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hamlife.jp (2024/11/27 11:35:51)
現在データベースには 6129 件のデータが登録されています。
国際アマチュア無線連合 モニタリングシステム第1地域(IARUMS Region1)は3月期のマンスリーニュースレターで、「現在、IARU第1地域において軍事情勢の影響と思われる、不明なモード(電波型式)の信号がHF帯のアマチュア無線バンドで増加していることに気づきました。その多くは“ジャマー(受信を妨害または無効化するために送信される、意図的に送信される信号)”であると思われます。また、ロシアのデジタルモード『T-230-1A(通称「T-2A」)』のように、長い間確認されていなかった軍事用のモードも観測でき、これらの信号のほとんどは、20mバンド(14MHz帯)と40mバンド(7MHz帯)で受信されました」と報告している。
国際アマチュア無線連合(IARU)は、世界各国を代表するアマチュア無線団体で構成され、世界を3つの地域に分けて構成している。なかでも第1地域(Region1)はIARUの3地域の中で、ヨーロッパ、アフリカ、中東、北アジアを含む最も多くの加盟組織を持つグループとなっている(日本は第3地域=Region3に属する)。
今回、アマチュア無線バンド内への侵入電波などのサーベイを行っている「IARU第1地域モニタリングシステム(IARUMS Region1)」が、毎月発行しているニュースレターの3月期リポートの中で、アマチュア無線バンドに軍事的なものと思われる謎の電波の侵入が増加していることを30ページにわたり報告している。
以下、公表されたIARUMS Region1の3月期マンスリーニュースレターの一部を機械翻訳で紹介しよう。
3月、私たちはIARU第1地域で、現在の軍事情勢の影響と思われる以下のことに気づきました。
HF帯のアマチュア無線バンドにおいて、不明なモード(電波型式)での送信が増えています。その多くの場合、受信を妨害、または無効化するために送信される「ジャマー(意図的にほかの信号の上に送信される信号)」であると思われます。
その状況(短時間ではありますが、強力なバーストが組織的かつ反復的に飛び交う電波スペクトル)から考えられるのは「イオノゾンデ(電離層を調べて、HF帯の信号伝送に最適な周波数を決定するためのレーダー)」である可能性です。
さらに、ロシアのデジタルモード「T-230-1A(通称「T-2A」)」のように、長い間確認されていなかった軍事用のモードも観測されています。これらの信号のほとんどは、20mバンドと40mバンドの周波数帯で受信されました。
なお、公表された3月期のマンスリーニュースレターには、主にアマチュア無線家からの報告を元に作成された、周波数や時間、国名、モード(電波型式)、帯域幅、シフト幅などの“謎の電波”をまとめた膨大なリストが掲載されている。
国名は「国際電気通信連合(ITU)」による略号で表記されており、「RUS(ロシア)」や「CHN(中華人民共和国)」が目につく。また、「DETAILS(ディテール)」欄にある「OTHR」とは、HF帯のアマチュア無線バンドなどで無線家を悩ませるパタパタ音、いわゆるウッドペッカー信号の元凶と言われている軍事用の「OTHレーダー」のことだろう。
リストに掲載されている周波数を見ると、14MHz帯や7MHz帯だけでなく、18MHz帯、21MHz帯、28MHz帯、29MHz帯など、さまざまな周波数帯で“謎の電波”の報告がされている。詳しくは、記事下の「関連リンク」から確認してほしい。
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<パタパタ音の正体>40mバンドで広範囲な干渉を引き起こす「OTHレーダー」
ロシア「OTHレーダー」が妨害源!? アマチュア無線バンド、非常に活発なウッドペッカー信号に悩まされる
<6.999MHzで送信、10kHzの帯域幅>中国のOTHレーダーで40mのアマチュアバンドがQRM状態に
<【動画】度肝を抜かれる飛行映像が>廃墟となった超巨大OTHレーダー(キツツキ)施設が「ドローン」の障害物コースに!
