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JO7TCX アマチュア無線局 (2024/11/22 6:35:20)
現在データベースには 401 件のデータが登録されています。
探り式鉱石検波ラジオ
(2021/3/7 17:26:51)
現在のNHK第一放送の前身であるJOAK東京放送局の本放送が始まるのが大正15年(1924年)、それと共に昭和初期にかけて一世を風靡し、瞬く間に消えていった探り式鉱石ラジオ。その開発の過程では少しでも受信能力を高めようと様々なコイルや鉱石が試され、その後のデバイスの進化へとつながっていったのだと思います。今はそれによって効率よく検波できるわけですが、効率優先の中で置き去りにされてきたものもあるのでは? そんな思いから鉱石検波に一時夢中になりました。探り式というのもいかにもアナログで何かの儀式を想起させる古風な印象があります。半導体といっても鉱物そのものなので検波する箇所としない箇所があり、針状の電極で探る必要があるわけです。その針の材質もさまざま研究され、タングステンなどが使われたようです。
各種ダイオード比較をしている内にふと、鉱石の音を聞いてみたくなり、数年前に作った鉱石検波専用ラジオで久しぶりに聞いたところとても良い音であることにあらためて気づかされました。ただ、小さな銅製カップに鉱石を置いて探る方式のため、接触不良や鉱石自体が動いてしまう問題がありました。探り式はそのままに、アプローチを変えて形にしてみたのが今回の鉱石ラジオです。
コイルは縦20.5cm、横13.5cm、幅2.5cmのロの字型の木枠を使いました(元は菓子箱)。幅が狭いので普通に巻いたとしてもいくらも巻けません。数カ所に自在ブッシュを貼り、その溝の高さで巻き数を確保することにしました。溝は8つ。はじめ一つの溝に4回巻きとし、合計32回巻いてインダクタンスを測ったところ673μHと予想外に高くやり直し。溝2つに4回巻き、残り6つの溝は2回巻きとしたところ151μH。我が家の環境では問題ないのでこれで良しとしました。一種の分割巻き。この方法であれば、コイル幅にかかわらずインダクタンス調整が楽にでき、悪くないかなと思います。
続いて検波部。細い銅線(針)で探る部分は同じですが、鉱石側はカートリッジ式としました。電極の銅パイプに各種鉱石を固定した一回り大きい銅パイプを差し込み固定する。これで導通や鉱石が動いてしまう問題はある程度解消されるかと。この検波装置では針で突くというより、銅パイプを上下させたり、カートリッジを回転させることで適切なポイントを探ることになります。とりあえずゲルマニウム単結晶、紅亜鉛鉱(ジンカイト)の2種類のカートリッジを作製しました。
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱(ジンカイト)
全体の作りはシンプルで、トランスも省きました。コイル、バリコン、検波部、音声出力端子のみです。いつものとおり裏面配線して完成。
マルチタップトランスにつなぎ、さっそくオーディオイヤフォンで聞いてみました。まずは紅亜鉛鉱を装填。適当に銅線の針を接触させバリコンを回すと人の声が聞こえてきました。NHK第一放送。何度か接点を探るとけっこうな音量で鳴ってくれました。紅亜鉛鉱の場合、音量の大小はあるもののどの箇所でも聞こえなくなることはなく安定して検波してくれます。音質もすばらしく、ふくらみのある落ち着いた音声。
続いてゲルマニウム単結晶。純度99.999%とか。球状なので針を側面に当てる感じになります。カートリッジ側を回転させて探ると、突如大音量で聞こえてきました。紅亜鉛鉱を上回る音量で、音質も負けず劣らずすばらしいものがあります。これぞ本式ゲルマラジオ?
小さなループコイルなので性能的には期待できないかな?と考えていたのですが、なかなかのものです。鉱石の検波能力に負うところが大きいと思います。紅亜鉛鉱にしてもゲルマニウム単結晶にしても感度、音質とも既成のダイオードでは得られない領域では?と思ったりもします。時代を完全に逆行する鉱石検波ですが、なにか底知れない奥深さを感じます。2種類とか3種類の鉱石を使った接合検波も試してみたいのですが、もう一工夫必要かもしれません。
現在のNHK第一放送の前身であるJOAK東京放送局の本放送が始まるのが大正15年(1924年)、それと共に昭和初期にかけて一世を風靡し、瞬く間に消えていった探り式鉱石ラジオ。その開発の過程では少しでも受信能力を高めようと様々なコイルや鉱石が試され、その後のデバイスの進化へとつながっていったのだと思います。今はそれによって効率よく検波できるわけですが、効率優先の中で置き去りにされてきたものもあるのでは? そんな思いから鉱石検波に一時夢中になりました。探り式というのもいかにもアナログで何かの儀式を想起させる古風な印象があります。半導体といっても鉱物そのものなので検波する箇所としない箇所があり、針状の電極で探る必要があるわけです。その針の材質もさまざま研究され、タングステンなどが使われたようです。
各種ダイオード比較をしている内にふと、鉱石の音を聞いてみたくなり、数年前に作った鉱石検波専用ラジオで久しぶりに聞いたところとても良い音であることにあらためて気づかされました。ただ、小さな銅製カップに鉱石を置いて探る方式のため、接触不良や鉱石自体が動いてしまう問題がありました。探り式はそのままに、アプローチを変えて形にしてみたのが今回の鉱石ラジオです。
コイルは縦20.5cm、横13.5cm、幅2.5cmのロの字型の木枠を使いました(元は菓子箱)。幅が狭いので普通に巻いたとしてもいくらも巻けません。数カ所に自在ブッシュを貼り、その溝の高さで巻き数を確保することにしました。溝は8つ。はじめ一つの溝に4回巻きとし、合計32回巻いてインダクタンスを測ったところ673μHと予想外に高くやり直し。溝2つに4回巻き、残り6つの溝は2回巻きとしたところ151μH。我が家の環境では問題ないのでこれで良しとしました。一種の分割巻き。この方法であれば、コイル幅にかかわらずインダクタンス調整が楽にでき、悪くないかなと思います。
続いて検波部。細い銅線(針)で探る部分は同じですが、鉱石側はカートリッジ式としました。電極の銅パイプに各種鉱石を固定した一回り大きい銅パイプを差し込み固定する。これで導通や鉱石が動いてしまう問題はある程度解消されるかと。この検波装置では針で突くというより、銅パイプを上下させたり、カートリッジを回転させることで適切なポイントを探ることになります。とりあえずゲルマニウム単結晶、紅亜鉛鉱(ジンカイト)の2種類のカートリッジを作製しました。
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱(ジンカイト)
全体の作りはシンプルで、トランスも省きました。コイル、バリコン、検波部、音声出力端子のみです。いつものとおり裏面配線して完成。
マルチタップトランスにつなぎ、さっそくオーディオイヤフォンで聞いてみました。まずは紅亜鉛鉱を装填。適当に銅線の針を接触させバリコンを回すと人の声が聞こえてきました。NHK第一放送。何度か接点を探るとけっこうな音量で鳴ってくれました。紅亜鉛鉱の場合、音量の大小はあるもののどの箇所でも聞こえなくなることはなく安定して検波してくれます。音質もすばらしく、ふくらみのある落ち着いた音声。
続いてゲルマニウム単結晶。純度99.999%とか。球状なので針を側面に当てる感じになります。カートリッジ側を回転させて探ると、突如大音量で聞こえてきました。紅亜鉛鉱を上回る音量で、音質も負けず劣らずすばらしいものがあります。これぞ本式ゲルマラジオ?
