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link JO7TCX アマチュア無線局 JO7TCX アマチュア無線局 (2024/11/21 21:35:26)

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feed 地蔵山 5/5 (2022/5/7 9:23:18)

 

 

 好天の連休、バスでアクセス可能な山ということで、山形蔵王の地蔵山に登ってみました。登るといっても山頂近くまでゴンドラで上がるので、歩くのはほんの15分ほどです。熊野岳を往復するつもりで地蔵山の先まで行ってみたところ、雪解けのぬかるみが続き、無理せず途中で引き返しました。標高1736m。

地蔵山

地蔵山より熊野岳

 

 以前はよくここで無線運用しました。山岳での移動運用の面白さを初めて実感したのもこの山です。当時、登山のお守り用として持ち歩いていたハンディ機付属ホイップで思いがけず遠方と交信でき、平地とは別世界の伝搬に驚いた記憶が残っています。ゴンドラ終点から雪面を登ることになりますが、三々五々といったふうに登山者や観光客が登ってきます。通過点的な山頂なので長くとどまる人はいないようです。

 天気快晴。月山、朝日、飯豊、吾妻の白い峰々が壁のように見えていました。ただ、山頂周辺のアオモリトドマツ(オオシラビソ)の立ち枯れは異様なほどで、数年前はこれほどひどくはなかったと思います。直接の原因は虫食いとのことですが、温暖化の影響も受けているようです。自生苗の移植を試みているもののはかばかしくないようで、厳冬期の見事な樹氷はもう期待薄かもしれません。

 

 さて、小広い山頂の隅にアンテナ(145MHz 3エレ)を設置。今回もFTM-10SにモバイルPDバッテリーにて12V給電(パワー10W弱)。開始時すでに11時を回り、昼時に入ってお相手いただける局は少ないのではとも思いましたが、岩手、山形、宮城、福島、茨城、新潟各局にとぎれなく交信いただきました。この山頂より標高差で100mほど高い熊野岳が鎮座しているわりには意外に南方向も悪くないようです。何度かパイルになって取り切れなかった弱い信号もあったように思います。20局交信いたただき終了。標高1700mを超える山頂からの無線運用は約1年ぶり、ロケに勝るものなしとあらためて実感した次第です。

 

 この日は麓の蔵王温泉泊。宿に入る前に温泉街近くにある「鴫の谷地沼」を散策しました。

 

 沼を一周する遊歩道の最奥に水芭蕉の群生地があり、ちょうど見ごろを迎えていました。

 

 

 

 


feed 泉ヶ岳 4/30 (2022/4/30 17:38:34)

 

 

 奥羽山脈から東に伸びた尾根の突端の山なので平野部に近く、この時期に雪が積もるのは珍しいです。朝、ライブカメラで確認したところ、昨日の雪でスキー場一帯が真っ白になっていました。どんな様子なのかと思い、急ぎ冬支度をして出かけてみました。今シーズン3回目。

 

 始発バスに乗り午前8時登山口着。雪の状態がわからず、どのルートにするか迷いましたが、気温が低いので登りやすいだろうとスキー場を直登する「かもしかコース」にしました。うっすらと積もっている程度との予想は外れ、15cmほどの積雪、腐った雪に足を取られてなかなかはかどりません。うさぎ平あたりから20~30cmの積雪となり、岡沼は雪の下。この時期、1日でこれほどの降雪とは驚きました。途中、登山者が一人追い抜いてくれたおかげでトレースができ、だいぶ楽になったものの、いつもは90分のところ、2時間を要して山頂着。山頂付近は場所によっては50cmほど積もって4月上旬のような光景に戻っていました。

うさぎ平付近

山頂

 

 さほど風はなく、空気も澄んで新雪をまとった蔵王、船形山が一望でした。いつもの運用場所にアンテナ(145MHz3エレ)を設置。FTM-10sに小型PDバッテリーにて12V給電。リグ、バッテリー、アンテナ、モノポールの無線機材一式で重さが1.3kgほどと苦にならず、10Wパワーでも余裕で2時間は持ちます。ということで、この山に登る際は、たいていこの組み合わせです。FTM-10sはハンディ機並みの消費電力で、こんなに効率の良いリグは他に見当たらないと思います。とても重宝しています。

