単に表面の酸化によるものなのかもしれませんが、電波の底知れないエネルギーのようにも、あるいは鉱石と対話しているようにも感じられ、先端デバイスにはない独特の味わいがあります。信号が安定しないということでもありますが、これはこれで気に入っています。
紅亜鉛鉱(ジンカイト)
そして鉱物(石)が検波することそのものの現象、天然の整流作用、その神秘さにはまってしまいました。検波の際、針で探るという行為もなにかのメッセージを受け取る儀式のように思えなくもないです。プロセスを踏まないとメッセージは受け取れず簡単には聞こえてこない・・・ひと手間かけた体験を伴うところに独特の面白さがあります。
いろいろなものを付け加えて性能を高めるのではなく、どんどんそぎ落として、そぎ落とした中に電波のエネルギーを感じ取り、原初的な音を聞く。先人たちは意外にも感度良く良質な音で聞いていたのでは? こんなふうに遡って追体験してみると、消え去った中にもなにか掘り起こすべきものがあったのでは? などと考えてしまいます。
自らは電源を持たず、細々とした電波のエネルギーを捉え、それをわずかな電気に変え、目的の周波数から音声を紡ぎ出す、無電源ラジオの奥深さにはまってしまうと、なかなか抜け出せない魅力があります。そして、技術の進歩に逆行する鉱石そのものによる検波。もの好きと言われればそれまでですが、実際試してみてやはり捨てがたいものがあります。
第一に音質の良さがあります。ゲルマニウム単結晶や紅亜鉛鉱(ジンカイト)はとりわけ良好で、調和のとれた厚みのある聞き疲れしない音を聞かせてくれます。いろんなダイオードを試してみましたが、これまでのところ、これら鉱石に勝るものはありません。異なる鉱石同士の接合検波ではさらに高音質が得られ驚かされることがあります。この点は続行中です。
ゲルマニウム単結晶
第二に感度。当所、1N60や1N270などのダイオードには及ばないとの感触だったのですが、必ずしもそうでもないと思うようになりました。適切な検波位置を探り当てると突如大音量となり、ダイオードに劣らぬ性能の高さを実感できます。定番として知られる方鉛鉱や黄鉄鉱では聞こえることは聞こえますが十分な感度は得られません。シリコン原石や精製品も同様です。自分の経験では紅亜鉛鉱とゲルマニウム単結晶がこの点でも優れています。Vfが極端に低くなる箇所が存在するということでしょうか。
第三に欠点ともいえるのですが、電波の揺らぎ?が感じられます。鉱石の一点に検波針を当て、かすかな音声が聞こえてきたとします。その状態のまましばらくするとじわりと音量が上がってくることがあります。またその逆もあり、あたかも大きなフェージングに見舞われているような感覚になります。単に表面の酸化によるものなのかもしれませんが、電波の底知れないエネルギーのようにも、あるいは鉱石と対話しているようにも感じられ、先端デバイスにはない独特の味わいがあります。信号が安定しないということでもありますが、これはこれで気に入っています。
紅亜鉛鉱(ジンカイト)
そして鉱物(石)が検波することそのものの現象、天然の整流作用、その神秘さにはまってしまいました。検波の際、針で探るという行為もなにかのメッセージを受け取る儀式のように思えなくもないです。プロセスを踏まないとメッセージは受け取れず簡単には聞こえてこない・・・ひと手間かけた体験を伴うところに独特の面白さがあります。
いろいろなものを付け加えて性能を高めるのではなく、どんどんそぎ落として、そぎ落とした中に電波のエネルギーを感じ取り、原初的な音を聞く。先人たちは意外にも感度良く良質な音で聞いていたのでは? こんなふうに遡って追体験してみると、消え去った中にもなにか掘り起こすべきものがあったのでは? などと考えてしまいます。
鉱石接合検波を試す
(2021/3/13 17:03:59)
検波とは変調の乗った信号から元の信号を取り出し復調することですが、既成のデバイスに頼らず天然あるいは準天然石のみでその作用が得られること自体、驚きがあります。鉱物にそんな力が内在していることに自然界の妙というものをいつも感じてしまいます。異なる鉱石同士を接合させることでより安定して検波することは、以前にも実験したことがあります。鉱石検波の面白いところはいろいろな石を組み合わせて試せるところで、それによって検波が安定したり、音量や音質が変わったりします。
先日製作した鉱石ラジオを使ってあらためて試してみました。はじめカートリッジ方式の鉱石の上に別の鉱石を載せてみましたが安定感がなく、途中からアクリルパイプを使うことにしました。
<2種類の接合検波>