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<2月24日から発効>ウクライナ、非常事態宣言で「アマチュア無線機の使用禁止」に
<公式サイトに掲載>IARU第1地域が「ウクライナのアマチュア無線局を受信してもQRV情報は流布しないで」と注意喚起
<私たちにできる最善のことは“聞くこと”です>ドイツのアマチュア無線連盟「DARC」、ウクライナ関連の情報を伝える
<「QRZ.com」アマチュア無線局データベース>ロシア局やベラルーシ局が検索できない状態に世界中のDXerが注視
<ウクライナアマチュア無線連盟(UARL)が>世界中のアマチュア無線コミュニティーから多くの励ましのメッセージを受け取ったと報告
<ロシアアマチュア無線協会(SRR)から>ウクライナ情勢に関連して「ロシアのアマチュア無線組織を代表して訴えます」とメッセージ
<米国CQ社が声明>ロシア、ベラルーシ、ウクライナ(ドンバス地域)のアマチュア無線局に対して主催コンテストへの参加を制限
<パドル製作と販売再開を報告>ウクライナのパドル職人・Yury氏(UR5CDX)、自身のネットショップで金銭的な援助を呼び掛け
<各国から応援メッセージ届く>ウクライナの無線家(UW1GZ)、Twitterで「アマチュア無線が恋しい、リモート運用の機会を提供してほしい」と発信
●関連リンク:
・国際アマチュア無線連合
モニタリングシステム第1地域(IARUMS Region1)3月のマンスリーニュースレター(PDF形式)
・International Amateur Radio Union/IARU(国際アマチュア無線連合)
・国際アマチュア無線連合(ウィキペディア)
日本国内の各アマチュア局について、許可されている電波の型式、周波数、空中線電力といった免許情報について、コールサインなどから検索できる総務省のデータベース「無線局等情報検索」によると、2022年4月18日時点で、アマチュア局は「378,398局」の免許情報が登録されている。前回紹介した4月11日時点の登録数から1週間で158局ほど減少した。
総務省が提供する「無線局等情報検索」では、アマチュア局以外に、パーソナル無線、簡易無線、放送局など、さまざまな無線局の免許データが検索できる。2019年1月7日から同サービスのWebデザインを含めて仕様変更が行われ、ほぼリアルタイムで無線局データが確認できるようになった。
その後、2020年3月16日夜の更新を最後に4月15日まで、1か月間にわたるメンテナンス作業が行われた。電波法施行規則の一部改正に合わせて“免許状記載事項等が不公表となっている公共業務用無線局等(警察、消防ほか)”の一部データを反映するための改修だったようだ( 2020年4月15日記事 )。
今回、2022年4月18日時点で、同じコールサインでも「移動しない局」「移動する局」など、それぞれ無線局免許が分かれている場合を含め、アマチュア局として「378,398局」の免許状情報が登録されていた。前回、4月11日時点のアマチュア局の登録数は「378,556局」だったので、1週間で登録数が158局ほど減少した。
また、1982(昭和57)年12月にスタートしたパーソナル無線。最後の1局の免許有効期限が昨年(2021年)の12月19日までだったため、翌日の2021年12月20日をもって「パーソナル無線」は0局となり完全に消滅ている。
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<官報号外で公布、4月15日から施行>電波法施行規則を一部改正、公共業務用無線局等(警察や消防などの一部)の“公表制度の見直し”を反映
<hamlife.jpスタッフの雑記>「令和」の無線局免許状を総合通信局で受け取ってきた
<免許状の有効期限まで継続運用可能>900MHz帯の「パーソナル無線」は、平成27年11月30日以降も使用できる!!