小さなループコイルなので性能的には期待できないかな?と考えていたのですが、なかなかのものです。鉱石の検波能力に負うところが大きいと思います。紅亜鉛鉱にしてもゲルマニウム単結晶にしても感度、音質とも既成のダイオードでは得られない領域では?と思ったりもします。時代を完全に逆行する鉱石検波ですが、なにか底知れない奥深さを感じます。2種類とか3種類の鉱石を使った接合検波も試してみたいのですが、もう一工夫必要かもしれません。
ロシア製ゲルマニウムダイオード
(2021/2/23 11:33:47)
ゲルマラジオ(無電源ラジオ)はシンプルにセラミックイヤフォンで聞く方法とトランスを介してオーディオイヤフォンで聞く方法があります。その際、ダイオードの種類により向き不向きがあり、セラミックイヤフォンで良く聞こえてもトランス経由の場合、音が歪んでしまったり極端に小さくなったりするものがあり、また逆もあります。たとえば定番の1N60でも点接触型の本来のゲルマニウムダイオードと同じ型番でショットキーバリアダイオードがあり、点接触型はセラミックイヤフォンに合い、ショットキータイプはトランス経由のオーディオイヤフォンにベストマッチします。自分はオーディオイヤフォンで聞きたいので、ほとんどの場合ショットキータイプを使います。なので「ゲルマラジオ」ではなく「無電源ラジオ」と言うべきかもしれませんが、便宜上、ゲルマラジオでも良いかな、と考えています。いづれにしてもダイオードの選択次第で音量、音質は天地の差となってしまうわけです。
さて、aitendoで珍しい?ロシア製ゲルマニウムダイオードを扱っており、興味が涌いて数種類購入してみました。どれも点接触型ゲルマニウムダイオード。国内で流通しているものに比べ若干大きく、古風な雰囲気を纏った形状のものもあります。ショップのサイトにそれぞれ仕様も掲載されています。
D311 D312A D18
さっそくゲルマラジオ実験ボードで聞き比べをしてみました。試したのは次の種類です。
・D311
・D18
・D312A
・D9G
・D9V
・D9J
・D9B
実験ボードに大型バーアンテナをつなぎ、もっともシンプルな回路で、まずはセラミックイヤフォンで聞き比べました。その結果、どれも1N60(ゲルマニウムタイプ)とほぼ同等に良く聞こえます。D311がもっとも歪みがなくクリアな音に感じました。D312Aはそれよりほんの少し音が小さめ。D18は若干歪みが感じられますが好みもあるかと思います。D9タイプを含め悪くないです。
続いてトランスを経由してオーディオイヤフォンで比べたところ、セラミックイヤフォンの場合とは予想した通り異なる結果となりました。音量が大きく音質も良好なのはD312Aでした。今回試した中ではダントツです。D18はやはり歪みが感じられますが音量的には悪くないです。セラミックイヤフォンでもっとも良いと感じたD311を含めそれ以外はどれも音量小さめ、という結果になりました。
ショットキーダイオードの中にはセラミックイヤフォンで聞くと歪みが激しくほとんど音声にならないものもあるのですが、D312Aは両刀使いでどちらでもよく聞こえます。しかも正真正銘のゲルマニウムダイオード。オーディオイヤフォンで聞く場合、選択の一つとの印象を持ちました。
ゲルマラジオ(無電源ラジオ)はシンプルにセラミックイヤフォンで聞く方法とトランスを介してオーディオイヤフォンで聞く方法があります。その際、ダイオードの種類により向き不向きがあり、セラミックイヤフォンで良く聞こえてもトランス経由の場合、音が歪んでしまったり極端に小さくなったりするものがあり、また逆もあります。たとえば定番の1N60でも点接触型の本来のゲルマニウムダイオードと同じ型番でショットキーバリアダイオードがあり、点接触型はセラミックイヤフォンに合い、ショットキータイプはトランス経由のオーディオイヤフォンにベストマッチします。自分はオーディオイヤフォンで聞きたいので、ほとんどの場合ショットキータイプを使います。なので「ゲルマラジオ」ではなく「無電源ラジオ」と言うべきかもしれませんが、便宜上、ゲルマラジオでも良いかな、と考えています。いづれにしてもダイオードの選択次第で音量、音質は天地の差となってしまうわけです。
さて、aitendoで珍しい?ロシア製ゲルマニウムダイオードを扱っており、興味が涌いて数種類購入してみました。どれも点接触型ゲルマニウムダイオード。国内で流通しているものに比べ若干大きく、古風な雰囲気を纏った形状のものもあります。ショップのサイトにそれぞれ仕様も掲載されています。
D311 D312A D18
さっそくゲルマラジオ実験ボードで聞き比べをしてみました。試したのは次の種類です。
・D311
・D18
・D312A
・D9G
・D9V
・D9J
・D9B
実験ボードに大型バーアンテナをつなぎ、もっともシンプルな回路で、まずはセラミックイヤフォンで聞き比べました。その結果、どれも1N60(ゲルマニウムタイプ)とほぼ同等に良く聞こえます。D311がもっとも歪みがなくクリアな音に感じました。D312Aはそれよりほんの少し音が小さめ。D18は若干歪みが感じられますが好みもあるかと思います。D9タイプを含め悪くないです。
続いてトランスを経由してオーディオイヤフォンで比べたところ、セラミックイヤフォンの場合とは予想した通り異なる結果となりました。音量が大きく音質も良好なのはD312Aでした。今回試した中ではダントツです。D18はやはり歪みが感じられますが音量的には悪くないです。セラミックイヤフォンでもっとも良いと感じたD311を含めそれ以外はどれも音量小さめ、という結果になりました。
ショットキーダイオードの中にはセラミックイヤフォンで聞くと歪みが激しくほとんど音声にならないものもあるのですが、D312Aは両刀使いでどちらでもよく聞こえます。しかも正真正銘のゲルマニウムダイオード。オーディオイヤフォンで聞く場合、選択の一つとの印象を持ちました。
ラジオキットK-7642B(aitendo)
(2021/2/22 17:58:40)
TA7642とBC548Bを使った1IC+1Trのストレートラジオキットです。3本足ラジオICは何種類かあると思いますが、TA7642以外あまり見かけなくなりました。自分は単純なストレートラジオが好みで、これまでも何度か作りました。このキットは前回のゲルマラジオキットと基板の大きさが同じで、電池ボックスも基板上に配置したオールインワンタイプです。単4電池1本動作、トランスなしでオーディオイヤフォンを鳴らします。
付属のバーアンテナはゲルマラジオキットに比べ小型です(長さ5cm)。インダクタンスを測ったところ590μH前後ありました。ちょっと大き過ぎですが、バリコンとの相性もあるのでこのまま使うことにしました。マルチメーターで確認しながらCR類を間違えないように半田付け。前回同様バリコンの固定ネジが長く、回すと壊れそうなので手持ちの短いネジに取り換えました。また、電池ボックスが小さく単4電池が入りません。マイナス側のバネをカットして何とか収まりました。aitendo品質は相変わらずです。だいぶ慣れてはきました。1時間ほどで完成。