ゲルマニウム単結晶と班銅鉱
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱
ゲルマニウム単結晶と方鉛鉱
紅亜鉛鉱と班銅鉱
ゲルマニウム単結晶と組み合わせた接合検波は初めてです。どの組み合わせも音量が大きくなるわけではないものの落ち着いた音質に変化する感じがありました。特に班銅鉱との接合では検波ポイントが探しやすく、一度探り当てると安定した状態が続くようです。方鉛鉱との組み合わせは検波しにくくいま一つでした。紅亜鉛鉱と班銅鉱の組み合わせは定評どおり良く聞こえます。
続いて3種類の鉱石の接合検波を試してみました。
紅亜鉛鉱と班銅鉱と方鉛鉱
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱と班銅鉱
アクリルパイプに3種類の鉱石を入れ、上から少し強めに針を当てると、意外にも探るまでもなく音声が聞こえてきました。ただし、聞こえることは聞こえますが2種接合に比べ音量は小さめです。3種接合してもかえって損失が大きくなって効果が得られないのかもしれません。
3種接合
紅亜鉛鉱は班銅鉱と接合することで音量、音質ともさらに良くなることが今回も実感できました。特に音質はすばらしいです。ゲルマニウム単結晶についてはあえて接合検波にするメリットはあまり感じませんでした。今回の組み合わせだけで言えば単体で十分かな、といったところです。
前作と今回の鉱石ラジオ
全盛期、先人たちもさまざまな鉱石を組み合わせて試しただろうと想像されますが、接合検波自体は効率やコストなどから十分その優位性が検証されることなく消えていったようです。今更ながらではありますが、まだ未解明な部分があり、鉱石同士の相性によっては思いもよらぬ検波に出会う、なんてこともなくはないのでは?と思ったりもします。
検波とは変調の乗った信号から元の信号を取り出し復調することですが、既成のデバイスに頼らず天然あるいは準天然石のみでその作用が得られること自体、驚きがあります。鉱物にそんな力が内在していることに自然界の妙というものをいつも感じてしまいます。異なる鉱石同士を接合させることでより安定して検波することは、以前にも実験したことがあります。鉱石検波の面白いところはいろいろな石を組み合わせて試せるところで、それによって検波が安定したり、音量や音質が変わったりします。
先日製作した鉱石ラジオを使ってあらためて試してみました。はじめカートリッジ方式の鉱石の上に別の鉱石を載せてみましたが安定感がなく、途中からアクリルパイプを使うことにしました。
<2種類の接合検波>
ゲルマニウム単結晶と班銅鉱
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱
ゲルマニウム単結晶と方鉛鉱
紅亜鉛鉱と班銅鉱
ゲルマニウム単結晶と組み合わせた接合検波は初めてです。どの組み合わせも音量が大きくなるわけではないものの落ち着いた音質に変化する感じがありました。特に班銅鉱との接合では検波ポイントが探しやすく、一度探り当てると安定した状態が続くようです。方鉛鉱との組み合わせは検波しにくくいま一つでした。紅亜鉛鉱と班銅鉱の組み合わせは定評どおり良く聞こえます。
続いて3種類の鉱石の接合検波を試してみました。
紅亜鉛鉱と班銅鉱と方鉛鉱
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱と班銅鉱
アクリルパイプに3種類の鉱石を入れ、上から少し強めに針を当てると、意外にも探るまでもなく音声が聞こえてきました。ただし、聞こえることは聞こえますが2種接合に比べ音量は小さめです。3種接合してもかえって損失が大きくなって効果が得られないのかもしれません。
3種接合
紅亜鉛鉱は班銅鉱と接合することで音量、音質ともさらに良くなることが今回も実感できました。特に音質はすばらしいです。ゲルマニウム単結晶についてはあえて接合検波にするメリットはあまり感じませんでした。今回の組み合わせだけで言えば単体で十分かな、といったところです。
前作と今回の鉱石ラジオ
全盛期、先人たちもさまざまな鉱石を組み合わせて試しただろうと想像されますが、接合検波自体は効率やコストなどから十分その優位性が検証されることなく消えていったようです。今更ながらではありますが、まだ未解明な部分があり、鉱石同士の相性によっては思いもよらぬ検波に出会う、なんてこともなくはないのでは?と思ったりもします。
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