 

 今日は信号の伸びは特段感じられませんでしたが、とぎれなく呼んでいただき、宮城、福島、山形の14局に交信いただきました。約1時間の運用。いつもより下山に時間を要することを考え早めの撤収としました。

 

 気温が上がり、登山道は雪解けのぬかるみ状態となって、何度も足を滑らせつつバス停まで下山。今時期の雪は難儀です。思いのほか疲れました。

 

 

 

 


feed 泉ヶ岳 4/24 (2022/4/25 5:02:39)

 

 

 前回に続き泉ヶ岳定点運用。いつも山頂への直登ルートである「かもしかコース」を登るのですが、スキー場の登りがきつくなってきました。直射日光がまともに当たるためバテバテになってしまいます。今回は水神コースとの間にある「滑降コース」を登ることにしました。カラマツ林、そして尾根伝いの比較的緩やかなルートで、登り一辺倒ではなく少しは楽かな、と。駐車場奥にキャンプサイトや炊事施設、バンガローなどが整備されており、そこを登っていきます。好天とあって家族連れでにぎわっていました。

「滑降コース」入り口付近

 

 見返平付近に残雪があったものの、2週間前に見られた一面の積雪はすっかり消え、山頂まで夏道が続いていました。山頂付近にわずかな雪が残るのみ。南斜面なので解け始めると山の装いが変わるのも早いようです。

 

 「かもしかコース」とあまり変わらず90分ほどで山頂着。前回は積雪のおかげでどこからでも眺望が得られたのですが、雪が消えてしまうと見晴らしも高度感もないいつもの山頂です。北泉ヶ岳方向に進み、少し展望が開けてきます。藪漕ぎして定点運用ポイントにアンテナを設置。

 

 FTM-10sにモバイルバッテリーで12V給電。アンテナはモノポールに3エレ(145MHz)を設置。前回と同じです。宮城、山形、福島の17局に交信いただきました。信号の伸びは感じられず、0エリアからの応答はありませんでした。山岳では福島県西郷村の大白森山山頂局と交信。帰宅後、地図で確認したところ、那須岳の北にある南会津の奥まった山のようです。弱い信号で厳しいかなと思いましたが、アンテナ方角を合わせると少しSが安定しました。57-52。距離149km。アクティブに登られているようで、4月上旬の萱ヶ崎山移動の際にはこの山の西にある二岐山より交信いただきました。南会津の山とつながること自体珍しく、いつも意外な山頂から応答いただき、驚いてしまいます。

 後半から風が強まり、モノポールが勝手に回って手で押さえながらの運用となりました。平板で作った方支持ブームが風を受けやすいようで、なんらか工夫が必要かもしれません。

 

 

 下山はいつものかもしかコース。岡沼周辺もすっかり雪が解けていました。好天が続けば、この静かな水面を見られるのもあと数日といったところです。

 

 

 

 

 


feed 泉ヶ岳定点運用 4/10 (2022/4/10 17:44:46)

 

 

 泉ヶ岳の山中に「岡沼」という場所があり、夏場は乾き気味の湿地帯ですが、残雪のこの時期のみ水を湛えた沼が出現します。天気に恵まれないとタイミングを外してしまうことが多いです。今日は標高1000m~2000mあたりも天気の崩れる心配なし、ということで早起きして登ってみることにしました。

 

 地下鉄・泉中央駅から始発バスで登山口へ。まだ山開き前で登山姿の乗客は自分以外に2人のみ、けっこう重装備な様子です。スキー場を直登するいつものカモシカコース。以前はぐいぐい高度を稼げるので気に入っていたのですが、年々きつくなって、今日は気温も高くバテバテになってしまいました。うさぎ平を過ぎ夏道が消えた雪面を進むと予想以上の水量を湛えた岡沼が見えてきました。好天で雪解けが進んだようです。

うさぎ平より泉ヶ岳

岡沼

 

 ここから標高差400mほど、解けかかった複数の靴跡が山頂まで続いていました。登山口から約90分、雪面の広がる山頂着。標高1172m。蔵王、二口山塊の山々、そのはるか奥に朝日連峰も霞んで見えていました。