バリコンネジ交換
電池入らず左のバネ切断
エネループ(1.2V)を装着し、電源オン。NHK仙台第一が圧倒的な音量で入感。NHK第二、東北放送もパワフルに受信できました。音量調整がほしいくらいです。室内のどこでも受信できてしまいました。小さなバーアンテナなのに感度良すぎでは? その反動で分離は難があります。バーアンテナの方角をうまく調整し、NHK第一が最も弱くなるようにすると他の2局が聞きやすくなります。コイルの指向性や偏波面(縦・横・斜め)でカバーすれば何とかなるかな、とったところです。ストレートラジオにたがわず音質は悪くないです。少し低音を増すため一カ所のみ回路変更し1KΩを追加しました。
イヤフォンでこんなに大音量で聞こえるのであれば、スピーカーも鳴ってくれるのでは?とつないでみたものの、耳を近づけて聞き取れる程度でしか鳴ってくれませんでした。スピーカーを鳴らすにはさすがに非力なようです(アンプオンで普通程度に聞こえます)。
このキットは1.2~1.5V動作の超省エネラジオなのに、予想以上に高感度で驚いてしまいました。小さなバーアンテナで回路も特別なものではないと思うのですが、どうしてこれほど高感度なのか不思議なくらいです。
TA7642とBC548Bを使った1IC+1Trのストレートラジオキットです。3本足ラジオICは何種類かあると思いますが、TA7642以外あまり見かけなくなりました。自分は単純なストレートラジオが好みで、これまでも何度か作りました。このキットは前回のゲルマラジオキットと基板の大きさが同じで、電池ボックスも基板上に配置したオールインワンタイプです。単4電池1本動作、トランスなしでオーディオイヤフォンを鳴らします。
付属のバーアンテナはゲルマラジオキットに比べ小型です(長さ5cm)。インダクタンスを測ったところ590μH前後ありました。ちょっと大き過ぎですが、バリコンとの相性もあるのでこのまま使うことにしました。マルチメーターで確認しながらCR類を間違えないように半田付け。前回同様バリコンの固定ネジが長く、回すと壊れそうなので手持ちの短いネジに取り換えました。また、電池ボックスが小さく単4電池が入りません。マイナス側のバネをカットして何とか収まりました。aitendo品質は相変わらずです。だいぶ慣れてはきました。1時間ほどで完成。
バリコンネジ交換
電池入らず左のバネ切断
エネループ(1.2V)を装着し、電源オン。NHK仙台第一が圧倒的な音量で入感。NHK第二、東北放送もパワフルに受信できました。音量調整がほしいくらいです。室内のどこでも受信できてしまいました。小さなバーアンテナなのに感度良すぎでは? その反動で分離は難があります。バーアンテナの方角をうまく調整し、NHK第一が最も弱くなるようにすると他の2局が聞きやすくなります。コイルの指向性や偏波面(縦・横・斜め)でカバーすれば何とかなるかな、とったところです。ストレートラジオにたがわず音質は悪くないです。少し低音を増すため一カ所のみ回路変更し1KΩを追加しました。
イヤフォンでこんなに大音量で聞こえるのであれば、スピーカーも鳴ってくれるのでは?とつないでみたものの、耳を近づけて聞き取れる程度でしか鳴ってくれませんでした。スピーカーを鳴らすにはさすがに非力なようです(アンプオンで普通程度に聞こえます)。
このキットは1.2~1.5V動作の超省エネラジオなのに、予想以上に高感度で驚いてしまいました。小さなバーアンテナで回路も特別なものではないと思うのですが、どうしてこれほど高感度なのか不思議なくらいです。
aitendoのゲルマラジオキット
(2021/2/16 16:23:47)
ラジオを作りたくなってaitendoからいくつかキットを買い込みました。これもその一つ。aitendoのゲルマラジオキットは何種類かありますが、基板上にすべてが揃うオールインワンタイプです。アンテナ端子、イヤフォン端子、ダイオード取付けはターミナルブロックになっており、実験ボード的な使い方もできるかな、と。
長さ10cmの大きめのバーアンテナが付属し、そのためゆったり目な基板になっています。不必要に大きいので、空いたスペースに回路図までプリントされています。このバーアンテナのインダクタンスを測ったところ861μHもありました。タップで測っても600μH前後。HPの説明では350μHのはずですが、大きすぎ。手持ちの別のコイルに交換しました。ポリバリコンの取り付けも要注意です。付属の固定用ネジが長過ぎ、締め付けるとバリコン内部に食い込み、壊れてしまいます。実際、壊してしまい、これも別のバリコンに交換しました。
完成 (付属品以外の部品を追加しています)
ということはあったものの、部品数点なので難なく完成。このキットの特徴の一つがダイオードを2個使う倍電圧検波回路を採用していることです。整流回路としてみた場合、2倍の電圧を取り出せるわけです。過去に何度かこの回路を実験ボードで試したことがありますが、芳しい効果は実感できませんでした。ダイオード自体による損失も2倍になり理論通りにはいかないようです。そのダイオードですが、ロシア製のD311というもので、「高性能なゲルマニウムダイオード」なのだそうです。
窓辺のガラスぎりぎりのところでセラミックイヤフォンで聞いてみました。10cmのバーアンテナ単体では受信は無理だろうと予想したとおり、適当にバリコンを回しても何も聞こえず、でした。再度イヤフォンを耳奥に装着し直し、最大限の注意力をもってバリコンを回すとNHK仙台第一の音声が一瞬かすかに聞こえ、さらに慎重に合わせ、何とか受信できました。21~31程度。次にアンテナ端子からエアコンアースにつないだところ、十分聞き取れる音声で入感。この状態で倍電圧検波と単体検波を比べてみました。その結果、今回は倍電圧検波による音量アップが実感できました。2倍とはいかないものの1.5倍くらい力強い音声になります。
ループアンテナも試してみました。バーアンテナをループコイルに対し直角にすると効果てきめん。また、大型の外付けバーアンテナを端子につなぎ、トランスを経由してオーディオイヤフォンで聞いてみたところ、若干ゆがみが感じられるものの程よい音量で鳴ってくれました。セラミックイヤフォンは耳に合わず、やはり自分はこの方が好みです。
D311を外し定番の1N60と比較しました。わずかに音量低下が感じられましたが悪くないと思います。他にもロシア製ゲルマニウムダイオードを何種類か買ってみました。在庫が尽きたらもう出回らないレアものなのかもしれません。追々試してみます。
