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link 7K1BIB/AC1AMの業務日誌 7K1BIB/AC1AMの業務日誌 (2024/11/22 2:05:41)

現在データベースには 149 件のデータが登録されています。

feed オアフ島での運用・POTA編その1 (2023/9/11 19:40:00)

少し遅めの夏休みをとり、ハワイ・オアフ島に行ってきました。

家族旅行なので無線中心という訳にはいきません。しかも6泊8日の旅程中、前半3泊のホテルの部屋には何とバルコニーがなく、ホテルから運用ができません。アンテナ不要なIC-705のターミナルモードでJAのレピーターにアクセスを試みるも、なかなかうまくいきません(D-STARについては別の記事に書きます。)。

意気消沈しつつも、プールサイドで無線運用できそうな公園を見定めます。

プールサイド。家族に内緒で #POTA できそうな場所を探し回つている</div>
            <br />
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      <a href= feed オアフ島での運用・POTA編その1 (2023/9/11 19:40:00)

少し遅めの夏休みをとり、ハワイ・オアフ島に行ってきました。

家族旅行なので無線中心という訳にはいきません。しかも6泊8日の旅程中、前半3泊のホテルの部屋には何とバルコニーがなく、ホテルから運用ができません。アンテナ不要なIC-705のターミナルモードでJAのレピーターにアクセスを試みるも、なかなかうまくいきません(D-STARについては別の記事に書きます。)。

意気消沈しつつも、プールサイドで無線運用できそうな公園を見定めます。

プールサイド。家族に内緒で #POTA できそうな場所を探し回つている</div>
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      <a href= feed ハムフェア2023 (2023/8/20 23:59:00)

今年も2日間、フル参加しました。

1日目

去年に続き今年も「秋葉原無線部」の出展者チケットでの入場です。前日に名前欄を印刷。

名札にアイコンを入れるのが流行りと聞いて。
(凝り出すと止まらないのでこれでよし。) #ハムフェア2023 pic.twitter.com/jSUmNP1u8w

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 18, 2023

今年は、秋葉原無線部の同人誌「 もえれとりくす Vol. 3 」に寄稿しました。同人誌への投稿は初めて。

記事のタイトルは「周波数等の一括表示記号の導入がアマチュア局に与える影響と課題」。あとがきを引用します。

「ジュリスト」 某法律雑誌が「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正」について特集を組んだ世界を仮想して、「周波数等の一括表示記号の導入」について解説記事を書いてみました。デザインとか体裁とかも 「ジュリスト」 某法律雑誌に結構似せたはず。体験運用とかバンドプランとかについては、誰かにお任せ。

「ジュリスト」 某法律雑誌(笑)に載せても恥ずかしくないレベルの論文にしたつもりです。

他の記事も力作ばかりです。今後も各種同人誌即売会等で、秋葉原無線部によって頒布されるはずですので、まだ入手されていない方はぜひご購入ください(バックナンバーとあわせて)。

というわけで、ハムフェア1日目は基本的に秋葉原無線部のブースにおりました。「写真撮影OK/SNS投稿OK」な表示。 ハムフェアでの撮影規制 が厳しすぎると話題になりましたが、これでよいのではないでしょうか。

秋葉原無線部主宰・Daisuke氏の地毛を見たのは初めてな気がする。

12時からはステージ視聴。JA5SUD森田会長と若者たちの対談に、 杉並区アマチュア無線クラブ が誇る高校生くんが登壇しました。

秋葉原無線部のブースに戻り、ひらつか氏( @jj5ety )が出展されていた 軍用無線機 「PRT-4A/PRR-9」とQSO。周波数/モードは53.5MHz/FMです(当方はVX-8DE)。

軍用無線機PRT-4Aを使用中の @jj5ety 局とのQSO #ハムフェア2023 pic.twitter.com/Xy8ydXIBXH

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 19, 2023
夜は公式主催のアイボールパーティに出席。
JA5SUD森田会長。会長が交代して
JARLの雰囲気はとっても明るくなりました。
IARU会長 Mr. Tim Ellam, VE6SH。

IARU会長 Tim Ellam氏とは2019年のこのパーティで初めてお会いし、本業が弁護士同士ということで意気投合。今回も再会を喜びました。IARUでは、第1~第3に分かれている地域制度を廃止する等の大改革が進められているとのこと。他にも、国内外の要人とお会いでき、とても有意義なパーティでした。

その後は某所で2次会に参加し、帰宅は23時過ぎ。

2日目

寝坊。少し遅れて9時過ぎに会場に到着すると・・・POTA有志各局がさっそく「 近隣公園アクティベートまつり 」をやっているのが聞こえてきて、否応なしに気分が盛り上がります。

#ハムフェア2023 2日目
会場周辺 #POTA 公園アクティベート祭りをわっちしながら会場に向かう。 pic.twitter.com/3LFMKe2yy4

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 20, 2023

2日目は「POTA日本有志の会」のブースを拠点にさせていただきました。服装はおそろいのTシャツ。背中に あびゅうきょ先生 のイラスト入りです。

各局おはようございます。 #ハムフェア2023 2日目
午前は J-35 #ParksOnTheAir におります。午後は各ブース巡回の予定。
本日もよろしくお願いします! pic.twitter.com/LYk0DmRINF

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 20, 2023

『POTA= Parks On The Air は、公園からQRVしている局とのQSOを集める米国発祥のアワードです。公園側をActivator、呼ぶ側をHunterと呼びますが、ログをアップするのはActivator側だけで、Hunterはログをアップする必要はありません。 こちらのページ からアカウントを作ると、過去にActivatorがアップしたログに基づき、すでにHunterとしてのポイントが付いているかもしれません。 POTA専用のクラスター も用意されていて、公園からQRVする前にセルフスポットしておくと、このページを見ている各局がたくさん呼んできてくれます。同じ局と2nd, 3rdのQSOってちょっと躊躇したりしますよね?でもPOTAでは、同じ公園からたくさんQRVするともらえるアワードもあるなど、同じ局と何度もQSOしてよい仕組みになっていて、参加しているうちにおなじみ局がどんどん増えていきます。とってもよくできたプログラムです。』

私なりにこんな説明をしていました。

11時過ぎには、 Clubhouse「CQアマチュア無線クラブ」 のメンバーとアイボール。 クラブハウス という声でやりとりするSNSアプリ上で、毎週土曜日21時からワチャワチャと無線ネタの話をしています。2年以上毎週話をしているのに初めてアイボールできた方もいて、新鮮な経験でした。

午後になって、ようやくブース巡り。10メートル進むとおなじみ局に会ったり声をかけられたり、ブースに引き込まれて長話したり、濃密な時間を過ごすことができました。

所用のため、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にします。無線趣味の新時代の到来を実感した2日間でした。

2日目もお開き。

さあ行こう!
アマチュア無線の新時代 #ハムフェア2023 pic.twitter.com/U2lv0ZL1Ml

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 20, 2023

思い出の品々

真ん中に写っている四角い金具は、 HAM-NETさんのハンディ機スマホホルダー取付金具 です。

加えて、写真には写っていませんが、いただいた名刺が60枚以上。

やりのこしたこと

  • 聞きそびれたステージでの講演・演奏は、 今年から始まったハムフェア公式YouTubeチャンネル を感謝しつつ拝聴することにします。
  • 会場周辺にはPOTA公園がたくさんあります。できればいくつかの公園、せめてお隣「 有明西ふ頭公園 」をActivate。いや、せめてひとつくらいはHuntできればよかったと思います。
  • 今年は JQ1ZOR /1の会場での運用ができず。
  • 6mAMロールコールにチェックインできず。記念局もたくさん出ていたようですね。

来年への課題=楽しみが残りました。

(2023-08-27 記)


feed ハムフェア2023 (2023/8/20 23:59:00)

