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JO7TCX アマチュア無線局 (2024/11/21 21:35:26)
現在データベースには 401 件のデータが登録されています。
仙台市街地の西、茂庭台と錦ヶ丘団地の間にある丘陵地が蕃山で、自分にとってはもっとも手軽に歩ける里山です。朝早く出れば、昼過ぎには自宅に戻れる半日の山歩き。先週歩いた際に、見覚えのない「南風蕃山」の標識を目にしました。新しく拓かれたルートのようです。萱ヶ崎山、西風蕃山、蛇台蕃山、蕃山開山堂、南風蕃山、いづれも350~370mほどの小ピーク。本日、気になっていた未踏のルートを辿りつつ、五つの山をめぐってみました。
茂庭台行きのバスに乗り、今回も茂庭台4丁目で下車し、南側斜面から入山。これまで知らなかったのですが、この登山口は「梨野水神口」といわれているようです。赤布や標識はありません。
梨野水神登山口(右)
太白山展望台を過ぎ、先週確認した「Wルート 南風蕃山へ」の標識から右の踏み跡に入りました。谷筋を一直線に下っていくので不安になったものの赤テープを目印に進むと沢が現れ、渡渉。登り返しとなり、ここからは良く踏まれた明瞭な道が続いていました。間もなく南風蕃山に到着。標高357m。明るい雑木林の中にぼっかり開いた小空間、眺望はないものの落ち着ける雰囲気を感じました。
南風蕃山分岐
谷筋を下る
沢の出合い
南風蕃山山頂 ↑ ↓
山頂からはいったん送電線の下の巡視路に下りるのかと予想していたのですがそうではなく、西風蕃山方向に尾根筋のしっかりした道が続き、51番鉄塔を過ぎると、切り開きの展望地に出ました。思いがけないサプライズ。今日は快晴、蔵王から船形山まで宮城・山形県境の山々が一望でした。
尾根筋の道
51番鉄塔
鉄塔付近より萱ヶ崎山
展望地から県境の山を望む
西風蕃山分岐へ
展望地を後に10分ほどで西風蕃山と開山堂の分岐に到着。まずは開山堂へ。53番鉄塔を通過し、4つコブのアップダウン、片道約1km、けっこう長いです。山頂に古いお堂があり、南東方向が開け太平洋が霞んで見えていました。標高356m。2山目。
53番鉄塔より落合、泉ヶ岳方向
蕃山開山堂 ↑ ↓
開山堂付近より
再び4つコブを越えて分岐まで戻り、ほどなく西風蕃山山頂。標高372m。3山目。通過点と言った感じの山頂で、樹木に囲まれ眺望もないので休む人もあまりいないようです。
西風蕃山山頂 ↑ ↓
続いて蛇台蕃山、西風蕃山の西にあり、これまで行ったことはありませんでした。わかりにくいですが、少し下ったところに古い標識があり、西風蕃山から15分ほどで到着しました。山頂には蛇台蕃山の他に「蛇台山」の標識もありました。標高366m。4山目。樹間に錦ヶ丘の団地と蔵王が見えていました。道は団地方向に続いているようです。
蛇台蕃山へ
古い標識
蛇台蕃山山頂 ↑ ↓
いったん西風蕃山に戻り、あとは何度も歩いている萱ヶ崎山へ。樅の大木が散見される落ち着いた感じの平坦な道。白滝不動分岐を過ぎ、ほどなく見慣れた萱ヶ崎山山頂に到着。5山目。これで蕃山5山めぐり完了です。
萱ヶ崎山へ
白滝不動分岐
萱ヶ崎山山頂 ↑ ↓
蔵王を望む
無線は萱ヶ崎山山頂から少し離れた高圧線の影響を受けない場所に移動、145MHzにて仙台市内のほか、白石市、蔵王町(後烏帽子岳)、気仙沼市、七ヶ浜町など6局に交信いただきました(VUデュアル八木)。その後、場所を北側に移動しJP7IEL局に430MHzDVにてのんびりお付き合いいただき終了としました。
小さい山ではありますが、アップダウンの繰り返しでほどよく疲れました。未踏のルートでは、この先にどんな道が続いてどんな景色があるのか、確かめたい気持ちが募るのはいつものことで、これが里山歩きの醍醐味なのかもしれません。今回は思いがけない展望もあり、歩きがいのあるコースだったように思います。
深山の北隣に石堂山があります。角田市側からこの山に直登するルートがあるらしいということは聞いていたのですが、先週、明通峠から登った際にその合流点がどこなのか、注意して歩いたにもかかわらず見つけられませんでした。萱ヶ崎山での交信の際、地元のOM局より詳しい情報を得ることができ、あらためて周辺を歩いてみました。