ラジオを作りたくなってaitendoからいくつかキットを買い込みました。これもその一つ。aitendoのゲルマラジオキットは何種類かありますが、基板上にすべてが揃うオールインワンタイプです。アンテナ端子、イヤフォン端子、ダイオード取付けはターミナルブロックになっており、実験ボード的な使い方もできるかな、と。
長さ10cmの大きめのバーアンテナが付属し、そのためゆったり目な基板になっています。不必要に大きいので、空いたスペースに回路図までプリントされています。このバーアンテナのインダクタンスを測ったところ861μHもありました。タップで測っても600μH前後。HPの説明では350μHのはずですが、大きすぎ。手持ちの別のコイルに交換しました。ポリバリコンの取り付けも要注意です。付属の固定用ネジが長過ぎ、締め付けるとバリコン内部に食い込み、壊れてしまいます。実際、壊してしまい、これも別のバリコンに交換しました。
完成 (付属品以外の部品を追加しています)
ということはあったものの、部品数点なので難なく完成。このキットの特徴の一つがダイオードを2個使う倍電圧検波回路を採用していることです。整流回路としてみた場合、2倍の電圧を取り出せるわけです。過去に何度かこの回路を実験ボードで試したことがありますが、芳しい効果は実感できませんでした。ダイオード自体による損失も2倍になり理論通りにはいかないようです。そのダイオードですが、ロシア製のD311というもので、「高性能なゲルマニウムダイオード」なのだそうです。
窓辺のガラスぎりぎりのところでセラミックイヤフォンで聞いてみました。10cmのバーアンテナ単体では受信は無理だろうと予想したとおり、適当にバリコンを回しても何も聞こえず、でした。再度イヤフォンを耳奥に装着し直し、最大限の注意力をもってバリコンを回すとNHK仙台第一の音声が一瞬かすかに聞こえ、さらに慎重に合わせ、何とか受信できました。21~31程度。次にアンテナ端子からエアコンアースにつないだところ、十分聞き取れる音声で入感。この状態で倍電圧検波と単体検波を比べてみました。その結果、今回は倍電圧検波による音量アップが実感できました。2倍とはいかないものの1.5倍くらい力強い音声になります。
ループアンテナも試してみました。バーアンテナをループコイルに対し直角にすると効果てきめん。また、大型の外付けバーアンテナを端子につなぎ、トランスを経由してオーディオイヤフォンで聞いてみたところ、若干ゆがみが感じられるものの程よい音量で鳴ってくれました。セラミックイヤフォンは耳に合わず、やはり自分はこの方が好みです。
D311を外し定番の1N60と比較しました。わずかに音量低下が感じられましたが悪くないと思います。他にもロシア製ゲルマニウムダイオードを何種類か買ってみました。在庫が尽きたらもう出回らないレアものなのかもしれません。追々試してみます。
ラジオ少年の中波ループアンテナ
(2021/2/13 17:40:03)
NPOラジオ少年の通販が再開したことを知り、気になっていた中波ループアンテナキットを購入しました。ループアンテナとしては小型で、これをコイル代わりにしてゲルマラジオにしたら面白いものができるのでは?と以前から考えを巡らせていたのです。数年ぶりのゲルマラジオ作り。
台座裏面
キットには十字に組むための板材、台座、バリコン、ダイヤル、線材、ターミナル端子、木ネジ、ゴム足シールなどの一式と簡単な組み立てプリントが入っていました。台座は内部が空洞のボックス状になっているのかと想像していたのですが、一枚の厚板でできており部品を装着する部分のみくり抜かれた構造になっていました。空洞ならトランスの配置や裏面配線が楽かな、と考えていたので、これは想定外。彫刻刀でくり抜き部分を広げ、空間を確保。トランスとダイオードの配置を決め、穴あけ加工をおこなった後、黒の塗装を施しました(スプレーしただけ)。
続いてコイル部。切れ込みのある板材を十字に組み、付属のビニール線を巻いていきます。板幅4.5cm、溝が付いており「3分割巻き」となります。説明では8回、7回、6回、計21回巻くことになっていますが、溝に納まりきらず7回、6回、5回の18回巻きとなりました。巻き終わってインダクタンスを測ったところ209μH。我が家の環境では下の周波数に放送局はないのでこれで良し、としました。コイル巻きは、巻き始めと巻き終わりの処理が勘所です。このキットは穴に通して固定できるようになっており、線材自体も緩みにくく、良くできていると思いました。
コイル巻きが終わったらあとはゲルマラジオ部の配置と配線をするのみ。オーディオイヤフォンを鳴らしたいのでキットと一緒に購入したトランスT-725を使いました。8Ω~100kΩで音量、音質が選べます。いろいろ試してみて、このトランスが今のところベストと思います。ダイオードはaitendoの1N270。型番は同じでもあまり国内で流通していないタイプです。aitendoでも今は取り扱いなく、別タイプの1N270に変わっているようです。配線後、支柱板にコイル部をねじ止めして完成。
さっそく室内にてオーディオイヤフォンで聴いてみました。NHK第一がうるさいほど入感、第二もほどよい音量で聞こえてきました。東北放送は窓辺でポイントを探り、方角を合わせてなんとか聞き取れる程度。それぞれ信号のピークが鋭く、分離の良さはなかなかのものと思いました。外部アンテナ、アースなし、無電源でこれだけ聞こえれば御の字です。
ゲルマラジオとして作りましたが、当然ながらループアンテナとしても使えます。ID-51で試してみました。アンテナを外した状態ではNHK第一ですらほとんど受信できません。ループアンテナに載せてバリコンを回すと一気に信号が59に上がります。別世界。ターミナル端子からつなぐこともできますが、ループに近づけて同調を取るだけで十分なようです。
久しぶりの工作。スケッチ通りにいかずてこずった所も多々あったものの、楽しめました。このキットの良いところは、始めからゲルマラジオとして作り込むのにちょうど良い大きさと形状で、構造的に丈夫なところかと思います。性能もまずまず。線材にリッツ線を使うとか鉱石検波を取り入れても良いかも? 無電源ラジオ作りにあらためて興味が涌いてきました。
NPOラジオ少年の通販が再開したことを知り、気になっていた中波ループアンテナキットを購入しました。ループアンテナとしては小型で、これをコイル代わりにしてゲルマラジオにしたら面白いものができるのでは?と以前から考えを巡らせていたのです。数年ぶりのゲルマラジオ作り。
台座裏面
キットには十字に組むための板材、台座、バリコン、ダイヤル、線材、ターミナル端子、木ネジ、ゴム足シールなどの一式と簡単な組み立てプリントが入っていました。台座は内部が空洞のボックス状になっているのかと想像していたのですが、一枚の厚板でできており部品を装着する部分のみくり抜かれた構造になっていました。空洞ならトランスの配置や裏面配線が楽かな、と考えていたので、これは想定外。彫刻刀でくり抜き部分を広げ、空間を確保。トランスとダイオードの配置を決め、穴あけ加工をおこなった後、黒の塗装を施しました(スプレーしただけ)。
