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link JR4GPAの「つぶやき」 JR4GPAの「つぶやき」 (2024/5/2 14:05:36)

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feed 明けましておめでとうございます。 (2021/1/2 19:00:07)
明けましておめでとうございます。

数日前に、2日はQSOパーティーだなあと思っていましたが
すっかり忘れていました。
FT8で CQ NYP って文字を見たので あ、そうか今日から
だったと慌てて10MHz CWで24局QSOして今年のノルマ達成。

去年も書いたのですが、こちらからHNYと送っても、いきなりナンバーを送る局が
今年も24局中3局いました。
コンテスト感覚での参加ですかね???


BLOGの更新頻度がだんだん減少しています。
毎回同じようなネタになるんで、自分の中では盛り上がれません。

昨年も数名の方から、ご依頼をいただきました。
私を信用して、大切な無線機をお預けいただき、誠にありがとうございました。
あまり多くご依頼をいただくと、自分の無線機を整備する時間が
なくなりますが、お預かりするには、無線機をプレゼントしていただくと言う
厳しい条件がありますので、余程の冒険者でないとお問い合わせされませんので
丁度よい依頼数ではあります。

これが人生最後の無線機だから、修理したいと言われたOM。
ご依頼いただいた無線機が直って、連続通電中に入院するので発送を待ってと言われて
無事退院されたOM。その後お変わりありませんか?
修理不能だった無線機を、差し上げますので何かにお使いくださいと
無償提供いただいたOM、まだ諦めていませんよ。その基板が
生きているであろう無線機が、格安で出てくるのを網を張って
各所を当たっています。

修理屋さんと違って、世間話を交えたくだらないメールにお付き合いいただきながら
無線機を修理していますので、その無線機の思い出などをお聞かせいただける場合もあります。
そう言う話を聞くと、みなさんの思い出が詰まっている無線機だから、どうにか
復活させてあげたいという気持ちが湧いてきます。

今年も迅速対応で1台でも多く、メーカーに見捨てられた無線機を直せて
あー良かったと言って頂けるよう頑張りますので
今年も 「くだらないBLOG」 になると思いますが、よろしくお願いいたします。








feed JST-100 修理 (2020/11/8 11:37:58)
JST-100Sの修理です。
JST-100が100W機 JST-100Sが10W機のようで、JRCの無線機で
10W機を見るのは初めてです。

落雷品の部品調達の間に、ちょいちょいとやっつけるかと
思って始めたら、まんまと落とし穴にはまってしまって、抜け出せなくなり
1か月もこれに遊ばれていました。

落とし穴とは、「接触不良と半田クラック」です。

最初はCWで送信できないと聞いていたのですが、届いたJST-100Sは
トラックの振動で見事に復活していました。
そして、何度が電源をON/OFFしていると
・Sメーターが振り切れる
・CPUが誤作動して、変な表示が出て動作しない
・感度が急に下がる
など、不具合が出たり直ったり。
こりゃ重症だな....

まずは、CWのキージャンクの半田を確認。クラックは見られませんが、念のため再半田。
回路図から、キージャックから基板の信号ラインの全てを再半田。
こちらでは、CWで送信できないと言う現象が確認できていないので
これで直っているのか、的外れのことをしているのかは分かりません。


CPUがまともに動作しなのであれば、CPU制御の無線機は安心して
使えませんので、これも早く対処しておかなければなりません。
半田の怪しい部分を再半田します。


フロントパネルのスイッチ類も接触不良満載で、メーター切り替えスイッチを操作しても
切り替えている表示通りの動作をしてくれません。
VFOの切替スイッチも接触不良です。

まあとにかく、
・スイッチ類の接点清掃
・マザーボードのコネクタの接点清掃
・各基板のコネクタの接点清掃
・怪しい部分の半田を吸い取り、新しい半田で再半田
の繰り返しで、忍耐だけの作業です。
あっさり何かが壊れている修理の方が楽です!

