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link 7K1BIB/AC1AMの業務日誌 7K1BIB/AC1AMの業務日誌 (2024/5/6 13:05:40)

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feed ハムフェア2022 (2022/8/21 23:59:00)

3年ぶりの開催でした。

拠点があること

今年は「秋葉原無線部」の一部を間借りして、「 バーチャル・ハムフェス 実行委員会」として参加しました。出展者側での参加、土日2日間通しの参加は初めてです。

萌え絵が並ぶブース(笑)。あずにゃんのタペストリーは遠くからでも目立ってました。ブースに戻りやすくありがたかったです。真ん中に立っている「無線通信実験中」のミニのぼりは試作品。いつか売り物にできないかなぁと思ったりしています。

会場からのYouTube Live

「バーチャル・ハムフェス実行委員会」初の試みとして、会場からYouTube Liveを行いました。

まず、2020年と2021年のハムフェスにご出展頂いたブースを中心に、ご挨拶かたがた巡回させて頂きました。実はハムフェア1週間前に思い立ち、急にメールでお願いしたのですが、みなさん、それぞれの出展内容に賭ける「思い」を、文字通り熱弁してくださいました。貴重なお話を直接うかがえて、とても光栄でした。

また、アイコム様におかれましては、新製品IC-905/IC-PW2とIC-705の新機能「DVレピータモニター機能」について、取材に応じてくださいました。改めて御礼申し上げます。

「アイコムブースからライブ配信」は、こちらのリンクからどうぞ。 ブース訪問のURL(限定公開)は、ツイッターアカウント( @7K1BIB または @v_hamfes )の当日の投稿をご参照ください。

楽屋裏・・YouTube Liveの機材

YouTube Liveはマイクが肝心という記事を読んだので、Amazonで評価の高い「 MarantzPro M4U 」を調達しました。「Marantz」と聞いて色めき立つ無線家諸氏も多いと思いますが、「C401」等々、かつて「スタンダード」ブランドの名機を輩出していた日本マランツ株式会社とは関係ないような気がします。

このマイク、音声信号をUSBに変換するA/Dコンバーターが付属しています。ですが、Pixel 5a(Androidスマホ)への接続は、3.5mm 4極端子をマイク/ヘッドフォンに分割する短いケーブル(100均で調達)を経由してアナログ的に接続させました。

配信アプリは、公式YouTubeアプリを使いました。

事前のテストでは、GoProをスマホに接続したりサードパーティ製配信アプリを使ったりいろいろ試したのですが、結局はシンプルな構成がよいようです。

スマホは自撮り棒に取り付けましたが、いかんせん画面を見ながらインタビューするのは相当困難。画面がズレてしまったりしてお見苦しかった場面もあったかとと思います。また、2日目の映像は、スマホ回線の調子が悪くとても荒っぽいものになってしまいました。お詫び申し上げます。

それにしても、わずか4000円弱のマイクとスマホ1個で、曲がりなりに生中継ができるとは、すごい時代になったものです。

思い出

今年の戦利品。同人誌中心で、無線機グッズはなにも買いませんでした。じっくり読んで楽しみたいと思います。

2日間、たくさんの方とアイボールできました。後日「見かけたけど話しできなかった~」という声をいただき、大変失礼いたしました。次回お目にかかれることを楽しみにしています。

(2022-08-28 記)


feed JARL第11回定時社員総会ご報告(その4・その他の質疑) (2022/7/24 19:28:27)

社員総会報告 その1(速報)はこちら
社員総会報告 その2(決算)はこちら
社員総会報告 その3(役員選任)はこちら

報告その4では、報告事項についての私の質問と執行部の回答、その他注目すべきやりとりを記録します。

報告事項に関連する事前質問

(山内の事前質問)
1. 昨年の社員総会で、支部役員を当該支部の居住者に限っている地方本部組織運営規程第6条第4項(支部役員)の要件を緩和する方向での改正を提案したが、どのように検討されたのかお答え頂きたい。

(日野岳専務理事の回答)理事会で検討したが、他のエリアでは問題が起きていない。勤務先を登録住所にすれば解決するという意見があった。今のところ改正する予定はない。

(山内感想)関東地方の某支部で、その管内にある大学に通っている学生さんが支部役員になっていたところ、その学生さんは県外に住んでいるではないか、という指摘があり、役員を解任されてしまったという事案がありました。理事会は、「大学を登録住所にせよ」というのでしょうか・・。

2. 今年も多数の準備書面が提出されているのは、執行部と社員の対話の機会が年1回の社員総会の場しかないからではないか。例えば、 半年に1回、Zoomによる「社員集会」のような対話の場を設けたらどうか

(回答なし・・・)

(山内感想)Web会議システムを使えば費用もたいしてかからないと思うのですが・・。あくまで、社員の意見は聞かないということでしょうか。

当日の追加質問① 7MHz国内FT8周波数問題

(山内の当日質問)
7MHz国内FT8周波数問題。7030-7040の間に移行しなさいというアナウンスがJARLから出たが、現実は7041kHzから移行する気配すらない。今後、我々はどうすればいいのか。去年の年末に、IARUにはどういう回答をしたのか。

(日野岳専務理事の答弁)
JARLからIARUリージョン3へは、バンドプランを支持するということと、FT8の国内周波数の変更についてはPRしていきたい、と返事した。 あとはリージョン3がそもそもバンドプランを制定するのかしないのか、また、何らかの指針が出るのかどうか、その2点をみて動きを決めていきたい。

(山内感想)7MHzのFT8国内周波数問題は、JA国内の問題です。IARUにお任せとは、なんかズレてますね。国内周波数の選定、総務省との調整など、JARLがやらなければいけないことは多いはずです。

当日の追加質問② 1200MHz帯と「みちびき」

(山内の当日質問)
来年のWRC-23で、「みちびき」を含む位置測量衛星(衛星測位システム)と1200MHz帯の関係が議論される。1200MHz帯のアマチュアバンドは2次業務なので基本的に劣勢。最新の情報によれば、ドイツのHam Radioの会場に欧州のIARUの関係者が集まって、(1)サテライトとATVは100Wまで認めるが他は5mWまで、(2)ATVはやめて、ローパワーの帯域を認める、(3)アンテナから出る出力を1Wに制限する、という3つのアマチュア側からの案が議論された。しかし、いずれも音声通信が盛んなJAの実態に合わないと思われるので、JARLとしてIARUにきちんと要望を出して行かないとといけない、IC-9700が売れなくなってアイコムが困るという事態になりかねない。こういう問題について、JARL幹部のだれが責任を持って対応していくのか。理事社にお答え頂きたい。

(日野岳専務理事の答弁)
WRCについては色んな案が出ている。各国からの色んな意見が出ているようである。日本ではご承知の通り「みちびき」が出ていて、すでに1200MHz帯のレピータは減力措置をとっている。これによって当面は一応共存していこうということで、日本としては済んでいる形になっている。これからさらに規制が入るか入らないかで議論されていることかと思うが、新たに規制がでないように総務省にお願いすることと、各国のアマチュア無線に規制が入らないような活動・努力はして参りたい。

(山内感想)WRC-23は世界レベルの会議です。世界レベルで1200MHzアマチュアバンドに大幅な制限が加わってしまえば、総務省はそちらに従うでしょう。私たちは、1200MHzバンドがほとんど使えなくなることを、覚悟しないといけないのかもしれません。

JJ1WTL本林さんによる「 シン・社員総会報告Web版


feed JARL第11回定時社員総会ご報告(その3・役員選任) (2022/7/10 21:18:23)

社員総会報告 その1(速報)はこちら
社員総会報告 その2(決算)はこちら

報告その3では、第2号議題(役員の選任)に関する私の質問( 事前質問の全文はこちら )と執行部の回答を記録します。ほぼ、当日の流れに沿っています。

JARLが現在抱える3つの緊急課題について(候補者全員に対する事前質問)

(山内の事前質問要旨)(1) 今年1月、JARLが今すぐに取り組むべき緊急の課題を、①カード転送の安定化、②法制度・バンドプラン改善対応、③財政健全化の3点と考え、髙尾会長に対し「課題解決に向けての議論のご提案」をお送りした 。お返事に、「協議を行う」とあったが、 具体的にどのような協議をおこなったのか について、髙尾候補のご説明を伺いたい。

(髙尾候補を含め、一切答弁なし)

(山内の事前質問要旨)(2)17名の理事・監事候補者に、3点の緊急の課題についてアンケートを行ったが、返事があったのは

JA2HDE 木村 時政氏 
JG2GFX 種村 一郎氏 
JH3GXF 安孫子 達氏 
JR3QHQ 田中  透氏 
JH4NMT 松田 佳之氏 
JA9PPC 森田 喜邦氏 

の6名のみ。 特に、現職の理事・監事からはひとりも返事がなかったことに驚いている。 社員総会の場で、返事をされなかった11名の皆さんひとりひとりから、上記の3つの課題について、ご意見を伺いたい。

(日野岳専務理事の答弁)さきほどご回答したとおり→→(JH4PHW坂井社員の質問に対する日野岳専務理事の答弁)3つのテーマについて(個々の候補者の)所信を聞かせて欲しいということだが、
①カード転送については、先ほど説明した事情でカードの停滞があり、早急に連盟としてもなにがしかの手当をしたいということで検討中。
②7MHz/FT8国内周波数については先ほど説明した。→→後述。
③財政についても、今ある会員サービスをより充実させて、会員数の増加を図り、経費節減につとめ、今季同様収支均衡に向けた体制維持を継続することが責務と考える。

(3) 1月に提案文書を送った後、○○氏及び○○氏からは、重要な問題なので理事会で議論したいとのお返事を頂いていたのだが、その後はお返事がなくなってしまった。どなたかが、両氏を含む現職役員の皆さんに、「山内らのメールには回答するな」と止めたとしか思えないが、髙尾候補のご見解を伺いたい。

(日野岳専務理事) 会長が誘導しているということは決してない。

【山内感想】 執行部は、候補者の個別発言を徹底して拒否しました。 不思議でなりません。あとで詳しく検討します。

知床遊覧船問題(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問要旨) 知床における事故 につき、JARLとして、早期の段階で報道機関を集めてアマチュア無線制度に関する解説(レク)を行ったり、アマチュア無線機の不法・違法運用について断固反対する声明を出したりすることができたと思うが、JARLの業務を預かる専務理事として何も動かなかったのはなぜか。

(日野岳専務理事の答弁)先日総務省の告発があったが、詳細不明。無線局の取扱についてマスコミはいろいろ報道しているが、アマチュアの不法なのか業務の違法なのかもまだわかっていない。問題が明確になった時点で対処したい。総務省とも相談している。

【山内感想】これも的外れ。知床での事故が起きた直後、知床遊覧船社のアンテナが折れていたことは報道されていましたが、そもそも観光船でアマチュア無線機が使われていたこと自体を問題視する報道はありませんでした。そういう状況下で、「アマチュア無線機の不法・違法運用がされていれば大問題。断固反対する」という声明を出してマスコミを啓蒙し、世論を動かすことは、JARLしかできないことです。これこそアマチュア無線家を代表する団体の役割だと思いますが、残念ながら何も動かなかった(今でも動いていない)わけです。

東京都太陽光パネル義務化条例(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問要旨)東京都が、個人住宅にも太陽光発電パネルの設置を義務づける条例の制定に動いている。JARLの業務を預かる専務理事として、どのような行動を起こすのか。

(日野岳専務理事)JARLとして注視している。社会情勢から設置の否定はできないと思うが、東京都もアマチュア無線のこと、それに対する影響を知らないでやっていると思われ、強く意見を述べていくつもり。意見書はすでに提出済み。国会関係者とも打ち合わせを行っている。過去にはソーラーパネルの協会のようなところにも申し入れをを行ったことがある。