続いてコイル部。切れ込みのある板材を十字に組み、付属のビニール線を巻いていきます。板幅4.5cm、溝が付いており「3分割巻き」となります。説明では8回、7回、6回、計21回巻くことになっていますが、溝に納まりきらず7回、6回、5回の18回巻きとなりました。巻き終わってインダクタンスを測ったところ209μH。我が家の環境では下の周波数に放送局はないのでこれで良し、としました。コイル巻きは、巻き始めと巻き終わりの処理が勘所です。このキットは穴に通して固定できるようになっており、線材自体も緩みにくく、良くできていると思いました。
コイル巻きが終わったらあとはゲルマラジオ部の配置と配線をするのみ。オーディオイヤフォンを鳴らしたいのでキットと一緒に購入したトランスT-725を使いました。8Ω~100kΩで音量、音質が選べます。いろいろ試してみて、このトランスが今のところベストと思います。ダイオードはaitendoの1N270。型番は同じでもあまり国内で流通していないタイプです。aitendoでも今は取り扱いなく、別タイプの1N270に変わっているようです。配線後、支柱板にコイル部をねじ止めして完成。
さっそく室内にてオーディオイヤフォンで聴いてみました。NHK第一がうるさいほど入感、第二もほどよい音量で聞こえてきました。東北放送は窓辺でポイントを探り、方角を合わせてなんとか聞き取れる程度。それぞれ信号のピークが鋭く、分離の良さはなかなかのものと思いました。外部アンテナ、アースなし、無電源でこれだけ聞こえれば御の字です。
ゲルマラジオとして作りましたが、当然ながらループアンテナとしても使えます。ID-51で試してみました。アンテナを外した状態ではNHK第一ですらほとんど受信できません。ループアンテナに載せてバリコンを回すと一気に信号が59に上がります。別世界。ターミナル端子からつなぐこともできますが、ループに近づけて同調を取るだけで十分なようです。
久しぶりの工作。スケッチ通りにいかずてこずった所も多々あったものの、楽しめました。このキットの良いところは、始めからゲルマラジオとして作り込むのにちょうど良い大きさと形状で、構造的に丈夫なところかと思います。性能もまずまず。線材にリッツ線を使うとか鉱石検波を取り入れても良いかも? 無電源ラジオ作りにあらためて興味が涌いてきました。
D-STAR ターミナルモード
(2021/1/11 15:26:41)
自宅から仙台青葉D-STARレピーターまで1kmほど、安定してアクセス可能です。なので、ターミナルモードに特に関心はなかったのですが、最近、Wi-Fiルーターを新しいものに更新したのを機に、IC-705に搭載されているこの機能を試してみることにしました。
設定はネットの「FBニュース」の記事を参考にしました。ルーターの設定に変更を加える従来の方法とルーター設定不要のUDPホールパンチを使う方法の二通りあるとのこと。ルーター設定を変更すると後々面倒なことになりそうなので、ホールパンチを使った簡易的な接続方法としました(ゲートウェイ機能の一部に制限あり)。
IC-705には標準で無線LANが付いており、パソコンやスマホは不要です。IC-705画面上のルーターアクセスポイント一覧から自分のWi-Fiルーターを指定。使えるのは2.4GHzのみ、5 GHzは不可。あとはゲートウェイコールサインを設定し、ホールパンチをオンにする。これでDVゲートウェイに接続可能となります。なんとなく敷居が高そうに考えていたのですが、特段悩むほどのことはなく、思いのほか簡単というのが感想です。UDPホールパンチ機能が追加されたことで、ルーターをいじる必要がなくなったのが大きいと思います。
設定が終わってさっそく「ならやま自動応答レピーター」にアクセスしたところ、ダウンリンクと共に自動音声が返って来ました。問題ないようです。続いて福島430レピーターへのゲート越え。少し躓きましたが最終的に無事交信でき、問題なく機能していることが確認できました。その際、こちらの音声はレピーターから送出されるものの、応答局の音声がこちら側に乗ってこないという現象がありました。応答の際にはRX-CSボタンを押しTOに呼び出し局のコールサインを設定することで双方向接続される、ということのようです。
Wi-Fiルーターにつながりさえすればよいので、自宅内ならどこからでもアクセス可能。これはこれで悪くないです。通常のゲート越えと違いレピーターを二つ占有してしまうことがなく、少し気も楽かと・・・。ターミナルモード同士の「交信」はまだです。無線とは言えなくなってしまいますが、機会があれば試してみたいと思います。
自宅から仙台青葉D-STARレピーターまで1kmほど、安定してアクセス可能です。なので、ターミナルモードに特に関心はなかったのですが、最近、Wi-Fiルーターを新しいものに更新したのを機に、IC-705に搭載されているこの機能を試してみることにしました。
設定はネットの「FBニュース」の記事を参考にしました。ルーターの設定に変更を加える従来の方法とルーター設定不要のUDPホールパンチを使う方法の二通りあるとのこと。ルーター設定を変更すると後々面倒なことになりそうなので、ホールパンチを使った簡易的な接続方法としました(ゲートウェイ機能の一部に制限あり)。
IC-705には標準で無線LANが付いており、パソコンやスマホは不要です。IC-705画面上のルーターアクセスポイント一覧から自分のWi-Fiルーターを指定。使えるのは2.4GHzのみ、5 GHzは不可。あとはゲートウェイコールサインを設定し、ホールパンチをオンにする。これでDVゲートウェイに接続可能となります。なんとなく敷居が高そうに考えていたのですが、特段悩むほどのことはなく、思いのほか簡単というのが感想です。UDPホールパンチ機能が追加されたことで、ルーターをいじる必要がなくなったのが大きいと思います。
設定が終わってさっそく「ならやま自動応答レピーター」にアクセスしたところ、ダウンリンクと共に自動音声が返って来ました。問題ないようです。続いて福島430レピーターへのゲート越え。少し躓きましたが最終的に無事交信でき、問題なく機能していることが確認できました。その際、こちらの音声はレピーターから送出されるものの、応答局の音声がこちら側に乗ってこないという現象がありました。応答の際にはRX-CSボタンを押しTOに呼び出し局のコールサインを設定することで双方向接続される、ということのようです。
Wi-Fiルーターにつながりさえすればよいので、自宅内ならどこからでもアクセス可能。これはこれで悪くないです。通常のゲート越えと違いレピーターを二つ占有してしまうことがなく、少し気も楽かと・・・。ターミナルモード同士の「交信」はまだです。無線とは言えなくなってしまいますが、機会があれば試してみたいと思います。