と、言う訳で、作業デスクはこのJST-100Sに1か月占領されていたので
部品が届いている「落雷品」の無線機には手が出せませんでした。
BLOGも更新できるようなネタが無かったので、1か月分をまとめて
今日の投稿です....

どうにか使えるレベルまでになったので、これで終了です。


さあ、次だ!!

feed 落雷品の無線機 修理 (2020/9/26 20:24:17)
ある無線機を入手。
まあまあの高級機。入門用じゃない価格で当時は売られていました。

多分落雷にあったものと思われますが、パワーは出るとの事でしたので
PAユニットとLPFが取れれば、FT-817や10W機などのリニアアンプが作れるかと購入。
でもいつもの悪い癖で、どこまで動くのか、修理は出来ないのかと
回路図と にらめっこ しながら始めてしまいました。
素直に部品取りにはしません。面白い教材ですからね!

プリント基板のパターンが吹き飛んでいたり、火を噴いて黒焦げになっていたり。
当然部品も壊れています。

こんな部品を交換しています。


左の2SC1815は大きさの比較用で新品です。この大きさなら楽なのですが
交換するのはその左の米粒よりも小さい物。

そのうちの1個を半田とともに写したのがこれ


通常使っている直径1ミリの半田が部品より大きい....
当然はんだごての先も部品より太いって訳で、こんなもん、直すもんじゃねーなーなんて
つぶやきながら、楽しく遊んでいます。

直ったら無線機の型式とともにBLOGに公表します。

直らなかったら、某オークションに、
「無線の知識が無いので分かりません。電源コードがありませんので、電源も入れていません。
ノークレーム、ノーリターンでお願いします。」
って出品しますのでここで型式を書けません。

なんてね、うそ、うそ。
ちゃんと部品取りとして保管して、PAとLPFを抜き取って、その他の基板は
無線機修理用の部品取り基板として骨までしゃぶりますので売りには出しません。HI

明日はいよいよ電源を入れて、チェックします。
煙が上がらないのを祈りながら.....
さあ、どうなる!






feed IC-R72 修理 (2020/9/13 20:39:33)
IC-R72 の修理です。
中波帯で、xx放送は受信出来るが△△放送は受信出来ないとの事。

ん?

SGから信号を入れて見ると
1,400KHzは受信出来ています。



1,300KHzは受信出来ていません。



あ、そういう事ね。
分解してPLLユニットの動作確認。
電源ユニットを外すと



PLLユニットが出てきます。


この基板の各所を調整をして一件落着。

時計用とメモリーバックアップ用の電池の電圧を確認。
時計用は空っぽでしたが、メモリーバックアップ用は3V以上ありますので
大丈夫と思いましたが、念のため確認と思い外すと、ヤバッ!



ソケット回りをクリーニングして交換しました。


メインダイヤルのラバーが汚れていましたのでクリーニングし、真っ黒に仕上げました。



ケースを元に戻そうとネジを入れますが、1か所だけネジ穴が合っていません。
ネジを斜めに入れてしまったのか?
タップを切りなおしておきました。



これでスムーズネジを回せるようになりました。

1週間ほど、ローカルの中波放送を聞いておりました。夜になると遠方も聞こえてくるので
ダイヤルをグルグル。小学生の頃のBCLを思い出しました。
クーガー2200やスカイセンサー5900などは買ってもらえる訳もなく、3バンドラジカセで聞いていました。
15cm程度のスケールの中で分割されていない3MHzから25MHzなんて、ダイヤルに触れただけで周波数が
変わるようなラジカセでやっとの思いでバチカン放送の日本語放送をとらえた時は
次の放送までラジオを移動させる事無く、掃除をする母親に絶対にラジオニ当たらないでと
お願いして、次の放送でバチカン放送を最初から最後まで聞いた時の感動を思い出しました。


