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link QRPな自作の日記 QRPな自作の日記 (2023/12/28 18:35:38)

現在データベースには 73 件のデータが登録されています。

feed 今年最後の製作物 (2021/12/31 17:20:47)
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早いものですね! もう一年が過ぎて大晦日になってしまいました。
この一年も大変お世話になりました
9月からは、隠居生活となり、曜日もわからないような生活を送っておりましたが、ボチボチと自作や通信を楽しんでおりました。
今年は、仰角ローテーターもだいぶ形が見えてきて、
http://blog.toshnet.com/article/189143723.html

JK1LSE 本田OM殿には設計、監修をいただき、実用的な 2mの4エレ、70cmの8エレも作ることができました。
http://blog.toshnet.com/article/189101335.html

製作してだいぶ時間がたってしまっていたFRISKサイズキーヤーもK3NG OM殿製作のソフトを載せてPocke Keyerとしてリニューアルできました。
http://blog.toshnet.com/article/189083361.html

当局的な、今年最大のイベントは、衛星通信 を始めたことだと思います。
衛星通信そのものは、大昔より先輩方々が開拓されその歴史は古いのですが、当局はやったことがありませんでした。
機会があって、ローテーターを作ったり、ご要望があり仰角も回せるようにし、衛星軌道ソフトのデータを活用した自動追尾機能も実現できました。
アンテナもできたことで環境が整ったわけで、自分自身がやらないわけにはいきません。
と言うことで始めたばかりの初心者ですが、お相手をいただいた局長さん方々には御礼を申し上げます。
当局の運用スタイルは、衛星に限らず、自分でCQを出すことは殆どなく、CQを出されている局を呼びまわるという形です。
そうなると、衛星通信の場合、PC上のリグコントローラーで周波数を可変させることになります。
操作は、マウスと、マウスのボタンです。
実際に使ってみて、運用が不慣れなうえにマウスで周波数を変えてゆくという操作には馴染めず、通常のリグのようにダイヤルを回して周波数を変えることができないか考えるようになりました。
と言っても、リグコントローラーのソフトをいじるなんてできませんし、暫く考えて、マウスの代わりにロータリーエンコーダーを回して代替えできないか考えてみました。
いつも使っているArduinoでは、マウスやキーボードアプリ例がありますのでこれを使ったら何とかなるだろうと始めて見ました。これに使えるArduinoボードがなかったのでアマゾンに注文したのですが、そのあと色々調べていたら手持ちの Xiaoが使えることがわかってアマゾンから品物が来るより先に始めました。
前置きが長くなりましたが、何とか マウス代替えのリグコン操作ダイヤルができました
そこそこ使えそうだったので、今年最後の基板エッチングをして長く使えるように組み上げました。

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ケースはまだですが、いつもの3Dプリンタで作ろうと思っています。
操作は、リグコンの周波数アップダウンボタンにカーソルをダイヤルを回して移動させ、その位置を覚えさせてしまえば、あとは、 ダイヤルを回せば周波数がアップダウン するという仕組みです。

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リグコンは、CtrlやShiftボタンを押して操作することによって可変ステップを切り替えることができるようになっており、これも操作ダイヤルにスイッチを搭載して、キーボードのCtrlやShiftキーと同じ機能を搭載しました。押しながらだとダイヤル操作がしにくいので、トグル動作にしています。
実戦に投入してみましたが、なかなか使い易いと自画自賛しています。
時々、USB通信がフリーズしてしまって操作ができなくなるのですが、この原因究明はまだできていません。
リグコンのボタンの位置は、フラッシュに記憶させるようにしたので、USBを抜き差しすればすぐに継続して使用できるのでとりあえずは何とか使えそうです。
2021年の自作はこれが最終作品 となります。

来年も宜しくお願いいたします




feed Pocke KeyerⅡに表示をつけてみた! (2021/12/22 17:09:52)
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 FRISKサイズキーヤーの第二世代キーヤーである Pocke KeyerⅡ は、そのソフトにK3NGキーヤーを搭載したことによって様々な機能が実現できており、とても便利になりました。
お陰様で頒布の方もコンスタントにご注文をいただき大変嬉しく思っております。
第一世代でご要望の多かったケース付きにしたことも功を奏しているかと思います。
 しかし、FRISKサイズという小さく作ることを目的としたため、K3NGの多くの機能を活かすに至っていませんでした。マイコンのメモリー量の制約もあります。
 今回、その中でも簡単に実現できそうな機能として液晶表示があり、その実験をやってみました。
オリジナルはパラレル接続の液晶が選択されており、多くのピンを必要としますが、そこはI2C接続の液晶を接続するためのソフトも何種類か用意されており、当局が保有する液晶にぴったりの物はありませんでしたが、似たようなソフトを書き換えて対応できました。
 Pocke KeyerⅡと液晶の接続は、I2Cの2本と、電源とGNDの4本のみです。
液晶は、秋月さんで売っているものが手持ちにあったのでそれを使用しました。

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 それで何が表示されるかというと、スピードVRを変えた時のスピード表示(wpm)、コマンドボタンを押した時の Command Mode という表示、コマンドを入力した時のコマンド名の表示と、設定した内容、キー入力した文字表示等です。
便利と言えば便利ではありますが、表示があるからできる新しい機能とかは特にありませんでした。
(見つけきれてないだけかもしれませんが)
使い慣れてしまえばなくても困るものではありませんでした。(最初からなしで使用していますが)
 ふと思ったのは、キー入力した文字が表示されるということはキー入力文字の認識機能があるということであり、CW解読器(CW DECODER)が作れるのではないかと言うことです。
 サイト検索をしながら、ソースコードを見ていると、やはりありました。
2つの CW DECODE機能が用意 されていました。 一つは、単純にCWの長点短点のON/OFF信号を取り込んで、入力された文字の表示をするというものです。この入力に、縦触れ電鍵の信号、またはもう一つのエレキーの出力をつないで文字入力すると、入力した文字が表示されます。しかし、それなりの実用的なものにしようとすると、この信号はトーンデコーダー等を使って綺麗なCW信号にして入力する必要があります。
 実は、 当局も20年ほど前にPICを使用してここまでは作った ことがあり、前段にはトーンデコーダーを使用していましたが、 実際には使用に耐えるものでは ありませんでした。
当局的には、それでお仕舞になっていたのですが、今回のソースコードにはもう一つのDECODE機能がありました。
それは Goertzelアルゴリズム というものを使ったマイコンでのDSP処理によってCWを解読させるもののようでした。このアルゴリズムを理解する能力は持ち合わせていないのですが、このアルゴリズムを用いたCE DECODERのオリジナルは、下記のサイトで紹介されています。
http://skovholm.com/cwdecoder
これもArduinoのソフトとして作成されており、当局的には試しやすい環境にありました。
最初は、K3NGキーヤーにそのまま取り込んで機能実現できないかやってみようとしましたが、プログラム量が増えすぎて、メモリーに入りませんでした。
回路的には、アナログポートをバイアスしてCWのオーディオ信号を入力するだけであり、実験は簡単にできそうだったので、Pocke KeyerⅡに液晶を接続した状態で、このデコーダーソフトのみを書き込んでやってみました。
実際に受信したCW信号をデコードしてみると意外とうまく解読してくれています。