山頂直下

蔵王連峰

山頂

山頂付近

後白髭山、船形山

大東岳、面白山

 

 低木は雪の下。夏場と違い藪漕ぎすることもなく雪面のどこでも無線運用可能ですが、いつもの定位置にアンテナを設置しました。

 

<本日の装備>

リグ FTM-10s(145MHz FM 10W)

アンテナ 3エレ八木

バッテリー Type-C モバイルバッテリーJMB-F100PD(12V給電)

 

 宮城県内のほか、岩手、山形、福島、新潟各局に交信いただきました。北は盛岡市、南は田村市、郡山市、西は新潟県長岡市。長岡市とこの山頂は飯豊連峰の北股岳あたりが壁になる位置関係ですが、相性は悪くないようで時々つながります。今日は2局交信いただきました。距離約200km。

 

 10Wパワーで2時間弱の運用。バッテリーは残り21%を表示。FTM-10sとの組み合わせの場合、いつもこんな感じです。重さたった200gのバッテリーでこれだけ運用できれば御の字です。

 

 今シーズン第1回目の泉ヶ岳定点運用。ほぼ途切れなく呼んでいただき、しばらくぶりに少し手ごたえが感じられように思います。山良し、無線良し。ただし半端なく疲れました。バス時刻を気にしながら急ぎ撤収、同じルートを滑るように下山し、発車10分前、なんとか間に合いました。

 

 

 

 

 


feed 萱ヶ崎山 4/3 (2022/4/3 20:09:52)

 

 

 好天にじっとしておられず、近場の萱ヶ崎山に出かけました。登山口の茂庭台団地までバスで行けるので気が楽です。仙台市太白区。標高379m。仙台駅前から乗車、茂庭台4丁目にて下車。バス停から太白山が目の前に見えていますが、反対方向の西に進むとまもなく萱ヶ崎山登山口となります。標識や赤布がないばかりかイノシシの罠も設置されていて、少し躊躇してしまいます。もともと登山道ではないのかもしれませんが、以前に比べ踏み跡は明瞭になってきているようです。10分もかからず馬越石ルートに合流。

バス停付近より(太白山)

登山口周辺

 

 雑木林の一本道、30分ほどで鉄塔のある山頂に到着。低木が刈り払われて眺めが良くなり、今日は屏風岳、熊野岳、雁戸山など白い峰々が一望でした。

山頂

 

 さっそくアンテナを設置、2mFMにて岩手、福島、宮城県内各局と交信いただきました。高圧線からの抑圧ノイズは相変わらずで、なるべく影響を受けない方向に3エレを固定して運用。山岳では福島県岩瀬郡天栄村の二岐山(1544m)山頂移動局と57-53。2.5WQRP、RH770とのことでした。距離134km、さほど遠方ではありませんが、南会津に近い奥まった山で、萱ヶ崎山からは初めての交信となりました。

 

 鉄塔、反射板、高圧線と良からぬものがてんこ盛りの山頂なのでいろんなことが起こるのですが、複数の局から「急に送信が落ちましたがバッテリー切れでしょうか」とのレポートを1度ならずいただきました。バッテリーも接続も問題なし。15V給電で10W送信しており、熱によるパワーダウンはありうるとは思っていたのですが、送信自体が停止してしまうとは・・・? 再度PTTを押すと何事もなかったように送信されるので、腑に落ちないまま交信を続けました。

 

 その後、D-star仙台青葉経由でJP7IEL局と連絡をとり、430MHzFMシンプレックスにQSY。パワー1Wにダウンし快適に交信を続けていると、今度は受信中に突如何も聞こえなくなる現象が発生。スコープでも異常な状態が一目瞭然で、これでは了解できるはずがありません。

 

 2~3秒で元には戻るものの不規則に発生し、何度か受信不能となる場面がありました。どうやら高圧線からの強力なパルス波を受けてしまったようです。いわば小さな雷。先ほどの送信停止の原因もこれだったのでは? 高圧線の挙動はさまざま、図り知れないものがあり、ホント、いろんなことが起こる山頂です。

 

 