【山内感想】パブコメ意見を出すことは個人でもできます。太陽光パネルが無線通信に与える悪影響について ひとりでも多くの都議会議員に知ってもらうこと、今回の条例に反対する業界団体と連帯すること、都庁に陳情に行く といったことは、個人ではできません。そこに、JARLの存在意義があると思うのですが、これもやっていません。

7MHz/FT8国内周波数問題 (日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問要旨)
a. 昨年9月、IARUからJARLに対し、7.041MHzのFT8国内周波数の移転を検討し、12月末までに回答するよう要請があった。JARLの業務を預かる専務理事として、早い段階から会員に情報を周知し、議論を深めておくといった対応を取らなかったのは何故か?

b. 周波数委員会やコンテスト委員会の意見を聞かなかったのはなぜか。

c. 12月末に、IARUにはJARLとして何と回答したのか。それから6ヶ月経ったが、IARUにおける議論は現状どうなっているのか。

d. 今後、我々アマチュア無線家は、どう運用すればいいのか。

e. JARLの業務を預かる専務理事として、JARLが国際基準に合わせて柔軟に改訂できるようにするために、総務省にバンドプラン告示の改正は求めないのか。

(日野岳専務理事)先ほどの答えのとおり→→(JA3HBF田原社員の質問に対する日野岳専務理事の回答)FT8の国内周波数については、リージョン1、2、3で統一したバンドプランを作ろうということで、リージョン3からJARLに対して意見を求められた。理事会で審議した結果、世界的な慣習に従うということで、JARLもこれに同調したということである。

【山内感想】7MHz/FT8国内周波数問題は、「世界的慣習に従う」という話ではなく、JAは法制化されたバンドプランのため世界的慣習(7.074MHz)に従えないため、JAのためだけに例外(国内周波数)を設けてもらうか、どこに設けるか、という問題です。日野岳専務理事の答弁は問題を正しく理解しておらず、私の個別質問にも答えていません。この点も後で追加質問します。

社会貢献活動ガイドラインについて(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)
a. ガイドラインを、社会貢献活動に関する法令の改正と同時に公表できなかったことに責任を感じているか。JARLの業務を預かる専務理事としての認識をお尋ねしたい。

b. 日野岳候補は、昨年の社員総会で、「有識者」の協力を得てガイドラインを作成していきたいと答えたが、有識者とは誰か。総務省の担当者のことか。

(日野岳専務理事) 有識者とは総務省関係者のこと。

【山内感想】まさか、自分たちでは作れなくて、総務省に代筆してもらったということ でしょうか・・。

555万5000円の退職金について(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)昨年の社員総会で、「事務局職員退職一時金支給規定」による算定額よりも多いのではないかと考え、算定根拠を質問したが、明確な回答がなかった。555万という多額の、説明できない退職金を受け取っていることは大きな問題であるが、日野岳候補は、退職金を返金する意思はあるか。

(日野岳専務理事)過去の総会にかかること。何度もお答えした。本総会とは関係ないので答えは致しかねる。

【山内感想】日野岳氏への退職金の額、計算があわないのですが・・。

社員総会速記録の代わりとなる録画録音の公開について(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)昨年の社員総会で、社員総会の録画録音を公開するよう要望があり、日野岳候補は「検討する」と明言したが、どのような検討を行ったのか。検討結果が理事会報告に記載されていないのはなぜか。

(日野岳専務理事)JARL会員に限って配信するシステムを作るのが困難。 公開して欲しくないという出席者もいるので、録音録画の公開は今のところ考えていない。

【山内感想】社員総会の内容を公開して欲しくないと考えている社員は本当にいるのでしょうか

個人情報保護法(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)
a. 今年4月1日付けで個人情報保護法の改正法が施行され、各社・各団体は対応に追われたが、JARLは何か対応したか。JARLの業務を預かる専務理事としての認識をお尋ねしたい。

(日野岳専務理事)具体的な改善は行っていないが、会員情報を預かるJARLとしてより一層の厳格な管理が必要と認識している。

b. 今年3月7日のメールで、 最新の局名録がヤフオクに出品されていること を日野岳候補と総務部に情報提供したが、何の対応もせず、結局、7,000円という高額で落札されてしまった。JARLとしてYahooに対し違反通報を行う等できたと思われるが、対応しなかったのはなぜか。

(日野岳専務理事)その事例が判明すればその都度申し入れ。イタチごっこで追いつかない。できる範囲で対応。

【山内感想】JARLの会員情報の取扱いは、法に照らして相当問題があるので、全面的に見直したほうがよいと思います。

ワイヤレス電力伝送(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)2.4GHz帯と5.7GHz帯に影響すると思われる 「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」が、今年、とうとう認められてしまった 日野岳候補は、このシステムについて議論した「情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会」のメンバーであった が、アマチュア無線に与える悪影響を排除するため、委員会でどのように行動したのか。もし何らかの行動をしたのであれば、それを会員にアピールしなかったのはなぜか。

(日野岳専務理事)JARL電磁環境委員会の委員長が検討会のメンバーとして参加。激しい議論が行われた。陸上無線通信委員会に上がってきたときに、私の意見で検討会に差し戻しをしてもらった。その結果、調整機関を設けるなど新たな方策をしてもらった。

【山内感想】日野岳氏もちゃんとやることやってる?と思えた数少ない答弁でした。もし自分の意見で差し戻しさせたのなら、JARLの功績として宣伝すればいいのに、広報が弱いと思いました。

ハムフェアのパンフレットへの出展者の住所・電話番号の記載(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)
a. ハムフェアの出展代表者は、パンフレットにおいて住所・電話番号を公開させられるが、これを嫌って出展を断念した団体もある。いまどき、不特定多数の入場者に住所・電話番号を晒す理由を、ハムフェア実行委員長である日野岳候補にご説明頂きたい。

b. 参加者にとっては、住所・電話番号よりも、むしろ、団体のホームページや代表者のメールアドレスを記載した方が役に立つのではないか。この点について、ハムフェア実行委員会で議論があったと聞くが、どのような議論が行われどのように結論付けられたのか。

(日野岳専務理事)開催後の問い合わせ、出展団体の責任の所在を明確にしてもらうということで、各団体の連絡先を記載してもらっている。確かに時代に即していないかもしれないので、ハムフェア実行委員会では、来年以降の掲載方法について検討することになっている。

【山内感想】来年は期待しましょう。

専務理事の役割(日野岳候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)日野岳候補は、専務理事の役割を何と心得ているか。例年どおりの事業を例年どおり漫然と繰り返すだけであれば事務局長以下で十分である。専務理事の役割を果たしていないとの批判にどう答えるか。

(日野岳専務理事)今回の任期中も、会員数の増加、総務省関係、オリパラ、アドバイザリーボードの立ち上げなど、各種の施策を打ち出すことができたと私自身思っている。もちろん私だけの力ではなく、会長をはじめとして理事会、地方本部支部、事務局の皆さんが一丸となって成し遂げられたものと思うが、法人の意向に沿って、業務執行理事、専務理事の責務を十分果たしていると認識している。

【山内感想】日野岳氏の働きぶりに対する社員の判断が、 後ほど示されます。

JARL Webやラジオ番組で取り上げるトピック(髙尾候補に対する事前質問)

(山内の事前質問)
a.  髙尾候補が関与した行事に極端に偏っている が、誰がトピック選定し、記事を用意しているのか。髙尾候補が自分で選んでいると理解してよいか。

(日野岳専務理事)関係スタッフによる編集会議を定期的に開いて選定している。

b.  昨年のボーイスカウト連盟による「JOTA 2021」の記事 の中で、関東のみを取り上げ、東海や関西については一切触れられなかったのはなぜか。

(日野岳専務理事)特別な意味はない。編集上の都合による。

【山内感想】「編集会議」というのは、JARL Webについて なのか ラジオ番組についてなのか、はっきりしませんでした。 髙尾氏を奉り上げたあの記事 は、ボーイスカウト連盟側でもとても評判が悪かったと聞きます。 JARL会員5万人の中には、広報のプロもいらっしゃると思います。そういう方々を編集会議に迎え、協力・助言を受け入れた方が良いと思います。

東京都太陽光パネル義務化条例(髙尾候補に対する事前質問)

(山内の事前質問) 今年4月5日に泉田衆議院議員がJARLを来訪された際に、髙尾候補は、「太陽光発電システムのアマチュア無線局への影響についても意見を交わしアドバイスも頂戴した」とのこと であるが、どのような助言を頂き、それを今後どのように生かすつもりなのか。

(日野岳専務理事)(議員は)システムとアマチュア無線の因果関係について技術的に勉強したいということで、調査研究していただいている。今後は官庁や関係団体に働きかけていきたい、ということで思っている。

【山内感想】議員に会ったのは髙尾さんですから、彼から直接聞きたかったのですが・・。

ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード (髙尾候補に対する質問)

(山内の事前質問)a. 1月26日の第1回会合で髙尾候補が行った意見書は、JARL Newsの2022年春号に掲載されている。これは、誰が作成したのか。

(日野岳専務理事)JARL会長名義であり、文責はJARL会長にある。

(山内の事前質問)b. 「アマチュア無線界を代表して」意見を述べたとあるが、会員から意見を公募したことはない。その結果、 C4FMレピーターの解禁、D-STARやWires-Xのホットスポットに別の免許が必要とされる問題、バンドプランの柔軟化、外国人による開局手続の簡素化等、会員の要望が高い事項が含まれていない 。意見を公募しなかったために、このような重大事項が欠落してしまったとの認識はないか。

(答弁なし・・)

【山内感想】 一部の無線家の意見だけで作られた意見書は、「アマチュア無線界を代表した」意見とはいえません 。昔のJARLは、会員からの意見募集等、きちんとできていたのですが・・(参考: バンドプランは誰のもの?(7MHz帯狭帯域データを中心にその変遷を振り返る) )。

(山内の事前質問)c. この意見書について、 hamlife.jpが4月1日の記事で報道したにも関わらず、直後に削除 させたのは何故か。

(答弁なし・・)

(山内の事前質問)d. アドバイザリーボードは、1回目が開催されてから半年が過ぎようとしているが、2回目以降が全く開催されていない。今後はどのように進んでいくのか。

(日野岳専務理事)JARLではなく総務省が非公開で主催・設置している検討会。すでに何回か開催されており、総務省の発表をご覧頂きたい。

【山内感想】議事要旨が公開されていたことに気づいていませんでしたすみません・・・。 総務省のウェブサイト「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード」

不明朗な支出(髙尾候補に対する質問)

(山内の事前質問)一昨年に指摘された不明朗な支出について、JARLに返金・補填する意思はあるか。その一部(例えば、髙尾氏の義兄の葬儀香典代、「会員ファーストの会」メンバーによる福岡県での飲食費等)だけでも、返金・補填する意思はないか。

(日野岳専務理事)過去の総会で何度も答えた質問。本総会と関係ないので回答致しかねる。

【山内感想】領収書問題、このまま有耶無耶にするつもりでしょうか。

監事の資質(志村監事候補に対する質問)

(山内の事前質問)志村監事候補は、現在は山梨県支部長・社員であり、昨年の社員総会において全国の社員から約20枚の委任状を受け、髙尾会長・日野岳専務理事・佐藤監事の解任議案の否決に大きく貢献した方である。そのような方が、現執行部に対する監査を公明正大に行えるのか。

(日野岳専務理事)監事として公明正大に責務を果たしていただけると確信。

【山内感想】ご本人の口から伺いたかったですね。注視していきましょう。


準備書面に対する答弁が終わった後の、当日の質疑(抜粋)