今年も2日間、フル参加しました。

1日目

去年に続き今年も「秋葉原無線部」の出展者チケットでの入場です。前日に名前欄を印刷。

名札にアイコンを入れるのが流行りと聞いて。
(凝り出すと止まらないのでこれでよし。) #ハムフェア2023 pic.twitter.com/jSUmNP1u8w

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 18, 2023

今年は、秋葉原無線部の同人誌「 もえれとりくす Vol. 3 」に寄稿しました。同人誌への投稿は初めて。

記事のタイトルは「周波数等の一括表示記号の導入がアマチュア局に与える影響と課題」。あとがきを引用します。

「ジュリスト」 某法律雑誌が「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正」について特集を組んだ世界を仮想して、「周波数等の一括表示記号の導入」について解説記事を書いてみました。デザインとか体裁とかも 「ジュリスト」 某法律雑誌に結構似せたはず。体験運用とかバンドプランとかについては、誰かにお任せ。

「ジュリスト」 某法律雑誌(笑)に載せても恥ずかしくないレベルの論文にしたつもりです。

他の記事も力作ばかりです。今後も各種同人誌即売会等で、秋葉原無線部によって頒布されるはずですので、まだ入手されていない方はぜひご購入ください(バックナンバーとあわせて)。

というわけで、ハムフェア1日目は基本的に秋葉原無線部のブースにおりました。「写真撮影OK/SNS投稿OK」な表示。 ハムフェアでの撮影規制 が厳しすぎると話題になりましたが、これでよいのではないでしょうか。

秋葉原無線部主宰・Daisuke氏の地毛を見たのは初めてな気がする。

12時からはステージ視聴。JA5SUD森田会長と若者たちの対談に、 杉並区アマチュア無線クラブ が誇る高校生くんが登壇しました。

秋葉原無線部のブースに戻り、ひらつか氏( @jj5ety )が出展されていた 軍用無線機 「PRT-4A/PRR-9」とQSO。周波数/モードは53.5MHz/FMです(当方はVX-8DE)。

軍用無線機PRT-4Aを使用中の @jj5ety 局とのQSO #ハムフェア2023 pic.twitter.com/Xy8ydXIBXH

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 19, 2023
夜は公式主催のアイボールパーティに出席。
JA5SUD森田会長。会長が交代して
JARLの雰囲気はとっても明るくなりました。
IARU会長 Mr. Tim Ellam, VE6SH。

IARU会長 Tim Ellam氏とは2019年のこのパーティで初めてお会いし、本業が弁護士同士ということで意気投合。今回も再会を喜びました。IARUでは、第1~第3に分かれている地域制度を廃止する等の大改革が進められているとのこと。他にも、国内外の要人とお会いでき、とても有意義なパーティでした。

その後は某所で2次会に参加し、帰宅は23時過ぎ。

2日目

寝坊。少し遅れて9時過ぎに会場に到着すると・・・POTA有志各局がさっそく「 近隣公園アクティベートまつり 」をやっているのが聞こえてきて、否応なしに気分が盛り上がります。

#ハムフェア2023 2日目
会場周辺 #POTA 公園アクティベート祭りをわっちしながら会場に向かう。 pic.twitter.com/3LFMKe2yy4

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 20, 2023

2日目は「POTA日本有志の会」のブースを拠点にさせていただきました。服装はおそろいのTシャツ。背中に あびゅうきょ先生 のイラスト入りです。

各局おはようございます。 #ハムフェア2023 2日目
午前は J-35 #ParksOnTheAir におります。午後は各ブース巡回の予定。
本日もよろしくお願いします! pic.twitter.com/LYk0DmRINF

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 20, 2023

『POTA= Parks On The Air は、公園からQRVしている局とのQSOを集める米国発祥のアワードです。公園側をActivator、呼ぶ側をHunterと呼びますが、ログをアップするのはActivator側だけで、Hunterはログをアップする必要はありません。 こちらのページ からアカウントを作ると、過去にActivatorがアップしたログに基づき、すでにHunterとしてのポイントが付いているかもしれません。 POTA専用のクラスター も用意されていて、公園からQRVする前にセルフスポットしておくと、このページを見ている各局がたくさん呼んできてくれます。同じ局と2nd, 3rdのQSOってちょっと躊躇したりしますよね?でもPOTAでは、同じ公園からたくさんQRVするともらえるアワードもあるなど、同じ局と何度もQSOしてよい仕組みになっていて、参加しているうちにおなじみ局がどんどん増えていきます。とってもよくできたプログラムです。』

私なりにこんな説明をしていました。

11時過ぎには、 Clubhouse「CQアマチュア無線クラブ」 のメンバーとアイボール。 クラブハウス という声でやりとりするSNSアプリ上で、毎週土曜日21時からワチャワチャと無線ネタの話をしています。2年以上毎週話をしているのに初めてアイボールできた方もいて、新鮮な経験でした。

午後になって、ようやくブース巡り。10メートル進むとおなじみ局に会ったり声をかけられたり、ブースに引き込まれて長話したり、濃密な時間を過ごすことができました。

所用のため、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にします。無線趣味の新時代の到来を実感した2日間でした。

2日目もお開き。

さあ行こう!
アマチュア無線の新時代 #ハムフェア2023 pic.twitter.com/U2lv0ZL1Ml

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 20, 2023

思い出の品々

真ん中に写っている四角い金具は、 HAM-NETさんのハンディ機スマホホルダー取付金具 です。

加えて、写真には写っていませんが、いただいた名刺が60枚以上。

やりのこしたこと

  • 聞きそびれたステージでの講演・演奏は、 今年から始まったハムフェア公式YouTubeチャンネル を感謝しつつ拝聴することにします。
  • 会場周辺にはPOTA公園がたくさんあります。できればいくつかの公園、せめてお隣「 有明西ふ頭公園 」をActivate。いや、せめてひとつくらいはHuntできればよかったと思います。
  • 今年は JQ1ZOR /1の会場での運用ができず。
  • 6mAMロールコールにチェックインできず。記念局もたくさん出ていたようですね。

来年への課題=楽しみが残りました。

(2023-08-27 記)


feed QSLビューロー問題と電子QSLについて (2023/8/15 8:14:08)

2023年7月29日に開催され たJ ARL第68回理事会報告 が、QSLビューローや電子QSLについて触れていることが、波紋を広げ、誤解や憶測を招いているようです。私が知っている事実関係を整理しておきます。

「電子QSL委員会」の報告は最終決定ではない

理事会報告に添付されている各委員会からの2022年度の活動報告の中に、電子QSL委員会の報告書が含まれています(委員長:JF0JYR髙橋哲也理事)。

第68回理事会報告より

報告書の中に出てくる「第49回理事会に答申した電子QSL案」とは、QSL画像データをサーバーにアップし相手局がそれをダウンロードするだけの、単なる「画像アップローダー」でした(参照: 2020年2月11日付け記事『JARLの「QSL画像あぷろだ」計画』 )。これに初期費用1500万以上・運用費年500万弱をかけるというのです。 2022年2月22/23日の理事会で否決された のも当然のことだったといえましょう。

Turbo HAMLOGの作者として著名なJG1MOU浜田氏は、2015年から電子QSL委員会の委員でいらっしゃいましたが、遅々として進まない委員会に呆れられたのでしょう、2020年限りで委員を退任されました。そして、 その年の4月16日には「HAMLOG専用の電子QSL構想」を公表 され、4月19日には「HAMLOG E-Mail QSL」の最初のバージョンを公開されています。迅速な開発でした。

(余談ですが、私は2019年12月、浜田さんに対し「委員会の電子QSL仕様案のようにサーバーを経由しなくても、ユーザーのPCで生成した電子QSLを直接メールで送信する仕組みをHamlogに組み込めないでしょうか?」とご提案したことがありました。浜田さんは、もちろんその時点ですでにそのような仕組みを考えついていらっしゃいました。JARLの委員としてのお立場から、開発着手を控えていらしたものと想像しています。)

その後、浜田氏は、アップデートを重ねられ、3年の間に、 2023年6月の送信件数は22万枚以上、ユーザー数は4000局を超えるシステム に育てられたのです。

他方、残された電子QSL委員会の委員たちは、同じ3年の間に「電子QSLの全体像・仕様について」議論?するばかりで、理事会への答申もありませんでした。今回の報告書は、松田理事の督促( 第67回理事会第3号議題参照 )を受けて、慌てて作って理事会に提出したものです。

