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7K1BIB/AC1AMの業務日誌 (2024/11/24 11:05:49)
現在データベースには 149 件のデータが登録されています。
JG1KTC髙尾氏については、もうあまり時間を使いたくない(前向きな件に時間を使いたい)のですが、やむを得ない事情(後述)が生じましたので本稿を書きました。
髙尾氏の異議申立
私は、先日、2024年3月8日付けで、JG1KTC髙尾義則氏から選挙異議申立を受けました。
髙尾氏は、私の選挙立候補に当たっての所信を記載した2024年2月9日付けブログ記事( https://7k1bib.net/2024/02/09/shoshin-2024/ )中の、「使途不明金が明らかになった」との文言と「このような不祥事」という文言について、そのような事実はなかったから「名誉毀損」「誹謗中傷」である、と主張し、私の記事の削除を求めて来たものです。
私の反論
私は、以下の「釈明書」を選挙管理会に提出しました。
(釈明書ここから↓)
釈明書
令和6年3月8日付け「令和6年通常選挙に関わる異議申立てについて」により通知されたJG1KTC髙尾義則氏(以下「申立人」という。)による異議申立てに対する釈明は次のとおりである。
第1 申立自体に対する反論
申立人は、被申立人の個人ブログの記事(2024年2月9日付け「JARL選挙立候補に当たっての所信(2024年全国理事)」。以下「本件ブログ記事」という。)の一部の記載を取り上げ、その「即刻削除」を求めている。
しかし、JARL選挙規程第33条は、選挙管理会がとり得る処分の範囲は、(1)関係者に対する勧告、(2)関係者に対する警告、(3)当選の取消し、(4)選挙の無効と定めており、ブログ記事の「即刻削除」は、このいずれにも当たらない。
よって、申立人の本件異議申立ては、直ちに却下されるべきである。
第2 申立内容に対する反論
1 総論
真実に基づく批判・意見は、たとえそれが相手の名誉や信用を毀損する内容であったとしても、憲法上の表現の自由(憲法21条)として認められている。つまり、適法である。
特に、JARLは、選挙により社員を選び、その社員が社員総会で理事を選任するという民主的な組織であるから、その選挙においては、広く正しい情報に基づいて選挙が行われるよう、真実が会員に伝えられる必要性・重要性は極めて高い。真実が伝えられてこそ、「公正な選挙」が実現する。
そして、 本件ブログ記事のうち、申立人が指摘する記載は、いずれも真実であるから、「名誉毀損」「誹謗中傷」には当たらない。
2 各論
以下、申立人の主張に対し、個別に反論する。
申立人は、本件ブログ記事における「前会長・JG1KTC髙尾義則氏の時代の使途不明金(「会長 打合せ」と称する飲食費など)が明らかになりました。」との記載について、そのような事実はなく、「一方的な虚構、妄想」であると主張する。
しかし、社員有志が作成し、JARL理事会が正しいものと判断してJARL WEBで公開した(乙第1号証)「前会長髙尾執行部に関する報告書」(注1)が認定したとおり、 申立人が会長を務めていた2017年度から2019年度の会計帳簿を精査したところ、「会長 打合せ」と称する飲食費が多数発見されたこと、申立人は、年間100件以上、おおよそ2~3日に1回、飲食を行い、それらを「広報活動費」等の名目でJARLに請求し、支払を受けていたこと、JARL本部がある南大塚周辺の居酒屋での飲食が多かったが、「ナイトパブ」や「ラウンジ」の利用料も含まれていたことは、真実である。
(注1 https://www.jarl.org/Japanese/4_jarl/4-1_Soshiki/rijikai/houkokusho2403.html 報告書本体は大部であるので、必要に応じ、選挙管理会の委員各位に配布されたい。)
下記は、上記報告書の別紙からごく一部を抜粋したものである。
そして、社員有志が申立人に対し、これらの「打合せ」の詳細を説明するように求めたところ、 申立人からは、これらの「打合せ」の「目的」も「相手の氏名役職」も明らかとされず、結局、これらの飲食費の使途が明らかにならなかった。よって、これらの飲食費は、どのような目的に使われたかわからない「使途不明金」であるといわざるをえない。
したがって、 本件ブログ記事の「前会長・JG1KTC髙尾義則氏の時代の使途不明金(「会長 打合せ」と称する飲食費など)が明らかになりました。」との記載は真実であり、 申立人に対する名誉毀損にも誹謗中傷にも当たらない。