再生できない場合、ダウンロードは🎥 こちら

アナログポートに適当な信号を入れてみた状態です。

気をよくして、何とかプログラムが入らないかやってみましたがあと少しの所で入りませんでした。
かといって、キーヤーとデコーダーが別物だと使い勝手が良くないですし、DSP処理でコード率が高くなっているといっても完全に実用的なものとは言えないだろうし、やはりキーヤーにデコーダーが補助的に入っている的なものとして一体型にしたいしと検討してみました。
 マイコンは、同じATMega328を搭載したのでは物理的にも脳がありません。そこで8ピンのATTiny85あたりが使えないかやってみました。
まず最初にやったのは、ATTiny85だけでデコーダー機能が動作するかの実験です。ポートが8ピンしかありませんのでI2Cを使用して液晶を接続し、かつ内部クロック(8MHzですが)を使用してデコーダー機能を試してみます。これは、何とかうまくいきました。
しかし、内部クロックは8MHzでオリジナルは外部クロックとして16MHzが使用されています。CW信号のサンプリング周波数は8KHz台が設定されており、クロックを8MHzとしたときのデコード率がどうなるかは想定できなかったので、外部クロック16MHzを使用することにしました。この時点でポートが足らなくなるのですが、デコードしたCW長短点の信号を出力する機能があります。この信号を、先のK3NGキーヤーの最初に記述したCWデコード入力ポートに入れることによってK3NGキーヤーの液晶に表示できないかやってみました。
ピンポンです。
8ピンのATTiny85マイコンをDSP処理によるCWデコード専用機能としてトンツー信号をK3NGキーヤーに入力してデコード文字をうまく表示させることができました。
これで、完全シンプルとはいえないまでも、 シンプルな一体型デコーダーキーヤー が作れそうだと言うことがわかり、完成形を目指すこととしました。
 せっかく作るので、もう少しだけK3NGキーヤーの機能を活かしたいと思い、 出力は2つ として切り替えて使用できるようにしました。2台にリグに接続できるようにするのと、CWのオーディオ信号も取り込むので、 オーディオ側は絶縁トランス CW出力はフォトカプラを使用してアースを分離 した設計としました。
また、マイクでもCW信号が拾えるように コンデンサマイクとマイクアンプも内蔵 としました。
リグからの信号を入力するジャックを抜くとマイクに切り替わる使い方です。
 Pocke KeyerⅡで搭載したスリープ機能ですが残念ながらメモリ量の関係で入りませんでしたので、電源としては、 単4乾電池2本 としました。単3型のリチウムイオン電池だと1本で済むのですが、入手性と充電の問題があるので汎用的なものとしました。
 それで出来上がったプロトが下の写真です。Pocke KeyerⅡと比較しています。

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電池は裏側に背負って ます。
入力されたオーディオ信号は、DSPで処理されているのでいらないのかもしれませんが、パルス性のノイズが入ると、E,E,Eとデコードされてしまうので、効くかどうかわかりませんでしたが一応 LCのBPF を入れています。
また、入力するCWのトーン周波数はマイコンであらかじめ設定する必要があるので、 558Hzと744Hzを選択 できるようにしました。これは電源ON時にのみ選択されます。LC BPFのセンター周波数も同時に切り替えることができます。

こうして、出来上がった一体型 デコーダーキーヤーのプロトでデコードしている様子が以下です。


再生できない場合、ダウンロードは🎥 こちら

コールサインがそのまま表示されてますが、クラブ局ということでご了承を!

FT-817の上にのせてスピーカー出力をマイクで拾ってデコードしたのが下の映像です。


再生できない場合、ダウンロードは🎥 こちら

ほぼ同じようにデコードできています。

CWの解読器は過去から色々販売されたりしています。
(自分で作ったのを含めて)最近のリグでは搭載されているのもありますし、キットではQCXにも搭載されています。
しかし、これは凄いという完全なものはないのかなと思っています。
今回の検索で一番参考になったのは、いつも検索で見つかり参考にさせてもらっていることが多い JH1LHV OMの記事です。2015年の記事ですからもう6年も前に試されています。
その後も、ずっと継続してやられており、とても参考になりました。
ありがとうございました。
OMも書かれていますが、万能なCW DECODERはないということです。当局もそう思っています。
しかし補助的に使うとか、送信の練習に使うとか、使い方次第ではないかと。
最近のAI技術を駆使すれば、会話の認識の向上が著しい昨今ですからこれまでよりさらに進歩したデコーダーが出てくるかもしれません。それを楽しみにしながら、とりあえず小さなマイコンの組み合わせでできるCW デコーダーキーヤーを作ってみました。(Pocke DecoKeyer)


feed Pocke ELETATOR その後 (2021/11/18 14:59:03)
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プロト3