早朝の常磐線に乗りJR山下駅下車。山下生活センター登山口より入山。駒返しコースを登り、30分ほどで鳥越峠に到着。南に進むとすぐ深山となりますが、まずは北へ。
登山口付近 正面に深山、石堂山
先週無線運用した国見台を通過し、緩やかに下っていくと峠から10分もかからずあっけなく石堂山の見覚えのある標識が見えてきました。どなたが書かれたのか、味のある書体。これだけで記憶に残ります。
石堂山山頂
いただいた情報をもとに角田側からのルートを探したところ、探すまでもなく山頂からすぐのところに、尾根道と交差する西からの登山道がありました。十字路となって山元側にも道が伸びており、標識案内や赤布はないものの、なぜ先日気づかなかったのか不思議な気分になりました。
角田側からの登山道
疑問解消したところで、樹木で何も見えないこの山頂から無線運用してみました。標高231m。145MHzにてダメもとでCQを出したところ石巻市、相馬市の固定局より応答いただきました。どこにでもありそうな典型的な里山で、飛びそうもない、しかし地形的には悪くない、そんなところからの無線運用も面白いのでは?と思いました。
国見台に引き返し、鳥越峠から深山へ。公園化され過ぎている感じもありますが東西に眺望の良い山頂で、薄い雪雲をまとった蔵王、吾妻連峰が一望でした。
深山 ↑ ↓
隣の鷹討山を通過し、今日はその先にある展望地で無線運用することにしました。以前からわずかに眺望はあった場所ですが、広く切り開かれて蔵王側の視界が格段に良くなりました。標高300mほど。
145MHz。バンド内をワッチしたところ、思いがけず0エリア、新潟市の交信が51ほどで聞こえてきました。コールサインも十分了解できる信号。ローカル局同士のようで、相手局の信号は入りませんでした。この場所は以前にも1度だけ0エリア局が聞こえたことがあります。うまく抜けるパスでもあるのかもしれません。そのうち交信の可能性もあるのでは? ちょっと期待してしまいました。
デュアル八木を蔵王に向けてCQを出し、仙台市、福島県浪江町など6局と交信。特に遠方はありませんが、いつもの里山運用、これもまた良し。風が強まってきたところで、撤収としました。
尾根の途中から沢コースを下山。
沢に下りると数日前の雪がまだ残っていました。そこに何人かの靴跡も。そこそこ、このルートを歩く人はいるようです。
ここは合併前の仙台市の最高地点で、過去に何度も無線運用しました。山頂に鉄塔と高圧送電線があり、はじめは気づかなかったのですが、不規則に盛大な電磁波パルスを受けるということがわかり、以後、無線には不適ということであまり足が向かなくなった経緯があります。高圧線の影響から逃れられる運用適地はないか、あらためて探索してみたいと思い、本日登ってみました。
仙台駅前から茂庭台行きのバスに乗車。通常ルートの登山口は馬越石トンネルの脇にあります。ただ、交通量も多いので、今回は茂庭台4丁目バス停で下車し、南側斜面のルートから入山しました。標識や赤布はなく、入り口付近にイノシシの捕獲檻が設置されていたりして、少し不気味な雰囲気があります。実際、以前にイノシシが罠に閉じ込められているのを見たこともあります。団地内の人しか通らないのかもしれませんが、竹林のある登山道は良く踏まれて歩きやすい道です。
登山口付近
馬越石コース合流点
5分ほど登ると立石神社の祠の前で馬越石トンネルからのルートに合流、ここから急登を登ったところにあるのが太白山を正面に見る展望地で、今日は海も霞んで見えていました。
雑木の尾根道を20分ほど進むと西側が開け、送電線と鉄塔のある山頂に到着。蔵王が半分見えていたものの雪雲をかぶった状態。ここの山頂も西風が吹いて思いのほか寒く、長居はできないかもしれません。樹木で覆われてはいるものの、地形的には平らな山頂であり、登山道からさほど奥に入らない程度に藪漕ぎして、高圧線の影響を受けない良さそうな場所に当たりを付けてみました。冬場は下草がないので楽です。
蔵王方向
山頂