また、申立人は、本件ブログ記事における「このような不祥事」との記載について、「不祥事はありません」と主張する。
しかし、本件ブログ記事は、「前会長はJARL執行部を去りましたが、このような不祥事が」と記載しており、不祥事とは、前会長であった申立人がJARL執行部を去ったことを指している。具体的には、森田理事(現会長)及び原理事(現副会長)の連名による、申立人を会長から解職することを議題とする臨時理事会開催請求と、申立人を理事から解任することを議題とする社員総会における社員提案の2件を突きつけられた申立人が、解職・解任決議の成立を回避しようと辞任届を提出したものの、令和5年6月25日に開催された第66回理事会において、賛成14名、保留1名の圧倒的多数により、申立人を会長から解職することが決議された結果、申立人が会長及び理事の職を失い、JARL執行部から去ることになったことを指している。以上の経緯は真実である。 現職の会長が、解職・解任請求を目の前にして辞任届を出すなどという事態は、「不祥事」以外の何物でもない。
加えて、 上記のとおり、申立人による使途不明金が大量に発覚したこともまた、不祥事であるといわざるをえない。
よって、本件ブログ記事における「このような不祥事」との記載は真実であり、 申立人に対する名誉毀損にも誹謗中傷にも当たらない。
3 結論
よって、申立人の主張は失当である。選挙管理会におかれては、本件ブログ記事の記載は真実であると明確に認定された上で、本異議申立てを棄却されるよう切にお願いする。
なお、前回2022年の選挙において、7N4QUK岡本均氏及びJI1VDU井上龍氏による私に対する異議申立は、本異議申立てにおいてJG1KTC髙尾義則氏が問題としている記述よりもより具体的かつ詳細な髙尾氏の行状に関する記述を問題としたものであったが、選挙管理会は、同異議申立を正当にも棄却された。同事件との比較においても、本異議申立ては棄却されるべきであることを付言する。
以上
(釈明書ここまで↑)
選挙管理会の決定(請求棄却)
2024年3月28日、選挙管理会より、下記のとおり、髙尾氏の異議申立てを棄却する旨の決定書を頂きました。選挙管理会各位の正当なご判断に感謝申し上げます。なお、選挙管理会の決定書は、申立てが認められたときだけ公表され、棄却されたときは公表されないのですが、以下のとおりです。
本稿を書かざるを得なくなった事情
本稿を書かざるを得なくなった事情というのは、選挙管理会の決定が下された後の2024年3月29日付けの髙尾氏のブログに、私を名指しして以下の文章が掲載されたからです。
私の選挙公報(詳細版)は、髙尾氏が上記のとおり選挙異議を申し立てて来た「2024年2月9日付けブログ記事」と、ほとんど同じ文章です。 つまり、選挙管理会は、私の選挙公報(詳細版)には問題がないという結論を、すでに出されているわけです。
仮に選挙管理会が、私のブログ記事だけではなく私の選挙公報(詳細版)も問題だと思えば、すでに、選挙規程第16条第3項に基づき私に訂正の要請があったでしょうが、もちろん、そのような要請はありません。
にもかかわらず髙尾氏は、選挙管理会の請求棄却の決定には触れずに、「上申書」なるものを提出したという記事だけを公表して、あたかも私の選挙公報(詳細版)に問題があるかのように主張しているわけです。 髙尾氏は、もう自分が何をしているのか、わからなくなってしまったのでしょうか。
2022年の異議申立
なお、私の上記釈明書で、前回2022年の選挙における「7N4QUK岡本均氏及びJI1VDU井上龍氏による私に対する異議申立」について触れました。これまであまり公表してきませんでしたが、2年前に以下の事実があったことも、ここに記しておきます。
最近、7N4QUK氏のブログに髙尾氏と某氏のLINEのスクリーンショットが公表され、髙尾氏がQUK氏のブログにリンクを張るなど、髙尾氏とQUK氏が直接つながっていることは、もはや彼らも隠さなくなってきています。
その前回2022年(髙尾氏がまだ会長だったとき)の選挙で、私の社員当選を無効としようと、7N4QUK局とJI1VDUという局が私に対し選挙異議を申し立ててきました。 両氏の選挙異議申立書は一言一句同一で、ふつうなら通らない主張内容でしたが、髙尾氏が他人の選挙公報を公表前に見て書き直そうとし、憤慨したその方が立候補を取り下げた等(社員有志報告書に書いてあるあの事件です。)、ふつうではない状況でした。私は、たくさんの方が支持してくださったおかげで社員に当選できたのに取り消されてしまうかもしれないと本気で危惧し、日本でもっとも高名な刑事弁護士である弘中惇一郎先生の事務所に弁護を依頼しました。「無罪請負人」というご著書も有名な、あの方です(弘中先生のお嬢さんが私の大学時代の後輩というご縁があります。)。