IC-R72は中波帯、短波帯当初合った不具合の歯抜け受信は無くなり
全ての周波数を受信出来ておりますので作業終了です。

受信機は送信部が無いので、無線機に比べて気楽に修理できます。
壊れている無線機の場合は予期せぬ時に電波が出て、SGがぶっ壊れたなんて
泣けるような話になったらいけないので、細心の注意を払いながらの
作業ですが、受信機は送信部がありませんから、間違えてSGが焼けちゃったと
言うのがありません。

修理は週末に楽しんでおりますが、BLOGを書く時間が取れません。
素材は沢山あるのですが....
NRD-515の続きも書かずに放置していますね。そのうちに書きます。





feed TS-50S 修理 (2020/8/23 11:47:36)
TS-50S の修理です。

いつもの 故障品 を購入して、いつか修理しようと保管していた物。
そろそろやらないと、再起不能になります。
ここまで読んで、「ああ、あれね」と思われた方は 「通」 ですね!

それは、TS-50、TS-60に使われている、表面実装のコンデンサは
電解液が漏れて、周りの部品、プリント基板を腐食させてしまうのです。

良くあるのが、しばらく使わなくて、箱に入れて大切に保管していたのに
久しぶりに出して来て、電源を入れたらフロントパネルの押したボタンの表示と
違う動作をすると言う物。
もちろん送受信に関する不具合など色々動作しない部分が出てきます。
電解液をまき散らしてあるので、どこに不具合が出るかわからないのが曲者。



今回修理するのは、「受信音がおかしい、ビープ音がおかしい」と言われて購入した故障品です。
ビープ音がおかしいってどういう事?
電気を入れて確かめて見ると、なるほど変。
この機種は、モード切替をするとCWでどのモードかを教えてくれます。
USBだと ・・-
CWだと -・-・
など。しかし、USBに切り替えると何も聞こえず、CWだとー・しか聞こえません。
ビープ音がおかしいと言うのは、頭が切れると言う事みたいです。
他のボタンはピッ程度しか発しないので、何を押しても無音です。
そうです、頭が切れているので、ピッ程度の長さでは全部が切れるのです。

まずは定番のフロントパネルに実装されている LCD Assy 基板にある電解コンデンサのチェックです。
本体から、フロント部分を取り外します。





やはり、液漏れしています。
コンデンサを触っただけで、ポロッと取れてしまいました。



コンデンサを交換したついでに、バックライトのチェックをします。
2個の電球を直列で、それが2ラインの合計4個の電球が使われていますが
1個切れると2個が点灯しません。今回は1個が切れていましたので
1ライン2個が点灯していません。



PLL UNIT にも液漏れする電解コンデンサが使われています。
さらに多くの電解コンデンサが TX-RX UNIT にもあります。
それらの基板を本体から外します。





PLL UNIT から対処。



続いて TX-RX UNIT も。


え、1個だけ表面実装の電解コンデンサがリード付きの電解コンデンサに変えられています。
どうやら前オーナーさんが交換されたようです。
うまく外さないと、パターンが剥げてしまいますが、それをやってしまったようです。
剥げた部分を細工して繋がれているのですが、大丈夫か?
回路図と基板の回路を確認していると、GNDに落ちていなければならない部分が
浮いています。
なるほど、ビープがおかしいのを直そうとされたようで、コンデンサが原因と思って交換したら
パターンが切れたと言う事でしょう。電解液でパターンが切れてGNDが浮いていたのは
気付かなかったようです。

これで組み立てて、動作チェックです。

ビープはOK。頭切れが無くなり、ちゃんとCWでー・-・ 、USBで・・-と
全部聞こえています。
受信感度も他のTS-50Sと変わりないような感じがします。

ここで時間切れとなってしまいましたので、詳細な受信チェック、送信のチェック、各部調整はまた来週以降で。

頼んでいた部品の入荷の関係で、あれをやりながらこれをやる状態で机の上は大パニック!
だから、大物が乗っかっている時は、TS-50のような小型の無線機を
持ち出して来て、隅っこでごそごそ修理するのです。
広い修理部屋が欲しい.......