意見書に『「hQSL」が公開されて以来 観察を続けてきた が、 当委員会が当初から検討してきたものと極めて近い形で 交換の仕組みが実現された』とありますが、自分たちが実現できなかったことをひとりで実現された浜田氏に対し、何という”上から目線”でしょうか。浜田氏は紳士であり決して怒られませんが、あまりにも失礼ではないでしょうか。

意見書の末尾に、「JARL での電子QSL 交換システムの開発を断念し、「hQSL」を支援していく方向性に転換していくこと、JARL として「hQSL」の利用を推薦・推奨していくことにしたい。」とあることが、波紋を広げています。

ですが、委員会は、あくまで理事会を補佐する機関であり(定款第66条)、その意見は、理事会で承認されて初めてJARLの正式決定になります。この意見書は、理事会の承認を得ていません。したがって、 「hQSL」の利用を推薦・推奨するという点は、JARLとして正式決定されたものではありません

「電子QSL委員会」は廃止された


ましてや、第68回理事会の第2号議題で、遅々として議論がすすまない「電子QSL委員会」は廃止され、新たに「QSL問題対策委員会」を設置することが決議されています。

新たに設置されたQSL問題対策委員会は、JARLとして電子QSLをどうするかだけでなく、ビューローの遅延問題もあわせて議論することになっています。 したがって、電子QSL委員会の報告内容も、QSL問題対策委員会で見直されることになるでしょう。

以上について、JA1BJTさんが、的確なYouTube動画にまとめてくださっています。

【雑談】JARL 電子QSLどうなる? 電子QSL委員会廃止 開発断念 hQSL推奨? うわさを信じちゃいけないよ 2023/08/05 アマチュア無線 VLOG 304
https://youtu.be/783ujTI44vg

ビューローの「追加」など議論されていない

もうひとつ、なぜか、ビューローが「追加」されるといっている人がいますが、そのようなことは理事会で全く議論されていません。仮にビューローがふたつに増えたら、会員はどちらにカードを送ればよいのでしょうか。会員側もビューロー側も二度手間になり混乱するだけだと思います。

第68回理事会で議論されたのは、QSLカードの配送が大幅に遅延している問題を解消するために、「転送作業の一部を今のビューロー受託会社からさらに外部に委託すること」の是非です。ビューローの「追加」ではありません。

第68回理事会報告より抜粋

理事会報告には詳細が書かれていませんが、こういうことだそうです。つまり、今のビューロー受託会社では、受け取ったカードをまずは大きな単位に分け(エリアごと、あるいはプリフィックスごとでしょうか?)、次いで詳細に分けていく(おそらくサフィックスごと?)という二段階の仕分け作業を行っているそうです。このうち、カードを大きな単位に分ける作業であれば熟練工でなくてもできるので、ビューロー受託会社の外に新たに場所を借り、追加の人を雇って、滞留しているカードを大きな単位に分ける作業だけをやってもらうという構想とのことです。

悪くないアイデアだと思うのですが、問題は期間と費用です。 滞留した膨大な枚数のカードをさばくには少なくとも1年くらい必要で、そのための追加費用は3千万円ほどかかる試算とのことです 。理事会では、3千万をかけるメリットがあるのか、今後会員からビューローに届くカードの枚数を絞ってもらうことでビューローの処理能力の余力を生みだし、その余力で倉庫に滞留しているカードを処理していくことも考えられるのではないか、等々の意見がでて、継続協議になったそうです。

当然の議論でしょう。今後、 新たに設置される「QSL問題対策委員会」で、ビューローの負担軽減策も含め、総合的に議論していただきたい ものです。

なお、今回議論された「転送作業の一部の外部委託」は髙尾前会長の功績であり森田新会長の功績ではないと主張する人がいるようです。ですが、カード転送の遅延はもう何年も前から指摘されてきたのに、前会長はこれを放置し、カード削減の呼びかけも拒否してきました。その結果、JARLは滞留したカードを保管する倉庫を借り増しせざるをえなくなったのです(当然追加費用が発生しています。)。止むに止まれぬ状況に追い込まれた前会長は、ようやく事務局に外部委託の検討を許しましたが、その途中で会長辞任届を出して放り出したのです。森田氏が新会長に就任された時点で、外部委託をした場合の総経費の試算もできていませんでした。7月の理事会の直前になって3千万円もかかると判明したというのが事の経緯です。これをもって、どこが髙尾前会長の功績などといえるのでしょうか。

問題整理と私案(試案)

さて、以下はあくまで私の個人的な分析です。

まず、問題を整理してみましょう。

  1. 財政改善のために
    JARLの年間予算4億円のうち、紙カードの転送に7700万円もかかっています。7700万の内訳は、委託会社への委託料5500万+ビューローから会員への送料約2200万です。JARL全体の収支均衡を実現しビューローとJARLそのものを存続させるために、紙カード転送費用の「見直し」が必須です。
  2. 大量の滞留カードとその処理にかかる費用
    会員からビューローに送られるカードの枚数(一説には月に90万から100万枚)がビューローの処理枚数(約80万枚)を上回っているために、相当な枚数のカードが倉庫に滞留しており、余分な倉庫料が継続的にかかっています。滞留しているカードを急ぎ処理しようとすると、上記のとおりさらに数千万単位の追加費用が必要になります。これでいったん滞留分を処理できたとしても、ビューローに送られる枚数の超過が解消されなければ、数年後にはまた追加費用が必要になってしまいます。
  3. カード転送にかかる時間
    以前は、ビューローに到着したカードは3ヶ月ほどで転送されていたのに、今では10ヶ月から1年かかっているといわれています。そのため、期間限定のアワード(例:東京都支部50周年記念アワード)等の運営に支障を来しています。また、せっかく入会してくれた新会員は、1年経ってもカードがほとんど送られてこないという悲惨な状況が生まれています。
  4. 利用枚数の不均衡
    今は、年に数枚しかカード転送サービスを利用しない人も、数千から数万枚のカードを送る人も、7200円という同一の会費です。これは不公平であるという指摘もあります(バンドを活性化している人にメリットを、という声もありますが、バンドの活性化とカードの大量発行は、必ずしも直結しないように思えます。)。
  5. 電子QSLシステム
    紙カードを減らすために電子QSLを推進すべきであるという意見がありますが、既存の電子QSLシステムはどれも一長一短があります。かといってJARLが独自に電子QSLを今から構築するのは、もう時機を逸したように思います。ユーザーから見ても、ログのアップロード先がまたひとつ増えるのは面倒でしょう。
  6. 電子QSLと紙カードの重複
    電子QSLを送りさらに紙カードを送っていては、結局紙カードは減りません。
  7. IARUの要請
    実は IARUが、各連盟に対し、紙カードの削減を呼びかけているのです。

複数の問題が絡み合っていて複雑です。対策としては、例えば以下のように考えられるのではないでしょうか。

(1)JARLから会員に対し、紙カードの枚数削減を呼びかける。

  • 1枚のカードに複数のQSOを記載することを呼びかける。
  • 電子QSLを送ったら、紙カードは送らない (特にFT8)ことを呼びかける。
  • 同じ相手との交信については1枚(バンド・モードごとに1枚)にすることを呼びかける。
  • コンテストの全QSOにつき紙カードを送るのは避けることを呼びかける。
  • そもそも、カードの交換はQSOに必須ではないことを呼びかける。
  • ★あくまで「無駄な」カードの削減。必要なカード(アワードのため等)の発行まで抑制するものではないことを明示する。