弘中事務所は、1をお伝えすれば10を理解してくださる、同業者の目から見ても卓越した仕事をしてくださいました。そして「もし不当な決定を出したら、会長に関係する支出の適切性について、裁判で大いに主張立証する所存」とまで書いてくださいました。
その効もあったのか、選挙管理会の結論は、異議申立棄却でした。
こうしてようやく私は、465人の皆様からご支援頂いた2年前の当選を守ることができたのです。 同時に、権力の恐ろしさを身にしみて感じた一件でした。
ご参考:
https://twitter.com/7K1BIB/status/1769264495632011290
(2024-03-30 記)
以下の日程で、オンライン活動報告・意見交換会の第2回を開催致します。
日時:
2024年4月7日(日)20:00(JST)より (出入り自由です。終了時刻未定)
場所: Zoom上 ID/Passwordは、当日が近づきましたらここで公表します。
内容: 山内より活動報告・ご提案/皆様との意見交換。
3月16日(土)に第1回を開催したばかり ですが、3月26日に公表された、私の選挙公報(詳細版)の「3月にZOOMで意見交換会を開きます」をご覧になった方もいらっしゃると思います。後先になってしまいましたので、第2回を開催させていただくことに致しました。
どうぞお気軽にご参加下さい。オンラインでお目にかかれるのを楽しみにしております。
私の所信 ⇒ https://7k1bib.net/2024/02/09/shoshin-2024/
私の経歴 ⇒
アマチュア無線: https://7k1bib.net/about/
本業: https://www.noandt.com/lawyers/takahiro_yamauchi/
推薦して下さった方々 ⇒ https://7k1bib.net/2024/03/06/shoshin-2024-2/#referee
(2024-03-27 記)
2024年3月24日(日)、埼玉県狭山市サンパーク奥富にて開催されたイベントです。
公式Scrapbox に謳われたコンセプト、
「無線家は『消費者』ではなく『開発者』であること
にぐっと惹かれて、初参加して参りました。
午前(A面):出展ブース
会場到着後、最初に伺ったのが、 のびぞう工房さん のブース。3Dプリンタで便利なものを制作・頒布されています。以前、 八重洲ハンディ機用のヘッドセット変換アダプタ(PTTスイッチ付き) を購入した際に、実に丁寧なサポートをしてくださったので、ご挨拶に伺いたいと思っておりました。
POTAや駅前QRVでは、①マイク付きヘッドセットを使いつつ、②無線機本体は高く上げたい、と思うことがあります。ところが、市販のマイク付きヘッドセットは、PTTがケーブルの途中にあることが多く、①PTTスイッチを操作しながら、②無線機本体を高く上げようとすると、①右手でPTTスイッチを操作、②左手で無線機本体を持つ・・・これだけで手が2本埋まってしまいログが書けません。ここで、のびぞう工房さんのヘッドセット変換アダプタ(PTTスイッチ付き)を無線機のベルトクリップあたりにうまく取り付けると、左手だけで①と②が実現でき、空いた右手でログが取れるようになります。
以下は、以前、のびぞう工房さんの変換アダプタを東京駅前での #駅前QRV で使った時の写真です。変換アダプタをベルトクリップに取り付け無線機と一体化しました。
なお、FT5Dのマイク・イヤホンジャックにはゴムが付いていて、ふつうの3.5mmプラグでは自然と抜けてきてしまいます。のびぞう工房さんは この問題に対応した長軸マイクプラグ変換アダプタ を頒布されていますが、私は、 アマゾンで見つけた10cm長の4極ケーブル を使っています。これだけ短いと、マイク・イヤホンジャックにテンションがかかるので抜けてきません。
今回、のびぞうさんに初めてお会いし、FT5Dアダプタのお礼を申し上げ、ICOM用のアタッチメントを購入いたしました。ありがとうございました。
次に拝見したのはJA3VWT/JE1JOM局のマグネチックループアンテナ。100均のフラフープを利用したものです。これでマンション室内から成果をあげていらっしゃいます。自宅のノイズが格段に高い私にとって興味津々でした。同局、実は、我らが JQ1ZOR メンバーだったりします。