(7L1FFN磯社員)昨年の社員総会で、”JARL執行部に異議を唱える人たち”と対面でお話をすることを検討する、という答弁があった。さきほど、対面での意見交換はなかったものの、文書での意見交換は進んだかのような話があったが、どのようなやりとりがあったのかお聞きしたい。 私のような支部長は、会員とJARL上層部の板挟みにあって大変苦慮している。やりにくい。 そのようなことがないという方向でこの1年間動いていただいたと思うが、自己反省も含めて、どんな風に進めたのかお聞きしたい。その結果を踏まえて、第2号議案の賛否を決めさせていただきたい。

(10秒の沈黙の後に・・日野岳専務理事) おっしゃるとおりで、私も苦慮している。この状況はあまり良くないと思っている 。文書のやりとりはさほど進展はしていないが、拒絶しているということはない。やはり正常な・・お互いの協力はし合って、反省すべき所はして、真摯に受け止めて、業務執行して参りたい。

(山内の意見・質問)理事の選任議案は個別に判断するもの。また、誤解されているかもしれないが、私は候補者の皆さんの人格攻撃をしているわけではなく、アマチュア無線家として仲良くやりたいと思っている。特に地方本部長の方は、各地で一生懸命活躍されており、その点には敬意を表する。ただ、今日の議題は、 理事としてふさわしいかどうか、この団体を引っ張っていく人としてふさわしいかどうか、今までの行状、お考えに照らしてふさわしいかどうかを判断する場面なので、 社員の皆さんはそのようにお考えいただければと思う。 なので、やはり個別の意見を伺いたい(拍手)。

例えば、私ども3名連名で送った議論のご提案、私も別に取って食おうというつもりはなくて、いろんな意見を交換したらどうですかと。会長も専務理事も、忙しくて手一杯で、色々お忙しいのだろうと思う。だから、3年くらい前に、大矢理事がいろんな提案をされたのを否決されたのも、やってられないよ、そんなキャパはないんだ、というお考えだったのかもしれないが、 私どもは「お手伝いします」と言っているんですよ。それなのに拒否される。

今、文書のやりとりがあるとおっしゃったが、ここに持ってきた。会長から、団体の番号も付いていない紙がきました。この度は、貴重な意見をありがとうございました、協議を行い、取り組んで参ります、今後ともご協力をお願い致します、という以外、何も来ない。 こういうところがJARLの発展を、自分の周りを自分のお友達だけで囲むという態度が、JARLの発展を阻害しているのではないかと私は思う

具体的な質問を2つ。理事・監事候補17名は、理事・監事になりたいという方々ですが、この場に来ているのかどうか、出席していない方については、今から連絡が取れる状態にあるのかを専務理事に伺う。

また、6人の理事候補からお返事を頂いた。皆さん関心のあるQSLカードについて、この6人の方々は、ビューローに対し送られてくる枚数は、やはり削減した方がいいのではないか、というご意見だった。専務理事のご説明では、それはなかなか難しいということだった。 ということは、候補者の中でも意見が割れている。なのに、専務理事のお答えだけ では、我々満足できません(拍手)。少なくともそこに座っている現職理事、また他の候補は2階にいると思うが、 それぞれの候補者について、例えばQSLカードについて、ビューローが遅れている問題をどうやって改革していくかについて、アイデアを伺いたい。

(20秒の沈黙の後に・・日野岳専務理事)理事候補者の出欠はわからないけれども、今2階に待機していただいている。(山内:全員ですか?と尋ねると)それは今わからない(議場騒然)。確認している。とにかく、総会終了後に理事会にご出席いただくと言うことで、招集している。

(鈴木議長)他に質問は?

(山内の発言)各候補に対しQSLカードの問題について、これ、各候補に答えていただいていない。(「議事進行」の声)はい、議事進行してください。答えてください。

(鈴木議長)JK7LXU石岡社員どうぞ。(議場からおや、との声)

(石岡社員)山内さんの質問に対してはあとで答えていただくとして、 候補者の個人的な意見が述べられなかで投票しろというのは、この肩書きだけで(当日配布された経歴資料)だけで選べということ。人格とかJARLをどうしようとかいう考えを聞かずに人を選べというのは、我々に対して侮辱である。 また、特に監事候補者について、去年いろいろ質問をして、今年も質問をしたところ、「去年答えた」と。だが、私は去年出席していない。発言要旨の掲載もない。何をいったかわからない。監事は、理事の職務執行を監査する、監督し検査するわけだが、髙尾会長、東北地方本部長、監事の3名連名で、特定の候補者に対する投票依頼のハガキを大量に撒いている。それが、監督監査をする人のやることか。また、経歴書を見ると、監事候補者は会社経営とあるが、監事は会社経営をしていればできるというものでもない。

(日野岳専務理事の答弁)先ほどの理事・監事候補者の件であるが、全員出席している。それから、理事監事の経験ということだが、 個々に候補者から意見を述べることは控えさせていただきたい 。日頃の活動、また今日配布の資料を踏まえてお選びいただきたい。

(鈴木議長)他に質問は?

(本林社員の質問)議長と、連盟の顧問であるオーセンスの先生方にお尋ねしたい。さきほど、一般社団財団法人法53条に基づき、髙尾さんと中村さんを指定して質問したが、答弁は専務理事からだった。ここは、髙尾さんと中村さんから答弁を頂きたいがどうか。

(鈴木議長)理事者側お願いします・・・ (弁護士からの耳打ちがあった後)特定の理事を指名して答えをもらう権利はない。 他にご質問は?

(山内)はーい。

(鈴木議長)ありませんね。では、時間も限られているので、質問を打ち切って( 「打ち切れない」という声と「議事進行」という声で議場騒然 )採決に入る。それでは第2号議案の採決を、挙手によって行う。(議長!の声)議事進行に関するものか?

(JH4PHW坂井社員)候補の中に社員の方がいるが、投票できるのか?

(鈴木議長)できます。第2号議案の採決は、賛成の挙手のみとります(「反対」との声と拍手)。

(山内) 動議!議長不信任案を提出致します(拍手)

(鈴木議長)コールサインと名前を言ってからにしてください。

(山内)議長2名の不信任案・解任議案を提出する。理由は2つ。 私が質問をしようとしたのに強引に議事を進行しようとしたこと。もう1つは、採決の方法について議場に諮っていない。 先ほど、賛成のみを係数することについて動議が出て、パラパラと拍手はあったが多数ではなかった。きちんと採決していない。私はその点については反対。なぜなら、先ほど第1号議題について、数が合わないといってあれほど揉めた。なので、賛成だけを集計しても、集計にミスが生じる可能性は高いと思う。そこで、議長不信任案の動議と、採決の方法についての動議の2点を、議場に諮っていただきたい。

(その後、議長不信任案の動議について挙手による採決が行われた。賛成54票、現時点での会場内の議決権の数は124票、賛成票が過半数に達しないので否決。 採決の方法についての動議は議場に諮られず、第2号議題についての挙手による採決へ

【山内感想】社員との真剣な対話を求めているのは私だけではありません。なのに、 執行部は、社員・会員との対話を拒否し、支部長の皆さんを、執行部と会員の間で板挟みにして苦しめています 。社員総会も、毎度のことながら、その場限りの答弁でやり過ごそうとします。理事・監事候補の個別の意見を頑なに拒否し、顧問弁護士もそれに同調するのは異様な光景でした。髙尾さんは、何を恐れ、何を守ろうとしているのでしょうか。

役員選任議案の採決の結果

「会場内123、議決権行使書5、合計128、過半数となる数65」です。

コールサイン 氏名 採決の結果 私の賛否と理由
JE1KAB  日野岳 充 否決 :賛成63票) 反対(「3つの課題」に回答なく、課題解決に真剣に取り組んでいない。専務理事として社員総会での答弁も不十分)
JG1KTC 髙尾 義則 (可決:賛成76票) 反対(「3つの課題」に回答なく、課題解決に真剣に取り組んでいない。会長として、会員との対話が偏っている)
JH1LWP 島田 守康 (可決:賛成95票) 反対(「3つの課題」に回答なし。髙尾氏に同調するだけ)
JL1ALE 菊池 宏  (可決:賛成90票) 賛成(「3つの課題」に回答ないが、新人であり今後に期待)
JA2HDE 木村 時政 (可決:賛成78票) 賛成(「3つの課題」に回答あり、課題解決に真剣)
JG2GFX 種村 一郎 (可決:賛成78票) 賛成(「3つの課題」に回答あり、課題解決に真剣)
JH3GXF 安孫子 達 (可決:賛成76票) 賛成(「3つの課題」に回答あり、課題解決に真剣)
JR3QHQ 田中 透 (可決:賛成76票) 賛成(「3つの課題」に回答あり、課題解決に真剣)
JH4NMT 松田 佳之 (可決:賛成76票) 賛成(「3つの課題」に回答あり、課題解決に真剣)
JA5SUD 森田 耕司 (可決:賛成121票) 賛成(「3つの課題」に回答ないが、理事会で議論する方向で動いてくれた)
JA6HUG 中村 信雄 (可決:賛成91票) 反対(「3つの課題」に回答なし。髙尾氏に同調するだけ)
JA7AJH 尾形 和俊 (可決:賛成84票) 反対(「3つの課題」に回答なし。髙尾氏に同調するだけ)
JA8ATG 原  恒夫 (可決:賛成92票) 反対(「3つの課題」に回答なし。髙尾氏に同調するだけ)
JA8DKJ 三井 武 (可決:賛成93票) 反対(「3つの課題」に回答なし。髙尾氏に同調するだけ)
JH8HLU 正村 琢磨 (可決:賛成95票) 反対(「3つの課題」に回答なし。髙尾氏に同調するだけ)
JA9PPC 森田 喜邦 (可決:賛成117票) 賛成(「3つの課題」に回答あり、課題解決に真剣。今後に期待)
JF0JYR 髙橋 哲也 (可決:賛成105票) 反対(「3つの課題」に回答なし。髙尾氏に同調するだけ)
コールサイン 氏名 採決の結果 私の賛否と理由
JA1MEK  志村 文夫 (可決:賛成82票) 反対(「3つの課題」に回答なし。過去の社員総会での投票行動をみるに、執行部に対する監督が期待できない)
JE7JGG  佐藤 眸  (可決:賛成76票) 反対(「3つの課題」に回答ないが、理事会で議論する方向で動いてくれた。迷ったが、過去の執行部への監督が不十分であったこと、会長と連名での推薦ハガキを送っていることから、反対)

【山内感想】今回、「現職の専務理事が否認」という、前代未聞の事態となりました。今回は、”落選運動”的なことは行われておらず、ひとりひとりの社員の皆さんが、日野岳専務理事の働きぶりについて理性的・冷静な判断を示されたものと私は受け止めています。コロナを理由に、委任状が会長の思うように使われた 過去2回の社員総会が異常だったのです。

現職の専務理事が否認という事態は、組織としてとても悲しいことです。当然ですが、私の中に高揚感はまったくありません。

さて今後ですが、社員総会後の理事会で、また、髙尾氏が会長に選ばれました。髙尾氏が主宰する「会員ファースト派」のシナリオどおりです。「自分たちは髙尾さんの後ろにいて、黙って従っていればいい。」という姿勢では、JARLはこのままさらに、どんどん痛んで、衰退していってしまいます。

現職専務理事の否認は、これまでの髙尾・日野岳執行部の業務執行の否認です。「会員サービスの質は落とさない」という、一瞬耳障りがいい建前のもと、会員の意見を聞かず、目の前の問題を先送りにし、過去の遺産を食い潰していくやりかたに、社員がノーを示したことを意味します。日野岳氏を推薦し、社員総会の場でも高く持ち上げていた髙尾会長には、日野岳氏の推薦責任があります。

髙尾会長には、「これまでのやり方ではなダメ」という社員・会員の意思を真剣に受け止めていただきたいと思います。対話をしましょう。日野岳氏が去った後、ますます人手は足りなくなるでしょう。仲間内で固めるのではなく、皆で協力して、JARLを、アマチュア無線を盛り上げていきましょう。

(2022-07-03 記)


feed 2m/FT8で台湾とQSO! (2022/7/3 23:59:00)

144.460MHz/FT8
BV3UF 台湾

2m長のモビホ(PR-212D)でできました!