(2) Turbo Hamlogを使っている人に 、hQSLの利用を呼びかける。

  • JAで大きなシェアを占めているHamlogのユーザーがhQSLを利用するようになれば、ビューローに送られるカードの枚数は相当減ることが期待される。
  • JARLが会員向けの電子メールサーバーを構築し、hQSLの転送メールサーバーに指定してもらうことも考えられる(会員つなぎ止め策にもなる。)。
  • あくまで、Hamlogを使っているユーザーへの呼びかけ 。他のログソフトを使っている人にHamlog/hQSLへの移行を求めるものではないことを明示する。

(3)hQSLに、adifのインポート機能と、既存の電子QSLへのログアップロード機能を追加する

  • hQSLにADIFのインポート機能があれば、他のログソフトを使っている人も、電子メールによる電子QSLの送信機能を利用できるようになる。
  • 電子QSLが普及しないのは、既存の電子QSLにログをアップするのに手間がかかるからである。そこで、 既存の複数の電子QSLにログをアップする機能をhQSLに追加する。 すでに世の中にはいくつかのログアップロードソフトが存在する( thw2LogBook など)ので、技術的には可能なはずである。ただし、自局運用地(市区郡とGL)によってアップロードするアカウントを使い分けられるようにする等、細部を詰める必要がある。
  • また、Turbo HAMLOG自身に自局移動地を入力する欄がないため、移動先からの運用のログも常置場所からの運用ログとしてアップロードしてしまう局が多い。アワードに使えるログデータにするためのHAMLOGの改良が必要。
  • ソフトの改良をどういう体制でやるか?⇒JARLが委員会(分科会)をつくり、浜田氏の協力を得る。JARL公式の”hQSL互換ソフト”やログソフトそのものを開発することも考えられる。
  • JARL公式のソフトは、JARL会員は無料で利用可、非会員も有償で利用可とすれば、JARL会員増強と増収策になる。英語版も作れば世界中で利用されるかもしれない?

(4)電子QSLとJARLのアワード

  • そもそも、JARLのアワードのために「QSOデータのマッチング」は本当に必要なのか(紙QSLでは”片方向のマッチング”しか行われていないのに、なぜデータとなると”双方向のマッチング”が必要というのか。)。
  • もし電子QSLデータのマッチングが必要、となった場合、JARLが自前のQSOデータマッチングシステムを作る必要が本当にあるのか。既存の電子QSL(どれ?おそらくLoTWか)に任せ、JARL独自のマッチングシステムは作らなくてもかまわないのではないか(その方が、ログのアップ先が増えず、ユーザーにとってもありがたい。)。JARLとして独自の電子QSLの構築を諦めるとした旧「電子QSL委員会」の意見は承継するのでよいのではないか。
  • つまり、LoTWは、JCC/JCG/AJAの運用地別にログをアップロードできる機能を既に持っているので、AJD/JCC/JCG/AJA等のアワードをLoTWから申請できるようにさせてもらう。ARRLに支払う利用料の交渉が必要だが、特に海外からのアワード申請の増加(増収)が期待できる(珍市区郡のJA局が海外からバンバン呼ばれるようになるかもしれない?)。
  • もっとも相手のあること。ARRLがLoTWのサーバー上にJARLアワードの構築を許してくれるかどうか、費用面で折り合えるかはわからない。もしそれがむりであれば、LoTWのデータを読み出してアワード計算だけ行うサーバーをJARLで構築することはどうか。このほうが、新しいアワード(Challenge AJAのようなもの)を始めるのにも便利かもしれない(ただしユーザーの使い勝手と費用対効果の検証が必須。アカウントは共通にできるか等。)。
  • JARL独自のログマッチングシステムを持つべきという意見もある。最初は両論併記とし、委員会で綿密な調査・検討、ARRLとの交渉が必要。
  • なお、現在、 ARRLにおいてLoTWの全面リプレースの検討が進行中 であり、動向に注意する。

(5)ビューローの従量料金制?

  • 以上の対策の結果、ビューローに流入するカードの枚数が激減すれば(例えば今の半分)、ビューローに従量料金制は導入しなくてもよいかもしれない(従量料金制を避けるためにカードを減らしてほしいと呼びかける?)。カードの枚数が減っても、従量料金は導入するという考え方もあり得る。
  • 従量制を導入する場合は、会員がビューローに送る方に追加料金をかけるべきと思われる(会員がビューローから受け取る方に追加料金をかけても、受け取りを拒否されれば追加料金を回収できない。ビューローへの過大な負担を減らすためには、ビューローに送る方に負荷をかけて枚数を減らさないといけない。)。
  • 以前のステッカー方式ではなく、①ある一定の枚数以上については追加料金を支払ったことを示す証票(振込受付票)を同封しなければ転送作業に入らないことにする、②100枚入る封筒を販売しそれ以外では受け付けないといった策が考えられる。

(6)ビューローの存続?

  • 毎月80万枚を処理できる業者は、20年以上のノウハウがある今の委託先以外に考えにくい(「ビューローをアマチュア無線家のボランティアで」という意見も聞くが、JAの枚数を処理するのは到底無理と思われる。)。万が一今の委託先が事業を停止した場合、毎月80万枚を処理できる業者を探すのはほぼ不可能だが、例えば毎月30万枚であれば、引き受けてくれる業者が見つかる可能性が出てくると思われる。
  • 紙カード仕分けの機械化は、既に過去に検討し断念したとされる。転送先コールサインの読み取り技術は進化したかもしれないが、JARL会員6万局分にカードを仕分ける機械(ソーター)の技術は進化しただろうか。そもそもそのような巨大な機械を置くスペースは確保できるのか。開発費用等も考えると、ビューローの機械化はもはや非現実的と思われる。

(7)カードが減ると会員が減る?

  • 受け取るカードが1枚でもある限り、多くの会員は退会しないのではないか。言い換えれば、会員が会員であり続けるために、ビューローが存在することは必要だが、ビューローから送られてくるカードの枚数が大量である必要はない。
  • 「JARLの価値はカード転送以外ない」という意見も耳にするが、JARLがなければ、ハムフェアもコンテストもアワードも、各地のイベントも存在しない。総務省や各総通と交渉する主体もなくなる。JARLの価値をあまりにも矮小化した意見だと思う。もちろん、JARL自身が、カード転送サービス以外の会員にとっての価値・魅力を持ち、増やしていかなければならない。

森田新会長のご意見

JARL森田新会長が、ラジオ番組「ハムのラジオ」の第554回で、「今後JARLがやるべきこと」を語っていらっしゃいます 。ビューロー問題、電子QSL問題についても語っていらっしゃいますので、ぜひお聴き下さい。

脚注)この記事は、森田会長他複数の理事や浜田氏にも見て頂いておりますが、前半の内容の正確性や後半の私見に関する責任は、すべて7K1BIB山内にあります。

(2023-08-15 記)

ARRLでは、LoTWの全面再構築作業が進められているようです。今年1月の理事会(Board Meeting)の 議事録 に記載されています。関係箇所のDeepLによる機械翻訳(を少し修正したもの)と、その原文を載せておきます。ARRLの会員でなくても読めます。また、理事会から委員会に具体的な指示がされていることなど、JARLにとっても学ぶべき所は多いと思われます。

20. Baker理事が提案し、Ryan理事およびStratton理事が賛成した:

Logbook of the World (LoTW)は、ARRLが会員および非会員に提供するサービスの中で最も人気があり、信頼されているサービスの一つとなっており、登録されているコールサインは150,000を超え、16億のQSOレポートがシステムに登録されている;

アプリケーションのソフトウェアとアーキテクチャは20年以上前のもので、Windows 98の時に作成されたものである;

ユーザーは、時々、LoTWをリアルタイムでインタラクティブに使おうとしており、現在のシステムに悪影響を与えている;

現在LoTWをサポートしているアーキテクチャーとソフトウェアは、このような作業負荷のために設計されたものではなく、既存のシステムを変更したり保守したりしようとしても、ユーザーの進化する要求に現実的に追いつくことはできない;