衛星追尾に使用できそうなV/Uの八木宇田アンテナもでき、やっと仰角ローテーターの完成に向けステップを進めようかと動き始めました。
その途中がなかったわけではないのですが、144MHz用と430MHz用のビームアンテナを回すとなると、仰角ローテーターを含めてそれなりの重量になり、今のローテーター「Pocke TATOR」だと何回か回している間にイナーシャで角度がズレてしまうという問題があって、これは仰角対応のみではなくて、方向角のみのアンテナでもアンテナの重量や取り付け方で同様の問題が指摘されその対策をやっておりました。
また、仰角側も二次プロトを製作し、ローカルのOMさんに試験をお願いして使ってもらっていました。
こちらも構造上多くの3Dプリントした部品を使っていましたが、弱いところも多く、今一つこの構造で進める自信がありませんでした。
そうするうちに時間が過ぎてしまったわけですが、これまでの構造に拘らずに、まず使用に耐えられる強度を確保しようと設計をやり直しました。
それでできたのが、最初の写真のプロト3です。
因みにこれまでの変遷は、下記の写真の通りです。

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プロト1
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プロト2

仰角部の外装を3Dプリント品で構成していたので、この部品1個だけで10時間以上の時間がかかったのと、強度的にもちょっと弱いかな?!と、他のカバーなどを含めると丸2日間プリントしっぱなしとなり、今一つ気乗りがしませんでした。
また、方向角部との連結部分も2個のアンテナをそれなりのブーム長で搭載すると左右の上下の揺れに対して、ユラユラするところがあり、なんとなくひ弱な感じがして、風が吹くと結構揺れてこれも心配の種でした。

そこで、今回のプロト3では、仰角部の基本構造を方向角と同じ塩ビ管を使用し、減速ギアも中に取り込んでこれまでのギアカバー等の部品も減らしました。
これまでは、1:4のギア比でしたが、このままでは塩ビ管の径が大きくなりすぎるので1:3でギアの設計を行い、何とかVU75サイズ(直径約89mm)入れることができました。

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ただし、ギア比が1:3だとステップでの回転角が中途半端になるのと、これまでのエンコーダースリットでは径も大きいので、これも設計をやり直し、スリット数を90から60に減らして、径を小さくするとともに、倍カウントで1度ステップ、通常カウントでも2度ステップになるようにしています。
それで出来上がった仰角ローテーターが次の写真です。

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アンテナを回転させるブームが短くなっていますが、これは輸送対策です。
1m程度のブームがついた状態だと、140サイズ以上の大きさとなり輸送コストがかさみます。
そこで、本体側のブームシャフトは短くし、延長ブームシャフトを左右別々に連結するようにしました。
これでコンパクトに梱包することができます。(苦肉の策です)

次は、方向角ローテーターとの連結部分です。
これまでは、下の写真のような方向角ローテーターからの回転シャフト(径25mm)を差し込んで、ネジ固定し、一応方向角ローテーターの上面で受けるかたちで結合させていました。
しかし、これでは前述のように左右の上下の揺れに耐えられませんでした。

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そこで構造的に、まず回転径を大きくして、更に方向角側と仰角側の連結部の接触距離を増やして左右の上下の揺れを軽減する構造としました。更に、上下の浮が発生しないように、裏側より挟み込む構造としてよりユラユラの発生の軽減化を図りました。

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こうした構造にすることの問題点もあります。摩擦です。
方向角ローテーターの回転力では、通常は大丈夫としても風などによる圧力で回転できなくなるのではないかという懸念もありました。これまでのアンテナの回転イナーシャで回転角がズレるという問題もありましたし、小型のアンテナを一基のみ回すのなら問題はなかったと思うのですが、重量のある仰角ローテーターとさらに2基のアンテナを回すとなると、少しでも回転力を上げた方が良いのではないかと考え、方向角ローテーターも、同じ1:3のギアを追加し専用設計となるようにしました。
同じギア比にすることによって、ギアモーターを乗せるモーターベースや、ギア、エンコーダースリットなど部品の共通化も図ることができました。
1:3ギア追加により、方向角回転は1回転70秒以上かかりますが。
こうしてできたのが、プロト3です。

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コントローラーは、プロト1で作ったもののソフト変更(回転方向、ギア比での回転角)を行って、とりあえずの試験には耐えております。
(まだまだバグや検討事項がたくさんありますが)

この状態で、V/Uの使えるアンテナもできているので衛星自動追尾を行い、サテライト通信デビューも果たすことができました。


再生できない場合、ダウンロードは🎥 こちら

10倍速のデモモードにて、自動追尾

今後はこれをベースに詰めていきたいと思います。




feed V/Uヤギアンテナの製作 (2021/10/30 0:51:04)
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構想から2年以上が経過してもなかなか手も回らず完成できなかったV/U用の八木宇田アンテナが日の目を見ることになりました。
今回は、コンテスターであり、最近は衛星通信でもアクティブに運用されている JK1LSE 本田OM (AKCメンバーでもあります)に 設計・監修 をお願いし、 コラボ開発 と言うことで比較的短期間でここまで追い込むことができました。
本田OMは、コンテストや移動運用、また衛星通信用として既に開発され自作されたアンテナを使用されていますが、これをベースに、当局が以前より持っていた コンセプト
① 1mブーム長 (ホームセンターで容易に手に入る)
② 穴あけ加工しない
 (加工が下手でエレメントがきれいに並ばないので)
③ とにかく軽くする
を実現すべく、ご協力をお願いしダイレクトメールを駆使しながら何とか使えそうで再現性のあるものができました。
ここまででほぼ目途が立ったものは
① 430MHz 8エレ
② 144Mz 4エレ
です。
移動用として軽く、簡単に組み立てられるもの、また、衛星通信用として開発中の仰角ローテーターでも簡単に回すことができるものとして使用することが可能です。

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まず、① を実現するブームとしては10mm角x1mのアルミ角パイプを使用しました。
これに、② の穴加工をしないで簡単に取り付ける方法として3Dプリンタを使用してエレメントホルダーを作成しました。

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ホルダーには、ナットがインサートされており、ユリヤネジを使って10mm角パイプの任意の位置で固定することが可能です。角パイプですのでエレメントはきれいに並びます。

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ブームマウント用のホルダーも3Dプリンタを使用してブームの任意の位置で固定できるようにしました。