 2時間ほど運用。数人のグループ、二人連れ、単独と次々登ってきて周りはいつになく賑わってきました。正午過ぎ撤収、来た道を戻り、団地への分岐を見送り馬越石トンネル側に下山。途中、カタクリの群生が一面に葉を広げていました。開花間近のようです。

 

 

 

 


feed 大年寺山 3/27 (2022/3/27 16:30:34)

 

 

 3月16日の地震後、小さな揺れはあるものの大きな余震はなく、かえって不気味な感じがあります。山歩きはもう少し様子をみることにし、本日も大年寺山散策にでかけました。我が家からは遠回りになりますが、大年寺惣門から長い階段を登ってみることにしました。

 愛宕橋を渡って広瀬川遊歩道に入り、いったん国道286号に出てしばらく南下すると大年寺の標識があり、住宅地の奥に古めかしい惣門が見えてきました。本来、ここが大年寺山の正面口と言えるのかもしれません。

 

愛宕橋より大年寺山

愛宕堰

 

 

 案内板によると、大年寺は四代藩主伊達綱村が1697年に創建し、以降、伊達家の菩提寺となっているとのこと、この惣門は1720年頃に五代伊達吉村により建てられたものだそうです。

 

 門の先に一直線に長い階段が続いています。下から見上げても階段の終わりは見えず、かなり上の方に下りてくる数人の人影が見えました。登っている人も何人かおり、メインルートだけあって他の登り口に比べ散策する人は多いようです。急階段ではないものの、一直線なのでけっこう疲れます。こういう長い階段を一段、また一段と登っていると自分のこれまでの人生とか、この先何か良いことでもあるのだろうか、などとつまらぬことをつい考えてしまったりします。ゆっくり10分ほどかけて登り終わったころにはそこそこ汗をかいてしまいました。振り返ると惣門ははるか下、遠くに太平洋が見えていました。

途中より振り返る

 

 さて、本日の無線運用は野草園の上にある小さな山頂公園。曇天の下に泉ヶ岳が見えていました。その奥の船形山は雲の中。2mSSBにて県内2局に交信いただきましたが、後は続かず早々に終了。西風が強く、短時間の運用としました。

 

 無線運用を兼ねて毎度散歩している大年寺山ですが、いつもと違うルートで歩いてみるとちょっとした発見があったりします。前回、あまりの藪で退散した崖沿いの細道もどこに続いているのか気になっており、そのうち探索してみるつもりです。

 

 

 

 

 

 


feed 大年寺山 3/20 (2022/3/21 16:43:18)

 

 

 3月16日23時36分頃に発生した最大震度6強の福島沖地震。仙台市内は5強。自分は寝ていたのですが、最初の少し強い地震で目が覚めたものの、すぐ収まったのでそのまま寝ていたら、部屋全体が上下左右に揺さぶられる激しい揺れに襲われ、これはただ事ではないと直感、寝ているどころではなくなりました。自分の知り合いでテレビが飛んで壊れたとかマンション上階で風呂水があふれたという方がいました。倒れた本棚の下敷きになって動けず、36時間後に助け出されたとのニュースもありました。我が家は家具など固定しているので大丈夫でしたが、水の入った花瓶があり、危ないところでした(液体モノは要注意)。

 

 3連休ではあるものの強い余震が心配されるとのことで、電車での移動は見合わせ、いつもの大年寺山へ散歩運用に出かけてみました。

 

山道入り口付近(案内標識なし)

 

 「ますみ保育園」の裏から山道に入ると、10分ほどで大年寺山公園の伊達家墓所(無尽灯廟)の脇あたりに出ます。5代、10代、12代藩主とその夫人たちが祀られているそうで、入り口の柵から覗いてみると墓石は大丈夫なようでしたが石灯籠らしきものがいくつか倒れていました。昨年2月の地震に続き、今回さらに被害が広がってしまったのかもしれません。

伊達家墓所(無尽灯廟)

 

 無線の運用場所は墓所北側の奥まった広場で、あまり人が来ず、大年寺山周辺で唯一テレビ塔からの抑圧を受けないポイントでもあります。標高は100mあるかないかではあるものの、北方向のロケとしては悪くないです。