さらに他のブースを拝見します。ロッドアンテナでループを構築した無電源ラジオ。目からウロコのアイデア。
昨今話題のサインランプ に、さっそく電波検知回路を組み込んだ作品。スマホの上に置いたサインランプがピコピコ点滅しています。基地局とこんなに頻繁にやりとりしていることが可視化されていました。
他にも意欲的なブースがたくさんありました。ご自分の出展物について熱弁を振るってくださる皆さんとの対話は、とても有意義でした。
午後(B面):ライトニングトーク
ライトニングトークとは、稲妻(ライトニング)のように短い時間で行われるプレゼンテーションのこと。IT業界でよく行われるプレゼン形式のようですが、これをアマチュア無線のイベントに持ち込まれたのは初めての試みではないでしょうか。
12人の演者が次々と登場されます。
みなさん、オリジナリティ溢れるご活躍の様子を次々と紹介されます。しかもお話がうまく、テンポ良く進むので飽きません。
一部の方のトークが、 さやまサークルチャンネル さんのYouTubeで公開されています。
とてもよいフォーマットだと思います。他のアマチュア無線のイベントでも取り入れられるとよいなと思いました。
感想
「電波文化祭」は、昨年のハムフェアの「出展料値上げ」に対抗して企画されたものと伺っています。その出自は、2020年のハムフェアの「中止」に対抗して企画され、私も運営に参加した「バーチャル・ハムフェス」( 2020 2021 )と似ているかもしれません。
そして、それらの場で発見されたことは、
- 無線趣味界には、創造力と意欲に溢れた方々がたくさんいること
- そして、一般のアマチュア無線家も、創造を渇望していること
と、いえるかもしれません。
そして、ハムフェアも変わりつつあります。 相乗効果で、私たちの無線趣味界がもっともっと良くなるとよいと思っています。
電波文化祭の翌朝、発起人の JN1GGZ オオタキさんのツイートに刺激されて私が書いたことを、ここにも貼り付けておきます。素晴らしい企画を立ち上げてくださったオオタキさんに感謝申し上げます。
オオタキさんがLTのトリでも話された事件。耳を疑うがさもありなんと思わざるを得ないことが悲しい。『アマチュア無線のイベントで『客』って誰なんですか!』という魂からの叫び、問いかけが頭から離れない。→
→でも救いは、オオタキさんが『客』を追い出した後のライトニングトーク(LT)。素晴らしかった。沢山の講演者が、自分の『創造』を語り、これらを聴衆が受けて内面化する。午前中のブースでも、請け売りでない『創造』を語る花が、あちらこちらで咲いていた。→
→多くの参加者が、何か心にひっかかるものを持って家路に着く。それは、また来たいと思う気持ちかもしれないし、次回の電波文化祭に出展したいという意気込みかもしれないし、別の場所で『創造』を披露したいと思う心意気かもしれない。昨日のあの場所には、『客』はいなかったと思った。→
→手前味噌で恐縮だが、コロナ禍に開催した「バーチャル・ハムフェス」。あのときも、アマチュア無線界にはこんなにも創造的な人たちが多いんだ、協力してくれる仲間がいるんだと感動した。徹夜の準備も辛くなかった。 『客』ではない、『創造』はアマチュア無線界の宝だと思う。昨日、改めて確信した。
(付録)西武安比奈線廃線跡
電波文化祭で心地よい刺激を受けた当日、その足で、ご近所にある西武安比奈(あひな)線の跡を訪れました。西武新宿線南大塚駅から北西に延び、入間川沿いの旧安比奈駅を結んでいた貨物線でしたが、2017年5月に正式廃止されました。多くの遺構が残されていましたが、最近、撤去が進んでいると聞いていました。
電波文化祭の会場から北に車で15分ほどの 旧安比奈駅付近 。鉄道の遺構は見つけられませんでしたが、ワイヤーアンテナを大々的に展開できそうです。
安比奈駅跡から南大塚駅に向かって、いくつかの遺構を訪ねました。当日のツイートをご覧下さい。次回の電波文化祭の後に、訪れてみてはいかがでしょうか。
(2024-04-14 記)
「JARL選挙は重要と言われるけど、いったい何を選ぶのかよくわからない」という声をよく聞きます。私なりの解説を書いてみました。
JARL公式メルマガ
今回の選挙から、JARLメールマガジン臨時号(選挙特集号)が配信されていますね。とてもよいことだと思います。渡島檜山支部がまとめてくださっているのでリンクを張っておきます。
「令和6年通常選挙の今後のスケジュールと選挙の種類について」
https://ohs.jarl.pro/2024/03/1234/post-1234
そもそも「一般社団法人」って何?