LoTWは、リアルタイムのラジオスポーツの新しい形態に適しておらず、そのため、古くなった複雑さによって、若いユーザーがLoTWを使用することを躊躇している。

よって、ARRL理事会は、LoTWおよびRadiosport、ゲーム、高性能分散データベースに関する豊富な実証経験を持つ理事、CEO、IT部長、およびユーザーコミュニティのメンバーで構成されるアドホック・ワーキンググループを設置することを決議する。Radiosportプラットフォーム委員会は、機能仕様、アプリケーション・アーキテクチャ、およびインフラ設計を、できれば弾力性のあるクラウド環境において、機能およびセキュリティの面で現在のLoTWのニーズを満たすとともに、拡張性、スケーラビリティ、および本稼働後少なくとも10暦年間のニーズを満たすための変更の容易性をも満たすように開発することを任務とする。

さらに、取締役会はCEOに対し、この事業の第一責任者としてITプロジェクトマネージャーを募集・雇用する権限を付与する。

さらに、特別作業部会は、2023年7月の理事会会合で作業部会の進捗状況を報告し、2024年1月の理事会会合で、現在Logbook of the Worldが行っているすべての機能を実行し、コンテストの作業量をリアルタイムで処理し、双方向の応答が可能なインターネットベースの次世代ラジオスポーツ・ソリューションを会員に提供するために、理事会が承認し、資金調達も可能な計画と予算を提示することを目標とする。

LoTW委員会はLoTWサポート委員会に発展

2019年以降、LoTW委員会はLogbook of the Worldの運用と保守に関する監督と指導を行ってきた。

2023年からは、次世代のRadiosportプラットフォームを構築するための新たな開発努力が行われる;

よって、現在のLoTW委員会を発展させ、LoTWサポート委員会と改称し、ARRL総務財務委員会が任命し、報告する一時的な委員会として、LoTW環境が廃止され、新しいシステムに置き換わるまで、その運用と維持に焦点を当て続けることを決議する。

審議の結果、本議案は全会一致で承認された。

20. Director Baker moved, seconded by Director Ryan and Director Stratton:

WHEREAS, Logbook of the World (LoTW) has become one of the most popular and relied upon services that ARRL provides to members and non-members alike, with over 150,000 callsigns enrolled and 1.6 billion QSO Reports in the system;

WHEREAS, the applications software and architecture is more than two decades old, created at the time of Windows 98;

WHEREAS, users are moving from using LoTW on an occasional basis to trying to use it on a realtime, interactive basis, which negatively Impacts the current system;

WHEREAS, the architecture and software currently supporting LoTW was not designed for this workload and will never realistically be able to keep up with the evolving demands of its users by trying to modify or maintain the existing system;

WHEREAS, LoTW is not suited to new forms of real-time Radiosport – and this deters younger users from using it by its antiquated complexity.

THEREFORE, be it resolved that the ARRL Board will create an ad hoc working group, comprised of board members, the CEO, the Director of IT, and members of the user community, all who have extensive demonstrated experience with LoTW and Radiosport, Gaming, and high-performance distributed databases. The Radiosport Platform Committee is charged to develop functional specifications, an application architecture, and an infrastructure design, preferably in a resilient Cloud environment that meets the needs of the current LoTW in terms of function and security, as well as extensibility, scalability and ease of change to meet needs for at least 10 calendar years after go-live.

And Further, the board hereby authorizes the CEO to recruit and hire an IT Project Manager who will be assigned responsibility for this undertaking as a primary responsibility.

And Further, the ad hoc working group will report back to the board at the July 2023 meeting with a progress update on the working group with the target to present at the January 2024 meeting a plan and budget that the board can approve, and potentially fund raise for, to deliver to members the next generation of an Internet based Radiosport solution to perform all functions currently done by Logbook of the World, with the ability to handle real-time contest workload with interactive response.

LoTW Committee evolved into LoTW Support Committee

Since 2019 the LoTW Committee has provided oversight and guidance on the operation and maintenance of Logbook of the World, and

Beginning in 2023 a new development effort will be undertaken to create the next generation of Radiosport platform;

THEREFORE, be it resolved that the current LoTW Committee will be evolved and renamed the LoTW Support Committee as a temporary committee appointed by and reporting to the ARRL Administration and Finance Committee to continue focusing on operating and maintaining the LoTW environment until such time that it has been sunset and replaced by a new system.

After a discussion, the Motion was APPROVED by unanimous vote.

なお、今年7月の理事会に中間報告がされる予定だったようですが、その議事録にはとくに何も記載されていません。

(以上、2023-08-15 09:00追記)


feed QSLビューロー問題と電子QSLについて (2023/8/15 8:14:08)

2023年7月29日に開催され たJ ARL第68回理事会報告 が、QSLビューローや電子QSLについて触れていることが、波紋を広げ、誤解や憶測を招いているようです。私が知っている事実関係を整理しておきます。

「電子QSL委員会」の報告は最終決定ではない

理事会報告に添付されている各委員会からの2022年度の活動報告の中に、電子QSL委員会の報告書が含まれています(委員長:JF0JYR髙橋哲也理事)。

第68回理事会報告より

報告書の中に出てくる「第49回理事会に答申した電子QSL案」とは、QSL画像データをサーバーにアップし相手局がそれをダウンロードするだけの、単なる「画像アップローダー」でした(参照: 2020年2月11日付け記事『JARLの「QSL画像あぷろだ」計画』 )。これに初期費用1500万以上・運用費年500万弱をかけるというのです。 2022年2月22/23日の理事会で否決された のも当然のことだったといえましょう。

Turbo HAMLOGの作者として著名なJG1MOU浜田氏は、2015年から電子QSL委員会の委員でいらっしゃいましたが、遅々として進まない委員会に呆れられたのでしょう、2020年限りで委員を退任されました。そして、 その年の4月16日には「HAMLOG専用の電子QSL構想」を公表 され、4月19日には「HAMLOG E-Mail QSL」の最初のバージョンを公開されています。迅速な開発でした。

(余談ですが、私は2019年12月、浜田さんに対し「委員会の電子QSL仕様案のようにサーバーを経由しなくても、ユーザーのPCで生成した電子QSLを直接メールで送信する仕組みをHamlogに組み込めないでしょうか?」とご提案したことがありました。浜田さんは、もちろんその時点ですでにそのような仕組みを考えついていらっしゃいました。JARLの委員としてのお立場から、開発着手を控えていらしたものと想像しています。)

その後、浜田氏は、アップデートを重ねられ、3年の間に、 2023年6月の送信件数は22万枚以上、ユーザー数は4000局を超えるシステム に育てられたのです。

他方、残された電子QSL委員会の委員たちは、同じ3年の間に「電子QSLの全体像・仕様について」議論?するばかりで、理事会への答申もありませんでした。今回の報告書は、松田理事の督促( 第67回理事会第3号議題参照 )を受けて、慌てて作って理事会に提出したものです。

意見書に『「hQSL」が公開されて以来 観察を続けてきた が、 当委員会が当初から検討してきたものと極めて近い形で 交換の仕組みが実現された』とありますが、自分たちが実現できなかったことをひとりで実現された浜田氏に対し、何という”上から目線”でしょうか。浜田氏は紳士であり決して怒られませんが、あまりにも失礼ではないでしょうか。

意見書の末尾に、「JARL での電子QSL 交換システムの開発を断念し、「hQSL」を支援していく方向性に転換していくこと、JARL として「hQSL」の利用を推薦・推奨していくことにしたい。」とあることが、波紋を広げています。

ですが、委員会は、あくまで理事会を補佐する機関であり(定款第66条)、その意見は、理事会で承認されて初めてJARLの正式決定になります。この意見書は、理事会の承認を得ていません。したがって、 「hQSL」の利用を推薦・推奨するという点は、JARLとして正式決定されたものではありません

「電子QSL委員会」は廃止された


ましてや、第68回理事会の第2号議題で、遅々として議論がすすまない「電子QSL委員会」は廃止され、新たに「QSL問題対策委員会」を設置することが決議されています。

新たに設置されたQSL問題対策委員会は、JARLとして電子QSLをどうするかだけでなく、ビューローの遅延問題もあわせて議論することになっています。 したがって、電子QSL委員会の報告内容も、QSL問題対策委員会で見直されることになるでしょう。