2022年7月3日(日)お昼すぎ、2m/SSBで台湾が開けているとの情報が入り、聞きに行ったのですがうちの設備では全く入感せず。FT8はどうかとワッチしてみると、BVを呼んでいるJAの局が見えます。

しばらく見ていると・・・BV側が入感してきたではありませんか。ダメ元で呼んでみると・・コールバックがありました!!73まで一気に進み、QSO成立です!!!

常置場所(東京都杉並区)から2mで、これまでの最遠距離通信は、たぶん和歌山あたりだったと思います。一気に国外通信できてしまいました(注1)。心底驚きました。

記念撮影。2mの初DXでした。 pic.twitter.com/55JuemrI1k

— 7K1BIB/山内貴博【JARL社員(関東)2期目】 (@7K1BIB) July 3, 2022

注1 移動運用では、福岡から2mFMで韓国とQSOしたことがあります。
2016/05/22 福岡市西区能古島移動運用(韓国と2mFMでQSO!)

(2022-07-09 記)


feed JARL第11回定時社員総会ご報告(その2) (2022/7/2 20:25:51)

社員総会報告 その1はこちら。

報告その2では、第1号議題(決算の承認)に関する私の質問( 事前質問の全文はこちら )と執行部の回答を記録します。

今年も会員数が「288名」増加?

(山内の事前質問要旨) 「局免許が確認できない正員」の調査 の確定した数字は?

(日野岳専務理事)本年3月末時点で以下のとおり。

対象者: 5,914名
准員へ移行 4,508名
免許を受けた 807名
コールサイン変更 51名
退会 548名

(日野岳専務理事)准員の中には、返事がもらえない方、郵便が届かない方が多い。これ以上の追いかけ調査は難しい。なるべくきめの細かい台帳整備は心がけたい。548名の退会者がいたにもかかわらず288名の増加だから、しっかりとした会員数の増加と考える。局免調査は費用もかかり、2年に1度というわけにはいかないかもしれないが定期的に行っていきたい。

【山内感想】局免が確認できない「幽霊正員」の「歩留り率」は約18%(=807/4508)。低いですね。さみしいですが、こういう現実は直視しないといけないと思います。

今の執行部は、「2年連続会員増!」を盛んにアピールしていますが、全会員66,076名の中には准員が10,737名(実に16%)もいて、その中には連絡が取れなくなってしまっている「幽霊准員」が含まれていることが今回判明しました。昔の准員は、これから免許を取ろうと張り切っている正員予備軍でしたが、今の准員は、アマチュア無線にもう興味関心はないものの、毎月の会費が要らないライフメンバーで、まあ退会するまでもないかと一応残っている方が大多数ということなのでしょう。

正員の数字だけを見れば、2020年から2021年にかけて、56,837名から52,794名と大幅に減少しており、こちらの方が、JARL会員の実態を反映した数字といわざるを得ないと思います。お祝い気分に水を差すのは恐縮ですが、マスコミの方が「なんだよ水増しかよ・・」「おかしくない?」と思う前に、会員増の大々的なアピールは控えた方が良いように思います。

今年は収支均衡?(「当期経常増減額は▲4百万円」)

(山内の事前質問要旨)令和3年度の経費を、コロナ前の令和元年度と比較すると、総会費、理事会費、地方本部費、旅費交通費、諸委員会費、国際協力費が大きく減っており、その減少額は1800万円を超えている。これらの費目は、コロナ禍が収束すれば復活してくる費目である 。つまり、今年の赤字額が400万円に押さえられたのは、たまたまコロナ禍があったからにすぎず、コロナが収束するとともに赤字はまた増えていくことが予想されるが、会長及び専務理事のご見解を伺いたい。

(日野岳専務理事)令和2年度と比較しても著しい改善になっている。今後も、コロナ禍で培った会議のやり方(Zoom会議)等は踏襲していきたい。

(山内の当日質問)コロナ禍がすぎれば、1800万円の経費が復活してくることに加え、「雑費」に計上されている260万(多くが法律事務所オーセンスへの報酬)が乗っかってくる。専務理事は、今年で収支均衡が達成できたかのように述べたが、今後、コロナが収束するとともに経費は増えていく。実際にも、今年の予算は2354万の赤字予算になっており、専務理事・理事会自身が、今年はまた赤字になることを認めているではないか。

(日野岳専務理事)今後は、これまでのような支出がないよう、テレビ会議等を活用し経費節減に努め、このままそっくり元に戻ることはないよう努力したい。会費収入が増加しており、これもさらに増加していく。今年の予算は赤字だが、去年のように収支均衡になるよう努力して参りたい。

【山内感想】「努力したい」「努力して参りたい」との答えでした。日野岳専務、今年の2354万の赤字予算を立てておきながら、「令和3年度で収支均衡を達成」とはさすがに言い過ぎでしたね。今年は2350万円の赤字で済むかどうか、注視が必要です。

JARLは黒字を出してはいけない?

(山内の当日発言)JARLは黒字を出してはいけない、という日野岳専務理事の説明があった。たしかに、公益社団法人・公益財団法人は内閣府の監督下にあり、黒字を出すと出すなと言われるが、JARLは一般社団法人で、監督官庁はないので、内閣府からそのような指導があることは考えられない。

(日野岳専務理事)法的にはおっしゃるとおり。ただ、一般社団法人であっても、黒字を続けていいかというとそうではなく、黒字が出れば会員に還元するというのが社団のあるべき姿勢と考える。

【山内感想】日野岳専務が言いたかったのは、黒字を出すと法人税がかかってくるので、収支均衡がよいのだということでしょう。是非、黒字が出るような組織運営をして、全会員のために還元しましょう(返金という意味ではなく、何か新しい事業をやりましょう。)。一部の会員(役員)が経費使い放題など、もうやめましょう。

JARLの監査法人は?

(山内の当日質問)JARLの会計を監査していた愛媛の監査法人は降りたはずだが、後任の監査法人は?

(日野岳専務理事)後任の監査法人は今のところいない。

(山内の当日発言)日野岳専務理事から、ある会員から以前の監査法人にお手紙が行ったという話があったが、それを送ったのは私。仲間と相談して問い合わせの手紙を送った。何故かというと、過去の社員総会で、お金の使い方についての質問に対し、監査法人の承認を頂いているとの答弁がされる例が多かった。ところが、帳簿を見ると、監査法人への報酬は30万だか50万(注:正確には40万円)という少ない金額で、監査期間も2日間。これで、帳簿の整合性については確認できても、ひとつひとつの支出、例えば4万円のスナック代がJARLとして適切かどうかまで監査法人が監査しているとは思えなかったので、監査法人に質問をした。すると、そこまで見ることはできませんとの回答があり、その後、JARLの監査を降りられたという経緯である。

【山内感想】監査法人も、自分のせいにされてはたまらないということでしょう。後任の監査法人は探したのか、受けてもらえなかったのか。いずれにせよ、今後は監査法人に頼ることはできません(税理士事務所が見ている、という説明がありましたが、税理士事務所も支出の適切性までは見ないと思われます。)。その意味で、2名の監事の責任は重大です。

紙JARLニュースについて(経費削減策その1)

(山内の事前質問要旨)環境保護の観点からも、紙の削減に取り組み、浮いた経費を若者に対するアマチュア無線振興策に振り替えるといった施策を採るべきでは。ページ数を減らし、かつ希望者にはPDFでの送信に切り替えれば、JARLニュース発行回数を増やすこともできると思われるが、いかがか。

(日野岳専務理事)電子JARL Newsもあるが読んでもらえない。年配の方を中心に紙がいいという声があり、紙のニュースは継続していきたい。

(山内の当日追加質問)JARLニュースを薄くすれば、発行回数を年6回とか8回とかに増やせるかもしれない、また、浮いた経費を若者支援にも回せるかもしれない。専務理事は、そういうアイデアを出して理事会に諮るのが役目だと思うがいかがか?

(日野岳専務理事)紙ニュースを長年、やはり楽しみにしている方もいらっしゃる。現実ホントにいらっしゃる。紙を発行すると反応も出てくる。これは大切にしたい。事務局内でも、地方だよりの記事を地方にお願いして削減してもらったり、カラーページを削減したりといった経費節減を行っている。なるべく少ない経費で発行できるよう努力したい。

【山内感想】JARLニュースの経費3500万のうち、コンテンツ作成には500万だけ。印刷・発送に実に3000万も費やしています。私は「紙ニュースを一切なくせ」と言っているのではなく、どうしても紙ニュースを受け取りたいという方はそれで対応すべきと思います。個人会員と社団会員、家族会員等で何冊も紙ニュースを受け取っている人も多い中、電子版をもっと読みやすくし、紙ニュースを受け取らない方には何らかのインセンティブを用意し、浮いた印刷・発送費用を他の事業に回した方がよいのでは?と言っているのですが、どうしても話がかみ合いません。現執行部は、要するに単に変えたくないということなのでしょう。

QSL費について(経費削減策その2)

(山内の事前質問要旨)令和3年度のビューローへの到着枚数は?

(日野岳専務理事)
令和2年度は1063万3000枚(前年比 約17%増)
令和3年度は1114万7000枚(前年比 約 5%増)

(山内の事前質問要旨)ビューローから会員へのカード発送の区分と枚数は?

(日野岳専務理事)郵便が9区分(山内注:8区分?)、佐川急便が2区分。年間集計を個々に寄せることはビューローの負担にもなり正確な数字は申し上げられないが、ざっくりとした数字は以下のとおり(注:料金は山内しらべ。ボリュームディスカウントは考慮せず)。

郵便 通数 料金
(山内追記)
~25g 30,000 84円
~50g 20,000 94円
~100g 20,000 140円
~150g 10,000 210円
~250g 10,000 250円
~500g 10,000 390円
~1kg 数千通 580円
~2kg 数千通 1040円
佐川信書便 件数 料金
(山内追記)
~4kg 800件 1045~1925円
4kg~ 100件 1386~2266円

(山内の事前質問要旨)保管状態は大丈夫か。倉庫は足りているか?

(日野岳専務理事)倉庫を増やして対応。管理に問題なし。

(山内の事前質問)ビューローでのカード受け入れ時の”FROMチェック”(JARL会員であることのチェック)は、カードがビューローに届いてから何日くらいで行われているのか。”FROMチェック”が遅れると、カードがビューローに届いたときは会員だったのに、”FROMチェック”の次点では会員期間切れと判断され転送が拒否されるといった不合理な事態が生じかねないため、お尋ねする。

(日野岳専務理事)”FROMチェック”という言葉はみなさんわからないかもしれないが、JARL会員か非会員かのチェックのこと。非会員になっても一定期間はビューローで保管する。その後再度チェックし、なお非会員であるとJARL事務局に戻る。事務局は入会の案内をする(大多数は転送費用を振り込んでいないライフメンバー)。そのまま捨ててしまうということはない。

(山内の事前質問)ビューローの処理枚数を増やすために、人員の追加などの対策は検討していないのか。

(日野岳専務理事)コロナ禍であり作業スペースを増やしている。スタッフ募集また人材派遣会社に声がけするもなかなか厳しい。本部としてもビューローと協議しながら、抜本的・・(言い換えて)短期的な対策を検討中。

(山内の事前質問)このままでは、いずれ転送期間は1年を超え、せっかく入会してくれた会員が1回もQSLカードを手にしないまま退会するといった悲惨な事態にもなりかねないが、髙尾会長及び日野岳専務理事はどのような対策を考えているか。例えば、「カードの送付を一時的に3ヶ月くらい待って欲しい」といった呼びかけをし、その間に滞留したカードを処理することは考えられないのか。

(日野岳専務理事の回答なし・・)

(山内の当日追加質問)せめて「カードの送付を一時的に3ヶ月くらい待って欲しい」といった呼びかけはできないか、お答えを頂いていないが・・?