「 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 」(法人法)に基づいて設立される法人です。いくつか特徴を述べてみます。
- 「法人」なので、個人とは区別された団体です。法人名義で財産を取得したり保有したりできます。
- 「社団」法人、つまり人の集まりです 。財産に法人格を与える「財団」法人と区別されます。
- 法定の要件をみたせば誰でも設立できます。2006年以前と異なり、官庁の設立許可は不要です。監督官庁はありません。 JARLは、総務省や内閣府に監督される存在ではありません。自律したきちんとした事業運営が求められます。
- 一般社団法人は収益事業を行ってもよいのですが、営利法人である「株式会社」と異なり、営利を目的とはしません。もっとも、営利を目的としないからといって、赤字を長年垂れ流し、ついに留保金の底が見えてくる状況を放置することが許されるわけではありません。団体としての継続性(最近の言葉で言えば、「サステナビリティ」)が求められるのは当然です。
- JARLは赤字です(利益を上げていない)ので、今のところ法人税はかかりません(法人住民税は支払っています。)。黒字になると法人税がかかってきます。税金を支払い社会的責任を果たすことも大事ですが、原資は会員からお預かりした会費ですので、バランスを考える必要もあると思います。
JARLの「機関」
JARL Webの「JARLの組織」ページ には、「JARLの組織には、社員総会、理事会、監事、地方本部、支部、委員会、および事務局があ(る)」と書かれています。そのうち、法律で決まっている組織(機関)は、「社員総会」「理事会」「監事」だけです。
社員と社員総会
「社員」とは、一般用語の「従業員」という意味ではなくて、法律用語、つまり一般社団法人を構成する「人」のことです。JARLでは、会員から選挙で選ばれた者が、法律上の一般社団法人の「社員」として扱われることになっています。社員には、年1回の社員総会への交通費は出ますが、給料は出ません(無報酬です)。
「社員総会」は、「社員」が参加してJARLの基本的な事項を決める会議です。
JARLの社員は、現状では、年1回の「社員総会」で執行部に質問し、議案に対する賛否を投票することくらいしか活躍の場がありません(狭義の社員)。議案も、法律または定款に書かれたものに限られます。「ハムフェアを年2回にしよう」といった議案を決議することは、残念ながらできません。
社員の皆さんの中には、意欲と能力に満ちあふれている方が多く、社員総会だけではもったいないと思います。社員の役割を拡大して、メーリングリストや「社員懇談会」で、一般会員の意見を代弁していただいたり、本部委員会やWGで実際に「働く社員」「働ける人を連れてこられる社員」になっていただいたりすることも考えられると思います。そもそも「社員」という名称がわかりにくいですね。社員総会以外でも活躍の場があるのなら、例えば「代議員」と名称を変えても良いと思います。
という次第で、社員選挙では、 会員の意見を「社員総会」その他の場で真剣に代弁してくれる方、 口先で意見を言うだけ、人に言われて行動するのではない方、 多くの仲間に支えられ、自分も動いてくれそうな方に投票して頂ければ、JARLはもっと盛り上がると思います。 どこかでコールサインを聞いたことがあるとか、アマチュア無線にアクティブだからという基準で投票すべきではありません。 JARL選挙は人気投票ではないのです。
理事・監事と理事会
理事会は、社団法人の進む方向性を多数決で決める極めて重要な機関です。 理事会は理事と監事で構成されます。理事と監事は、社員総会の決議で選任されます(法人法第63条)。
専務理事には報酬が支払われますが、現在は空席です。その他の理事・監事は、交通費は支給されるものの、無報酬とされています。なお、今年の社員総会で定款変更が承認されれば、特定の分野を担当する「常務理事」が新設されます。
理事・監事は名誉職では ない