 

 

 

 2mSSBにて県内3局と交信。FMと違い、CQを出しても圧倒的に空振りが多いのですが、ぽつりぽつりとでも応答いただけるのでありがたいです。本日もD-star仙台青葉にてJP7IEL局と連絡、145MHzDVシンプレックスにQSYしロングにお付き合いいただきました。距離約50km、ホイップ系アンテナの場合は信号の浮いてくる位置を探して、いつもぎりぎりの交信となる位置関係ですが、安定して入感。この半年ほど使い続けている給電部共有の3エレデュアル八木、そこそこ利得が感じられ、使い勝手もまずまずといったところです。

 

 

 昼過ぎ、バンドスコープをみると、交信しているのは自分たちのみとなってしまったようです。彼岸の墓参りの方々もちらほら。無線は終了し、以前から気になっていた崖を下る細道を探索しようと入ってみたものの、あまりの藪に断念。いったん広場まで取って返し、元来た道を戻りました。

 

 

 

 

 

 

 


feed 疣石山 3/13 (2022/3/14 13:24:17)

 

 

 雨がぱらつく予報もあったものの、なんとかなるだろうと出かけてみました。前回、積雪でいまひとつ様子がつかめなかった馬船林道から入山。

 

 東街道より林道への入り口付近に溜池(堤)があります。興味が涌いて下りてみると、道路に面した堤の奥にもう一つの溜池が雑木林に囲まれて静かな湖面をたたえておりました。落ち着いた佇まいで、これから登る疣石山も眺められました。自分が子どもの頃は、このような溜池があちこちにあって、危ないから近づいてはいけないと言われながらも時々出かけては弁当を広げたりした記憶がふと、よみがえりました。

浅生原溜池

 

 林道に戻り、最奥の民家を過ぎ、しばらくすると分岐となり、直進。馬船峠に続く本当の入り口となりますが、荒れた感じでわかりにくく、赤布もありません。

馬船林道入口

 

 ところどころに苔むしたコンクリート擁壁や樋があるものの、かつて林道であったことをうかがわせる名残はそのくらいで、自然的変化に身を任せるのみといった状態です。ただ、隣の高瀬林道に比べ藪やバラが少なく、全体としては歩きやすい印象を受けました。大きな崩落地は2カ所、そこにかすかな踏み跡らしきものがありました。この旧林道をルートの一つとして使っている登山者が少ないながらもおられるのかもしれません。

 

馬船峠

 

 約40分で馬船峠着。前回はここから鷹討山に登りました。今回は南に進み疣石山へ。よく踏まれた一本道です。かつては背丈ほどもある笹の藪道だったことを思うと本当に歩きやすくなりました。ゆるいアップダウン後、峠から30分で山頂着。疣石山のほか大沢山、物見山の山名板があります。標高314.6m。蔵王は見えず、霞の中に蛇行する阿武隈川がわずかに眺めれるのみ。雲行きも怪しくなって、急ぎ、アンテナを上げました。

疣石山山頂

 

 2mSSBにて県内数局と交信後、JP7IEL局に145MHzFM、DVにてお相手いただきました(距離約70km)。D-star仙台青葉で連絡後、シンプレックスへ。変調はとらえたものの41~51ほど。入感ポイントを探しながら数m移動、かつポールを斜めにして偏波面を調整し、なんとか信号が浮いてくれました。この状態でDVに移り良好に交信を続けていたのですが、突然復調しなくなり、試しにFMに変えても31ほど。これではデジタルで復調するはずがありません。原因不明のまま、D-star仙台青葉に戻りファイナルを送りました。この山頂はほぼ同じ標高の鷹討山が隣にあり、北方向が良くないのはわかっていたのですが、原因は謎です。装備の方は点検中。機会をみてまた試してみたいと思います。

 

 心配した天候の悪化はなく、運用中は薄日もさしてきました。正午を過ぎたことから先に進むことはせず、来た道をそのまま下山。無線以外、山中、誰とも出会うことはありませんでした。疣石山への山元町側からの直登ルートはなく、馬船林道が最短となります。林道の様子もわかったことだし、疣石山から高瀬峠、大森山、新城山を経て小斎峠へ下山あるいはその逆もわるくないかな、と考えています。