以上について、JA1BJTさんが、的確なYouTube動画にまとめてくださっています。

【雑談】JARL 電子QSLどうなる? 電子QSL委員会廃止 開発断念 hQSL推奨? うわさを信じちゃいけないよ 2023/08/05 アマチュア無線 VLOG 304
https://youtu.be/783ujTI44vg

ビューローの「追加」など議論されていない

もうひとつ、なぜか、ビューローが「追加」されるといっている人がいますが、そのようなことは理事会で全く議論されていません。仮にビューローがふたつに増えたら、会員はどちらにカードを送ればよいのでしょうか。会員側もビューロー側も二度手間になり混乱するだけだと思います。

第68回理事会で議論されたのは、QSLカードの配送が大幅に遅延している問題を解消するために、「転送作業の一部を今のビューロー受託会社からさらに外部に委託すること」の是非です。ビューローの「追加」ではありません。

第68回理事会報告より抜粋

理事会報告には詳細が書かれていませんが、こういうことだそうです。つまり、今のビューロー受託会社では、受け取ったカードをまずは大きな単位に分け(エリアごと、あるいはプリフィックスごとでしょうか?)、次いで詳細に分けていく(おそらくサフィックスごと?)という二段階の仕分け作業を行っているそうです。このうち、カードを大きな単位に分ける作業であれば熟練工でなくてもできるので、ビューロー受託会社の外に新たに場所を借り、追加の人を雇って、滞留しているカードを大きな単位に分ける作業だけをやってもらうという構想とのことです。

悪くないアイデアだと思うのですが、問題は期間と費用です。 滞留した膨大な枚数のカードをさばくには少なくとも1年くらい必要で、そのための追加費用は3千万円ほどかかる試算とのことです 。理事会では、3千万をかけるメリットがあるのか、今後会員からビューローに届くカードの枚数を絞ってもらうことでビューローの処理能力の余力を生みだし、その余力で倉庫に滞留しているカードを処理していくことも考えられるのではないか、等々の意見がでて、継続協議になったそうです。

当然の議論でしょう。今後、 新たに設置される「QSL問題対策委員会」で、ビューローの負担軽減策も含め、総合的に議論していただきたい ものです。

なお、今回議論された「転送作業の一部の外部委託」は髙尾前会長の功績であり森田新会長の功績ではないと主張する人がいるようです。ですが、カード転送の遅延はもう何年も前から指摘されてきたのに、前会長はこれを放置し、カード削減の呼びかけも拒否してきました。その結果、JARLは滞留したカードを保管する倉庫を借り増しせざるをえなくなったのです(当然追加費用が発生しています。)。止むに止まれぬ状況に追い込まれた前会長は、ようやく事務局に外部委託の検討を許しましたが、その途中で会長辞任届を出して放り出したのです。森田氏が新会長に就任された時点で、外部委託をした場合の総経費の試算もできていませんでした。7月の理事会の直前になって3千万円もかかると判明したというのが事の経緯です。これをもって、どこが髙尾前会長の功績などといえるのでしょうか。

問題整理と私案(試案)

さて、以下はあくまで私の個人的な分析です。

まず、問題を整理してみましょう。

  1. 財政改善のために
    JARLの年間予算4億円のうち、紙カードの転送に7700万円もかかっています。7700万の内訳は、委託会社への委託料5500万+ビューローから会員への送料約2200万です。JARL全体の収支均衡を実現しビューローとJARLそのものを存続させるために、紙カード転送費用の「見直し」が必須です。
  2. 大量の滞留カードとその処理にかかる費用
    会員からビューローに送られるカードの枚数(一説には月に90万から100万枚)がビューローの処理枚数(約80万枚)を上回っているために、相当な枚数のカードが倉庫に滞留しており、余分な倉庫料が継続的にかかっています。滞留しているカードを急ぎ処理しようとすると、上記のとおりさらに数千万単位の追加費用が必要になります。これでいったん滞留分を処理できたとしても、ビューローに送られる枚数の超過が解消されなければ、数年後にはまた追加費用が必要になってしまいます。
  3. カード転送にかかる時間
    以前は、ビューローに到着したカードは3ヶ月ほどで転送されていたのに、今では10ヶ月から1年かかっているといわれています。そのため、期間限定のアワード(例:東京都支部50周年記念アワード)等の運営に支障を来しています。また、せっかく入会してくれた新会員は、1年経ってもカードがほとんど送られてこないという悲惨な状況が生まれています。
  4. 利用枚数の不均衡
    今は、年に数枚しかカード転送サービスを利用しない人も、数千から数万枚のカードを送る人も、7200円という同一の会費です。これは不公平であるという指摘もあります(バンドを活性化している人にメリットを、という声もありますが、バンドの活性化とカードの大量発行は、必ずしも直結しないように思えます。)。
  5. 電子QSLシステム
    紙カードを減らすために電子QSLを推進すべきであるという意見がありますが、既存の電子QSLシステムはどれも一長一短があります。かといってJARLが独自に電子QSLを今から構築するのは、もう時機を逸したように思います。ユーザーから見ても、ログのアップロード先がまたひとつ増えるのは面倒でしょう。
  6. 電子QSLと紙カードの重複
    電子QSLを送りさらに紙カードを送っていては、結局紙カードは減りません。
  7. IARUの要請
    実は IARUが、各連盟に対し、紙カードの削減を呼びかけているのです。

複数の問題が絡み合っていて複雑です。対策としては、例えば以下のように考えられるのではないでしょうか。

(1)JARLから会員に対し、紙カードの枚数削減を呼びかける。

  • 1枚のカードに複数のQSOを記載することを呼びかける。
  • 電子QSLを送ったら、紙カードは送らない (特にFT8)ことを呼びかける。
  • 同じ相手との交信については1枚(バンド・モードごとに1枚)にすることを呼びかける。
  • コンテストの全QSOにつき紙カードを送るのは避けることを呼びかける。
  • そもそも、カードの交換はQSOに必須ではないことを呼びかける。
  • ★あくまで「無駄な」カードの削減。必要なカード(アワードのため等)の発行まで抑制するものではないことを明示する。

(2) Turbo Hamlogを使っている人に 、hQSLの利用を呼びかける。

  • JAで大きなシェアを占めているHamlogのユーザーがhQSLを利用するようになれば、ビューローに送られるカードの枚数は相当減ることが期待される。
  • JARLが会員向けの電子メールサーバーを構築し、hQSLの転送メールサーバーに指定してもらうことも考えられる(会員つなぎ止め策にもなる。)。
  • あくまで、Hamlogを使っているユーザーへの呼びかけ 。他のログソフトを使っている人にHamlog/hQSLへの移行を求めるものではないことを明示する。

(3)hQSLに、adifのインポート機能と、既存の電子QSLへのログアップロード機能を追加する

  • hQSLにADIFのインポート機能があれば、他のログソフトを使っている人も、電子メールによる電子QSLの送信機能を利用できるようになる。
  • 電子QSLが普及しないのは、既存の電子QSLにログをアップするのに手間がかかるからである。そこで、 既存の複数の電子QSLにログをアップする機能をhQSLに追加する。 すでに世の中にはいくつかのログアップロードソフトが存在する( thw2LogBook など)ので、技術的には可能なはずである。ただし、自局運用地(市区郡とGL)によってアップロードするアカウントを使い分けられるようにする等、細部を詰める必要がある。
  • また、Turbo HAMLOG自身に自局移動地を入力する欄がないため、移動先からの運用のログも常置場所からの運用ログとしてアップロードしてしまう局が多い。アワードに使えるログデータにするためのHAMLOGの改良が必要。
  • ソフトの改良をどういう体制でやるか?⇒JARLが委員会(分科会)をつくり、浜田氏の協力を得る。JARL公式の”hQSL互換ソフト”やログソフトそのものを開発することも考えられる。
  • JARL公式のソフトは、JARL会員は無料で利用可、非会員も有償で利用可とすれば、JARL会員増強と増収策になる。英語版も作れば世界中で利用されるかもしれない?