(日野岳専務理事)これはやはり、止めろというとかなり混乱が起きるのではないかと思う。それよりも、今あるQSLカードの在庫を掃かすのが最優先と思う。ビューローと相談して具体策を検討中、理事会でも検討中。

(山内の事前質問)昨年の社員総会で、執行部として、万が一、今の受託会社から契約の更新を断られた場合のバックアッププランは用意していないとのことであったが、その後、バックアッププランの検討は行ったか。

(日野岳専務理事)現在のところ考えていない。引き続き受託会社と連携を密にして、円滑な転送業務に努めることに致したい。

(山内の事前要望)今後は、ビューローへの月ごとの到着枚数と、ビューローで滞留しているカードの枚数、ビューローから発送される料金後納郵便と宅配便(信書便)の区分ごとの人数の公表を検討されたい。

(日野岳専務理事)ビューローの負担になるので避けたい。ご要望として承る。

【山内感想】ビューローへの到着枚数が引き続き増え、倉庫の増設までしたようですが、その費用はいくらで誰が負担したのかが気になります(追加質問はできませんでした)。

”FROMチェック”に関する質問は、ある会員から頼まれたものです。”FROMチェック”という言葉は私も知らなかったのですが、一部で知られている言葉なのかもしれません。

ビューローへの到着枚数を減らす会員への呼びかけを、現執行部は頑なに拒否しています。今回の私の提案は「一時的に数ヶ月遅らせる呼びかけ」という最も柔らかい案のつもりだったですが、これでもダメです。「混乱」というのは、事務局の電話が鳴り続けてしまうということでしょうか。そんなに会員が「怖い」のでしょうか。JARL本部からのお願いの説明次第で、多くの会員は納得してくれるのではないでしょうか。

ビューローから会員向けの発送区分と件数に、大きな「差」があることが明らかになりました。会員からビューローに送られてくる枚数も、ゼロから箱で送ってくる会員まで、大きな「差」があるのでしょう。このままでよいのか、不平等でないのか、引き続き考えてみたいと思います。

地方本部費・支部費の削減について

(山内の当日質問)今年の予算で、地方本部費・支部費が削減された。理事会の議事録には、地方の意見を聞いたとあるが、実際に意見を聞かれていない地方がある。本当のところ、どのエリアの意見は聞いたのかお答えいただきたい。

(日野岳専務理事)理事会の中で、本部長が出席した所、そのエリアの中で話をされていて、長時間にわたって審議をした結果、出た結論である。

【山内感想】2年前の社員総会で、1、2、3エリアの理事が否決され、その後9エリアの理事が亡くなられた結果、理事会に出席している理事兼本部長は、4、5、6、7、8、0エリアだけでした。多くの会員を抱えるエリアから地方本部長が出席していないという異常事態でした。

地方本部費の削減が議論された第57回理事会(2021年11月)の議事録は、全地方本部の意見を聞いたかのように読めます。ですが、実際には、一部のエリアの意見しか聞いていなかったことを、日野岳専務は事実上認めました。理事会への地方本部長(ただし書き本部長)の出席を拒否しておきながら、こういう不公平はあってはならないと思います。

第57回理事会報告 より

(2022-07-02 記)


feed 「2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方(案)」についてパブコメ意見提出 (2022/7/1 0:41:58)

来年のWRC-23で、1200MHz帯におけるアマチュア業務の見直しが議論されます。 日本政府の「考え方」の案がパブコメにかかりました。

私は、以下の意見を提出しました。

「1,240-1,300MHz帯に二次分配されているアマチュア業務及びアマチュア衛星業務から無線航行衛星業務(RNSS)(宇宙から地球)の局(受信機)を保護するための技術的及び運用上の検討」に際し、 アマチュア局がRNSSに対し与える影響の評価基準として、単に電波の強度や電波型式だけではなく、連続送信時間も加えるよう 、日本政府として提案されるよう要望する。

RNSSは、衛星から発せられる電波を連続して受信しなければ機能しないものではないから、仮にアマチュア局が電波を短時間(例えば15秒間)発信し、 一時的にRNSS衛星からの電波を受信できなくなったとしても、アマチュア局の送信が終了すれば、RNSS衛星からの電波を受信できるようになり、実務上支障は生じないと思われる。したがって、アマチュア局に対し、出力や電波型式だけでなく、送信時間に上限を設ければ、アマチュア局のRNSSに対する影響を抑えることができると考えられる ため、以上の提案を行う。


なお、この件については、IARU(特に第1地域)が尽力してくださっています。私の2022年6月25日の連続ツイートをご覧下さい。

アマチュアバンド内の拡大図。日本のみちびき(QZSS)の中心周波数は1278.75MHz。 pic.twitter.com/OVDavP7uNe

— 7K1BIB/山内貴博【JARL社員(関東)2期目】 (@7K1BIB) June 25, 2022

IARUとしては、アマチュア側からの提案として、以下の3つの案のいずれかを検討中のようです。

第1案:
バンド端1298-1300MHzは100WまでOK
1250-1254でデジタルATVを100WまでOK
1260-1262でサテライトを20WまでOK
そのほかは5mWまで

第2案:
Galileoに重なる帯域のATVは削除
1293MHzあたりにFM音声のローパワー帯を新設

第3案:
全帯域の出力(EIRP)を1Wに制限

JAとしては、第2案が比較的ましでしょうか。第1案の5mW制限は相当厳しいですし、第3案ではビームアンテナが使えなくなってしまいます。もっとも、1200MHz帯のアマチュア業務は2次業務ですので限界があります。JARLは動いているのでしょうか。とても心配です。

(2022-07-01 記)


feed JARL第10回定時社員総会ご報告(その1・速報) (2022/6/26 22:49:58)

2021年6月26日に開催されたJARL第10回定時社員総会に、社員として参加しました。

第1号議題 令和3年度決算

日野岳専務理事は、「令和3年度の赤字は400万円まで減り、ほぼ収支均衡を達成できた」と説明していましたが、令和4年度の予算としてすでに2350万円の赤字予算を組んでいるのですから説得力がありません。

賛成/反対/保留及び棄権の順に挙手による採決が行われたのですが、集計に3度、4度と手間取って30分くらい要した上に、休憩前に公表された数字が休憩後に訂正されました。今後は、挙手による採決はやめて紙による投票にしてほしいところです。

集計し直しがありました・・・・。

第1号議案 決算承認
会場内127+議決権行使書5=132

賛成 79+3=82
反対 44+2=46
保留・棄権 4
合計 132

原案どおり承認可決。 #JARL総会2022 https://t.co/Gb8n3QgidZ

— 7K1BIB/山内貴博【JARL社員(関東)2期目】 (@7K1BIB) June 26, 2022

第2号議題 役員選任の件

日野岳充候補が理事として否認される、という大波乱がありました。他の理事・監事はすべて承認されました。挙手による賛成票だけを数え、反対票と棄権・保留票は挙手も行わないという採決方法は、違法ではないまでも妥当ではなかったと思います。

詳細な票数はJH2DFJ岩田さんのツイートを引用させて頂きます。

つづき

第2号議案 役員選任

JA7AJH 80+(4) ◯
JA8ATG 89+(3) ◯
JA8DKJ 89+(4) ◯
JH8HLU 91+(4) ◯
JA9PPC 112+(5) ◯
JF0JYR 101+(4) ◯

監事の選任
JA1MEK 79+(3) ◯
JE7JGG 73+(3) ◯

— 岩田泰典(JH2DFJ)JARL東海地方区域毎時期社員 (@jh2dfj) June 26, 2022

2年前は、髙尾氏が全国の社員に働きかけて特定の社員に大量の委任状を集めた結果、理事候補5人が否決されるというとんでもないことが起きました。「こんなはずではなかった」と思った社員も多かったと聞きます。今年は出席率が高く、日野岳氏の答弁を直接聞き、ご自身の判断で直接投票した社員が多かったのですから、今年の方が、社員の意見がより正確に反映した結果であると考えます。

社員からは(私も)、役員をひとりひとり選任するのだから、専務理事による一括答弁ではなく、JARLが抱えるさまざまな課題について、候補者ひとりひとりの意見を聞きたいとの声が高かったのですが、結局、候補者が個別に発言する機会は与えられませんでした。現職理事の中にも、例えばQSLカードの転送遅延問題について、財政問題について、電波法令問題について、本当は様々なお考えがあると思うのですが、髙尾・日野岳執行部は、現職理事らに頑なに答弁させませんでした。いったい、何を恐れているのでしょうか。

現職専務理事である日野岳候補の否認は、髙尾・日野岳執行部の組織運営に社員から「ノー」が突きつけられたに等しく、日野岳充氏を推薦し、社員総会でも持ち上げていた髙尾氏の推薦責任は重いと考えます。また、社員による髙尾氏への賛成票も決して多くはありません。常識的には、髙尾氏の会長続投はありえないと思いますが、社員総会後の理事会では、現職理事らの賛成により、髙尾氏はまた会長に選任されたとのことです。

(2022-06-26 記)


feed 東京都の「太陽光発電パネル義務づけ」の動きについてパブコメ意見提出 (2022/6/23 12:45:45)

東京都が、太陽光発電パネルの設置をハウスメーカーに条例で義務づける案を公表し、パブコメにかけています。

パブリックコメント(東京都環境基本計画のあり方について(中間のまとめ))

太陽光発電パネル等のインバータノイズに悩まされている方々は多いと思います。私もそうです。以下の意見を提出しました。


 「 東京都環境基本計画のあり方について(中間のまとめ) 」の44頁16行目以下「(4)家庭部門における対策」において、新築マンション及び中小規模新築建物(住宅等)について、再エネ設備の設置を義務付けることが提案されている。ここでいう「再エネ設備」は、主に太陽光発電設備を念頭においていると理解される(33頁)。

 何より環境問題の解決は人類にとって重大な課題であることは十分認識している。一方で、太陽光発電設備が有する安全性、製造から廃棄までのライフサイクルまで視野に入れたときの環境負荷等のさまざまな問題が指摘されているが、他の意見に委ねる。私は弁護士であり、かつアマチュア無線家(第1級アマチュア無線技士)として、電波法との関係について以下の意見を述べる。

 太陽電池が発電する電気は直流であるため、太陽光発電設備には、これを交流に変換するためのインバータが含まれているところ、このインバータが、強力なノイズを広大な周波数に渡って大量にまき散らしている現実がある。従来から、中波帯~短波帯(中波ラジオ放送、短波ラジオ放送、漁業無線、自衛隊無線、アマチュア無線など)にノイズをまき散らしていることが認識されていたが、最近は、超短波帯(VHF:航空無線、消防無線、アマチュア無線など)から極超短波帯(UHF:警察無線、各種簡易無線、アマチュア無線など)にもノイズが広がっていることが確認されており、これらの無線通信に支障を与えている例が増加している。

 私が所有するラジオ放送受信機、アマチュア無線設備も例外ではない。近隣の家に設置された太陽光発電設備のインバータが発生する大量のノイズの我が家での受信状況を別紙資料にまとめた。インバータが発生するノイズは、広大な周波数にわたって等間隔に発生するのが特徴である。我が家の貧弱な受信設備(アンテナ)でも、近隣家屋に設置された太陽光発電設備等が発生するノイズがこれだけ多く受信できてしまっている。

 電波法第101条は、電波法82条を準用し、「無線設備以外の設備」が副次的に発する電波若しくは高周波電流が、他の「無線設備」の機能に継続的かつ重大な障害を与えるときは、総務大臣は、その設備の所有者又は占有者に対し、その障害を除去するために必要な措置をとるべきことを命ずることができると定めている。同条は、前提として、「無線設備以外の設備」が副次的に発する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的且つ重大な障害を与えることを禁止していると解される。