IC-705ヒートシンク(改良)を試す
(2021/1/4 15:23:26)
1月2日、3日近くの大年寺山からとニューイヤーQSOに参加、発熱対策としてIC-705に取り付けたヒートシンクの効果を確かめながら両日とも2時間ほど運用しました。
2日は大年寺山の山頂部公園から145MHzFMにて運用。あえてヒートシンクは取り付けず、付属バッテリーを外した状態で放熱しながらフルパワー10W(外部電源)にて交信を続けました。約1時間経過し、15局目あたりでTEMPメーターは紫色ゾーンとなったものの、そこからの上昇は緩やかで、結局約2時間で25局に交信いただき、レッドゾーンに至る前に終了としました。
3日は同じ大年寺山の東側公園から430FMと144MHzSSBにて運用。この日は少し改良したヒートシンクを装着。ヒートシンク裏にアルミテープを重ね張りし、バッテリースペースのアルミシャーシとの間に隙間が出ないよう密着度を高めてみました。
両バンドともフルパワー。はじめに430FMにて10局に交信いただきました。145MHzFMは周波数がほぼ埋まる盛況ぶりでしたが、430は連続して呼んでいただいたかと思うといったん途切れ、間をおいて再度CQを出してまた呼んでいただくといった感じでした。約1時間経過しTEMPメーターは青色4個点灯で止まったまま。続いて144MHzSSBにて、こちらも同様に連続して呼ばれたかと思うと後が続かず、それでもポツリポツリと10局に交信いただきました。この日は約2時間半の運用。TEMPメーターは青色4個点灯から上昇することはありませんでした。
両日とも気温1℃前後、いわば冷蔵庫の中で運用しているような状態で、雪の冷却効果が加わったかもしれません。運用状況も多少異なります。それでも1日目と2日目の違いは明らかで、ヒートシンク(改良)の効果が実感されました。着脱は自己融着テープを丸めたものを隙間に挟んでいます。あまりスマートとはいえないのですが、しっかり固定され問題ないようです。外部電源+ヒートシンク。この状態でしばらく使ってみることにします。
<430MHzプリンテナ>
430 MHzの運用は作ったばかりのプリンテナを使ってみました。受信のみ比較したところRH770よりも良く5/8λダイポールにわずかに及ばない、との感触でした。と言ってもさほどの違いではありません。気仙沼市固定局のCQが51で聞こえ、方向を合わせ呼んでみました(距離約95km)。コールサインのラストレターが取れないとのことで何度か送ってみましたが了解いただけず、交信に至りませんでした。パワーの違いもあるかと思います。機会をみて送信を含め試してみます。
1月2日、3日近くの大年寺山からとニューイヤーQSOに参加、発熱対策としてIC-705に取り付けたヒートシンクの効果を確かめながら両日とも2時間ほど運用しました。
2日は大年寺山の山頂部公園から145MHzFMにて運用。あえてヒートシンクは取り付けず、付属バッテリーを外した状態で放熱しながらフルパワー10W(外部電源)にて交信を続けました。約1時間経過し、15局目あたりでTEMPメーターは紫色ゾーンとなったものの、そこからの上昇は緩やかで、結局約2時間で25局に交信いただき、レッドゾーンに至る前に終了としました。
3日は同じ大年寺山の東側公園から430FMと144MHzSSBにて運用。この日は少し改良したヒートシンクを装着。ヒートシンク裏にアルミテープを重ね張りし、バッテリースペースのアルミシャーシとの間に隙間が出ないよう密着度を高めてみました。
両バンドともフルパワー。はじめに430FMにて10局に交信いただきました。145MHzFMは周波数がほぼ埋まる盛況ぶりでしたが、430は連続して呼んでいただいたかと思うといったん途切れ、間をおいて再度CQを出してまた呼んでいただくといった感じでした。約1時間経過しTEMPメーターは青色4個点灯で止まったまま。続いて144MHzSSBにて、こちらも同様に連続して呼ばれたかと思うと後が続かず、それでもポツリポツリと10局に交信いただきました。この日は約2時間半の運用。TEMPメーターは青色4個点灯から上昇することはありませんでした。
両日とも気温1℃前後、いわば冷蔵庫の中で運用しているような状態で、雪の冷却効果が加わったかもしれません。運用状況も多少異なります。それでも1日目と2日目の違いは明らかで、ヒートシンク(改良)の効果が実感されました。着脱は自己融着テープを丸めたものを隙間に挟んでいます。あまりスマートとはいえないのですが、しっかり固定され問題ないようです。外部電源+ヒートシンク。この状態でしばらく使ってみることにします。
<430MHzプリンテナ>
430 MHzの運用は作ったばかりのプリンテナを使ってみました。受信のみ比較したところRH770よりも良く5/8λダイポールにわずかに及ばない、との感触でした。と言ってもさほどの違いではありません。気仙沼市固定局のCQが51で聞こえ、方向を合わせ呼んでみました(距離約95km)。コールサインのラストレターが取れないとのことで何度か送ってみましたが了解いただけず、交信に至りませんでした。パワーの違いもあるかと思います。機会をみて送信を含め試してみます。
430MHzプリンテナ
(2021/1/2 15:21:53)
年始に何か作ってみようかと考えあぐねていると、ふとプリンテナことが思い浮かびました。そういえば作らずじまいものがあったはず。物置を探したところ未開封の430MHzプリンテナキットが出てきました。7~8年前、キャリブレーションの通販で1200MHz用と一緒に購入し、430の方はそのままになっていたのです。もとはFCZ研究所のキットです。今もまだ販売されているのでしょうか。こうした良心的で安価かつ面白味のあるキットも少なくなりました。
フォールデットダイポール型2エレのビームアンテナ。最大の特徴はUバランを内蔵したプリント基板です。この基板にエレメントとコネクターをハンダ付けして完成させます。親切な組み立て説明書が付属しており、その通りに作ればよいのですが、1200用プリンテナを作った際に反省点があったのを思い出し、いくつか変更してみました。
<エレメント>
エレメントを直接半田付けせず、取り外しできるように銅パイプ差し込み式にしました。エレメント部材(真ちゅう線)がきつめに入る銅パイプを所定の位置に半田付け。カットしたエレメントを差し込むだけですが、緩んで外れることもなさそうです。
<BNCコネクター取り付け>
コネクターの形に沿って基板を切り抜くのがこのキットでもっとも手間と時間のかかる作業です。これを省くことにしました。コネクターを基板の上にそのままハンダ付けし、両端に穴を開けて裏面と導通するように固定しました。芯線側はストリップラインを切断した上でコネクター先端を延ばしハンダ付けしました。
<調整>