次は、給電部分です。最初は、シンプルに同軸直結でマッチングが取れるように設計をお願いしましたが、できるにはできるのですが、少々パターンがいびつになり、本田OMの実績のあるガンママッチを使うことにしました。マッチングロッドの固定や、ショートバーをどういう構造にするか悩みましたが、これも3Dプリンタを活用し、それなりに良いものができました。
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最初ショートバーとして10mm角の角棒を使用しましたが、少々大きいので、最終的には5mmx10mmの角棒を使用することにしました。
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ラジエーターエレメントとの接続部分には圧着端子をナットで絞めて、その端を半田付けする構造だったのですが、マッチング用のコンデンサーも含めて取付のバラツキを減らすために、基板を作って、それに半田付けする構造としました。
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このラジエーターもブームの任意の位置にユリヤネジで固定することができます。
マッチング用のコンデンサーには、50V耐圧のチップコンデンサを使用してみました。
最終的にこれでいいのかもう少しテストが必要ですが、50W入力でも特に変化は見られませんでした。

こうして出来上がったのが最初の写真のアンテナです。
③ とにかく軽くする
この3つのコンセプトの最後の重量ですが、 144 4エレ、430 8エレ共 に、ブームマウントホルダを含めて 260g程度 に収まりました。とても軽量に出来上がったと思います。

とりあえず形はできましたが、所望の性能が得られているのか? とても気になるところです。
利得もそうですし、ビームパターンも気になります。
設計は、MMANAで行われており、144 4エレ、430 8エレの設計性能(利得、FB比、パターン)を下に示します。
MMANA144.jpg     MMANA433.jpg

これらの性能が実現できているかの確認は、測定してみるしかありません。
電波暗室があるわけではないので、一応ルーフバルコニーではありますが、マンションの壁や屋根、隣のマンションの反射などが想定され満足な測定ができるのかわかりませんでしたが、やってみることにしました。
パターンの測定は、当局が製作したPocke TATORを使用してアンテナを回転させますが、10度おきでいいだろうと思ってみたものの、毎回10度ずつ回転させてレベルを測ってという作業はとても大変です。
更に 再現性のあるレベル測定 が必要ですので、ちょっとした 治具(ツール)を作る ことにしました。
① レベル測定
 (AD8307を使いダイナミックレンジ70dBを確保)
② 回転制御
 (Pocke TATORを自動で10度ずつ360度回転させるプログラムを追加)
③ 信号源制御
 (10度おきにリグのCWモードで短時間キーON自動制御プログラム追加)
④ データの記録
 (マイコンのEEPROMに10度毎に測定したレベルを書き込み制御)
⑤ データの読出
 (UP/DOWNボタンで10度毎のEEPROMのデータを読み出し、LCD表示)
これらを実現することで、360度のパターン測定が自動化されとても重宝しました。
記録したデータをシリアルでPCに掃き出して、エクセルなどでグラフ化すればもっと楽になるのでしょうが、ここまでやっていると何を開発しているのかわからなくなる(とてもできないが本音)ので、10度毎のレベルデータの読みながら手書きで円グラフを作成しました。

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レベル測定のためのAD8307の回路、リグのキーON制御ともに、Pocke TATORのコントローラーの中に仕込みました。

まずマッチングの状況ですが、こんな感じです。nanoVNAで測定しました。SWR計でも帯域内1.5以下に収まっています。
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144MHz 4エレ          430MHz 8エレ

次にパターン図です。

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144MHz 4エレ          430MHz 8エレ

いびつに見えるかもしれませんが、マンションなどの反射の影響なども相当なレベルであると思いますので、それを差し引けばMMANAのシミュレーション結果の傾向はよく出ていると思います。
メインローブの雰囲気とか、サイドローブの出方とか、FB比もしっかりとれています。
角度の正規化を行っていませんので、頭を30~40度左に傾けてみてください。
実際には、何度も条件を変えて測定して周りの影響の少ない条件が見つかり、その結果を掲載しています。
ここまでのパターン図が掲載されている事例は少ないかと思います。
ちなみに、メーカー製 ダイヤモンド社の144 5エレ、430 10エレを同じ条件で測定したパターン図を下に示します。

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144MHz 5エレ          430MHz 10エレ

次は利得です。
一般的にダイポールと比較されますので、比較用ダイポール(だいぶ以前に作っていた)とレベル比較してみました。また、ダイヤモンド社のカタログ値はわかっていますので、それと比較してみました。

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アンテナとダイポールの測定レベルは絶対値ではなく相対レベルとしてみてください。
まず、ダイポールとの比較ですが、144MHzで6dB、430MHzで本機が9dB、D社製が10dBとなっています。
それぞれ、MMANAシミュレーション値、カタログ値に対して約1dB低い結果となっています。
この辺りの違いの要因は、詳細は不明ですが、送受信の測定距離が十分遠方となっていないことなどが考えられるかもしれません。
D社のカタログ値を正としてみてみると、144で同レベル、430で1dBの差となっており、シミュレーション性能が出ていることになります。
FB比はカタログ値が遠慮して記載されているのか、本機の方がシミュレーション値、実測値(パターン図参照)からも良い値となっています。
結果として、 利得、FB比、パターン図ともに、当初の期待値を満足 している結果が得られたと思います。

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比較測定したアンテナ群

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ダイポールでの測定状況

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パターン図測定状況 
送信側:モービルホイップ 受信側:測定アンテナ

結果として、当初の3つのコンセプトを満足する2種類のアンテナが完成しました。
性能測定用のツールもでき、メーカー製との比較、ダイポールとの比較において、性能の期待値もほぼ満足する測定結果が得られ、再現性のおいても430MHz 8エレは2号機も製作し同様の測定を行って同様の結果がえられ、再現性の確認もできました。

今回は、 設計・監修 として JK1LSE 本田OM 絶大なる支援 をいただき、 感謝 申し上げます。

追記:
衛星通信用として、144と430をクロスに配置したヤギを見かけます。
今回の2つのヤギをクロスにしたらどうなるか、やってみました。ユリヤネジで簡単に、好きな位置に固定できる構造が幸いして、簡単に組み立て、測定を行うことができました。