feed NRD-515 修理 (2020/8/9 20:33:56)
NRD-515 の修理です。

・VFOが動作しない
・受信していると、20分位で変な音がして復調できなくなる
と言う物。

どちらから直すか悩めます。

トランシーバーの送受不能なら、とりあえず受信しないと、送信だけ出来てもと受信部から手を付けますが
NRD-515の場合、VFOが動作しなくてもフロントパネルのUP、DOWNスイッチで周波数の可変は出来ますので
困りはしません。
但し、その速度が速いので、思った周波数には止められないとは思います。

復調できなくなる周波数はどこなのかを探す必要があるので、周波数をVFOで可変できないと言う
苦痛を考えると、これが先かな。

NRD-515のVFOは、後ろに基板が乗っています。ここをオシロスコープで信号を確認したいのですが
そのままでは無理なので、VFOが見える所まで分解。
と、思ったら、結局取り出さないと無理と言うのが分かり、こんな姿に。


両面とも基板を外して、フロントパネルも倒してバラバラ状態。



こうなると電源を入れられないので、VFOの測定が出来ません。
じゃあ、切っちゃえ。
適当に切った訳ではありません。ちゃんと作戦を立てています。









今後の事も考えて、コネクタ式に。



そして測定中は延長ケーブルを間に入れて、手前に大きく引き出せるようにしました。



こうやって試験をします。



そして、なぜVFOで周波数が可変できないかを調査。



上がUP信号、下がDOWN信号。
おいおい、右回しでUPのはずが、UPの後にDOWNが出ているじゃないですか。
こりゃあ、綱引きだ.....
プラス1してマイナス1すれば、周波数は0。動かないはずだ。


この基板を修理。



VFOでちゃんと周波数が動くようになりました。

元に戻す時は、中間の延長ケーブルは外して、短くコネクタで接続。
二度と修理しないかもしれませんし、もう一度修理する時には、あのケーブルどこやったっけ?って
なるんでしょうけど。

さて、次は復調問題を探ります。






feed IC-750 修理 その2 (2020/7/19 10:26:30)
IC-750 の修理の続きです。

その後、連絡があって、28MHzは50Wを100Wにして欲しいとの事ですので改造しました。
これで全バンド100Wになったと思ったら、無線機が冷えている状態では
1.9MHzと3.5MHzが80W程度と低いのが判明。
20分通電しておくと、1.9MHzと3.5MHzのパワーが100Wに近づきます。
真空管の無線機より長時間のウォーミングアップが必要です!

先週調整した部分では、温まった状態でしたので、冷えた状態は確認していませんでした。
そうなると原因を探らないといけません。

色々調べてみると、分かったのは
・USB、LSB、FMではどのバンドも100W以上出ている
 (当然ですが、ダミーロードを接続しての試験です)
・RTTY、CWでは上記不具合が発生している

と、言う事はパワーアンプやLPFの不具合ではなさそう。またセンサー関係でもなさそう。

これで切り分けが出来ましたので、次はRFユニットの出口で確認。
モードをCWとUSBとして、1.9MHzから28MHzの出力データを取って行きます。
なるほど、USBではガンガンパワーアンプを押していますが、CWでは息絶え絶えでやっとパワーが出ている模様です。
そしてCWでは1.9MHzで最低出力、28MHzで最高出力となっています。周波数が高くなるほど
出力が良く出る傾向のようです。
1.9MHzと3.5MHzではパワーアンプで100W出るだけのRF信号を作りだせていないのです。
ここまで分かればもう簡単、CW、RTTYだけ追いかければ良いのです。