まずは1200MHz。自作した1λヘンテナでCQを出したところ仙台市内の固定局に応答いただきました。このアンテナでの初交信。お相手局はGPとのこと、こちらの電波はなんとか届いているようで51-51。はじめ59のレポートをいただいたのですが、市内とはいえけっこう離れた場所であり、そんなはずはないのではと思い、リアルレポートをお願いしたところSは振っていないとのこと51訂正。ヘンテナを回すと8の字というよりも小刻みに強弱あって方向が今一つ定まらない感じがありました。いろんな反射を拾っているのかもしれません。続いて5エレプリンテナの比較実験に協力いただきました。こちらも51-51変わらずではありますが、信号が太くなって安定した感触があり、相手局からも同様のレポートをいただきました。1λヘンテナと5エレプリンテナ、それぞれ利得なりの手ごたえがあったかな、といったところです。その後もメインでCQを出してみましたが後が続かず、本日も1局のみ、1200MHz、相変わらずです。
145MHzにQSY。白石市、角田市、山形市の3局に交信いただいたところで、雪も舞ってきて耐えられそうもなく、撤収としました。
往路を戻る尾根の途中に「南風蕃山Wルート」なる小さな標識と枝道があるのに気づきました。萱ヶ崎山を含むこの山全体が「蕃山」であり、西風蕃山とか蛇台蕃山とかいくつかピークがあるものの、「南風蕃山」というのは初めて目にしました。あまりに寒く、今回はパスしましたが、ちょっと興味が湧きました。そのうち訪ねてみたいと思います。
下山口 バス停付近
1200MHz対応のPS100を購入したことでもあり、何か自作でもと思い、試しに1λヘンテナを作ってみることにしました。5エレプリンテナの調整時に感じたのは1200MHzともなるとエレメントの長さが0.5mmの違いでも特性の変化が大きいということです。ヘンテナは過去に2m用を作ったことがあり、素直な特性で帯域も広く、作りやすいかな、と考えた次第です。通常のヘンテナを二つ並べてスタックにしたような形状で、利得は6.7dbiほどのようです。
ハンディ機直結タイプの製作事例が多くみられますが、自分はどのみち三脚やポールを使うことが多いので、それを念頭にケーブル接続としました。
<材料>
直径3mmおよび4mm銅パイプ
同軸ケーブル1.5D-QSUPER 1.5m(コネクターSMAP)
塩ビパイプ7㎝ 結束バンド
<製作>
ネットで公開されているデータを参考に製作しました。ただ、エレメントに銅パイプを使ったため、パイプ幅の中心で寸法をとりましたが、実際は1mm前後の誤差はあるかと思います。銅パイプ同士のはんだ付けは久しぶりで、だいぶてこずってしまいました。当初は2本の縦エレメントを仮止めして、調整後に固定しようと考えていたのですが、気持ちの余裕がなくなり、無調整のままはんだ付けしました。給電部の間隔は4mmとってケーブルを接続、すべてのはんだ付けを終え、最後に塩ビパイプに結束バンドで固定し、とりあえず完成としました。ケーブルを含めた重さは65gです。
1λヘンテナの基本形とほとんど変わりませんが、自分の備忘録として手書き寸法図載せておきます。
<測定>
三脚に設置した状態で測定した結果は、下のとおりです。
共振点は1295.000付近、SWR1.025。帯域も1200.000~1400.000までほぼ1.5以下。さすがヘンテナ、これまでいろんなアンテナを作りましたが、作ったそのままの無調整でこれほど良好な結果はあまり記憶にないです。
ベランダからレピーターにアクセスしてみたところ、5エレプリンテナに比べS1~2低下するようです。1λヘンテナなりの利得かと思います。サイドは切れ、8の字指向性も確認できました。性能的なことはともかく、1200MHzの電波を自作アンテナから出せただけでもちょっとした満足感がありました。
プリンテナと両方持って山で使ってみます。
山頂のすぐ下まで車でも上がれる四方山、割山峠から続く主尾根の登山道の他に、麓から直接伸びている登山道が一つだけあります。今回はこれを辿ってみることにしました。
JR常磐線浜吉田駅下車。東街道を左折し山側への細い農道を入るとそこはリンゴ畑の緩い斜面で、畑の中に家々が点在していました。吉田集落。