 太陽光発電設備も、当然に「無線設備以外の設備」に該当し、これが副次的に発する電波又は高周波電流が「無線設備」(近隣のラジオ受信機や無線機)の機能に継続的かつ重大な障害を与えることは、電波法第101条、同第82条違反であり、本来許されないはずであるが、現実には、上述のとおりの惨状である。

 そもそも、インバータノイズによる無線通信への障害に気づいたとしても、どの家屋に設置された太陽光発電設備から発生しているのか、その発生源を特定することは容易ではない。仮に発生源を特定できたとしても、建物の所有者(一般人)はもちろん、ハウスメーカー、太陽光発電設備等の設置業者やメーカーは、遺憾ながら電波法の規制に無理解・無頓着であり、無視するか、真面目に対応しないことが多い。中には、対策を試みるハウスメーカー等もあるが、実際にノイズの除去を行おうとしても、無線工学に関する知識・経験に乏しく、ノイズの除去技術・ノウハウが確立していないため、不十分な対応に終わってしまうことが多い。電波法第101条は、総務大臣(各地の総合通信局等)に監督権限を与えているが、ノイズ被害が大量に発生していて、すでに対応し切れていない状況である。

 このような惨状を放置したまま、一般居住用家屋への太陽光発電設備の設置を推進すれば、東京都はインバータノイズで充満し、中短波放送やアマチュア無線にとどまらず、人の生命や安全に関わる各種業務無線にも必ずや支障を与え、取り返しの付かないことになることは必至である。

そこで、以下の対策と修正を求める。

・条例制定前に、太陽光発電設備の設置を推進した場合の各種無線通信に与える影響について、専門的見地からのアセスメントを実施されたい。

・アセスメントの結果、太陽光発電設備の各種無線通信に与える悪影響が甚大で、看過できないと判断されたときは、設置の義務づけ案を撤回されたい。仮に、原案どおり太陽光発電設備の設置をハウスメーカー等に義務づけるとしても、総量は無理のない最小限度に抑えられたい。

・「中間まとめ」については、33頁22行目~24行目を以下のとおり改められたい(変更箇所に下線を引いた)。

「太陽光発電設備の設置の標準化に当たっては、太陽光発電設備を安全、安心して利用できるように、導入に関する留意点・進め方、適切な維持管理、関連法令(建築基準法令、電波法令)の遵守などを、都民、太陽光発電設備のメーカー、設置業者、住宅供給業者等の事業者等にわかりやすく普及啓発していくべきである。また、太陽光発電設備のメーカー、設置業者、住宅供給業者等の事業者団体に対し、導入に関する留意点・進め方、適切な維持管理、関連法令(建築基準法令、電波法令など)の遵守などに関する啓発とノウハウ等の情報共有を行うよう求めるとともに、都としても、これらに関する啓発とノウハウ等の情報共有や、太陽光発電設備の設置により悪影響を受けた者による苦情を受け付ける専門部署を設けるべきである。」

以下は、太陽光発電設備の設置を義務づけるか否かに関わらず、早急に検討されたい。

・建築前の標識(看板)に、太陽光発電設備を設置する場合はその旨を公示するよう義務づけられたい。

・ハウスメーカー、太陽光発電設備等の設置業者やメーカーに、太陽光発電設備に関する苦情処理窓口を設けるよう義務づけられたい。

・東京都も、太陽光発電設備に関する苦情処理窓口を自ら設置されたい。 ・ハウスメーカー、太陽光発電設備等の設置業者やメーカーには、周辺の無線設備に太陽光発電設備からのノイズが支障を与えているとき、また与える可能性があるとの通告を受けたときは、ノイズを除去することを条例で義務づけられたい(電波法の規制の上書き)。


近隣の家に設置された太陽光発電設備のインバータが発生する大量のノイズの我が家での受信状況

受信日時: 2022年6月23日(木)午前9時頃 薄曇り
受信場所: 東京都杉並区
受信設備: ICOM社製アマチュア無線機(IC-7300, IC-705)。モービルホイップアンテナ

これらの受信設備は、ウォーターフォール表示機能(受信している特定の周波数だけでなく、その前後の周波数において受信されている電波を視覚的に表示できる機能)を有している。太陽光発電設備のインバータノイズは、等間隔に発生するのが特徴である。

●中波放送帯

1100kHzを中心に、約550kHz~1450kHzの範囲を表示させている。0.6付近(NHK第1)、0.7付近(NHK第2)、0.8付近(AFN)、0.95付近(TBS)、1.1付近(文化放送)、1.25付近(ニッポン放送)、1.45付近(RFラジオ日本)に現れている太い線は正規の中波ラジオ放送であるが、それ以外の縦線は近隣の太陽光発電設備等からのインバータノイズと推測される。とくに1.1、1.2付近のノイズは強力である。

●3.8MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生していることがよくわかる。

●7.5MHz付近

短波放送(海外放送)帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●9.5MHz付近

短波放送(海外放送)帯である。やはり、ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●11.73MHz付近

短波放送(海外放送)帯である。放送波に混じって、ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生していることが認識される。

●14.09MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●21.68MHz帯付近

短波放送(海外放送)帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。かなりひどい。

●27.52MHz帯付近

漁業無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●50.5MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●126MHz付近

航空無線帯である。やはり、ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●144.22MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。なお、この受信機では受信できないが、この前後には消防無線や警察無線といった人の生命に関わる周波数帯があり、やはりノイズが発生していると推測される。

●433.02MHz付近

アマチュア無線帯であり、都内では最も盛んに使われている周波数帯であるが、残念ながら最近は、このバンドにも近隣の太陽光発電設備が発生していると思われるノイズが確認できる。

(2022-06-23 記)


feed 準備書面を提出しました(第11回JARL定時社員総会) (2022/6/17 19:41:07)

2022年6月26日に開催される第11回JARL定時社員総会に向けて、「準備書面」(事前質問書)を提出しました。

(社員総会議事運営規程第14条第1項 社員総会で質問しようとする社員は、予め社員総会の 7 日前までに準備書面をもって質問を会長あてに提出すれば優先して回答を受けることができる。)

今のJARLが抱える問題点はおおむね網羅したつもりですが、もし不足があればお知らせ下さい(当日、できる範囲で質問します)。


第11回定時社員総会準備書面

I.  第1号議題(決算の承認)に関する質問

1. 冒頭の「前年同様今年も会員数が増加し」との点について

(1)  今年1月に局免許が確認できない正員5,914名を対象に調査が行われ、免許を受けた方が約800名、准員に移行させた方が約4,100名と発表された が、合計しても約4900人にしかならず数字が合わない。その後の継続調査も踏まえ確定した数字を明らかにされたい。

令和3年度事業報告の会員数増減グラフ

(2)  今年の会員増加数「288名」 には、准員も含まれているが、今年1月の調査の結果、正員から准員に4000名以上も移行している。准員の中には、すでに逝去された方や行方不明の方、会費が必要がないので名前だけ残っている方も含まれていると思われる。准員を対象とした生存確認・会員継続意思を確認する調査は行っていないと理解してよいか。

(3)  増加したという「288名」は、今年1月の調査で再開局すると回答しながら実際には再開局していない「いまだ幽霊正員」や、生存不明な准員の数により水増しされた数字 であり、実際には、「288名」も植えておらず、むしろ減少しているのではないか。これでは「2年連続会員増!」と豪語できるものではないのではないか。髙尾会長及び日野岳専務理事のご見解を伺いたい。

(4) (要望)今後、正員の局免調査は、選挙が行われる年の前年に定期的に行われたい。また、合わせて、准員についても、会員継続意思を確認し、確認できない准員については、「会友」等、会員外の新たなカテゴリーに移すことをご検討頂きたい。

2. 「当期経常増減額は▲4百万円と収支均衡となり」との点について

(1) 令和3年度は、令和2年度に引き続きコロナ禍で活動が制約されていたのだから、令和2年度と比較して赤字額が減ったとしても意味がない。そこで、経常費用につき、コロナ前の令和元年度と比較する。

赤で塗った総会費、理事会費、地方本部費、旅費交通費、諸委員会費、国際協力費が大きく減っており、その減少額は1800万円を超えている。これらの費目が減ったのは、コロナ禍で活動が制約されたからにすぎず、コロナ禍が収束すれば復活してくる費目である 。

(広告活動費が大幅に減少しているのはハムフェアが開催できなかったからである。ハムフェアが復活すると広告宣伝費は増加するが、入場料収入(雑収益)で回収できると考えられるので、ここではひとまず問題にしない。)

つまり、 今年の赤字額が400万円に押さえられたのは、たまたまコロナ禍があったからにすぎず、コロナが収束するとともに赤字はまた増えていくことが予想される が、会長及び専務理事のご見解を伺いたい。それとも、髙尾会長の支部訪問は、経費節減のため今後も控えられると理解して良いか。

3. 紙JARLニュースについて

(1) 赤字財政を抜本的に解決するためには、大口の支出である紙JARLニュースとビューロー費(黄色で塗った項目)に手を付ける必要があることは明らかである。環境保護の観点からも、紙の削減に取り組み、浮いた経費を若者に対するアマチュア無線振興策に振り替えるといった施策を採るべきと考えるが、髙尾会長及び日野岳専務理事のご見解を伺いたい。
(2) 例えば、JARL Webに掲載される情報はJARLニュースに載せるのをやめてページ数を減らし、かつ希望者にはPDFでの送信に切り替えれば、年4回のJARLニュース発行回数を増やすこともできると思われる。その方が会員にとってもメリットになり、新入会員のつなぎ止め策にもなると思うが、いかがか。

4. QSL費について

(1)  第54回理事会報告によれば、令和2年度のQSLカードのビューローへの到着枚数は前年比117%と大幅増加したとのこと であったが、令和3年度のビューローへの到着枚数は、前年と比較して何%増加したのか。

(2) ビューローから会員へのカード発送は、料金後納郵便と宅配便(信書便)で行われているが、全部でそれぞれ何区分あるのか。また、区分ごとの発送数(人数)を開示されたい。実際には、会員の利用枚数には偏りがあり、少数の会員のために多額の送付料が費やされているようにも思われるのでお尋ねする。

(3) QSLカードの転送にかかる期間は、コロナ前は3ヶ月ほどであったが、最近は8ヶ月から9ヶ月かかっているというのが多くの会員の体感である。大量のQSLカードがビューローに滞留しているのではないか。保管状態は大丈夫か。倉庫は足りているのか。

(4) ビューローでのカード受け入れ時の”FROMチェック”(JARL会員であることのチェック)は、カードがビューローに届いてから何日くらいで行われているのか。”FROMチェック”が遅れると、カードがビューローに届いたときは会員だったのに、”FROMチェック”の次点では会員期間切れと判断され転送が拒否されるといった不合理な事態が生じかねないため、お尋ねする。

(5) ビューローの処理枚数を増やすために、人員の追加などの対策は検討していないのか。

(6) このままでは、いずれ転送期間は1年を超え、せっかく入会してくれた会員が1回もQSLカードを手にしないまま退会するといった悲惨な事態にもなりかねないが、髙尾会長及び日野岳専務理事はどのような対策を考えているか。例えば、「カードの送付を一時的に3ヶ月くらい待って欲しい」といった呼びかけをし、その間に滞留したカードを処理することは考えられないのか。

(7) 昨年の社員総会で、執行部として、万が一、今の受託会社から契約の更新を断られた場合のバックアッププランは用意していないとのことであったが、その後、バックアッププランの検討は行ったか。

(8) (要望)今後は、ビューローへの月ごとの到着枚数と、ビューローで滞留しているカードの枚数、ビューローから発送される料金後納郵便と宅配便(信書便)の区分ごとの人数の公表を検討されたい。