さっそく劣化部品が無いか、該当箇所をチェックします。


トランジスタの不良かと思ったら、「疑ってごめん」と言うくらい元気でした。
じゃあコンデンサの容量抜けか?と回路図で確認したコンデンサを基板上で探し出し
半田を外し、部品を取り出してみると、え?部品に刻印されている値が回路図と違います。
これが違うならここは?これまた違います。
ちなみに、回路図通りの値にすると、どうなるか実際に実装して見ました。
予想通り、パワーが激減.....
と、言う事は、設計値ではうまく動かなかったのですね。そして実装されていたコンデンサを
測定してみると、正常な値で部品の劣化ではありませんでした。

IC-750の後に、改良版のIC-750Aと言うのが出ましたので、その回路図を見てみると
あ、やられた。しっかり回路変更されています。

なるほど。

これで分かりました。IC-750でギリギリしかパワーアンプを押せない状況だったので
部品定数の変更で逃げようとしたが、部品の組み合わせによって不具合基板が
出たので、IC-750Aではこの部分が一発で動作するように改良したって訳ですね。
(勝手な推測ですが....)
他にも改良されていると思いますので、後で2つの回路図を眺めてみます。

そこまで分かっても、IC-750の基板をIC-750Aの基板のように改造するわけには行きません。
該当部分はがらりと変えられていますので、そう簡単なものではありません。
IC-750の基板でパワーが出るようにしないといけないのですが、どうするかなあ。

部品単体では、まったく異常が無いので、経年劣化で全体的に悪い方向になったので
何かを変えて良くなるってものでも無さそうです。
増幅度を上げるしか手はありませんので、部品の値をちょっとだけ変更して対応しました。
これで、冷えた時も全バンド100W出ていますが、これでも1.9MHzと3.5MHzは
やっと100W出せるパワーを確保できた程度で、本来ならもっと押せてないといけません。
これ以上、この回路ではどうしようもないので、この辺りで打ち止めです。

やはり、何でも改良版の方が良いですからねえ。
だから、出てすぐの無線機を予約注文した事はありません。
安定した頃に買うのが良いのですが、あまり待っていると改良版の
PROとかMK2とか出て来るし、それも初期版はいやだからなんて
言っていると、いつまでも買えないんですよね。

待て、待て、お前は中古の壊れているやつしか買わないんだから、その心配はいらないだろう。
正解です........


feed TS-940S Limited 修理 (2020/7/5 20:14:10)
TS-940S Limited の修理です。



・感度が突然下がる
・ATTスイッチが設定通りに動作しない
と、受信関係が駄目です。
送信はざっと点検しましたが、問題なさそうです。

早速、修理開始です。
SGから信号を入れて確認すると、良い時はTS-940Sと変わらない感度でしたが
異常時は30から40dB感度が低下しておりました。
調べてみると、RFユニット内に半田クラックがありましたので、半田修正しました。



次に、ATTスイッチが設定通りに動作しないのを調査。
これもSGから信号を入れて調べます。またまた半田クラックで、見た目は何ともありませんが
半田内部に空洞が出来て、接触していないようでしたので、半田修正しました。
これでATTの表示通りのステップで減衰するようになりました

受信感度に関しては問題なくなったはずと、各バンドの感度チェックを行いました。
すると14MHzと18MHzが正常なTS-940と比べて90dB以上感度が低下しています。
これまた半田クラックです。ダイオードスイッチがONして信号を通過させるのですが、半田クラックで
信号が通過できなかったため、感度が極悪だったのです。
これで、やっと全てのバンドの感度が正常となりました。



全体的に、かなり半田が劣化しています。再半田すれば良さそうに思われますが
そのまま半田を追加しても、半田が部品のリードに絡まず、半田を 「はじいて」 しまいます。
一番良いのは、半田吸い取り --> 部品のリードを磨く ーー> 再半田 ですが、
これを全部品に対して行う事は出来ませんので、不具合が発生した所から
潰してゆくしかありません。
古い無繊機を動作状態で維持するのは大変な事です.....