理事のうち、JARLの業務執行権限を持つのは、会長(と専務理事)だけです(JARL定款第23条第2項、第4項)。とはいえ、役職のない理事も、会長の業務執行を監督するという、重大な任務を負っています(法人法第90条第2項第2号)。もし、「理事は会長のやることを絶対に支えないといけない」と考えている方がいらっしゃれば、その考えは改めて頂いた方がよいと思います。 忠臣は、時には主君の誤りを諫めることも必要 だと思うのです。
監事は、理事の職務の執行を監査します。監事には、理事等に対して事業報告を求めたり、業務及び財産状況の調査をしたりする強大な権限が与えられています(法人法第99条)。理事の行為の差し止めすらできます(法人法第103条)。なお、会長→地方本部長→支部長というヒエラルキーに組み込まれた経験がある方は、監事として会長に物申すことは難しいでしょう。監事は、法律や会計の専門家になっていただくのがよいと思います。
JARLに対し損害を負わせた理事・監事は、JARLに対し損害賠償責任を負います(法人法111条)。監督責任を怠った理事も、JARLに対し損害賠償責任を負うことがあります。なお、役員保険に入っているから安心と思っている役員がいるかもしれませんが、故意・過失のある役員(不正を知りながら放置し、監督責任を果たさない理事・監事)には、保険会社も保険金を出さないでしょう。
JARLにおける「理事候補者」の選び方
法律では、理事・監事は「社員総会の決議」で選任されるところまでは決まっているのですが、その「候補者」の選び方は社団法人によってさまざまです。例えば、「役員推薦委員会」といった独立の機関を設けて候補者を選ぶ団体もある(例: Vリーグ機構 )一方で、理事・監事の候補者全員を会員の選挙により選ぶ団体もあります(例: 情報処理学会 )。
JARLの場合、理事・監事の候補者は、 選挙と推薦のハイブリッド方式 で選ばれます。
まず「理事候補者」ですが、2年に1度、4月に投票が行われるJARL選挙で、①全国理事候補者5名と②地方本部長10名が決まります。②地方本部長は理事候補者になることができます(自分は地方本部長に専念するとして、理事は辞退してもよいと思いますが。)。
その後、5月の理事会で、③理事会が推薦する理事候補者2名が追加され、合計最大17名の「理事候補者」が決まり、6月の社員総会に上程されます( JARL定款 第21条第1項、 JARL規則 第26条第1項)。
なお、前回の選挙までは、②は「各地方本部から選ばれる理事候補」であり、社員総会で理事として承認されて初めて、各エリアの地方本部長を兼ねることができる、というややこしい仕組みになっていました。ですが、各地方本部の選挙で選ばれた方が、他のエリアの社員の反対で地方本部長になれないのはおかしいという理由で、定款変更がなされ、今回からは、各地方本部の選挙で選ばれた方は自動的に地方本部長に就任し、理事になれるかどうかは社員総会で審議される方式に変わりました(私が社員提案書を起案しました。社員の皆様、ご承認ありがとうございました。)。
JARLにおける「監事候補者」の選び方
「監事候補者」は、(過去の例では)2020年5月の理事会で、最大2名の監事候補者が決まり、6月の社員総会に上程されます(JARL定款第21条第2項、JARL規則第26条第2項)。旧法人の時代は監事も選挙で選ばれていましたが、新法人への組織変更の際に、理事会の推薦になりました。
社員総会での承認
繰り返しますが、 「理事候補者」も「監事候補者」も、6月に開催される社員総会で承認されないと、理事・監事になることはできません (JARL定款第21条第2項、JARL規則第26条)。
社員は、選挙で示された会員の意思に拘束されるべきだ、というご意見を聞くことがありますが、法人法上、そのような仕組みは取れませんし、事態はそう単純ではないと思います。 不適切な人が理事になると、その悪影響は全国の会員に及びますので、例えば地方本部長選挙の当選者が、他のエリアの社員も含めた反対で理事にはなれないことも当然あり得ると考えます。 この人は理事にふさわしいのか、社員総会での承認・不承認がますます重要になります。