●関連リンク:
・総務省電波利用ホームページ 無線局等情報検索
・総務省
許認可等の有効期間の延長等が認められる場合があります
・総務省 特定非常災害特別措置法の概要(PDF形式)
・アマチュア局38万局割れ(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・無線局等情報検索の更新タイミング(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・消滅:パーソナル無線(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
「毎週、アマチュア無線を肴に、おかしく楽しく、そして深く、時には涙を、 時には役立つ話題をお送りしたいと思います。多彩なゲストをお迎えし、楽しく語って行きたいと思います。乞うご期待!」というハムのラジオ。2013年1月6日からインターネットでコンテンツの公開を行い、同年10月から2018年12月末までは茨城県水戸市の「FMぱるるん」で放送。2019年1月からは再びインターネット配信に戻っていたが、同年6月から毎週日曜日21時に千葉県成田市の「ラジオ成田」で地上波放送が再開した。さらに2020年4月からは毎週月曜日の13時から再放送も行われるようになった。
2022年4月17日の第485回放送は「YOTA-JAPANってなんやねん?」。今年3月に一般社団法人化した「YOTA-JAPAN」について、番組レギュラー陣の一人で同社団法人の代表理事を務めるJR2KHB 須田氏が説明するという内容だ。
公開されたポッドキャスト音声は約51分。聴取は下記関連リンクから。Web上のほかiTunesかSticherのリンクからも聴くことができる。
●関連リンク: ハムのラジオ第485回の配信です
先週のアクセスランキング1位は、アイコム株式会社が行っている、2.4GHz帯および5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機の開発プロジェクト「ICOM SHF Project~SHF帯への挑戦~」の最新情報として、開発中の無線機のコンセプトモデル「SHF-P1」のデザインスケッチを同社サイト内で2022年4月15日に初公開したニュース。デザインスケッチが初公開されたことで、この無線機の商品化が現実味を帯びてきた。本年5月20日から米国オハイオ州で開催される「Hamvention」の会場の同社ブースで、プロトタイプの展示を予定している。
続く2位は、CQ出版社から4月19日(火)に発売される、アマチュア無線界で唯一の月刊誌、「CQ ham radio」2022年5月号の内容に関する情報。特集は「サイクル25の太陽活動好調! HFコンパクト・アンテナ活用ガイド」、別冊付録として「2022年版 春のDX入門」が付く。そのほか「ファースト・インプレッション」では、「八重洲無線 C4FM/FM 144/430MHz デュアルバンド・トランシーバ 『FTM-200D』」、そのほか「特別寄稿 全固体化HF大電力送信機開発物語」「読者の製作教室 移動運用にピッタリの“WVRアンテナ”」「JR3JJE 堀江謙一さん 世界最高齢での単独無寄港太平洋横断出発!」など今号も盛りだくさんな内容だ。価格は990円(税込)。
3位は、「<各国から応援メッセージ届く>ウクライナの無線家(UW1GZ)、Twitterで『アマチュア無線が恋しい、リモート運用の機会を提供してほしい』と発信」。ウクライナのアマチュア無線家の一人、Dmitry Rezinets氏(UW1GZ)が、Twitterで「私はアマチュア無線がとても恋しいです。どなたかの無線局をリモートで利用して、“貴方の国のプリフィックスのあとに『/UW1GZ』”として運用する機会を与えてほしい。主にCWがオンエアーできれば嬉しいです。73!」と呟いたところ、各国の無線家から多くの応援メッセージが届き話題になっている。記事掲載後、Dmitry氏本人から「I’m famous again(また有名になってしまった)」とTwitterで書き込みがあった。]
※タイトルをクリックすると該当記事にジャンプします。
1)<コンセプトモデル「SHF-P1」のデザインスケッチ初公開>アイコム、開発中の「2.4GHz帯、5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機」最新情報を掲載
2)<特集は「HFコンパクト・アンテナ活用ガイド」、別冊付録「2022年版 春のDX入門」付き>CQ出版社が月刊誌「CQ ham radio」2022年5月号を刊行
3)<各国から応援メッセージ届く>ウクライナの無線家(UW1GZ)、Twitterで「アマチュア無線が恋しい、リモート運用の機会を提供してほしい」と発信