II.  第2号議題(役員の選任)に関する質問

1. 「課題解決に向けての議論のご提案」について

(1)  今年1月、JH4PHW坂井社員、JJ1WTL本林社員、私の3名は、JARLが今すぐに取り組むべき緊急の課題を、①カード転送の安定化、②法制度・バンドプラン改善対応、③財政健全化の3点と考え、髙尾会長に対し「課題解決に向けての議論のご提案」をお送りした 。これに対し、 髙尾会長から、私たちが指摘した課題について、しっかり協議を行い、会員の皆様、アマチュア無線の発展に向けて取り組んで行くので、今後共、ご協力の程、よろしくお願いしたい、との回答を受け取った 。そこで、具体的にどのような協議をおこなったのかについて、髙尾候補のご説明を伺いたい。

(2) その後、17名の理事・監事候補者のみなさまに、3点の緊急の課題についてご意見を伺うアンケートを行ったが、お返事をいただけた候補者は、

JA2HDE 木村 時政氏 元
JG2GFX 種村 一郎氏 元
JH3GXF 安孫子 達氏 元
JR3QHQ 田中  透氏 元
JH4NMT 松田 佳之氏 新人
JA9PPC 森田 喜邦氏 新人

の6名のみで、他の候補者からは一切返事がなかった。 特に、現職の理事・監事からはひとりも返事がなかったことに驚いている。 理事や監事になられようという方々であるから、まさか意見がないということはないと思いたい。そこで、社員総会の場で、返事をされなかった11名の皆さんひとりひとりから、上記の3つの課題について、ご意見を伺いたい。

(3) 1月に提案文書を送った後、○○氏及び○○氏からは、重要な問題なので理事会で議論したいとのお返事を頂いていたのだが、その後はお返事がなくなってしまった。どなたかが、両氏を含む現職役員の皆さんに、「山内らのメールには回答するな」と止めたとしか思えないが、髙尾候補のご見解を伺いたい。

2. 日野岳候補に対するご質問

(1) 知床遊覧船
知床における事故 をきっかけに、遊覧船でのアマチュア無線機の不法・違法運用が明るみになったが、当初から無線免許の有無に焦点を当てた報道はなく、多くのアマチュア無線家がもどかしく思っていた。JARLとして、早期の段階で報道機関を集めてアマチュア無線制度に関する解説(レク)を行ったり、アマチュア無線機の不法・違法運用について断固反対する声明を出したりすることができたと思うが、JARLの業務を預かる専務理事として何も動かなかったのはなぜか。

(2) 東京都太陽光パネル義務化条例
東京都が、個人住宅にも太陽光発電パネルの設置を義務づける条例の制定に動いている。これが実現してしまうと、インバーターノイズが、HF帯はもとより、144MHz帯~430MHzまで悪影響を与えることが必至であるが、JARLの業務を預かる専務理事として、どのような行動を起こすのか。 政治家には働きかけたか。戸建て建設業界団体とは連携したか。

(3) 7MHz/FT8国内周波数問題
a. 昨年9月、IARUからJARLに対し、7.041MHzのFT8国内周波数の移転を検討し、12月末までに回答するよう要請があったが、IARUにおけるバンドプランの改定作業は一昨年から始まっていた話であった。バンドプランはすべてのアマチュア無線家に関係する極めて重要な事項であり、JARLの業務を預かる専務理事として、早い段階から会員に情報を周知し、議論を深めておくといった対応を取らなかったのは何故か?

b. 昨年9月のIARUからの要請から12月末の回答に至る過程で、周波数委員会やコンテスト委員会の意見を聞かなかったのはなぜか。特に、コンテスト委員会には全く知らされておらず、同委員会委員長からの異議申立書が提出されたが、どのように回答したのか。

c. 12月末に、IARUにはJARLとして何と回答したのか。それから6ヶ月経ったが、IARUにおける議論は現状どうなっているのか。

d. 今後、我々アマチュア無線家は、どう運用すればいいのか。7030-7040kHzの間に移転せよというJARLの要請は撤回されたとみて良いのか。それとも、いずれの段階で移転をさらに強く要請するのか。

e. そもそもこの問題は、告示で定められた日本のバンドプラン上、7074kHzで国内通信が行えないことに起因する。総務省にバンドプラン告示の改正は求めないのか。JARLの業務を預かる専務理事として、JARLが国際基準に合わせて柔軟に改訂できるようにするために、HFは告示から外してもらうことは考えないのか。

(4) 社会貢献活動ガイドラインについて
a. ガイドラインを、社会貢献活動に関する法令の改正と同時に公表できなかったことに責任を感じているか。JARLの業務を預かる専務理事としての認識をお尋ねしたい。

b. 日野岳候補は、昨年の社員総会で、「有識者」の協力を得てガイドラインを作成していきたいと答えたが、有識者とは誰か。総務省の担当者のことか。

(5) 555万5000円の退職金について
昨年の社員総会で、「事務局職員退職一時金支給規定」による算定額よりも多いのではないかと考え、算定根拠を質問したが、明確な回答がなかった。555万という多額の、説明できない退職金を受け取っていることは大きな問題であるが、日野岳候補は、退職金を返金する意思はあるか。

(6) 社員総会速記録の代わりとなる録画録音の公開について
昨年の社員総会で、社員総会の録画録音を公開するよう要望があり、日野岳候補は「検討する」と明言したが、どのような検討を行ったのか。検討結果が理事会報告に記載されていないのはなぜか。

(7) 個人情報保護法
a. 今年4月1日付けで個人情報保護法の改正法が施行され、各社・各団体は対応に追われたが、JARLは何か対応したか。JARLの業務を預かる専務理事としての認識をお尋ねしたい。

b. 今年3月7日のメールで、 最新の局名録がヤフオクに出品されていること を日野岳候補と総務部に情報提供したが、何の対応もせず、結局、7,000円という高額で落札されてしまった。JARLとしてYahooに対し違反通報を行う等できたと思われるが、対応しなかったのはなぜか。

(8) ワイヤレス電力伝送
2.4GHz帯と5.7GHz帯に影響すると思われる 「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」が、今年、とうとう認められてしまった 日野岳候補は、このシステムについて議論した「情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会」のメンバーであった が、アマチュア無線に与える悪影響を排除するため、委員会でどのように行動したのか。もし何らかの行動をしたのであれば、それを会員にアピールしなかったのはなぜか。

(9) ハムフェアのパンフレットへの出展者の住所・電話番号の記載
a. ハムフェアの出展代表者は、パンフレットにおいて住所・電話番号を公開させられるが、これを嫌って出展を断念した団体もある。いまどき、不特定多数の入場者に住所・電話番号を晒す理由を、ハムフェア実行委員長である日野岳候補にご説明頂きたい。

b. 参加者にとっては、住所・電話番号よりも、むしろ、団体のホームページや代表者のメールアドレスを記載した方が役に立つのではないか。この点について、ハムフェア実行委員会で議論があったと聞くが、どのような議論が行われどのように結論付けられたのか。

(10) 専務理事の役割
日野岳候補は、専務理事の役割を何と心得ているか。例年どおりの事業を例年どおり漫然と繰り返すだけであれば事務局長以下で十分である。専務理事の役割を果たしていないとの批判にどう答えるか。

3. 髙尾候補に対する質問

(1) JARL Webやラジオ番組で取り上げるトピック
a. 髙尾候補が関与した行事に極端に偏っている が、誰がトピック選定し、記事を用意しているのか。髙尾候補が自分で選んでいると理解してよいか。

b. 昨年のボーイスカウト連盟による「JOTA 2021」の記事 の中で、関東のみを取り上げ、東海や関西については一切触れられなかったのはなぜか。

(2) 東京都太陽光パネル義務化条例
今年4月5日に泉田衆議院議員がJARLを来訪された際に、髙尾候補は、「太陽光発電システムのアマチュア無線局への影響についても意見を交わしアドバイスも頂戴した」とのこと であるが、どのような助言を頂き、それを今後どのように生かすつもりなのか。

(3) ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード
a. 1月26日の第1回会合で髙尾候補が行った意見書は、JARL Newsの2022年春号に掲載されている。これは、誰が作成したのか。

b. 「アマチュア無線界を代表して」意見を述べたとあるが、会員から意見を公募したことはない。その結果、 C4FMレピーターの解禁、D-STARやWires-Xのホットスポットに別の免許が必要とされる問題、バンドプランの柔軟化、外国人による開局手続の簡素化等、会員の要望が高い事項が含まれていない 。意見を公募しなかったために、このような重大事項が欠落してしまったとの認識はないか。

c. この意見書について、 hamlife.jpが4月1日の記事で報道したにも関わらず、直後に削除 させたのは何故か。

d. アドバイザリーボードは、1回目が開催されてから半年が過ぎようとしているが、2回目以降が全く開催されていない。今後はどのように進んでいくのか。

(4) 不明朗な支出
一昨年に指摘された不明朗な支出について、JARLに返金・補填する意思はあるか。その一部(例えば、髙尾氏の義兄の葬儀香典代、「会員ファーストの会」メンバーによる福岡県での飲食費等)だけでも、返金・補填する意思はないか。

4. 志村監事候補(新人)に対する質問

(1) 志村監事候補は、現在は山梨県支部長・社員であり、昨年の社員総会において全国の社員から約20枚の委任状を受け、髙尾会長・日野岳専務理事・佐藤監事の解任議案の否決に大きく貢献した方である。そのような方が、現執行部に対する監査を公明正大に行えるのか。

III. 報告事項

1. 昨年の社員総会で、支部役員を当該支部の居住者に限っている地方本部組織運営規程第6条第4項(支部役員)の要件を緩和する方向での改正を提案したが、どのように検討されたのかお答え頂きたい。

2. 今年も多数の準備書面が提出されているのは、執行部と社員の対話の機会が年1回の社員総会の場しかないからではないか。例えば、 半年に1回、Zoomによる「社員集会」のような対話の場を設けたらどうか

以上


feed 知床遊覧船による「アマチュア無線」の使用はどこがダメなのか。 (2022/5/12 1:03:18)

2022年5月9日に、知床遊覧船による「アマチュア無線」の使用が問題であると正面から取り上げた記事を毎日新聞が公表しました。

知床遊覧船、業務にアマチュア無線 節約で常用か、関係者証言 (毎日新聞 2022/5/9 20:06(最終更新 5/9 20:06) )

『アマチュア無線は「金銭上の利益」を目的として業務で活用することが電波法で禁じられている。違反すれば、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。だが、複数の関係者によると、知床遊覧船は今シーズン以前も運航する船同士や事務所との通信を主にアマチュア無線で行っていた。・・』
『別の関係者は「アマチュア無線を業務で使うのが違法だということは知っていた。本来ならば衛星電話をメインに使い、使えなくなった緊急時にアマチュア無線を使うのが普通」との認識があったが、「実際は日常的にアマチュア無線の使用を続けていた」と証言した。』

電波法はアマ無線を業務に使うことは禁じています。

通信料が高い衛星電話を使いたくなかったのでしょうか。

知床遊覧船、業務にアマチュア無線 節約で常用か、関係者証言 | 毎日新聞 https://t.co/jOM0HoAAUL

— 毎日新聞社会部 (@mainichi_shakai) May 9, 2022

5月11日には、北海道総合通信局の職員が現地入り。12日には、事故を起こした知床遊覧船社にも調査を行うと報じられています。

【任意調査】観光船の無線使用を調査開始 北海道・知床沖沈没事故 政府の対策検討委も議論スタート(STVニュース)

『(北海道総合通信局 山田誠哉さん)「目的外で使ってはいけないので、常態化しているのであれば違反ということになりますので、見極めて必要な措置をとっていく」』

電波法令に照らして整理してみます。

アマチュア無線局の免許を受けていないとしたら・・

まずもって、アマチュア無線局は、試験又は講習を受けて合格し「アマチュア無線技士」の資格を取得した人が、総務省から「アマチュア局」の免許を受けなければ、開設してはいけません。