振り返ると遠くに海も見え、気持ち良く歩いていたところ、最奥の民家を通り過ぎようとした際、小さい野良犬の集団が現れました。その数、7~8匹ほど。空き家となっているのか、塀の中にはさらに何匹がいる様子で、どれも小さいので恐怖感はないのですが、いっせいに吠えられ、突然のことで驚いてしまいました。これも里山ならでは、なのかもしれません。いろんなことが起こります。
気を取り直してそのままリンゴ畑の中を登った先に四方山登山口の標識がありました。イノシシ避けの柵を越えて参道のような杉林を100mほど進むと「水神」の鳥居があり、そこから少し勾配が増して登山道らしくなってきました。樅なども散見される明るい雑木林に変わったかと思うと間もなく、山元町側の一ノ坂林道(舗装路)に合流。登山口から30分弱。あっけないほど短い登山道、所々標識もありよく整備されているものの、歩く人は少ないのかもしれません。
鳥居の奥に湧き水あり
一ノ坂林道合流点
林道出合いから5分ほどで山頂の一角に到着。公園化されていて、コンクリート製の展望台もあります。今日はほぼ快晴、展望台から蔵王、吾妻連峰が一望でした。
山頂付近
展望台より
ここは角田市と山元町の境界となっており、海の見える山元町側で無線運用しました。1200MHz 5エレプリンテナにて仙台一番町、石巻上品山レピーターにアクセスしたところ、リンクは戻ってきたものの信号強度で1~2。厳しそうです。レピーターおよびメインでCQを出しましたが、案の定応答なし。145MHzにQSY。6局にお相手いただき、その内の2局さんには1200MHzでの交信をお願いし、青葉区局とは交信ならず、若林区局とは59-52で交信いただきました。アンテナ手持ちで方角を探りながらの交信。市街地と郊外の違いもありますが、ビルなど障害物による減衰は大きいようで、なかなか一筋縄ではいかないようです。
山頂を後に車道を歩き明通峠へ、峠から深山への登り返し。この長い尾根もかつては背丈ほどの笹薮が続く獣道だったようですが、今はよく踏まれた快適な登山道です。アップダウンを繰り返し、山家山を過ぎると、めざす深山が樹間に見えてきました。見晴らしなく面白味のないルートですが、その中にあって一カ所だけ展望の得られる場所があり、ここで休憩。ちょうど角田山元トンネルの真上あたり。
明通峠からの深山登山口
樹間越しに深山
眺望ポイント
石堂山を経てさらに緩い登りで深山の一角である「国見台」に到着。見晴らしは皆無ですが、地形的に崖地になっているため伝搬的には悪くなく、過去に何度かここで無線運用したことがあります。
国見台
D-star仙台青葉レピーターにてJP7IEL局と連絡を取り、430MHzシンプレックスへ。51-54(10W-5W 距離約67km)。今回もVUデュアル八木(145MHz2エレ、430MHz3エレ)を使いました。430が良い印象です。
深山山頂
ほぼ無風だった四方山と違い、冷たい西風が強まってきました。早々に切り上げて撤収。深山山頂を経て「たかぶつコース」を下山、山下駅まで歩きました。
共振点もSWRもあいまいで今一つ腑に落ちない結果となった5エレプリンテナ。寸法図通りに作ったつもりだったのですが、あらためて現物を確認したところ、放射器の寸法に問題があったかもしれません。放射器はフォールデットダイポールで、真鍮線の切り出しは寸法どおりですが、折り曲げが甘かったのか、幅が多少広くなったために、長さの方が短くなってしまった、ということのようです。原因はたぶんこれです。ただ、放射器を外してはんだ付けし直すと、給電部のプリント配線(バラン部分)を損傷しかねず、できればいじりたくありません。
残る方法は他のエレメントで調整ということになります。手っ取り早いのは第一導波器、これの寸法を変えてみることにしました。
第一導波器のはんだを溶かしていったん外し、放射器よりも少し短い125mmの銅線をセロテープで固定。この状態でメインよりだいぶ下になったものの共振点は見えてきました。測定しながら1mm単位でカットを繰り返している内に、今度は切り過ぎたようで、わずかに上にズレてしまう、といった感じで、思いのほかクリティカルです。最後はエレメント両端にほんの少しはんだを載せて調整しました。