一通り動作試験をして、問題がなさそうなので調整を行います。
基準信号を調整したいのですが、PLLユニットは他のユニットの下です。
それを除けないとアクセス出来ません。これを除けて通電した時に
パチンと言わさない細工をするのが大変です。
手前に写っているユニットが、スルスルっとすべってPLLユニットに乗っかったら
金属部分がどこかに触れてパチンは間違いありません。
怖い作業です。

こんな感じで調整します。おいおい


他にも色々調整して、本日の作業は終了です。

「突然感度が落ちる」との事でしたので、しばらく連続通電試験をします。
もう不具合は出ませんように!

feed IC-750 修理 (2020/6/28 12:16:32)
IC-750 の修理です。

半年間も誰からも依頼が無かったのに、何でこんなに連続しますかね?
どこか業者さんでも閉店されたんでしょうか....

ご依頼内容は
・電源が突然落ちる
・送受信出来たり出来なかったりする
・周波数表示が出ない事がある

と、言う事で届いた無線機をさっそく調査。
頂いた情報では、ちょっと足りなくて、全バンドで起こるのか
特定のバンドで起こるのか、モードは何かなどですが、無線機が届いていますので
さっそく調べてみましょう。

電源を入れる前に、内部にネジが転がっていないか、異物は入っていないかから
調べます。振って見るとカラカラってのが良くあります。音がしなくても基板に
ネジが引っかかっていると言うのもありますので、注意深く調べます。

問題無さそうなので、電源ON。
なるほど、全バンド、全モードで受信音がしない。
これはPLLの不具合ですね。何分か電源を入れたままにすると突然復旧すると
情報を頂いていますので、不具合が発生している今のうちにPLLの各部を調べます。

PLLがUNLOCKですので、その部分の特定をしなければなりません。
基板を外して半田面のシールド板を外そうと思ったら、なんど直接半田付け
されている電線があります。これは参った。
全部コネクタだったら外せますが、1本でも直接半田付けされていたら
一旦半田ごてで外して、元に戻したらまた半田付けをしなければ動作させられません。
面倒なので、そのまま作業をしますが、「つながれた犬」の状態で、基板を移動出来る
範囲が限られます。

この白い電線



大体の不具合部分が特定できたので、半田ごてを入れるために部品面のシールドの蓋と
半田面のシールド板を外します。



修理後、PLLのロックレンジ、出力などを調整。3時間の連続通電で受信出来なくなると
言う不具合は再発していません。

連続通電しながら、気になる点を調整していると、コイルのコアに
調整ドライバーを入れただけでコアが一番下までストンと落ちました。
えーーーーーーーーーっ!!
こうなるとどうやってもコアは上に上がって来る事はありません。

一旦基板から外してコアを抜き取ります。



そして再度コイルを基板に半田付けします。
そのままではコアが再びストンと落ちますので、「噛ませ物」をします。
この無線機では、3か所もその不具合がありました。

次に、電源が突然落ちると言うのを調べます。
送受信出来ないと言う不具合を調べている時に、何度か電源をON/OFFしていたら
スイッチは機械的に動作しているのに電源が入らないことがありました。
電源スイッチ自体の不具合ですので、交換以外に方法はありません。
同じスイッチの新品は入手出来ませんので、中古の解体品を入手するしか無さそうです。
あるいは、専用電源を用意して、IC-750自体の電源スイッチはジャンパーして
常にONの状態として、電源でON/OFFするとか工夫が必要です。

最後に周波数表示が出ないと言うのを調査。
この無線機にはPLLのUNLOCKを知らせる為に表示を消すとかドット表示だけにすると言う
細工はありません。従いまして表示が出ないと言うのは表示部に関する不具合ですが
電源スイッチが機械的に入っていて、ユーザーさんは電源が入っていると思っていて
UNLOCKで音も出ませんので、実際は電源スイッチの不具合で電源が実際は入っていないのを
表示が出ないと勘違いされたものと思います。
こちらに届いて、色々やっている中で、一度も表示が出なくなった事はありません。
もうしばらく通電して様子を見たいと思います。