 

 

 

 

 

 


feed 『クモのイト』 (2022/2/27 17:15:01)

 

 

 ゲルマラジオの定番であるスパイダーコイル。中心部から外側に線材をクモの巣のように巻いていくことで線間容量を抑えたり外形を大きくしてQを高める、それでいて平面コイルなので収納上の利点もある、先人たちはよく考えたものだな、と感心してしまいます。子どものころ、コイルなるものを初めて巻いたのがスパイダーコイルだったためか、時々思い出しては作ってみたくなります。

 

 それはさておき、スパイダーの語源は「紡ぐもの」だそうで、クモというのは身近にあって不思議な存在ではあります。このような場所にクモの巣を張って、いったい1日にどのくらい獲物がかかるんだろうとか、その間、静かに待機して何を考えているのか、もし何日もなにも捕らえられなかったらどうなるんだろう、などといらぬ心配までしてしまいます。そんな疑問に答えてくれる本に出合ったので、無線やラジオと関係ありませんが、紹介してみます。

 

 著者はこの分野の研究者で、取るに足らない虫だと思っていたクモの魅力に憑りつかれ、その賢さと複雑さの深みにはまってしまったようです。

 

 

 

 本によると、19世紀初頭には蚕のようにクモから糸を取って利用できないか、さまざま考案され、マダガスカルではクモの糸を使った布製品を作るため、容器に入れたクモを並べ、一匹あたり150m~600mもの糸がとれたそうです。しかし、クモは共喰いの習性があり、安定的に供給するところまではいかず頓挫。実際にクモの糸で作った服は現存し、博物館に展示されているとのことです。数年前、山形県鶴岡市のベンチャー企業がクモの糸の人工合成と実用化に成功したとの新聞報道がありました。クモの糸は強度、伸縮性ともにナイロンをはるかに上回るなかなか魅力的な素材ではあるようです。

 

 クモの巣というのはどうやって張っていくものなのか、その作業の最中というのは見かけたことがないです。ネバネバしているのは横糸だけなのだそうで、まず縦糸を張ってから最後に回転しながら横糸を張っていく、脚の油分と細かい毛によって自分が絡まることはないそうです。糸はタンパク質なので、回収して食べ、また新しい巣を張りなおすのだとか。

 

 さて、巣(網)を張ったらあとはひたすら獲物がかかるのを待つのみ・・・、そんな受け身のスタンスで食欲を満たすだけの獲物がかかるものなのか、クモとしての生活は成り立つのか、疑問が湧いてくるわけです。実は巣におびき寄せる様々な手立てが講じられていたのです。中心部に糸で花のような形を作って蝶を騙したり、あるいは獲物の残骸や落ち葉を飾り付け、いつしか発酵して匂いを出し、それに誘われてハエなどの虫が寄ってくる・・・。ハッと気づいたときには既に遅し、ネバネバの糸に絡めとられ、動くほどに絡まってしまう。受け身で待つどころか、巧みな術の数々に驚いてしまいました。

 

 クモの交尾は「交接」というそうですが、メスにとってオスは交接相手でもあり、かつ餌でもあるとのこと、交接後は素早く逃げないとメスに食べられてしまうのだそうです。中には交接中にメスに食べてもらうため自分から身を投げ出す、いわば自殺行為をする外来種もあるだとか。自分の子孫を残せる可能性を高める行動と見られているようですが、ちょっと考えさせられます。

 

 発見されているものだけで5万種近くおり、日々新種のクモがみつかっていて推定12万種ともいわれているそうで、これだけのクモが日々エサを捕り、生命を次代につないでいるわけです。本によると世界中のクモが1年間で食べるエサの総量は4億トンから8億トン、そのほとんどは昆虫で3割から6割がクモによって食べられていることになるそうです。一見ひ弱で孤立無援なようにも見えますが、様々な技術を屈指して地球環境を保っている頼もしい存在なのかもしれません。

 

 著者の「あとがき」を紹介します。

 「もしクモがいなくなったら、この世界は大きく様変わりしてしまいます。私たちの日常生活では、クモの存在が意識にのぼってくることはあまりないかもしれませんが、そこはやっぱり親愛なる隣人なのです」