電波法第4条第1項 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。(以下略)

電波法第39条の13 アマチュア無線局の無線設備の操作は、次条の定めるところにより、無線従事者でなければ行つてはならない。(以下略)

もし、知床遊覧船社を含むあの海域の遊覧船業者が、「アマチュア局」の免許を受けずに遊覧船に「アマチュア無線機」を設置していたとすれば、電波法第4条違反として、行政処分の対象となりえ、さらに1年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑事罰が課される可能性もあります(電波法第110条第1項)。

用語法としては、「無免許」で設置された無線機も、いちおう「無線局」(電波法第2条第5号)には該当しますが、「違法に設置された無線局」です。報道は、「アマチュア無線」という言葉をカジュアルに使っていますが、正規の免許を受けていなければ「違法局」であり、「アマチュア局」「アマチュア無線」と表現するべきではありません。私は、「違法局」に使われた「アマチュア無線機」がかわいそうでなりません。

いちおうアマチュア無線局の免許を受けていたとしても・・・

もっとも、今日5月11日の時点で、このような報道もあります。遊覧船業者は、アマチュア無線局の免許は一応持っているのかもしれません。

『北海道総合通信局山田誠哉無線通信部長:「 無線局の免許だけでは確認できないので 直接話を聞き、そういった事実があれば適切な措置を講じていきたい」』( FNNプライムオンライン 北海道文化放送 2022年5月11日 水曜 午後0:15『知床観光船 “電波法違反”の可能性 アマチュア無線を日常的に使用か 国が聞き取り調査へ』

『担当者によりますと、 11日に聞き取りを行った2社では違反などは確認されなかった ということです。』( NHK北海道 NEWS WEB 『観光船の無線利用実態 北海道総合通信局が聞き取りを開始』

では、「アマチュア局」の免許を受けていれば無罪放免なのでしょうか。

アマチュア無線局には「個人局」と「社団局」があります。そこで、遊覧船業者の従業員が「個人局」を開設し、遊覧船に備え付けていたパターンが考えられます。ですが、複数の「個人局」で同じ無線機を使うことはできません(設備共用の原則禁止。 電波法関係審査基準別紙1 無線局の局種別審査基準 第15 アマチュア局 19 設備共用 )。遊覧船に、従業員の人数分の無線機を設置していた様子はないので、まずその点が問題になりそうです。

また、遊覧船業者の従業員が集まって「社団局」を作り、遊覧船に備え付けていた、というパターンも考えられます。この場合、設備共用の問題は生じません。もっとも、現地(北海道斜里郡斜里町)にある社団局は「知床ハムクラブ」のみです。遊覧船とは関係なさそうです。

https://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?IT=J&HC=01&HV=545&HZ=3&SelectID=1&SelectOW=01&DC=100&SK=2&pageID=3&SC=101&CONFIRM=1#result

いずれにせよ、アマチュア無線局の免許を正式に受けていれば、電波法第4条違反にはなりません。ですが、報道もされているように、「アマチュア無線を業務に使うことは禁じられています」。正確には、「金銭上の利益のため」にアマチュア無線を使ってはいけないことになっています。

無線局の免許には、「無線局の目的」「通信事項」「通信の相手方」「移動範囲」「周波数」等の制限がかかっています(「指定事項」)。「アマチュア局」の場合、その「目的」は「アマチュア業務」に限られ、「通信事項」は「アマチュア業務に関する事項」に限られています。「アマチュア業務」とは、「 金銭上の利益のためでなく 、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務をいう。」と定義されています(電波法施行規則第3条第1項第15号)。

遊覧船業者は、遊覧船を運航することによりお客さんから料金を得る事業、つまり、「金銭上の利益のため」の事業を行っています。その事業の中でアマチュア無線を使えば、免許で指定された「目的」「通信事項」を逸脱して、アマチュア無線を使ったことになります。

報道によれば、知床遊覧船社では、「日常的にアマチュア無線の使用を続けていた」とのことです。「日常的に」というのは、出港や現在位置、帰港予定の連絡にアマチュア無線を使っていたということでしょう。もしそれが事実であれば、

「金銭上の利益のため」にアマチュア無線を使用していた
→アマチュア無線局の「目的」・「通信事項」を逸脱した使用をしていた
→電波法第52条1項柱書本文違反

ということになるでしょう。

第五十二条 無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(特定地上基幹放送局については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。(以下略)

行政処分の対象になりうるほか、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります(電波法第110条第5号)。この罰則は、無免許の場合と同じレベルです。

なお、タクシーがアマチュア無線機を載せているケースがあります。タクシー業務の連絡にアマチュア無線を使っていれば「金銭上の利益のため」の運用でアウトですが、空車の時に他のアマチュア局と遠距離交信チャレンジや雑談をするための運用であれば、「金銭上の利益のため」とは言えずセーフです。もっとも、遊覧船が「空車」で海に出ることは考えられないので、「他のアマチュア局と雑談するために無線機を載せてました」という言い訳は通用しないでしょう。

アマチュア無線による非常通信

さて、今回の痛ましい事故の直前に、遭難した「KAZU I」の船長と近隣の遊覧船事業者との間で、「アマチュア無線」による連絡がなされたと報道されています。

【証言】あの日何があったのか 無線で「KAZUⅠ」と連絡を取った同業者が語る緊迫の事態 北海道・知床沖観光船不明 (STV News 2022年4月29日)

『(ゴジラ岩観光の関係者)「当社のアマチュア無線なら連絡がつくかもしれないので、自社に戻ってアマチュア無線の電源を入れた。電源を入れて2から3回、 『KAZUⅠ豊田さん』と呼びかけた 。こちらから呼びかけても返答がないのが数十秒続いて、向こうから声が聞こえた。今どこですかと聞くと、ちょっと見渡したような感じで、カシュニという声が聞こえている。 カシュニなので、戻るのにかなり時間がかかるという会話をした 。緊迫した様子はなかった」』 →以下「交信1」

『(ゴジラ岩観光の関係者)「無線で問いかける前に、向こうから救命胴衣渡せみたいな指示が聞こえた。現場から緊迫した状況が聞こえた。豊田船長の声。 無線を取って『KAZUⅠ豊田さん、どうしました』と エンジンが停止して、船の前の方が沈んでいるということで動けない状況 」』 →以下「交信2」

「交信1」の時点では、「KAZU I」は難にあっているようには見えず、単なる現在位置の連絡にアマチュア無線を使っています。もし、知床遊覧船社とゴジラ岩観光社がきちんと無線局の免許を受けていたとしても、「金銭上の利益のため」にアマチュア無線を使っていますので、アマチュア無線局の「目的」「通信事項」を逸脱した使用をしており、同法52条1項柱書本文違反、ということになるはずです。

加えて、アマチュア無線局に割り当てられる「コールサイン」(呼出符号)ではなく「KAZUⅠ豊田さん」という呼びかけをしてしまっていますので、無線局運用規則第18条が準用する同第20条第1項違反にも該当しそうです。

無線局運用規則第20条 呼出しは、順次送信する次に掲げる事項(以下「呼出事項」という。)によつて行うものとする。
一 相手局の呼出符号 三回以下(海上移動業務にあつては二回以下)
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 三回以下(海上移動業務にあつては二回以下)

では、「交信2」はどうでしょうか。

(目的外使用の禁止等)
第五十二条  無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(特定地上基幹放送局については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。ただし、次に掲げる通信については、この限りでない。
  遭難通信(船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥つた場合に遭難信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
 緊急通信(船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥るおそれがある場合その他緊急の事態が発生した場合に緊急信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
 安全通信(船舶又は航空機の航行に対する重大な危険を予防するために安全信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
 非常通信(地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、有線通信を利用することができないか又はこれを利用することが著しく困難であるときに人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために行われる無線通信をいう。以下同じ。)
 放送の受信
 その他総務省令で定める通信

「エンジンが停止して、船の前の方が沈んでいて動けない状況」は、電波法第52条第1号の「船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥つた場合」に該当し、その場合の通信は「遭難通信」に該当するでしょう。この場合、同条ただし書きにより、無線局の「目的」「通信事項」の制限が外れます。そこで、アマチュア局でも「金銭上の利益のため」に通信を行ってよいことになります。

もし、ゴジラ岩観光社(の従業員)と知床遊覧船社(の船長)がアマチュア無線局の免許をきちんと受けていれば、「交信2」それ自体は適法ということになりそうです。ちなみに、アマチュア局は通常アマチュア局としか交信できないのですが、遭難通信の場合、無線局の「通信の相手方」の制限も外れるので、例えば海上保安庁や警察の無線局との交信もできることになります(周波数や電波型式等の条件が合えば、ですが・・)。

ただし、先に指摘したように、遊覧船が「空車」で海に出ることは考えられず、実際には、遊覧船に乗せたアマチュア機で適法な「アマチュア業務」を行うケースはほとんど考えられないでしょう。遊覧船業者の本音としては、最初から遊覧船事業のため(「金銭上の利益のため」)だけに使うつもりでアマチュア局の開局申請を行い開局したものとして、「不正な手段により免許を受けた」として免許の取消し(電波法第79条)等の行政処分や、刑事処分としては、公正証書原本不実記載罪(刑法157条)、詐欺罪(刑法246条)等が考えられるかもしれません。

北海道総通には、できるだけ踏み込んで頂きたいものです。

なお細かい点ですが、『KAZUⅠ豊田さん、どうしました』という呼びかけは、無線局運用規則に定める手順を守っていない、という問題もあります。

(遭難呼出し)
第七十六条  遭難呼出しは、無線電話により、次の各号の区別に従い、それぞれに掲げる事項を順次送信して行うものとする。
 メーデー(又は「遭難」) 三回
 こちらは 一回
 遭難している船舶の船舶局(以下「遭難船舶局」という。)の呼出符号又は呼出名称 三回
 遭難呼出しは、特定の無線局にあててはならない。

(遭難通報)
第七十七条  遭難呼出しを行なつた無線局は、できる限りすみやかにその遭難呼出しに続いて、遭難通報を送信しなければならない。
 遭難通報は、無線電話により次の事項を順次送信して行うものとする。
 「メーデー」又は「遭難」
 遭難した船舶又は航空機の名称又は識別
 遭難した船舶又は航空機の位置、遭難の種類及び状況並びに必要とする救助の種類その他救助のため必要な事項
 前項第三号の位置は、原則として経度及び緯度をもつて表わすものとする。但し、著名な地理上の地点からの真方位及び海里で示す距離によつて表わすことができる。

では、ゴジラ岩観光社(の従業員)と知床遊覧船社(の船長)がアマチュア無線局の免許を受けていなかったらどうでしょうか。電波法第52条の主語である「無線局」は、あくまで「免許を受けた適法な無線局」を指すと考えられます。『船が沈みかけてるんだから細かいこと言うな!』というのは現実論ですが、電波法第52条は、免許を受けていない「違法局」による遭難通信までOKとするものではなく、電波法第4条違反は免れないように思われます。

「無免許でも緊急避難としてOK」という荒っぽい議論をする人もいますが、電波法第52条が、遭難通信等の場合にOKになる範囲を厳密に定めている以上、それを超えて拡大解釈するのは難しいのではないでしょうか。遭難したときのために、免許がないのにアマチュア無線機を持って山に登ったりする人がいますが、電波法第52条第4号の「非常通信」にあたると認めてもらうのは難しいように思われます。

(本記事は、現時点までに公表・報道されている限られた情報をベースに書いたものです。今後明らかになる事実に基づき、訂正等することもあり得ます。またあくまで一般論を述べたものであって、法的助言ではありません。)

(2022-05-11 記)


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