今回もIC-705のSWRプロット機能を使って調整しました。測定器代わりにとても役立ってくれます。無調整で共振点がだいぶ下の430.000あたりになりましたが、433.000もSWR1.5以下ではあり、帯域は広いようです。ラジエーターを少しずつカットし、433.000に合わせていきました。SWR1.3止まりでベタ落ちとまではいかず、フラットな特性です。カットしすぎても戻せなくなるので、これで良しとしました。
収納寸法20cm 重さ35g
<使用感>
とにかく軽いので取り回しが楽です。ベランダで受信した感じでは、向きを合わせてRH-770と同等か少し良さそう、といったところです。2エレなりの利得は感じられます。
久々にハンダごてを握りました。BNC先端のハンダ付けがうまくいかなかったり、銅パイプにエレメントが入りにくかったり、何度かやり直しや調整を繰り返しました。こんな簡単なものでも作り始めるとつい夢中になってしまいます。アナログな工作、今年も楽しみたいと思います。
年始に何か作ってみようかと考えあぐねていると、ふとプリンテナことが思い浮かびました。そういえば作らずじまいものがあったはず。物置を探したところ未開封の430MHzプリンテナキットが出てきました。7~8年前、キャリブレーションの通販で1200MHz用と一緒に購入し、430の方はそのままになっていたのです。もとはFCZ研究所のキットです。今もまだ販売されているのでしょうか。こうした良心的で安価かつ面白味のあるキットも少なくなりました。
フォールデットダイポール型2エレのビームアンテナ。最大の特徴はUバランを内蔵したプリント基板です。この基板にエレメントとコネクターをハンダ付けして完成させます。親切な組み立て説明書が付属しており、その通りに作ればよいのですが、1200用プリンテナを作った際に反省点があったのを思い出し、いくつか変更してみました。
<エレメント>
エレメントを直接半田付けせず、取り外しできるように銅パイプ差し込み式にしました。エレメント部材(真ちゅう線)がきつめに入る銅パイプを所定の位置に半田付け。カットしたエレメントを差し込むだけですが、緩んで外れることもなさそうです。
<BNCコネクター取り付け>
コネクターの形に沿って基板を切り抜くのがこのキットでもっとも手間と時間のかかる作業です。これを省くことにしました。コネクターを基板の上にそのままハンダ付けし、両端に穴を開けて裏面と導通するように固定しました。芯線側はストリップラインを切断した上でコネクター先端を延ばしハンダ付けしました。
<調整>
今回もIC-705のSWRプロット機能を使って調整しました。測定器代わりにとても役立ってくれます。無調整で共振点がだいぶ下の430.000あたりになりましたが、433.000もSWR1.5以下ではあり、帯域は広いようです。ラジエーターを少しずつカットし、433.000に合わせていきました。SWR1.3止まりでベタ落ちとまではいかず、フラットな特性です。カットしすぎても戻せなくなるので、これで良しとしました。
収納寸法20cm 重さ35g
<使用感>
とにかく軽いので取り回しが楽です。ベランダで受信した感じでは、向きを合わせてRH-770と同等か少し良さそう、といったところです。2エレなりの利得は感じられます。
久々にハンダごてを握りました。BNC先端のハンダ付けがうまくいかなかったり、銅パイプにエレメントが入りにくかったり、何度かやり直しや調整を繰り返しました。こんな簡単なものでも作り始めるとつい夢中になってしまいます。アナログな工作、今年も楽しみたいと思います。
2mJ型アンテナのデュアル化(エレメント交換式)
(2020/12/31 11:49:27)
海外サイトを見ると2m用J型アンテナを430MHzで共用可能との記述が散見されます。145MHzの3倍高調波なので厳密にマッチングしなくともSWR2.5程度に収まることはありえるかな、とは思います。自分もD-STAR430レピーターへの短時間のアクセス程度ならそのまま使ってしまうこともあります。
実際のところどうなのかと思い、IC-705のSWRプロット機能で測ってみたところマックス3.0を示し、共振点らしきものがあるのかどうかもわからない状態です。もう少し低めになるかと予想したのですが、いくら短時間でもこれで送信する気にはなれません。
145MHz用エレメントのまま測定
自作したJ型アンテナはショートスタブの給電部を可動式にしてあり、これをスライドさせて調整を試みることは可能です。ただ、145MHzに合わせてあるので、できれば動かしたくありません。ショートスタブはそのままにし、エレメントの長さのみでマッチングが取れないか? ということで試してみました。その結果、ショートスタブ先端から74.5cmでSWRがストンと落ちてくれました。
430MHz用エレメントにて測定
本来430用J型アンテナはショートスタブ17.5cm(1/4λ)、エレメント35cm(1/2λ)が基本です。今回の場合、おおむねショートスタブが3/4λ、エレメント1λとなり、どういう動作でマッチングが取れているのかは疑問です。ショートスタブの一部がエレメントとして動作しているのかもしれません。
ショートスタブを含む全長124.5cm
下の2本が430用
使用感としては長さ40cmのハンディ直付けホイップよりも良く、RH770や5/8λダイポールと比べるとS1~2信号が弱まります。もととも145MHz用アンテナで、しかも給電部に手を加えずエレメントのみで調整したわりにはまずまずかと思います。
実際の使用では3段の差し込み式銅パイプエレメントの上部2段を外し、430用の銅パイプを差し込むだけです。2m用に戻すのもさほど手間はかかりません。エレメント交換式デュアル。これでレピーターも安心してアクセスでき、里山移動の際はJ型アンテナのみでよいかな、と考えています。
海外サイトを見ると2m用J型アンテナを430MHzで共用可能との記述が散見されます。145MHzの3倍高調波なので厳密にマッチングしなくともSWR2.5程度に収まることはありえるかな、とは思います。自分もD-STAR430レピーターへの短時間のアクセス程度ならそのまま使ってしまうこともあります。
実際のところどうなのかと思い、IC-705のSWRプロット機能で測ってみたところマックス3.0を示し、共振点らしきものがあるのかどうかもわからない状態です。もう少し低めになるかと予想したのですが、いくら短時間でもこれで送信する気にはなれません。
145MHz用エレメントのまま測定
自作したJ型アンテナはショートスタブの給電部を可動式にしてあり、これをスライドさせて調整を試みることは可能です。ただ、145MHzに合わせてあるので、できれば動かしたくありません。ショートスタブはそのままにし、エレメントの長さのみでマッチングが取れないか? ということで試してみました。その結果、ショートスタブ先端から74.5cmでSWRがストンと落ちてくれました。