4)<若いアマチュア無線家の育成を目指す>「YOTA Japan」が法人化を果たし「一般社団法人Youngsters on the Air Japan」としてスタート
5)<1人1点を先着順で配布>JARD、原 昌三氏(JA1AN)が保有していた真空管などを「第三回ハムらde無線フェア」会場で無償譲渡
6)日本無線協会、令和4年4月期の1・2アマ国家試験問題および正答を公式発表
7)<CWコンテストを擬似体験>CWラーニングソフト「Morse Runner(モールス・ランナー)」、ALL JAコンテストや全市全郡コンテスト対応版リリース
8)<アイコムの新型ATU「AH-730」インプレッション>「月刊FBニュース」、8本の連載とニュース2本をきょう公開
9)<余裕をもって申し込み、受付期限の確認を>2022年度、日本で受験できる米国アマチュア無線の資格試験スケジュールまとめ
10)<河川敷で思い思いに野営を楽しもう>ミリタリー愛好者のお泊りイベント、4月16日(土)~4月17日(日)神奈川県相模原市で「軍用無線春季キャンプ」開催
一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)選挙管理会は先ほど、「令和4 年通常選挙」の開票結果をWeb上で告示した。今回投票が実施された地方本部ごとの理事候補者(中国地方本部で1名)、地方本部ごとの社員(関東20名、東海12名、関西12名、中国8名、九州8名、東北8名、北海道4名、信越4名)、支部区域ごとの社員(青森県、山形県で各1名)の顔ぶれが決定した。
2022年2月1日に告示されたJARLの「令和4年通常選挙」は、4月15日(金)18時の郵送到着分で投票が締め切られ、きょう4月16日(土)の午前9時30分から、東京都町田市小山ケ丘の株式会社アグレックス 多摩境システムセンター(三井倉庫レコードセンター内)で開票作業が行われた。
先ほどすべての開票作業が終了し、その結果が16時40分にJARL
Webで告示された。ここでは公式発表を各候補者の得票数をカテゴリー別でまとめた。
なお今回の投票率だが、毎回の通常選挙で指標としてきた全国選出理事候補が今回無投票となったため単純比較はできないが、地方本部区域ごとの社員(関東地方本部)の投票率は33.2%で、前回の令和2年通常選挙の同カテゴリー(35.5%)からは2.3ポイント下落した。
◆地方本部区域ごとの社員(総会に参加し討議・決議する役目)
◆支部区域ごとの社員(「支部長」の業務と、総会に参加し討議・決議する役目)
◆地方本部ごとの理事候補者(地方選出理事、地方本部長)
(地方本部長の役割と、連盟を代表し理事会を構成。業務方針や予算などを審議決定)
通常選挙で選ばれた(無投票当選者を含む)理事候補者は、2022年6月26日に開催が予定されている第11回定時社員総会における決議を経て理事就任が確定する。過去には通常選挙で選ばれた理事候補者の就任が否決されたケースもある。
また新社員・新理事の任期は、2022年6月26日の第11回定時社員総会終了後から2年間(2024年6月の定時社員総会終了まで)となっている。
●関連リンク:
・PDF:令和4年通常選挙 結果告示(JARL Web)
・令和4年実施の通常選挙について(JARL Web)
昭和の時代の中古無線機を探すのが好きなhamlife.jpスタッフ。ある日、某無線ショップのWebサイトで「老舗販売店の倉庫にあった物です。未使用品と思われます」と書かれた、1968(昭和43)年製の無線機が売りに出ているのを発見、珍しさから脊髄反射的にポチってしまった…。そんな話を久しぶりのスタッフ雑記としてお届けしよう。
昭和43年5月製造、株式会社井上電機製作所のFDFM-2(144Mc帯、FM2Wトランシーバー)を購入
無線ショップのWebサイトに出ていた告知。「老舗販売店の倉庫にあった物です、未使用品と思われます」のコメントを見て、脊髄反射的にポチってしまった…
無線ショップのWebサイトで発見したのは「FDFM-2」という型番の144Mc帯(※)FMのオールトランジスター式トランシーバー。製造したのは4年前(昭和39年)に創業したばかりの無線機器メーカー、株式会社井上電機製作所(略称:I.E.W.、本社:大阪市東住吉区)で、当時の価格は42,500円。この年の大卒初任給は30,200円なので、かなり高価だったようだ(※周波数呼称がサイクル=c/sから、ヘルツ=Hzに変更されたのは1972年7月のこと)。
届いた段ボール箱は、経年変化で状態が悪かった
ポチってから2日後、経年変化で赤茶色になった段ボール箱が送られてきた。側面には「ALL TRANSISTOR TRANSCEIVER IEW(FDFM-2)」と印刷されている(FMの“F”と“2”はゴム印)。恐る恐る中を開けると、ビニールに包まれた無線機本体、マイク、説明書、付属品などが出てきた。段ボール箱ほどの経年変化はなく、特に無線機本体は錆もなく非常に美しく、とても半世紀以上前の無線機とは思えない。また「I.C.E」という銘板が付いたハンドマイク(フォスター製)も美しく、カールコードの樹脂がドロドロに溶けるような現象も見られない。