第一導波器
変更前(初期値) 107mm
変更後 119mm
変更前SWR1.8前後だったのが、変更後は1.029に下がり、共振点も明瞭となりました(RG174A/U同軸ケーブル1.5mを接続)。予想した以上にエレメントが長くなったのはちょっと気になります。
変更前
変更後
アナライザー直結でも測ってみました。SWRは1.480と高めですが、共振点はこちらも明瞭となりました。ハンディ機直付け専用にするのであれば、さらに追い込めるかと思います。
このアンテナは寸法図通りに作れば無調整でよいはずですが、実際調整してみて、0.5mm単位くらいの厳密さが求められるアンテナでもある、という印象です。ある程度ゆるく作ってもOKかな、と勝手に考えていたのですが、そうではないようです。
仙台一番町および石巻上品山レピーターにアクセスした感じでは、調整前より良くなったというような感触ははく、特段変わらず。マッチングは取れているものの、性能的には? といったところです。コメットの5エレ八木(HFJ-1205Y)と比べ、S1低下します。
いじろうと思えば、いろいろできそうではありますが、とりあえず調整終了です。次回の山歩きはこのアンテナを使ってみます。
里山というのは人が入らないとみるみる藪化したり、あるいは何かしら建造物のようなものが出来ていたり、どこに続くのか新たな道が作られていたり、奥山と違って訪れるたびに変貌を目の当たりにすることが少なくないです。亘理山地の高瀬峠周辺は2年ほどブランクがあり、どんな様子なのかと思い、しばらくぶりに歩いてみることにしました。
JR常磐線山下駅下車。東街道を経て高瀬林道から入山。石切り場までは幅広の作業道、そこで林道は行き止まりのように見えるのですが、石切り場を右手に見て構わず進むと、樹木やススキに覆われた、かつての林道跡が続いており、ここが高瀬峠への入り口となります。かつては車が通っていた道ですが、「路肩注意」の古い看板がわずかにその面影を残すのみです。なるがままの放置状態のようで崖崩れによる倒木が数カ所、道をふさいでいました。踏み跡らしきものはあり、登山道として使っている方はいるのかもしれません。
高瀬林道入口付近
右手に石切り場
高瀬峠に続く旧林道
崖崩れ倒木あり
高瀬峠
林道入口から30分ほどで高瀬峠に到着。左手に影倉山(大森山)の標識があり、右手には大沢山の標識があります。登山道をたどって大森山に向かってもよいのですが、荒れていそうなので、山頂を回り込むように作られた旧林道を辿ることにしました。峠を越えてすぐ左手にあります。
山頂への旧林道入口
こちらもバラが多く、倒木もあって荒れています。もはや林道と言える状態ではないものの、これでも登山道の方よりはマシかもしれません。
峠から20分、大森山山頂着。標高315m。角田市の最高峰となっているようです。
大森山(影倉山)山頂 ↑↓
蔵王側
海側
以前はこの山頂に電飾施設とそれに伴う鉄パイプ、発電装置、電線などがあり、せっかくの景観を損ねていたのですが、今回、それらがすっかり取り払われ、元からある山頂の景色に戻っていました。景観に恵まれない地味な山が続く亘理山地にあって、広く眺望が得られ、落ち着ける雰囲気もあり、自分的には最も気に入っている山頂で、これは思いがけないサプライズ、今日は不忘山から熊野岳、大東岳、船形山、泉ヶ岳まで一望でした。
さて無線運用、1200MHzは残念ながら応答なく、145MHzで丸森町移動局と岩手県平泉町固定局に交信いただきました。平泉町とは52-57(当方5Wハンディ機)。アンテナ西向けで入感、北は入感せず、蔵王反射のようです。距離125kmほど。交信が終わってすぐ、3名のグループ登山者が登ってきたので短時間で終了とし撤収。
VUデュアル八木(145MHz、430MHzとも3エレ)
いったん高瀬峠に下山。山頂から途中まで正規の登山道?を下りてみました。道形はあり、赤布もありますが、小枝やバラがうるさく、藪に近い状態となっていました。たまらず途中で旧林道に抜け、峠に戻りました。