6月の社員総会で理事・監事の承認・不承認を決める社員は、今年のJARL選挙で選ばれる社員ではなく、2年前のJARL選挙で選ばれた社員です。2年前の選挙で示された会員の意思によって今後2年の役員の顔ぶれが決められるのは、奇妙ではありますが、現行制度はそうなってしまっています。
6月の社員総会の直後に、社員総会で正式に承認された理事・監事によって理事会が開催されます。 この理事会で、会長、副会長等の役職者が互選されます (JARL定款第22条)。この互選は、多数決で決まります。
今年の選挙で選ばれた社員の活動開始時期
今年の選挙で選ばれた社員の任期は、今年6月の社員総会の終了後に始まります。ですので、来年と再来年の社員総会には、今年の選挙で選ばれた社員が出席します。
もし、来年の社員総会前に臨時社員総会が開催されれば、その臨時社員総会には、今年の選挙で選ばれた社員が出席することになります。
(2024-03-22 記)
追伸:私、7K1BIB/山内貴博は、2024年JARL選挙において、全国理事に立候補しています。このような法律家としての知識・経験を生かした情報発信を、これまでは個人ブログやTwitter(現X)などで行ってきましたが、今後はJARL公式の情報発信に貢献したいと思っています。ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
JARL選挙立候補に当たっての所信(2024年全国理事)
https://7k1bib.net/2024/02/09/shoshin-2024/
JARL選挙所信(続)
https://7k1bib.net/2024/03/06/shoshin-2024-2/
【ご報告】オンライン活動報告・意見交換会
https://7k1bib.net/2024/03/16/online-meeting-3-17/
予告しておりましたとおり、 3月16日夜、Zoom上 で 「オンライン活動報告・意見交換会」 を開催致しました。
第1部 活動報告・JARLの近況
JA5SUD森田会長に交代して、「やらせてもらえる」組織になった=「一部の人のJARL」から「みんなのJARL」に変わりました。その具体例として、澤田実行委員長によるハムフェアの改革、2つの委員会の新設、森田会長の激務、私の参与としての活動、 JARL/JARD/JAIA/CQ出版のトップ会議=「アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)」 等のお話をしました。
聴衆の皆様からは、SD会議に対する強い期待の声を頂きました。
第2部 未来志向のご提案(組織)
JARLにおいて物事がなかなか進まないのは、特に本部に「人手が足りない」という問題意識から始めて、 地方組織の活性化(と省力化)のためのアイデア、また本部組織の強化策 を、社員、理事、委員会に分けてお話ししました。
主な質疑応答を記録しておきます。
- 若い方が立候補しようとしても「正員3年」の在籍要件がネックになっている。
⇒山内:確かに。なお、全国社員の中に「10代選挙区」「20代選挙区」等の年代別選挙区を設けるのはどうかと考えている。
- 理事に対し、法制度に関する研修は?
⇒山内:やってないと思う。必要と考える。
- 選挙権・被選挙権を家族会員にも
⇒山内:賛成。
- 事務局は委員会に必ず参加しなくてもよいと思う。
⇒山内:同感。委員会が議事録を作る等、自立すべき。事務局がボトルネックになってしまうのは極力避けたい。
- 「地方本部長」と「理事」の切り離し、「支部長」と「社員」の切り離しには賛成。
⇒山内:ありがとうございます。
- 役職者の年齢制限・重任制限は?
⇒山内:JARLが一般社団法人になった当初はどちらもあった。どちらも必要だと思う。
- 1票の格差は?