箱を開けると、ビニール袋に包まれた本体や付属品、説明書類が入っていた
本体は非常に美しく、錆などは見られない
付属品は全長50cmのロッドアンテナ、車内取付用の金具、取扱説明書、回路図、保証依頼書、そして井上電機製作所が同じ時期に新発売した無線機のカタログ(50Mc帯ポータブル機のFDAM-3型、HF帯SSB送受信機のIC-700T/IC-700R、FDFMシリーズのFMトランシーバー)だった。残念ながら電源コードは欠品のようだ。
付属品や説明書類も取り出してみた
取扱説明書と昭和43年当時の無線機カタログ、保証依頼書など
取扱説明書は使用トランジスターのリストから、保守・調整方法まで詳しく書かれている。また保証依頼書はハガキ形式で7円切手が貼られている。これに記入して井上電機製作所に送ると正式な保証書が送られてくるらしい。製造から54年経過した今、この保証依頼書を同社に送ってみたらどうなるだろうか? ちょっと試してみたい衝動に駆られたが、そういう輩がいることを見越したのか、保証依頼書には「発送月日より6ヶ月以内に保証依頼なき場合は保証できません」と書かれていた…。
付属していた回路図
取扱説明書の2~3ページ目
使用トランジスターの一覧表。受信部初段は2SC384、送信部終段は2SC730を使用
保証依頼書は思わず投函してみたくなった
FDFM-2のフロントパネルは70×160mmで、ここにスケルチ、音量、チャンネル切り替え、メーター切り替えの4つのツマミが並び、下段には小型メーター(ラジケータ)、電源スイッチとマイクコネクタ(3P)を配置したシンプルなもの。パネルの左下に穴があるが、これは付属のロッドアンテナ取り付け用。ここにロッドアンテナを差し込み、別売の電池BOX(単1×8本)を本体底部に取り付けることでポータブル運用ができる構造になっていた。本体重量は約1.5kgだが、電池BOXを取り付けると総重量は3kgを超えるようだ。
FDFM-2のフロントパネル
FDFM-2のリヤパネル。ここに別売の電池BOXが取り付けられる。なお銘板の会社名略称は「I.E.W.(INOUE ELECTRIC WORKS CO.,LTD)」だが、マイクロホンやフロントパネルは「I.C.E.(INOUE COMMUNICATION EQUIPMENTS CORP.)」となっている
FDFM-2が登場した昭和43年当時、VHF帯の主流は50Mc帯だった。144Mc帯は徐々に運用者が増え、電波型式がAMからFM中心に変わりかけていた時期だ。良いデバイスが少なく、ファイナル(電力増幅部)まですべてトランジスター式にしたコンパクトな2m機を作った井上電機製作所の技術力は高かった。
FDFM-2の内部(上蓋を外したところ)
FDFM-2の内部(下蓋を外したところ)。水晶発振子は144.48Mcの1波のみ装備
とは言え、FDFM-2が送受信できるのは144Mc帯の3chのみ。呼び出し用として使われることが多かった(※)144.48Mcの水晶発振子のみ標準装備されていて、あとの2ch分は希望する周波数の水晶発振子を無線ショップに注文(有償)して追加しなくてはならなかった。ちなみに井上電機製作所が144~146Mcを40kcステップでフルカバーする、世界初のPLL搭載FMモービル機「IC-200」を発売したのは、FDFM-2から4年後の1972年のことだった(JAIAが結成され、JARLがチャンネルプランを作ったのは昭和46年になってから)。
FDFM-2の内部を開けると、たった今作られたかのような美しい基板なのに、現在では使われることがないような大型の電子部品が並んでいる不思議さがあり、芸術的とも言える配線の引き回しや、ところどころに見られる手作り感など、見ていてまったく飽きない。しばらくは蓋を開けたままシャックに置き、眺めていようと思っている。
FDFM-2の内部。中央は送信出力部
FDFM-2の内部。リレーとコイルまわりを眺めているだけで酒が美味しく飲めそうだ
なお、株式会社井上電機製作所(略称:I.E.W.またはI.C.E.)は1970年に本社を大阪市平野区へ移転。1971年に略称を「ICOM(当初の読み方は“イコム”、その後“アイコム”)」とし、1978年にアイコム株式会社に商号変更を行っている。
同社が本社内に開設しているショールームでも、FDFM-2を見ることができるが、ホイップアンテナや電池BOXが取り付けられない5Wタイプの「FDFM-2S」のようだ。もし“貴方のFDFM-2をショールームの展示用に寄贈してください”と言われたらどうしようか…と、今から考えている(hi)。