峠から今度は北に進み大沢山(疣石山)へ。こちらは先ほどに比べると、藪はなく、踏み跡もしっかりとして歩きやすい登山道です。ゆるいアップダウン、急に伐採地に出て視界が開け、その先に大沢山が見えてきました。
高瀬峠から約30分、大沢山山頂着。伐採により眺望が良くなったことで登山者が多くなっているようですが、今日は誰もなし。先ほどの3人グループが到着する前にということで1200MHzでCQを出してみたところ、運よく角田市移動局に拾っていただきました。1局交信、1200MHzもボウズにならずに済みました。
大沢山(疣石山)山頂
山頂を後に馬船峠に下山。峠からさらに北に進み、金津展望台、東街道分岐を経て鷹討山方向へ。先ほど145MHzで地元OMにインフォメーションいただいた新たな展望地まで足を延ばしてみました。鷹討山山頂に至る少し手前、元々ちょっとした切り開きはあった場所ですが、樹木が刈り払われ、蔵王方向が広く望めるようになっていました。これもちょっとしたサプライズ、感謝。
鷹討山手前の展望地
来た道を戻り、途中から笹尾根コースを下山。比較的新しい尾根道。背丈以上ある笹藪を切り開いたようで、並大抵の労力ではなかったのだろうと想像されます。せっかく拓いた登山道も誰も通らないとまた藪化しかねない、ということで、なるべくこのコースや沢に下りるコースを歩くようにしています。
笹尾根コース ↑↓
下山口付近
今日は1グループと数名の単独登山者に出合ったのみで、好天のわりには人が少なく、静かでした。無線の方も年々静かになっていく一方の様子ですが、なるべく軽量な装備にして、冬場は1山1局という感じで里山歩きと無線運用を続けてみるつもりです。
これまで使ってきたAA-200とTE-2101は、いづれもアマチュアバンドの145MHzまで測定可能で、430MHzのアンテナ製作ではやむなくIC-705のSWRプロット機能で簡易的に測定するなどしてきました。HFは測定できなくともよいので、145、430、1200が可能で、操作が容易なものあればということで、PS100というアナライザーを購入してみました。N1201SAという型番のものもあり、二つが併記されているのもあり、どちらも同じかと思いますがよくわかりません。アマゾンなどで「ベクトルネットワークアナライザー」との記載もありますが、アンテナアナライザー専用機種です。それ以外の機能はありません。
<仕様>
動作周波数: 137.5MHz-2.7GHz
充電ポート:USB
測定:インピーダンス、リアクタンス、スタンディング波形比、S11周波数精度
コネクタ: SMA
バッテリー: 2000mAhリチウムイオン電池 (内蔵)
重さ:250g(実測)
アマチュアバンドの145MHz、430MHz、1200MHz、2400MHzをカバーします。本体、USBケーブル、取説(英語表記のみ)、キャリブレーション用ダミーロード3種が同梱されていました。ダミーロードが付属されていないのもあるらしいですが、到着したものには同梱されていました。
操作方法はネット記事を参考にさせていただきました。改良はされているようで、ネット記事にあるようなダイヤル方向が逆などということはありませんでした。さっそく付属USBケーブルで充電。充電状態は電源を入れると画面右上に%で表示されます。到着時58%でしたが、2時間ほどで100%になり完了。
起動して最初に表示されるのはシングル測定画面で、Mボタンを押すとスキャン測定画面に切り替わります。ただ、シングル測定画面の周波数がスキャン測定画面に反映されるわけではなく、それぞれ設定が必要。ちょっと変ですが、たとえばシングル測定は145MHz、スキャン測定は430MHzにしておけば特段の面倒なしに2バンドすぐに測定できる、ということでもあり、これもありかなという気もします。
さっそく付属のダミーロードを取り付け測定してみました。
シングル測定
スキャン測定
アンテナを同軸ケーブルにつないで測定する場合は、ケーブル先端に付属ダミーロードを取り付けてキャリブレーション(校正)作業が必要なようですが、とりあえず初期状態のまま測定してみました。