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左が144MHz 4エレ、右が430 8エレをそれぞれ垂直にして測定したものです。
ほぼほぼ同様な結果が得られ、クロスにしても使用できることがわかりました。
エレメントの位置を、マジックなどで印をつけておけばばらした状態で保管持ち運びが可能で、現地では印に合わせてエレメントを配置しユリヤネジを締めるだけで簡単に組み立てることができます。
追記に記載したように各バンド単独でも、1本のブームでクロスとして使用することもできます。















feed Pocke KeyerⅡ (2021/10/22 12:39:44)
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エレキーを作り始めて10年余り、FRISKサイズのエレキーを実際に頒布を始めて3年余りが過ぎました。

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FRISKキーヤー1stバージョン   頒布品初代FRISKキーヤー

小型であるがゆえに多くの局長さんに使っていただいておりますが、エレキーの使い勝手というか、キータッチのフィーリングは局長さんそれぞれで色んな感覚をお持ちであることも実感しました。
ご要望もいただいたりしたのですが、対応できないまま時間が過ぎてしまいました。
そうした中で、スタートはだいぶ以前のようですが、Arduinoのシールド(オプションボード)としてK3NG OMが開発されたエレキーがあることを知りました。同じAKCのメンバーさんもシールドを頒布されています。
このエレキーは、K3NG OMが開発されたものからどんどん機能が増えてゆき、物凄く多機能なエレキーとして世界中で使用されているようです。
最初は、Arduinoベースと言うことで小型の専用キーヤーのイメージが湧かなかったのであまり興味がなかったのですが、最近ふとしたことから、これをFRISKサイズに入れられないかと思うようになってきました。
初代のFRISKキーヤーは、まず大きさが決まっているので使用できる電池の大きさや、使用する部品(特にマイコン)の大きさが制限されていました。
とりあえず動くではなく、特に電池の持ちは実用的には重要です。
当時はAVRマイコンが持つSleep機能を最大限に活かし、電源を切り忘れても電池の自然消耗に近いレベルでのSleepを実現できました。

FriskPCBJissou.JPG

Arduinoでは色々作って使ってはいたのですが、3Vでの電池駆動の作品は今までありませんでした。
とりあえずK3NGキーヤーのソフトを、Arduino基板ではなくそのマイコンであるATMega328単体に書き込んで使ってみました。
ところが5Vだと何の問題もなく動作するのですが、3Vだと動作しません。
色々悩んでFUSEビットの設定ではないかと、これも色々試したのですがダメでした。
結局Twitterで悩みをつぶやいたところ、普段いじらない(今までいじったこともない)FUSEビットの設定がポイントと教えていただき、それに従ってそのFUSEビットを書き換えたら、3V以下でも問題なく動作するようになりました。
購入したばかりのマイコンだと問題がないのに、何故Arduinoのプログラムを書き込むといじってもいないFUSEビットが変わりだめなのか調べてみました。
結果、なんとArduinoのブートローダーを書き込むと問題のFUSEビットが書き換えられていることがわかりました。
それで、プログラムを書き込んだ後にFUSEビットを再度変更し、動作が問題ないことが確認できたのでこれで大丈夫と思ったのですが、途中の変遷が色々あって、最終的には、動作の安定性を確実にするために、ArduinoIDEで生成されるバイナリーファイルのうち、ブートローダー無しをISPで書き込んで使用することにしました。
次の課題は、Sleep対応へのハードウェアの仕様です。
K3NG キーヤーの機能としてはSleepモードが設定できるようになっています。
ソフト的には、これをONにすればいいのですが、基本回路としてSleepがONになっても、3V時、300μAの無駄な電流が流れる設計になっています。
それは、スピード調整用のVRです。

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直列に1KΩの抵抗を挿入し電圧測定

初代FRISKキーヤーでは、このスピード調整用のVRの電源はマイコンのポートから供給するようにしてSleep時は、VRへの電流が流れないように制御して消費電流を抑えました。
回路的には、同じようにすればよいことはわかっているのですが、膨大なK3NGキーヤーのソースのどこを変えればいいのか? だいぶ苦戦しましたが、何とか作りこむことができ、動作確認の結果、Sleep時の消費電流を10μA以下まで低減することができました。

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直列抵抗10KΩ時

Sleepからの復帰も、長点or短点のパドル操作で即時に復帰します。

次の課題が、昨今のマイコンの入手難です。
最初は小型するために、QFPパッケージで基板を作りました。実験も手持ちのQFPで行いました。
ところが昨今の半導体不足によってQFP品がとても手に入りにくいことがわかりました。
基板はできたのですが、肝心のマイコンが入手できないとなると頒布は不可能になります。
ここで挫折かと思いましたが、DIP品なら少量ずつだと手に入りそうだとわかって、DIP品を基板の裏に貼り付けられないかとやってみたのが写真の試作基板です。

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QFP基板             DIP品を無理やり載せた

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表側には影響なし

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結果としてケースの裏側にマイコンの穴

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基板も9月16日バージョンから10月1日バージョンへと変遷し完成

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初代との比較 今回はケース付き  基板の色で3色用意

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K3NGキーヤーの豊富な機能をリストシール化

久しぶりのFRISKサイズキーヤーの改定となりました。小さい基板ですけど、小さいがゆえに意外と苦戦したかな?!と思っています。
キータッチも、世界で使用されているソフトですから、気に入っていただける方も多いかと思います。
IAMBICもA、B選択できますし。
トレーニングモードも搭載されていますし。(よくわからないのもありますが)
チューニングモードも便利です。
ブザーですが、サイドトーンの周波数調整ができるのも面白いです。

コソッと頒布してます。ご興味があれば、pocke.tech へ!






feed カーボンファイバー釣竿アンテナ (2021/10/13 15:53:08)
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釣竿アンテナというと、グラスファイバー製を使用するのが定番でしたが、最近Twitterでカーボンファイバー製の釣竿を使ったアンテナの投稿をよく見かけるようになりました。
グラスファイバー製の場合は電線を這わせて使用するわけですが、カーボン製の場合は導電性があるので使えないということが言われていました。
最近の投稿によると、この導電性をそのまま活かして電線を這わせることなく釣竿そのものに電波をのせて使おうというものです。
報告によると結構使えるということなので興味を持っていました。
しかし、どんな釣竿なのかというような情報があまりなくて躊躇していましたが、安いのを買ってやってみようと思い立ち実験してみました。
サイト検索すると、意外と昔からエレメントとして使用されておられる局長さんが結構いらっしゃったということも後押しになりました。
細かい調整をしたわけではなく、仮設してオートアンテナチューナーAH4を接続してチューニングし、50W FT8 で運用してみました。