アイコム大阪ショールームにもFDFM-2を展示(写真上段左から2番目)。ただしホイップアンテナや電池BOXが付けられない、5Wタイプの「FDFM-2S」のようだ
●関連リンク: アイコムの歩み(アイコム株式会社)
日本における、2022年4月16日時点の「アマチュア無線局のコールサイン発給状況」をまとめた。1エリア(関東管内)の関東総合通信局から、4月に入って3回目となる更新発表あった。
各総合通信局で公表している、コールサインの発給状況は下表の通りだ。
ところでアマチュア局のプリフィックスの割当ての順番に触れておこう。まず1エリア(関東管内)を例に取ってみると、最初はJA1 → JH1 → JR1 → JE1 → JF1 → JG1 → JI1 → JJ1 → JK1 → JL1 → JM1 → JN1 → JO1 → JP1 → JQ1 → JS1と一度目の発給が行われた。
その後JE1からプリフィックスのアルファベット順での空きコールサインの再割り当てが行われ、JE1 → JF1 → JG1 → JH1 → JI1 → JJ1 → JK1 → JL1 → JM1 → JN1 → JO1 → JP1 → JQ1 → JR1 → JS1と進んだ。
さらにその後、数字の7で始まる7K1 → 7L1 → 7M1 → 7N1 → 7K2 → 7L2 → 7M2 → 7N2 → 7K3 → 7L3 → 7M3 → 7N3 → 7K4 → 7L4 → 7M4 → 7N4の発給が行われ、その後にJA1 → JE1 → JF1 → JG1 → JH1 →JI1 → JJ1と2度目の再割り当てが進行している。
また2エリア(東海管内)と3エリア(近畿管内)も、関東の1回目の再割り当てと同様に「JS2(JS3)終了後に、JE2(JE3)からプリフィックスのアルファベット順」で再割り当てが進行している。
しかし6エリア(九州管内)は、JQ6までの発給が終了後(JS6は沖縄に割り当て)、JA6から、プリフィックスのアルファベット順での再割り当てが行われている。
このあたりの経緯と詳細は、日本におけるコールサイン研究の第一人者、JJ1WTL・本林氏のWebサイトが詳しい。
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<総務省のデータベース「無線局等情報検索」で判明>7エリア(東北管内)、令和3(2021)年1月28日付で「JQ7AAA」を発給
<令和3(2021)年1月20日発給分から>6エリア(九州管内)、「JE6」のプリフィックスが終了し「JF6AAA(二巡目)」からの割り当て開始
●関連リンク:
・JQ7の割り当てに突入(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・The Enigma of Japanese Call Sign System(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
・「「7K1~7N1」「7K2~7N2」「7K3~7N3」「7K4~7N4」は再割り当てされません」?(CIC:JJ1WTL 本林氏のブログ)
アイコム株式会社は2022年4 月15日、昨年12月に発表した2.4GHz帯および5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機の開発プロジェクト「ICOM SHF Project~SHF帯への挑戦~」の最新情報として、開発中の無線機のコンセプトモデル「SHF-P1」のデザインスケッチを同社サイト内で初公開した。本年5月20日から米国オハイオ州で開催されるHamvention会場の同社ブースでプロトタイプの展示を予定しているという。
アイコムが公開した「SHF-P1」のデザインスケッチ(表示等はイメージ)
アイコムは昨年12月10日、『これまでは機材、技術的にハードルが高かったSHF帯を、誰もが気軽に運用できるバンドにするために、そしてアマチュア無線の新しい楽しみと可能性を示すために、誰も想像しなかったSHF帯への対応という画期的なアマチュア無線機の開発を進めています』として、2.4GHz帯および5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機の開発に着手したことを表明。「ICOM SHF Project~SHF帯への挑戦~」と題した特集ページを開設した。
さらに今年2月15日には「越えなければならない2つの壁」として、SHF帯で運用する場合はケーブルの損失が最大のネックとなることと、SHF帯ではより精度の高い周波数安定度が求められることを説明。これらの課題をクリアする方法として、ケーブル損失の軽減には「コントローラー部分」と「RFユニット部分」を分離してLANケーブルで接続・給電すること、また周波数安定度についてはGPS(GNSS)信号を基準にして高度な周波数管理が行うという設計方針を明らかにした。