VUデュアル八木(145MHz2エレ、430MHz3エレ)に、いつも移動運用で使っているRG58ケーブル3mを接続。
430MHz
145MHz
ケーブルの種類や長さにもよると思いますが、初期設定のままでも両バンドとも違和感ない感じです。比較のため145MHzのみTE-2101でも測定してみましたが、同じようなグラフを描いてくれました。
TE-2101にて測定 145MHz
続いて1200MHz。5エレプリンテナをアナライザーに直付けして測定してみました。直結なのでケーブルの影響なく正確に測れるはずですが、SWR2.619と高めの結果に。マッチングが下にズレている感じもあります。
では、ケーブルをつないだらどうなるのか? 長さ1.5mの細いケーブル(RG174A/U)を接続して測定したところSWR1.760。バンド内2.0以下に下がりました。ケーブルが良い方向に影響しているようです。
次にコメットの5エレ八木(HFJ-1205Y)。同じケーブルをつないで、こちらは共振点も明瞭で見事に下がってくれました。キャリブレーションせずとも短いケーブルならどのバンドも特段問題ないような印象ですが、どうなんでしょう?
操作していて不満なのは、4つのアマチュアバンドが簡単に切り替えできず、いちいち周波数設定(上下スキャン範囲と中心周波数)しなければならないのが面倒なところです。また、思いのほかバッテリーの減り具合が早いようで、上記の測定をしているうちに100%→60%に減ってしまいました。省エネ対策なのか何も操作しないでいると、わりと短い時間で勝手に電源が落ちます。
癖のある操作系ではありますが、単機能だけに慣れれば何ということもないです。精度的にも自分の使い方からすればこんなものでは?との感触で悪くありません。これで1200MHzのアンテナもいじれるようになりました。とりあえず5エレプリンテナの手直しでもしてみます。
今年最初の里山登山、久方ぶりに亘理山地の黒森山周辺を歩いてみました。標高300mに満たない低山ではありますが、盆地を挟んで真向いに蔵王というロケでもあり、反射を使って1200MHz運用はどうなのだろう、などと興味が湧き、5エレ八木を持参しました。コメットのHFJ-1205Y(SMAコネクタータイプ)をあらたに購入。5エレならプリンテナもありますが、軽量かつ頑丈な作りなのでザックに適当に入れても大丈夫そうです。別売で導波器を追加し10エレにもできるようです。
JR常磐線亘理駅下車。今回も慶月院(原田甲斐の実母)の墓入り口から入山。このあたり、人家はほとんどなく小さな畑が点在、高台になっていて亘理の町が見渡せる雰囲気の良い所です。杉木立の遊歩道を3分ほどで自然石のみの慶月院の墓と解説板があります。
入山口付近↑ 慶月院の墓↓
この先からが登山。令部の丘(展望地)を経て主尾根の登山道に合流。まずは黒森山方向へ。整備され過ぎずほど良く踏まれて歩きやすい道ですが、西側が植林杉となっているため、展望がなく、変化に乏しいのが難点です。1カ所、以前はなかった海側の小さな眺望カ所が設けられ、牡鹿半島、金華山が遠望できました。アップダウンもあまりない退屈な道。夜討坂分岐を経てさらに20分ほどで黒森山山に頂着。標高255m。真っ白になった蔵王が正面に見えていました。
令部の丘
主尾根の登山道
途中の眺望ヵ所
黒森山山頂↑↓
陽も差さず、深々と冷えて静かな山頂。西風もまともに当たって長居はできそうにありません。さっそく三脚に5エレを設置。はじめに1200MHzレピーターの接続状況を確認しました。仙台一番町55、石巻上品山51、気仙沼リンクなし。仙台レピーターでCQを出したところ、仙台市太白区の固定局に応答いただき、シンプレックスにQSY、レピーターよりも安定し59-59で交信を続けることができました。その後、メインで何度かCQを出してみたものの応答なく、1局交信できただけでもよかったと思うことにし、早々に撤収。
来た道を引き返し、分岐からそのまま北上して閑居山へ。ここは樹木に囲まれ眺望はまったくありません。そのまま通過し5分程下ると石切り場の上に出て、急に展望が良くなり、崖に沿って下るとまもなく鴻ノ巣峠着。峠といっても西側が石切り場になってしまったので以前はどのような雰囲気だったのか知るすべもありません。刻印の文字も読めなくなった古い石碑がいくつか寂しげに残っておりました。