⇒山内:難問だが検討したい。全国社員は格差緩和策になる。
第3部 「JARLアプリ」案
JARLに関するニュース、電子ログ・アップロード機能等々を持つアプリを、「JARLアプリ」として開発するのはどうか、との構想をご提案しました。
質疑応答では、システム開発に詳しい方々から「これを業者にやらせようとすると高いし、ボランティアだと時間がかかる」と、私のアイデアは火だるまに・・・(苦笑)。他方で、後で拡張すれば良い、できるところからリリースすれば良いとのご意見もいただきました。
また別の角度から、ソフトウェア制作の基盤となる各種テキストデータ(JCC/JCGリスト、コンテスト結果、JARL会員リスト等々)を提供してほしいとのご意見も頂きました。データの提供については、私も、各種規約の公開が必要と思っており、前向きに検討したいと思います。JARL Webの全面改修も必要でしょうね。
続いて議論はビューローの遅延問題に移りました。昨年、森田執行部が意を決して発出された 紙カード「発行枚数見直し」の呼びかけ の結果、実際にビューローに送られてくるカードの枚数は減少したとの情報が寄せられました(公表を検討したいと思います。)。
QSLカードについては皆さんそれぞれのポリシー、考え、思いをお持ちです。若い方が紙による事務処理に抵抗を持っていることは事実ですが、年賀状を廃止される方が増えている昨今、既存アマチュアの皆様も、どのくらい紙カードが必要と思われているのかも検証が必要でしょう。
私も紙カードをなくせなどとは、さらさら思っていません。むしろ、ビューローを維持するためにはどうしたらよいかを、主にコストの面から検討したいと思っています。聴衆の方からは、 会員から信任を得られた理事の方々が、自信を持って英断してほしい 、との応援も頂きました。
以上、たくさんの方にご参加頂き、議論も尽きないところでしたが、23時過ぎに散会致しました。とても有意義な時間でしたので、またこのような機会を設けたいと思います。ご参加頂きました皆様、また、この記事を読んでくださった皆様、ありがとうございました。
今回の選挙は、 ようやくJARLが前向きに進み始めた「森田体制」をこのまま維持するか、これを信任するかどうかが争点の選挙です。 私は引き続き、JARLとアマチュア無線を巡るさまざまな課題に、誠実に取り組んで参りたいと思います。ご支援をよろしくお願い申し上げます。
(2024-03-17 記)
「 令和4年度の会計帳簿の開示仮処分 」にかかった裁判費用は、「JARL正常化弁護団」に対し頂いたカンパから支出させていただきました。その後、会長が交代し、森田会長のご承諾により法務局から担保金が戻ってきたことにより、カンパ金口座の残高は増えました。
2023年5月1日のご報告(第3回) 以降、現在までの収支を以下のとおりご報告申し上げます。
期初残高 | 612,561円 | |
支出 | ▲250,000円 | 仮処分担保金 |
収入 | 15,000円 | 新規カンパ金 |
収入 | 2円 | 利息 |
収入 | 300,000円 | 仮処分担保金返還 |
支出 | ▲660円 | 送金手数料 |
収入 | 250,001円 | 仮処分担保金返還 |
残高 | 926,904円 |
「JARL正常化弁護団」にいただいたカンパは、法的手続きにかかる実費のみに使わせていただいています。弁護団は、弁護士報酬も交通費も飲食代も一切いただいておりません。
2020年6月にカンパ金を募集した当初 、JARLが正常化した暁には、残金はJARLに寄付させていただくとお約束しました。皆様のご支援のお陰様で、あと一歩かと思います。引き続き、JARL正常化弁護団へのご支援をよろしくお願い申し上げます。
(2024-03-09 記)
2024年3月10日(日)、 無線通信を愛好する法律家協会 (JQ1ZOR)の有志4名で、埼玉県秩父郡長瀞町の「 宝登山(ほどさん) 」に出かけました。
行き(鉄分補給)
池袋駅から東武東上線に乗車。朝霞台駅から先は初めて乗車します。小川町で乗り換えて寄居駅到着。これで東武東上線を完乗。
昭和な感じの乗り換え案内。
JR八高線はディーゼル車です。
寄居駅で秩父鉄道に乗り換えて、予定通り午前9時に長瀞駅到着。構内踏切もあり、よい雰囲気です。
山行
駅から1時間ほど、蝋梅を愛でながら軽い登りで山頂を目指します。
標高497.1mの山頂で記念撮影を行い、さっそく4名は「12時ころまで」と示し合わせ、思い思いの場所にわかれて運用を開始します。
私は、さくっと10局稼ぎPOTAのアクティベーションを確保してから、HFにQSYしよう、あわよくばJQ1ZORも運用しようと考えながら、ID-51+RH770を取り出し、430/FMでCQを出し始めました。
ところが・・・意外と呼ばれずログが進みません。北風が強く、日の当たるところを選んだのに体感温度が低く、手がかじかんできます。CQ→呼び回り→CQを繰り返しているうちに時間を使ってしまい、10局やるのに1時間半もかかってしまいました。あっという間に12時で終了。。。
他の皆さんの様子をうかがうと、21MHz/CWでW(米国)とS2S(山頂同士のQSO)できた!とか楽しそうなことをおっしゃっています。情けないやら悔しいやら。やはりCWができるようになりたい!と思ったのでした。
山頂の神社にお参り。
神社前のベンチからの眺め。北風もさえぎられ、とっても快適です。ここから運用されたNGI局の選択が正解でした。
下山はラクをしてロープウェイ。今時珍しい硬券(厚紙)の切符です。