(4)電子QSLとJARLのアワード

  • そもそも、JARLのアワードのために「QSOデータのマッチング」は本当に必要なのか(紙QSLでは”片方向のマッチング”しか行われていないのに、なぜデータとなると”双方向のマッチング”が必要というのか。)。
  • もし電子QSLデータのマッチングが必要、となった場合、JARLが自前のQSOデータマッチングシステムを作る必要が本当にあるのか。既存の電子QSL(どれ?おそらくLoTWか)に任せ、JARL独自のマッチングシステムは作らなくてもかまわないのではないか(その方が、ログのアップ先が増えず、ユーザーにとってもありがたい。)。JARLとして独自の電子QSLの構築を諦めるとした旧「電子QSL委員会」の意見は承継するのでよいのではないか。
  • つまり、LoTWは、JCC/JCG/AJAの運用地別にログをアップロードできる機能を既に持っているので、AJD/JCC/JCG/AJA等のアワードをLoTWから申請できるようにさせてもらう。ARRLに支払う利用料の交渉が必要だが、特に海外からのアワード申請の増加(増収)が期待できる(珍市区郡のJA局が海外からバンバン呼ばれるようになるかもしれない?)。
  • もっとも相手のあること。ARRLがLoTWのサーバー上にJARLアワードの構築を許してくれるかどうか、費用面で折り合えるかはわからない。もしそれがむりであれば、LoTWのデータを読み出してアワード計算だけ行うサーバーをJARLで構築することはどうか。このほうが、新しいアワード(Challenge AJAのようなもの)を始めるのにも便利かもしれない(ただしユーザーの使い勝手と費用対効果の検証が必須。アカウントは共通にできるか等。)。
  • JARL独自のログマッチングシステムを持つべきという意見もある。最初は両論併記とし、委員会で綿密な調査・検討、ARRLとの交渉が必要。
  • なお、現在、 ARRLにおいてLoTWの全面リプレースの検討が進行中 であり、動向に注意する。

(5)ビューローの従量料金制?

  • 以上の対策の結果、ビューローに流入するカードの枚数が激減すれば(例えば今の半分)、ビューローに従量料金制は導入しなくてもよいかもしれない(従量料金制を避けるためにカードを減らしてほしいと呼びかける?)。カードの枚数が減っても、従量料金は導入するという考え方もあり得る。
  • 従量制を導入する場合は、会員がビューローに送る方に追加料金をかけるべきと思われる(会員がビューローから受け取る方に追加料金をかけても、受け取りを拒否されれば追加料金を回収できない。ビューローへの過大な負担を減らすためには、ビューローに送る方に負荷をかけて枚数を減らさないといけない。)。
  • 以前のステッカー方式ではなく、①ある一定の枚数以上については追加料金を支払ったことを示す証票(振込受付票)を同封しなければ転送作業に入らないことにする、②100枚入る封筒を販売しそれ以外では受け付けないといった策が考えられる。

(6)ビューローの存続?

  • 毎月80万枚を処理できる業者は、20年以上のノウハウがある今の委託先以外に考えにくい(「ビューローをアマチュア無線家のボランティアで」という意見も聞くが、JAの枚数を処理するのは到底無理と思われる。)。万が一今の委託先が事業を停止した場合、毎月80万枚を処理できる業者を探すのはほぼ不可能だが、例えば毎月30万枚であれば、引き受けてくれる業者が見つかる可能性が出てくると思われる。
  • 紙カード仕分けの機械化は、既に過去に検討し断念したとされる。転送先コールサインの読み取り技術は進化したかもしれないが、JARL会員6万局分にカードを仕分ける機械(ソーター)の技術は進化しただろうか。そもそもそのような巨大な機械を置くスペースは確保できるのか。開発費用等も考えると、ビューローの機械化はもはや非現実的と思われる。

(7)カードが減ると会員が減る?

  • 受け取るカードが1枚でもある限り、多くの会員は退会しないのではないか。言い換えれば、会員が会員であり続けるために、ビューローが存在することは必要だが、ビューローから送られてくるカードの枚数が大量である必要はない。
  • 「JARLの価値はカード転送以外ない」という意見も耳にするが、JARLがなければ、ハムフェアもコンテストもアワードも、各地のイベントも存在しない。総務省や各総通と交渉する主体もなくなる。JARLの価値をあまりにも矮小化した意見だと思う。もちろん、JARL自身が、カード転送サービス以外の会員にとっての価値・魅力を持ち、増やしていかなければならない。

森田新会長のご意見

JARL森田新会長が、ラジオ番組「ハムのラジオ」の第554回で、「今後JARLがやるべきこと」を語っていらっしゃいます 。ビューロー問題、電子QSL問題についても語っていらっしゃいますので、ぜひお聴き下さい。

脚注)この記事は、森田会長他複数の理事や浜田氏にも見て頂いておりますが、前半の内容の正確性や後半の私見に関する責任は、すべて7K1BIB山内にあります。

(2023-08-15 記)


feed むこう岸 (2023/8/13 13:08:50)

2023年8月10日、無線仲間である JG1BVX田渕さん から、一冊の本を頂きました。

JA8CCL 木下重博さん。エレクトロデザイン株式会社社長。2021年5月9日、不慮の事故で急逝されたことを田渕さんから聞いたときの衝撃を、私は忘れることができません。

木下さんと初めてお会いしたのは、2015年2月、JA1YSW武蔵野クラブの技術講習会でご講演を拝聴したときでした。バーチカルアンテナに用いる「カウンターポイズ」は大地との容量結合によってアースの代用になるという定説を信じていた私にとって、カウンターポイズに用いられる導線の抵抗は大地よりも格段に小さいのだから、アースの代用というよりは、エレメントから出た高周波の戻り道となっていると考えた方が適切ではないか、という木下さんのご説明は目からウロコでした。バーチカルアンテナを巡る高周波の流れが目に見えたような気がしました。

すぐに木下さんのご著書を購入し熟読。うちのHFアンテナは、まもなくエレクトロデザイン社から購入したCG3000とロングワイヤーを組み合わせたものになりました。

木下重博ほか「アンテナ・チューナー活用入門」58頁より

次に木下さんにお会いしたのは、おそらく2018年のハムフェアだったと思います。1枚の写真が残っています。木下さんらしい穏やかなお顔をされています。私がなんだか妙な顔をしているのは、リラックスしているからでしょう。木下さんは人をリラックスさせるような懐の深い方でした。

左から田渕さん、木下さん、私。

その間、木下さんのお仕事を、すこしだけ本業でお手伝いする機会がありました。とても名誉なことでした。

最後にお会いしたのは、2019年12月のTIARA (7J1YAA)の年末パーティでした。抽選で当たったアンテナ用の釣竿が、木下さんの形見になってしまいました。

Attended the Xmas party of TIARA, 7J1YAA. Luckily, I won a lottery and was given a 6-meter antenna pole. Thank you, Kinoshita-san, for his kind offer. I am happy to use it on field operation! https://t.co/yVtaAo3t18 pic.twitter.com/uAHL2ZJcxc

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) December 8, 2019

昨晩、いただいた追悼文集を拝読して、アマチュア無線家としての木下さんだけでなく、音楽やオーディオにも造詣が深い方であったこと、医療・産業用計測器などに関する技術者であったこと、何よりご家族に深く愛された方であったことを知りました。

そして今朝、公開されたばかりのMasacoさんの追悼歌「むこう岸」のMVに接しました。美しい歌声と映像です。このMVが公開された日と、私が木下さんの追悼文集を頂いた日が同じ8月10日だったのは、偶然ではないような気がします。

最近、ふだんの日常生活の中でふと思い出すような、心に残るひとたちとの別れを経験しました。木下さん、そして○○さん、○○先生、むこう岸でお元気ですか?