峠のすぐ上がちょっとした台地状になっており、吾妻、安達太良も見渡せるなかなかの眺望で気に入り、過去に2度、無線運用したことがあります。標高200m弱。再度5エレを設置。レピーターの接続状況は、仙台一番町55、石巻上品山53、気仙沼リンクなし。先ほどより石巻が少し強くなりました。さっそく仙台青葉レピーターや1200MHzメインで何度かCQを出したものの全然声がかかりません。もうやめようかと思ったところで、仙台市若林区固定局より応答いただきました。59-58。5エレを回したところダイレクト以外にも信号の強まる方向があり、たぶん蔵王反射では? レポートをお願いしたところ56-55。交信後、反射を期待して福島の吾妻方向に向けてCQを出してみましたが応答なし、この場所でも1局のみの交信で終了となりました。
運用場所
まだ時間も早いので430MHzに移り、仙台青葉D-starレピーターにてJP7IEL局と連絡を取り、シンプレックスにQSY。今日は軽量な自作デュアル八木(145MHz2エレ、430MHz3エレ)を使ってみました。430で51-56、145は交信ならず、でした(10W-5W、距離約70km)。アンテナにもよりますが、里山では430の方が安定して交信できる場面が多いような気がしています。久しぶりにロングにQSO、バッテリ残量が怪しくなったところで終了とし、鴻ノ巣峠から愛宕沢コースを下山、亘理駅まで歩きました。
1200MHzの状況は相変わらずといったところですが、5エレを持って、冬場はこんな感じで運用してみようかと考えています。
DJ-G7を購入したのは2012年12月、使用開始は2013年1月なので、かれこれ11年以上経過したことになります。当初は1200MHzの伝搬に興味があり、山岳移動局同士でスケジュールを組み、山頂間での交信実験を楽しみました。ただ、付属ホイップ+1Wということもあり、意外なほど飛ばず、印象としては特小交信(420MHz帯 10mW)とさほど変わらなかったような記憶があります。特小同様、電波の通り道、信号の強弱をを探りながら交信を続ける感じで、地面すれすれで交信成立、などということもあったように思います。使用開始から半年ほどで送信できなくなるトラブルがあり、修理に出しました。その後は特にトラブルはなく、アンテナも5エレプリンテナや10エレループを導入したところ、別世界という感じで、そこそこ楽しめたようには思いますが、なんといっても運用局が少なく、いつのまにか物置で眠ってしまった、そんな経過をたどっています。4年ほど前、IC-9700が出始めたころ、1度物置から取り出したことがありますが、1200MHzの状況にあまり変化なく、また眠ってしまいました。このリグは2022年6月、生産終了となったようです。
IC-905も発売され、移動局はどうかわかりませんが、ワッチされている固定局はそれなりに増えているのでは?ということで、物置から再び取り出し、1月3日および本日、大年寺山にて使ってみました。
膝の故障やらいろいろあって、大年寺山も約1年ぶりです。以前はなかった熊目撃情報注意の標識がありました。
北東方向に開けた空き地に10エレループを設置、1200MHzメインにてCQを出したところ、1月3日は5局、本日は3局に応答いただきました。ほとんど仙台市内の固定局、1局のみ石巻市の移動局。もう1局、柴田町移動局との交信を試みたものの、こちらには41で入感、相手局には届かなったようで、交信不成立。サイドの切れが半端なく、アンテナを回すのみでなく、上下方向にも動かして信号を捉える、やはりそんな運用が必要なのかもしれません。いづれ面白い伝搬ではあります。交信の中で1200MHzの最近の状況も多少知ることができました。交信いただいた各局に感謝です。
10エレループはかさばるので、山歩きに持って行くには難があります。もう少し装備を見直して、今シーズン、近場の里山からでも運用してみようかと考えています。