そしてこのほど4月15日には、上記設計方針で開発を行っている無線機のコンセプトモデル(「SHF-P1」と命名)のデザインスケッチが初公開された。コントローラー部分は同社のHF~430MHz帯ポータブル機「IC-705」をベースにしたコンパクトサイズで、デザインもIC-705をベースにしている(操作系も可能な限り統一)。IC-705はリアルタイムスペクトラムスコープが特徴の1つだが、SHF-P1は広大なSHF帯に対応すべく、仕様を検討しているという。
「SHF-P1」のコントローラー部分のデザインスケッチ(表示等はイメージ)。アンテナ直下のRFモジュール部分とはLANケーブルで接続する
一方、アンテナ直下への設置を想定したRFモジュール部分は防水構造で、上部に2.4GHz帯と5.6GHz帯の独立したアンテナ端子を用意。さらにGPS信号を基準とした高度な周波数安定度を実現するためにGPSアンテナも装備している。
「SHF-P1」のRFモジュール部分のデザインスケッチ
デザインスケッチが初公開されたことで、この無線機の商品化が現実味を帯びてきた。5月の米国Hamvention会場でプロトタイプの展示が行われるということは、日本での初披露は8月20~21日の「ハムフェア2022」会場になる公算が高い。今後のプロジェクト進捗情報にも期待していきたい。
「ICOM SHF Project」Vol.3のPDF版も公開された
「ICOM SHF Project」に関する過去の記事はこちらから↓
<新たなプロジェクトの取り組みをスタート>アイコム、「2.4GHz、5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機」の開発着手を表明 (2021年12月10日掲載)
<越えなければならない“2つの壁”>アイコム、開発中の「2.4GHz帯、5.6GHz帯に対応するアマチュア無線機」進捗状況を公開 (2021年2月15日掲載)
●関連リンク:
・ICOM SHF Project~SHF帯への挑戦~(アイコム)
・アイコム株式会社 Twitterアカウント
・アイコム Facebookページ
・アイコムホームページ
CQ出版社は、上級アマチュア無線技士国家試験受験者に向けた無線工学の参考書「解説・無線工学 2022/2023」を2022年4月20日に刊行する。同社発行の「第2級ハム国家試験問題集」「第1級ハム国家試験問題集」に対応し、問題と解答だけではわかりにくい既出問題を解くのに必要な知識を、系統的にかつ、できる限りやさしくまとめているのが特徴だ。価格は3,740円(税込)
「解説・無線工学 2022/2023」表紙
CQ出版社のWebショップによると、同書の概要は下記のとおり。
★「解説・無線工学 2022/2023」
・サイズ: A5判 480ページ
・定価: 3,740円(税込)
・著者: 野口幸雄
・概要:
本書は、上級ハム資格を目指して勉強されている方向けの“無線工学”の解説書です。弊社発行の『第1級ハム国家試験問題集』、『第2級ハム国家試験問題集』に対応しており、問題と解答だけではわかりにくい既出問題を解くのに必要な知識を、系統的にかつ、できる限りやさしくまとめています。
・目次:
本書の特長と使い方
第1章 電気物理
1. 静電気の概要
2. 静電容量とコンデンサ
3. 磁気の概要
4. 電気抵抗
5. 導体、絶縁体、半導体、絶縁材料
6. 電流の作る磁界
7. 磁界中の電流に働く力
8. ヒステリシス曲線
9. 電磁誘導作用
10. 電気の諸現象
11. 電磁波
12. 電気の単位
第2章 電気回路
1. 直流回路
2. 交流回路の基礎
3. 交流回路
4. 交流回路の電力
5. 複素数による交流の表示
6. 交流ブリッジ回路
7. 変圧器
8. ひずみ波交流
9. 過渡現象
10. フィルタ回路
第3章 半導体素子、電子管
1. 電子とその作用
2. 半導体
3. ダイオード
4. バイポーラトランジスタ
5. 電界効果トランジスタ
6. 集積回路
7. ブラウン管
第4章 電子回路
1. 増幅回路
2. 発振回路
3. 変調回路
4. 復調回路
5. 周波数変換
6. 波形整形回路
7. 論理回路
第5章 通信方式
1. DSB通信方式
2. SSB通信方式
3. FM通信方式
4. モールス無線電信通信
5. 周波数偏移通信(RTTY)
6. 衛星通信
7. PCM通信方式
8. 月面反射通信
第6章 送信機
1. AM送信機
2. SSB送信機
3. FM送信機
4. AM電信送信機
5. 送信機のスプリアス発射
6. 送信機の送信周波数を安定させる方法
第7章 受信機
1. 受信機の総合特性
2. AM受信機
3. SSB受信機
4. FM受信機
5. 単一調整