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ベルトクランパーで縛っただけ!
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釣竿の最下段と、2段目以上は絶縁されており、最下段を固定した。
下から2段目のロッドの下方部の塗装をカッターで削り取り、AH4に接続する電線を取り付けたクリップで咥えて接続した。
クリップ側は磨くなどの加工は一切していません。100均で買ったものそのままです。

結果は上々で、何ら問題なく16mほどのロングワイヤーと同じように飛んでくれました。
意識してなかったのでオセアニアとQSOしていませんが、 北米 南米 アジア 欧州 アフリカ 南極 と交信できました。VKはいつもできているので、交信していればWAC+南極ができていたことになります。
運用は、7MHzと10MHz 時間は5時間ほどです。
そこそこチューニングができた範囲では、3.5MHz~50MHzでした。
カーボンファイバー釣竿アンテナの特徴は、電線を這わせないので軽くできるということと、最先端のロッドまで活用できるということです。使用した釣竿の先端は、0.8mmしかありません。
100均で買ったベルトクランパーで縛っただけの簡単設置で、使えるアンテナの実験ができました。
購入したカーボンファイバー製釣竿は、写真の通りです。
長さ 7.2m、先端 0.8mm、手元 約23mm、
重量 約260g(実測)、仕舞寸法 72cm
名称 小継 硬調 メーカー JINKING?(中国製)
購入価格 4299円(AMAZON)

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写真に見えるコイルは関係ありません。5mのロッドアンテナを使用した1.9MHz用バーチカルのコイル部にベルトクランパーで仮設したため、コイルが写っています。
このコイルを使えば1.9Mhzも使えるようになると思います。

非常に短時間で仮設、試験運用してみましたが結構使えるアンテナだと思いました。
ロッドアンテナと違い、おそらく数Kgの魚も吊り上げる強度はあると思いますので、固定さえしっかりすれば少々の風にも十分に耐えることができると思います。竿自体はとても軽いので移動運用にも活用できるものと思います。(チューナーは別途考えないとだめですが)
10m長の竿もあるようなので、安いのがあったら調達してみたいと思います。






feed Pocke TATOR マスト取付アダプターⅡ (2021/8/9 18:40:26)
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小型のアンテナを気軽に回せるようにと作った Pocke TATORですが、マストへの取付はマストに沿わせてU型ホルダーでねじ止めして固定するようになっています。
しかし、実際の移動での運用とか、ベランダへの取付取り外しとか、もう少し簡単に取り付けられるようにならないかというご要望もいただいていました。
それで作ったのが、マスト取付アダプターです。これは、ホームセンター等で売られている塩ビ管を組み合わせて作ったもので、マストの上から被せてネジで絞めて固定するものです。
これの製作資料は、pocke.tech サイトに掲載いたしました。

pocke.tech/wp-content/uploads/2021/07/Pocke-TATORマスト取付アダプター.pdf

実際にこの資料を参考に製作されたOMさんがおられ、製作にあたって質問もありましたが逆にアイデアもいただき、製作されておられる間に、足元に転がっている残材料でもっとシンプルな構造にできないかと試作をしてみました。
しかし、見つけた残材料がVP65管だったのでマストに取り付けるには少々径が太いなあ!という印象でした。
今日になって、残材でVP50管を見つけこれで作れないかと検討してみて出来上がったのが、Pocke TATOR マスト取付アダプターⅡ です。
Pocke TATOR本体の塩ビ管がVU65なので、アダプターもVP65管という既成概念でいたのですが、VP50管なら、スマートなものが作れます。
問題は、VP50管のキャップにPocke TATOR本体を取り付けるネジが入るかどうかでしたが、なんとぴったり入ります。

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強度的にも問題なさそうでした。
これにより、VP65管から50管に変換するインクーザという部品が削除できます。
最初のアダプタは、制御用のケーブルを通す穴を開けて横から出していましたが、マストとの間には十分な隙間があるので、そのまま下から取り出すことにしました。

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また、マストに固定するネジとナットは、専用のホルダーを作って取り付けていましたが、VP管の内側にナットをボンド付けし、ホルダーも省略しました。
こうして1号機が塩ビ管部品が5種類だったのに対し、2号機は2種類のみとなりました。
これで重量的にもだいぶ軽くなりました。(680g → 420g)
また、塩ビ管の切断も必要でしたが、25cm管(ジョイフル本田では売っていた)を使用すれば塩ビ管の切断もなく、加工は穴あけとボンド付けのみです。
更に、OM局にいただいたアイデアでマストへの固定はネジ部分だけで押さえるのではなく、当て板を使って面で押さえる方法で、上側にネジを渡して当て板をぶら下げておく方法でした。
これは良い方法だと材料を探してOM殿と同じアルミの板材もあったのですが、目の前に100均で買って使っていた20cmのステンレススケールがあり、ぶら下げる穴も開いていますし、長さもぴったりでした。

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このスケールは重宝してずっと使っているので改めて購入しますが、取り急ぎ使ってみました。
こうして出来上がったのが写真のようなシンプルな2号機です。

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左 1号機、中 試作2号機、右 2号機(Pocke TATOR取付状態)

もし、これから作られる方がおられたらこの2号機をお勧めします。資料を作る予定はありませんが、1号機の資料とこの写真を参考にしていただければと思います。
使用する塩ビ管材料は、VP50キャップとVP50管(25cm)とネジ類です。

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feed ギアモーター到着(顛末) (2021/7/20 11:42:59)

再生できない場合、ダウンロードは🎥 こちら


お陰様で、小型ローテーター「Pocke TATOR」は手持ちモーターが全てはけてしまって追加注文をしました。
中華製なわけですが、沢山注文すれば安いわけではなく、数量と送料との関係でみると8個単位が一番個数単価が安くなります。
それで、これまでも8個単位で注文していたわけで、今回も8個単位で2社に発注しました。
今回は新しい仰角ローテーターも検討しているので、その2社に二日空けて更に8個ずつ注文していました。
合計32個の注文になります。