Masacoさんの歌を聴きながら、今日はしばし、静かに時を過ごしたいと思います。

(2023-08-13 記)


feed むこう岸 (2023/8/13 13:08:50)

2023年8月10日、無線仲間である JG1BVX田渕さん から、一冊の本を頂きました。

JA8CCL 木下重博さん。エレクトロデザイン株式会社社長。2021年5月9日、不慮の事故で急逝されたことを田渕さんから聞いたときの衝撃を、私は忘れることができません。

木下さんと初めてお会いしたのは、2015年2月、JA1YSW武蔵野クラブの技術講習会でご講演を拝聴したときでした。バーチカルアンテナに用いる「カウンターポイズ」は大地との容量結合によってアースの代用になるという定説を信じていた私にとって、カウンターポイズに用いられる導線の抵抗は大地よりも格段に小さいのだから、アースの代用というよりは、エレメントから出た高周波の戻り道となっていると考えた方が適切ではないか、という木下さんのご説明は目からウロコでした。バーチカルアンテナを巡る高周波の流れが目に見えたような気がしました。

すぐに木下さんのご著書を購入し熟読。うちのHFアンテナは、まもなくエレクトロデザイン社から購入したCG3000とロングワイヤーを組み合わせたものになりました。

木下重博ほか「アンテナ・チューナー活用入門」58頁より

次に木下さんにお会いしたのは、おそらく2018年のハムフェアだったと思います。1枚の写真が残っています。木下さんらしい穏やかなお顔をされています。私がなんだか妙な顔をしているのは、リラックスしているからでしょう。木下さんは人をリラックスさせるような懐の深い方でした。

左から田渕さん、木下さん、私。

その間、木下さんのお仕事を、すこしだけ本業でお手伝いする機会がありました。とても名誉なことでした。

最後にお会いしたのは、2019年12月のTIARA (7J1YAA)の年末パーティでした。抽選で当たったアンテナ用の釣竿が、木下さんの形見になってしまいました。

Attended the Xmas party of TIARA, 7J1YAA. Luckily, I won a lottery and was given a 6-meter antenna pole. Thank you, Kinoshita-san, for his kind offer. I am happy to use it on field operation! https://t.co/yVtaAo3t18 pic.twitter.com/uAHL2ZJcxc

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) December 8, 2019

昨晩、いただいた追悼文集を拝読して、アマチュア無線家としての木下さんだけでなく、音楽やオーディオにも造詣が深い方であったこと、医療・産業用計測器などに関する技術者であったこと、何よりご家族に深く愛された方であったことを知りました。

そして今朝、公開されたばかりのMasacoさんの追悼歌「むこう岸」のMVに接しました。美しい歌声と映像です。このMVが公開された日と、私が木下さんの追悼文集を頂いた日が同じ8月10日だったのは、偶然ではないような気がします。

最近、ふだんの日常生活の中でふと思い出すような、心に残るひとたちとの別れを経験しました。木下さん、そして○○さん、○○先生、むこう岸でお元気ですか?

Masacoさんの歌を聴きながら、今日はしばし、静かに時を過ごしたいと思います。

(2023-08-13 記)


feed JARLの「参与」を拝命 (2023/8/5 10:44:05)

2023年7月29日(土)に開催されたJARLの第68回理事会(臨時)において、「参与」に任命されました。謹んでお受け致しました。改めて、無線趣味の世界が少しでもよくなるよう微力を尽くす決意を新たにしております。

参与とは、「会長の命を受けて、専門的な業務及びこれに係る総合調整に参与する」役職です( JARL定款 第30条)。森田会長からは、主に法律に関する業務(電波法、一般社団法人法など)について、会長及び理事会を補佐するように命ぜられました。

2023年6月25日、アマチュア無線家を「敵」と「味方」に分け、分断を引き起こしてきた前会長が執行部から去り、JA5SUD森田耕司会長のもと、JARL執行部の新たな体制が作られました。

2023年7月29日に開催された第68回理事会の報告 を拝見し、トップが代わると組織はここまで大きく変わるのかと感銘を受けております。


私は参与を拝命しました。

QSLカード配送遅延について協議
若者活動支援として
 ボーイスカウト連盟との関係継続強化
 CQ誌による「体験運用の日」を後援
YOTA第3地域キャンプ(タイ)への参加者を補助

ラジオ番組中止
ハムフェア実行委員会委員長を @Jg1Dkj 澤田氏に委嘱

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 4, 2023


会計帳簿閲覧請求訴訟への控訴は取下げ
ハムフェア実行委員会第3回会合の内容も詳細に記載

年間計画では次の理事会は9月だが、時間が空きすぎるとの森田会長の意向で臨時理事会を開催。そして徹底した情報公開。

会長が代わると組織はこうも変わるかと感銘を受ける。

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL参与・社員2期目) (@7K1BIB) August 4, 2023

JARLがかかわる法律業務はとても多く、私ひとりではできることも限られます。その意味で、法務委員会の創設が否決されてしまったのはとても残念でした。

ですが、「体験運用推進・ニューカマー支援委員会」が新設 、電子QSL委員会」を廃止し「QSL問題対策委員会」に改組、「100周年記念事業WG」が新設されたことは、JARLにとって大きな前進だと思います。また、若い方の活動を支援する姿勢も明確に打ち出されました。

会計帳簿閲覧請求訴訟に対し前会長が行った控訴は、新会長により取り下げられました。すでに7年分の会計帳簿・領収書が開示されており、社員有志と共に分析をすすめているところです。

(2023-08-05 記)

2023年8月8日、「委嘱書」をいただきました(事務局の手間もかかっていると思います。将来的には、こういう紙は廃止してもよいのではと思いました。)。精一杯職務を果たしたいと思います。

(2023-08-08 以上追記)


feed JARLの「参与」を拝命 (2023/8/5 10:44:05)

2023年7月29日(土)に開催されたJARLの第68回理事会(臨時)において、「参与」に任命されました。謹んでお受け致しました。改めて、無線趣味の世界が少しでもよくなるよう微力を尽くす決意を新たにしております。

参与とは、「会長の命を受けて、専門的な業務及びこれに係る総合調整に参与する」役職です( JARL定款 第30条)。森田会長からは、主に法律に関する業務(電波法、一般社団法人法など)について、会長及び理事会を補佐するように命ぜられました。

2023年6月25日、アマチュア無線家を「敵」と「味方」に分け、分断を引き起こしてきた前会長が執行部から去り、JA5SUD森田耕司会長のもと、JARL執行部の新たな体制が作られました。

2023年7月29日に開催された第68回理事会の報告 を拝見し、トップが代わると組織はここまで大きく変わるのかと感銘を受けております。


私は参与を拝命しました。

QSLカード配送遅延について協議
若者活動支援として
 ボーイスカウト連盟との関係継続強化
 CQ誌による「体験運用の日」を後援
YOTA第3地域キャンプ(タイ)への参加者を補助

ラジオ番組中止
ハムフェア実行委員会委員長を @Jg1Dkj 澤田氏に委嘱

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL社員2期目) (@7K1BIB) August 4, 2023


会計帳簿閲覧請求訴訟への控訴は取下げ
ハムフェア実行委員会第3回会合の内容も詳細に記載

年間計画では次の理事会は9月だが、時間が空きすぎるとの森田会長の意向で臨時理事会を開催。そして徹底した情報公開。

会長が代わると組織はこうも変わるかと感銘を受ける。

— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL社員2期目) (@7K1BIB) August 4, 2023

JARLがかかわる法律業務はとても多く、私ひとりではできることも限られます。その意味で、法務委員会の創設が否決されてしまったのはとても残念でした。

ですが、「体験運用推進・ニューカマー支援委員会」が新設 、電子QSL委員会」を廃止し「QSL問題対策委員会」に改組、「100周年記念事業WG」が新設されたことは、JARLにとって大きな前進だと思います。また、若い方の活動を支援する姿勢も明確に打ち出されました。

会計帳簿閲覧請求訴訟に対し前会長が行った控訴は、新会長により取り下げられました。すでに7年分の会計帳簿・領収書が開示されており、社員有志と共に分析をすすめているところです。

(2023-08-05 記)


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