受信は問題なさそうなので、送信部の確認です。
1.9MHzと3.5MHzが80W程度と低く、7MHz~24MHzまで
100W以上出ています。28MHzは昔の50W制限がかかったままです。
何で低い周波数のパワーが出ていないのか調べたら、サービスマニュアルに
載っていない部分の調整ずれがありましたので、調整すると
29MHzを除く全バンド100W以上出るようになりました。

通常は1週間程度、1日8時間程度の連続通電試験をして返却するのですが
色々ご指摘部分が謎な領域が多いので2週間程度の連続通電試験をして、不具合が無ければ返却したいと思います。

調整中に、ここはどうするかなあと言う部分があったので、どうしますかと
フィードバックしましたが、連絡がありませんので、作業中断しております。












feed DX-70G 修理 (2020/6/14 11:29:04)
DX-70G の修理です。

FT-900を返却したので、今週は自分の無線機を調整して
遊ぼうと思っていたのですが、ご依頼がありましたので
自分のはまた後日と言う事にしました。
半年も誰からも依頼が無かったのですが、連続するものですねぇ。
今年2台目の知らない方からの依頼品です。

症状は
・間違えてコネクタを挿したら電源が入らなくなった
・RITのスイッチが機能しない
と言う物。

RITはまあ直るでしょうが、電源が入らないと言うのが問題です。
自然故障ならば、1,2点の部品交換で直るとしても、コネクタを間違えて
挿したなんて言うと重症ですね。
とりあえず、お話だけでは何とも言えませんので、現品をお送りいただきました。

お伺いした詳細から、検討をつけて回路図から無線機内部のヒューズが飛んでいないか
チェックしましたが、これは生きていました。
そのコネクタには電源ラインもありますので、5V回路に12Vがかかっていると
完全なるジャンクと言う事になります。

何か部品が吹き飛んでいて、CPUを壊すのを防御してくれていれば良いのでだが.....

次にチェックするのは、そのコネクタのあるMAIN UNITです。
これを外すのは大変。ネジを外して持ち上げると言うような構造ではないので
あれこれ外して、やっと取り出せます。
部品面は何ともなかったのですが、半田面を見て
「あーーーーーーーーー!」
でも助かりました。パターンが細いので、焼切れていましたので、それ以上の
焼損を防げました。


パターンが剥がれているので、切れた部分をジャンパーしただけでは、振動で
剥がれ落ちて、どこかにショートするとまた壊れますので、そのパターン全てを
剥がしてから、ジャンパーをしました。

ここが焼けると言う事は、このピンがここだから、このピンはここにと
順番に回路図を追いかけましたが、それらの信号からこれ以上壊れる
個所はないと判断して、元通りに組み立てました。

電源を入れて見ると


OK! 煙は上がりません。 良し良し。
一通り動作チェックをしましたが、これと言った違和感はありません。

次はRITスイッチが機能しない問題。
RITスイッチを押した感触が他と違います。スイッチの交換が必要なようです。
スイッチを確認するのは、フロントパネルを分解して、基板を取り外さないとスイッチは
見えてきません。



分解して押してみても、「ポコポコ」感がありません。
スイッチの交換が必要ですが、表面実装でこのスイッチの高さの物は持っていません。
通販で入手するか、奥の手で同じスイッチで使わない機能の物を移植するかですが
自分の物ではないので、オーナーさんにおお伺いした所、こちらの提案した
LOCKの機能は動作しなくても良いとの事でしたので、LOCKのスイッチを外して
RITに移植しました。

RIT ON


RIT OFF



これで、全機能が動作するようになり、感度、出力も全バンド問題ありませんでしたので
修理完了です。

すでに返却しましたので、お手元に届いてちゃんと交信できましたと
お喜びのメールも頂きました。
本体も傷が無い、新品同様でしたので、このままジャンクは勿体ないなあと
思いましたが、どうにか修理が出来てよかったです。

「もうここに帰って来るんじゃないよ」とおまじないをかけて
送り出しました。

来週こそ、自分の無線機!! 




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