6. 混信妨害
第8章 電波障害
第9章 電源
1. 直流電源回路の構成
2. 整流回路
3. 平滑回路
4. 電源回路の特性
5. 電池
6. 電力変換装置
7. 定電圧回路
8. 電源回路の異常現象
第10章 アンテナ及び給電線
1. 電波
2. 進行波、定在波
3. アンテナの共振、固有波長
4. 延長コイル、短縮コンデンサ
5. アンテナの実効抵抗、放射効率、接地方法
6. アンテナの放射電界強度
7. アンテナの指向性、利得
8. 受信アンテナの誘起電圧
9. 代表的なアンテナ
10. 給電線
11. 給電線とアンテナとの整合
第11章 電波伝搬
1. 電波の伝わり方
2. 電離層
3. 電離層での電波の屈折、反射、減衰
4. 電離層の臨界周波数
5. 電離層伝搬
6. 超短波帯以上の電波の伝搬
7. 電波のドプラ効果
8. 電波雑音
9. 電波の強度に対する安全施設および電波の強度の算出方法
第12章 測定
1. 指示計器の誤差
2. 指示電気計器
3. 倍率器、分流器
4. 電池の内部抵抗の測定
5. 測定器
6. オシロスコープ
7. スペクトルアナライザ
8. 接地板の接地抵抗の測定
9. SSB送信機の出力電力の測定
付録
今後の上級ハム国試を受験する人に既出問題集と共にお勧めしたい1冊だ。購入・予約は下記Amazonリンクが便利だ。
●関連リンク: 「解説・無線工学 2022/2023」(CQ出版社 Webショップ)
毎年4月18日は、国際アマチュア無線連合(IARU)が制定した「世界アマチュア無線の日(World Amateur Radio Day/WARD)」。この日は、IARU加盟団体が“アマチュア無線の力”を広く一般に伝え、世界中のアマチュア無線家と友好を育むことを目的としている。2022年4月18日(月)で97周年を迎える。今回の記念日のテーマは「Celebrating Amateur Radio’s Contribution to Society(アマチュア無線の社会貢献を祝う)」だ。
今から97年前のこの日、フランスのパリにIARUが創設されたことを記念したもので、テーマは「Celebrating Amateur Radio’s Contribution to Society(アマチュア無線の社会貢献を祝う)」。TwitterやFacebookでハッシュタグ「#WorldAmateurRadioDay」でアマチュア無線の日の活動を広く伝えようと呼びかけている。
アマチュア無線の先駆者たちは、「使い物にならない」と言われていた短波帯を開拓し、世界中と交信できることを証明した。無線通信の急速な普及で一時はアマチュア無線バンドが奪われる危機に直面したが、ARRLの共同創設者であるHiram Percy Maxim氏(1AW)ら、アマチュア無線のパイオニアたちが1925年にパリに集まり、世界中でアマチュア無線を支援するために、IARUを設立した。
その2年後に行われた国際無線通信会議で、アマチュア無線は現在でも認められている160/80/40/20/10mのバンド割り当てを受けた。IARUは創立以降、アマチュア無線の周波数割り当てを守り、拡大するために不断の努力を重ねてきた。
創設当時、IARUに加盟しているのは25の国と地域だったが、現在は世界の3つの地域に160の加盟団体を持つようになった。第1地域には、ヨーロッパ、アフリカ、中東、北アジアが含まれ、第2地域はアメリカ大陸をカバーし、第3地域はオーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島諸国、アジアの大部分で構成されている。国際電気通信連合(ITU)も、IARUをアマチュア無線の利益代表と認識している。
ARRLニュースによると、「世界アマチュア無線の日には、すべてのアマチュア無線家が電波を通じて、世界中の無線家と友情を交わし、楽しみながらスキルアップに貢献しよう」と、ARRL広報・イノベーション担当のBob Inderbitzen氏(NQ1R)が語ったと伝えている。(ARRLニュース 4月8日 ※許可を得て抄訳転載/(C)ARRL )
なお、一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)では、東京・大塚のJARL本部からJARL中央局「JA1RL」の運用を予定している。「世界アマチュア無線」当日はは平日となるため、前日の4月17日(日)午前10時から夕刻まで、JA1RL運用委員会によりHFから430MHz帯での運用を行う計画が進められている。
●関連リンク:
・World Amateur Radio Day is April 18(ARRL NEWS)
・2022 World Amateur Radio Day is April 18(ARRL)
・World Amateur Radio Day(IARU)