IMG_4106.JPG  写真上のトレイの左側が先に到着した8個
9個あるのは、以前調達した1個

これからが顛末の始まりです。(大したことないですが)
この2社は、これまでも注文していた2社で今まで何のトラブルもありませんでした。
価格は少し違うのですが送られてくるものは同じもので、トラブルがあってもどちらかが来ればいいやというリスク回避です。
どちらも、注文したら翌日には発送準備完了、発送の連絡が来ます。今までは約2,3週間程度でどちらも品物は到着していました、
今回も、2社ともに、また二日空けた注文も翌日に発送連絡が来ました。
ところが、1社の最初の8個は、すぐにトラッキングが可能になり輸送進捗が見えるようになりましたが、先に送ってくれた1社の次の8個と、もう1社の8個×2は10日たっても、トラッキング番号は表示されていますが、トラッキングもできませんし、表示は、発送がペンディングされているとなっていました。
到着予定期限にはまだ時間はありましたが、一応「発送がペンディングなっているけど、どうなっているの?」と質問すると、すぐに「調べるから待って!」と返事がきました。
それから、3,4日ほど音沙汰もなく、先行出荷された8個は無事に到着しました。これは、今までと同じもので、動作確認もOKでした。
そこで、再度「どうなっているの?」と質問すると、「在庫が切れて新たに生産していた。今日品物が出来上がったのでFeDexで送る」と連絡が来ました。
蕎麦屋の出前のような回答でしたが、FeDexで送るというのは驚きでした。しかし、FeDexのトラッキング番号も送ってきています。
翌日にはFeDexでトラッキングができるようになりました。
しかし、品物の発送地はいつもと違って温州となっていました(確かいつもは蘇州)。
さすが、FeDexです。上海経由で翌日には成田について、江東区に運ばれ翌朝には日本郵便にて配達されました。FeDexは国内配送は日本郵便と提携しているんですね!
到着は、到着予定期限の翌日でしたので立派なものです。発注から3週間ほどでした。
2社に発注していましたが、残りの8個+8個×2=24個は一つの梱包で送られてきました。

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梱包はしっかりしていましたが、中のモーターはバラバラになっていました。

要するに注文したショップは違いましたが、やっている人は同じだったということです。遅れのフォローをしていた時の回答でだいたいわかっていましたが。リスク回避になっていません!
さて、到着した品物ですが、今までの分を含め先の8個とは、形はほぼ一緒ですがラベルなどが違っていました。

IMG_4107.JPG    IMG_4108.JPG

一応、全数の動作と、一個だけですが蓋を開けて中身の確認をしました。
ギアの構造は、これまでと同じでした。グリスのつけ方は今までと同じですが、種類は違っていました。

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ラベルの表示から、生産日は2021/7/12となっていましたので、これまでの経緯からすると嘘は言っていなかったようです。催促しなかったらFeDexで送ってくれたかどうかは?ですが。
そういう目でラベルを見ると、先に送られた8個は、2019/11/9生産、手元に残していたその前の物は2018/9/17生産の物だとわかりました。(気にしてなかったです)
色々なギア比があるので過去に生産していた在庫が本当に切れたのでしょう!
いずれにせよ、このギアモーターはA37RG(37が径)という標準型の一つなので、大きさ、取付などには問題はなさそうです。
と言うことで、調達に一番時間がかかり、値も張ってリスクもあるギアモーターを32個も調達しましたので、モータードライバ、マイコン、表示器、その他構造部品の調達も始めて次の頒布の準備をしたいと思います。方向角、仰角を作ると3Dプリンタの製作だけで3.5日ほどかかりますので、頒布は当分先だと思いますが。

Aliでもそれなりにフォローすれば親切な対応をしてくれるショップもあるんだなと思いました。
最近AMAZONでは2回返金してもらってます。(いずれも中国からの発送品ですが、違った型名のセンサーが載ったボードでした)




feed Pocke TATOR 取付アダプターの製作 (2021/7/2 14:05:11)
設置例.jpg

 おかげ様でPocke TATORをお使いいただいている局長さんも増えてきましたが、思いもしない使い方を含め色々な形でご活用いただいており嬉しい限りです。
 そうした中で、もう少し設置を簡単にできないかというご要望もあり、取付アダプターを作ってみました。
ベランダ用のBSアンテナなどを取り付けるポールとか、移動用の三脚ポールとかにチョンと乗せて取り付けるようにしたものです。
 Pocke TATORの標準的な取付は横側にポールを固定する方式になっていますが、若干片持ちになっていることもあって、今回のアダプターは本体の底面に用意していた3個のナットを活用する方法としました。
 その製作資料は、Pocke Tech の頒布品ページ(下記URL)にPDFを掲載しました。
ホームセンターで売っている塩ビ管の部品を使った安価なものになっています。ご参考になればと思います。

  http://pocke.tech/sell/pocke-tator/

feed Pocke TATOR 衛星自動追尾 (2021/6/14 12:37:32)
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Pocke TATORは、簡易型小型ローテーターで、小型のアンテナを回転させるのに都合がよく、自分用だけではなく、ご希望の方にまだ少数ですが頒布させていただきました。
元々は、自宅ベランダに144MHz、430MHz、1200MHzのヤギあたりを上げたいな~という思いから自作したのですが、(いまだにアンテナが完成していませんが)、実際に頒布してみると衛星通信の追尾に使いたいとおっしゃられる局長さんが数局おられました。
衛星通信は、CQ誌などで知識としては知っていても、やったことも聞いたこともありませんでした。
幸いにも、いつもお世話になっており、またPocke TATORを使っていただいているJK1LSE OMが衛星通信を始められ、情報としてPocke TATORでアンテナを回し始めたが、限られた時間の中で衛星は移動するので回転操作をしながら、ドップラー効果で変動する周波数を追いかけながら、CWを打つのは忙しすぎるということをいただきました。
それで検討を始めたのが自動追尾で、最初の検討が、CALSAT32という衛星軌道計算ソフトが対応しているローテーター制御方式での検討でした。
http://blog.toshnet.com/article/188441950.html