 

 知らないことばかりで、一気に読んでしまいました。

 

 スパイダーコイルを巻く際は、クモとクモの巣づくりの奥深さの一端でも思い浮かべながら、何か面白い巻き方がないか、考えを巡らせてみようかと思います。

 

『クモのイト』

中田謙介著 ミシマ社

2019年発刊

 

 

 

 

 

 

 


feed 馬船林道―馬船峠―鷹討山 2/12 (2022/2/13 9:36:50)

 

 

 気温零下とか1~2度の日が続き、山歩きは控えていたのですが、少し緩んでくれそうということで、気になっていた馬船林道(山元町側)を探索してみることにしました。山元町浅生原地区と角田市金津を結ぶ古くから往来のあった峠道だそうですが、南隣の高瀬峠と違ってここを車が通っていたのかどうかは定かでないです。もともと手入れされている様子はなく荒れた感じの林道で、この数年さらに荒廃が進んだようです。2019年の台風19号被害の直後、ここを下山した際は、足の置き場もない崩落箇所があり、危ない思いをしたことがあります。

 

 JR常磐線山下駅下車。そこそこ雪が積もっていました。温暖な地域ではあるものの、聞いたところ、内陸部よりも積もることがまれにあるそうです。東街道を経て馬船林道に入ると2軒の民家(別荘?)があり、奥の民家までは車の轍がありました。その先は一面真っ白、動物の足跡が点々と続くのみ。積雪は深いところで15cm程あり地面の様子は凹凸で推し量るしかありません。以前の記憶を頼りに進むと徐々に道幅が狭くなり、路肩がえぐられた大きな崩落地が3カ所ほど次々現れてきました。倒木によってふさがれたところもあり慎重に通過しました。放置された林道の成れの果て状態。ただ、登山道と考えれば一つのルートとして使えないこともないようです。

林道入り口付近↑↓

崩落地↑↓

 

 積雪で思いのほか時間がかかりました。入り口から約50分で小さな標識のある馬船峠着。道はここを堺に角田側へ下っていきます。峠といっても左右に山の斜面が迫って、見晴らしがあるわけでもありません。通る者を拒むかのような薄暗い峠。せり出す樹木にも雪がかかり、それが時々音を立てて落下し、自分の頭上にも大きな塊が落ちてきそうで気が気でありません。

馬船峠

 

 峠から南の斜面を登ると疣石山、北に進めば鷹討山となります。雪上に2足の明瞭な靴跡がありました。まだ早い時間ですが、すでに一人、峠を横切ったようです。無理せず、靴跡に続いて鷹討山に登ることにしました。雪の重みで笹が押し倒され、いつも以上に藪っぽい道をしばらく登ると、「金津展望台」。西に開けた小展望地で、今日は阿武隈川から沸き立つ靄と共に蔵王の峰々が一望となっていました。さらに吾妻、安達太良も。東街道分岐、「カオルの展望台」を過ぎ、峠から40分ほどで鷹討山に到着。陽がそそぎ、暖かい山頂。ここで無線運用としました。

 

 2mSSBおよびFMにて宮城県内、福島の10局ほどお相手いただいた後、JP7IEL局と久しぶりにQSO。D-star仙台青葉レピーターで連絡後、145MHzDVシンプレックスへ。山頂西北に樹木があってよいロケではありませんが、ほぼ安定して交信を続けることができました(距離約70km)。アンテナは今日もオープンスリーブのデュアル八木。やはりデュアルは重宝で、最近こればかり使っています。正午過ぎ撤収。

 

 下山はいつもの沢ルート。分岐がいくつかあり、ここを下る登山者はいないだろうと思っていたら、分岐の両方に下山した靴跡が続いていました。沢まで下ると別の尾根からの靴跡が合流。みなさん、縦横に歩いているようです。他の登山者と出会ったことはほとんどなく、赤布すらないに等しいルートですが、馬船峠といい、この下山路といい、今日は雪面に人の気配が感じられ、こういう雪の山歩きも悪くないかな、と思った次第です。

 

 

 

 

 

 


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