430MHz用エレメントにて測定
本来430用J型アンテナはショートスタブ17.5cm(1/4λ)、エレメント35cm(1/2λ)が基本です。今回の場合、おおむねショートスタブが3/4λ、エレメント1λとなり、どういう動作でマッチングが取れているのかは疑問です。ショートスタブの一部がエレメントとして動作しているのかもしれません。
ショートスタブを含む全長124.5cm
下の2本が430用
使用感としては長さ40cmのハンディ直付けホイップよりも良く、RH770や5/8λダイポールと比べるとS1~2信号が弱まります。もととも145MHz用アンテナで、しかも給電部に手を加えずエレメントのみで調整したわりにはまずまずかと思います。
実際の使用では3段の差し込み式銅パイプエレメントの上部2段を外し、430用の銅パイプを差し込むだけです。2m用に戻すのもさほど手間はかかりません。エレメント交換式デュアル。これでレピーターも安心してアクセスでき、里山移動の際はJ型アンテナのみでよいかな、と考えています。
IC-705の簡易的アンテナアナライザー機能
(2020/12/29 12:09:09)
アンテナの自作をしたり、アンテナ測定や調整が楽しく、それ自体を趣味としているので、山岳移動をする際も時々アンテナアナライザーを持参します。環境によってアンテナ特性がどのように変化するのか、といったことにも興味があり、実際、地形や植生等で変化することが少なくありません。興味の多くはアンテナの振る舞いに向けられているので、無線運用はほとんどしないで、測定のみに時間を費やすこともあります。ただ、無線機、アンテナ、バッテリーなど機材一式に加えアナライザー(AA-200)を持つと結構な重さになり、これが悩みの種でもあるわけです。
実は購入して初めてわかったのですが、IC-705にはアンテナのSWR測定のみでなく、バンド内のSWR数値をプロットして視覚化する機能が搭載されています(プロット測定)。バンド内全域のSWRを把握したり、共振点がバンド内のどこにあるのか、といったことをおおよそ把握できる優れた機能で、いわば簡易的なアンテナアナライザーと言えるかと思います。HFから430まで全バンド可。周波数ピッチは10、50、100、500KHz。最大13本の棒グラフで表示され、SWR1.5を超えると赤色になります。アンテナの挙動とその輪郭を得るには十分かと思います。数回のタッチ操作とPTTを押すだけなので手袋をしたままでも操作可能で使い勝手も悪くありません。無線機+アンテナアナライザー付属。こんな優れた機能が搭載されていることを知り、とても得した気分になりました。IC-7300で同じことができるようですが、移動運用前提のIC-705の場合、この機能のありがた味はより大きく、自分的にはこの点だけでも価値があると思っています。
430㎒ モービルホイップ(CSB7900)
145㎒ アローライン
7㎒ EHアンテナ
欠点というわけではありませんが、今後もし改良されるとすればこのようにしてほしい点をあげてみます。
①棒グラフではなく、曲線で表示できるようになればなお良い。棒グラフでもおおよその共振点はわかりますが、曲線であればより明確となります。
②IC-705はアマチュア無線機なのでアマチュアバンド内でのみ送信可能なわけです。なので、バンド外は測定できません。ここがアンテナアナライザー単体と根本的に異なるところです。自作アンテナ等で、共振点がバンド内にあれば良いのですが、バンド外であった場合は役に立ちません。バンド外も10mW以下の微弱な電波を出して測定できるようになると完璧かな、と思います。法令的な問題があるかもしれませんが・・・。
③今後、ハンディ機(ID-52プラス?)にもこの機能が搭載されることを期待。
というわけで、アンテナ自作の際は別にアナライザーが必須ですが、バンド内に調整が取れていて、現地で微調整といった用途にはとても便利に使える機能と思います。装備の軽量化もできそうです。
アンテナの自作をしたり、アンテナ測定や調整が楽しく、それ自体を趣味としているので、山岳移動をする際も時々アンテナアナライザーを持参します。環境によってアンテナ特性がどのように変化するのか、といったことにも興味があり、実際、地形や植生等で変化することが少なくありません。興味の多くはアンテナの振る舞いに向けられているので、無線運用はほとんどしないで、測定のみに時間を費やすこともあります。ただ、無線機、アンテナ、バッテリーなど機材一式に加えアナライザー(AA-200)を持つと結構な重さになり、これが悩みの種でもあるわけです。
実は購入して初めてわかったのですが、IC-705にはアンテナのSWR測定のみでなく、バンド内のSWR数値をプロットして視覚化する機能が搭載されています(プロット測定)。バンド内全域のSWRを把握したり、共振点がバンド内のどこにあるのか、といったことをおおよそ把握できる優れた機能で、いわば簡易的なアンテナアナライザーと言えるかと思います。HFから430まで全バンド可。周波数ピッチは10、50、100、500KHz。最大13本の棒グラフで表示され、SWR1.5を超えると赤色になります。アンテナの挙動とその輪郭を得るには十分かと思います。数回のタッチ操作とPTTを押すだけなので手袋をしたままでも操作可能で使い勝手も悪くありません。無線機+アンテナアナライザー付属。こんな優れた機能が搭載されていることを知り、とても得した気分になりました。IC-7300で同じことができるようですが、移動運用前提のIC-705の場合、この機能のありがた味はより大きく、自分的にはこの点だけでも価値があると思っています。
430㎒ モービルホイップ(CSB7900)
145㎒ アローライン
7㎒ EHアンテナ
欠点というわけではありませんが、今後もし改良されるとすればこのようにしてほしい点をあげてみます。
①棒グラフではなく、曲線で表示できるようになればなお良い。棒グラフでもおおよその共振点はわかりますが、曲線であればより明確となります。
②IC-705はアマチュア無線機なのでアマチュアバンド内でのみ送信可能なわけです。なので、バンド外は測定できません。ここがアンテナアナライザー単体と根本的に異なるところです。自作アンテナ等で、共振点がバンド内にあれば良いのですが、バンド外であった場合は役に立ちません。バンド外も10mW以下の微弱な電波を出して測定できるようになると完璧かな、と思います。法令的な問題があるかもしれませんが・・・。
③今後、ハンディ機(ID-52プラス?)にもこの機能が搭載されることを期待。
というわけで、アンテナ自作の際は別にアナライザーが必須ですが、バンド内に調整が取れていて、現地で微調整といった用途にはとても便利に使える機能と思います。装備の軽量化もできそうです。
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