もう3か月以上も前になりますが、一応制御ができることは確認できました。
しかし、I/FにPINICとかのH/Wが必要になり、もう少しスマートにならないかな~と考え出来上がったのが今回紹介する PockeTATOR 衛星自動追尾機能です。

Pocke TATORは、Arduinoを使って回転角制御をしていますので、追尾しようとする衛星の、方向角、仰角がわかれば、PockeTATORをダイレクトに角度制御できます。(今は方向角だけですが)
何とかならなかな~と、衛星の軌道計算ソフトである CALSAT32 のマニュアルを読んでいると、PCのレジストリにこれらのデータの書き込みがされていることがわかりました。

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CALSAT32の作者にデータをシリアルで吐き出してもらえないだろうかとか、こちらの都合のいいことを考えたりしましたが、このレジストリのデータを読み込んで、Pocke TATORのコントローラーにデータを送り込めば制御はできる!筈と、PC上で動くプログラムは作ったことがないにもかかわらず検討を始めました。
PC上で動くプログラムは、もう20年以上も前にVBとかDelphiとかかじり始めたことがあったのですが、即座に挫折してそのままになっていました。明確な目的がなかったことも要因の一つかもしれません。
兎にも角にも、今回はレジストリのデータを読み取って、USBを経由してシリアルで吐き出すという、明確な目的があり、何とかなるだろうと始めました。
まずは、開発言語です。VBがいいだろうと思ったものの今はVisual Studioという統合開発環境で開発するようになっており、これのインストールから始めました。最新版は、2019です。
そして、次は、レジストリのデータの読み込み方法です。
最近はネットに多くの情報がアップされており、検索してすぐ見つかりました。これが一つではなく色々な方法で、何種類も記載されています。と言っても、手元になにも参考書がない状態ではさすがにどこから手を付けていいものかわからないので、参考本を買ってきました。それに、レジストリからデータを読む参考プログラムが書いてあった逆引き大全(たった1ページの記載なのですが)も!
僅か数行のプログラムでレジストリのデータを吸い上げることができました。
次は、シリアルへの掃き出しです。
ところがVisual Studio 2019には、シリアルのライブラリが見当たりません。サイト検索もしたのですが、見つけることができませんでした。2017には、ライブラリがあるようです。
面倒くさいと思ったものの、2017のインストールしなおしです。今度はシリアルのライブラリが見つかり、シリアルへのデータの掃き出しの検討を始めました。数値データ、文字データなどの型変換をやりながらなんとか、吐き出すことができるようになりました。
コントローラのArduino側のソフトも追加開発が必要ですが、同時に開発するとどちらに問題があるのかわからなくなるので、まずはPC側の掃き出しを作り、思っているようなデータが掃き出されているのかの確認をTeraTermを使わさせていただき、もう一台のPCで確認作業を行いました。
これらの変遷を経て出来上がったのが CALSAT32toCTL というPC上で動作するソフトです。

calsat32toctl.jpg

PCからのデータは、USBシリアル変換器を介して、Pocke TATORのコントローラーに送り込まれます。
接続は、PCからのTx信号とGNDのみです。
コントローラーには、3.5mmのステレオミニジャックを追加し、PCからのTx信号だけではなく、Rx信号も受けられるようにしました。接続は、100均などで売っている3.5mmステレオミニプラグ付きケーブルが使用できます。

IMG_3941.JPG    IMG_3940.JPG

IMG_3956.JPG    IMG_3948.JPG

CALSAT32のでもモードを使用して、追尾している状況を録画したのが下記映像です。
アンテナは、模擬アンテナが取り付けてあります。


再生できない場合、ダウンロードは🎥 こちら


Pocke TATOR側に追加したのは、3.5mmステレオミニジャックとソフトウェアの追加変更のみです。
PC側はCALSAT32のインストールとCALSAT32toCTLのインストールにより、シンプルな接続で、目的の衛星の自動追尾ができるようになりました。
この機能は、次回からのPocke TATORの頒布品からは組み込まれた状態で行う予定です。
既に頒布したものへの対応は、ご要望のある方に個別対応したいと考えています。
実はこの機能は3月後半に出来上がっており、当局のサボりで紹介が遅れました。
この間、先にご紹介した JK1LSE OM殿には試使用していただいており、既に約1000QSOを超える実績を上げていただいております。大変忙しい衛星通信で、アンテナの回転が自動になり役立っていると言っていただいております。
JK1LSE OM殿は、144MHz 4エレ八木と、430MHz8エレ八木を屋根裏に設置されており、その様子をBLOGで紹介いただいております。ご参照ください。

http://honda.way-nifty.com/pocky/2021/03/post-76f10f.html

なんとこの設置では、Pocke TATORのポールを延長され144MHzは水平、その上に430MHzが乗っかる縦設置となっています。
Pocke TATORは横の力に対する支点が短いので、ポールの延長は無理としているのですが、アンテナのバランスを取り、屋根裏設置ということで風もないことを理由に自己責任(元々頒布品に保証はないのですが)で行ってもらってます。アンテナ重量からは、回転力は十分にあるかと思います。
今回の衛星追尾は、方向角のみなので仰角方向でも変化する衛星に対して、JK1LSE OM殿は、アンテナに15°の仰角を持たせて設置されています。OM殿によれば、15°~ 30°くらいがいいかなとのことでした。
さすがに天頂は通過時は苦しいかな~とのことですが。

この仕様の追加により、Pocke TATORも使用の範囲が広がったと喜んでおります。
何せ初めてのPCソフト開発も合わせて、実使用の中ではまだまだ問題点が残っているのではないかと思いますが、そのあたりはご愛敬ということで!
CAS-4A、4B、4Cは連続してやってきますが、この時に回転角が異常になったことがありました。
各衛星ごとに一旦追尾を解除して、再度追尾をすれば問題はないと思うのですが、当局はまだ実際に衛星通信を行っていないもので!すみません。

謝辞:今回の衛星追尾機能の追加に際して、JR1HUO OM殿製作の衛星軌道計算ソフトウェア Calsat32 を使用させていただきました。JR1HUO OM殿には、これの使用と、連携したソフトの開発、そしてBLOGなどでの紹介などについて快く、ご承諾いただきました。大変ありがとうございました。


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